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ペニンシュラキッチンの特徴とは?メリットやおしゃれな実例、失敗しない選び方


この人に聞きました神谷三理砂

一級建築士 住まいや暮らしをもっと楽しく快適に!アイデアや情報をお届けする建築ライター。建築業界で意匠設計を担当し、アメリカではジュエリー制作やグラフィックデザインなどを学びました。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛け、現在は執筆中心に活動しています。

開放的な空間づくりができるペニンシュラキッチンは、レイアウトの制約が少なくて限られたスペースでも取り入れやすい人気のスタイルです。この記事では、ペニンシュラキッチンの特徴やメリット、失敗しない選び方、おしゃれなリフォーム実例をご紹介します。

ペニンシュラキッチンとは?

ペニンシュラキッチンとは本体の片側を壁につけて配置するキッチンで、半島(ペニンシュラ)のように見えるデザインが特徴です。ここでは、ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンの違いや、ペニンシュラキッチンの2種類のタイプについてご紹介します。

また、ペニンシュラキッチンの選び方やメリット・デメリット、費用も当記事で解説していきます。キッチン選びに悩む方は、こちらの記事の実例も参考にチェックしましょう。

ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンの違いとは

ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンは、どちらも開放感に溢れたデザインの対面式キッチンです。前面に壁や吊戸棚を設けない点が共通していますが、2つの特徴的な違いはレイアウトです。キッチンの選び方に迷う方は、どのようなレイアウトにしたいか考えてみましょう。

ペニンシュラキッチンは片方が壁に接しているのに対して、アイランドキッチンは壁から離れて島(アイランド)のように独立している特徴があります。

画像のようなアイランドキッチンはキッチンまわりを回遊でき、スペースもあるため数人で作業できますが、壁に接している部分がないため設置するには十分な広さが必要です。また、まわりに汚れが飛び散りやすいというデメリットもあります。

一方、ペニンシュラキッチンは片側が壁に接しているため、アイランドキッチンと比較すると狭いスペースに対応しやすい特徴があります。また、費用もアイランドキッチンより抑えられる点もメリットです。

オープンタイプ・セミオープンタイプの2種類から選べる

オープンタイプ

セミオープンタイプ

ペニンシュラキッチンはフルフラットなカウンタートップが特徴ですが、セミオープンタイプにもアレンジできます。手元が隠れるよう腰壁を立ち上げたり一部に吊戸棚を設置したりすると、雑多になりがちなカウンターが直接見えなくなり、片付けられないときでもあまり目立ちません。

ペニンシュラキッチンの特徴的な開放感は多少減りますが、設置スペースや収納量との兼ね合いによって、セミオープンタイプも選択肢の一つとして検討してみるのも良いでしょう。


ペニンシュラキッチンのメリット

ここからは、開放的な雰囲気に溢れたおしゃれなペニンシュラキッチンのメリットや特徴についてご紹介します。どのキッチンが良いか選び方に迷っている場合は、ぜひ参考にしてみてみましょう。

開放的な空間が生まれる

ペニンシュラキッチンは壁付きタイプのキッチンとは違い、明るく開放的な雰囲気が特徴です。ダイニングやリビングと一体化して広々とした空間づくりができます。

住まいのリフォームをする際は、ペニンシュラキッチンを取り入れてLDKを計画するというキッチンの選び方も良いでしょう。壁で仕切られた閉鎖的なキッチンから解放されて、ゆったりと快適に使えるキッチン空間を実現できますよ。

家族とコミュニケーションがとりやすい

オープンタイプのペニンシュラキッチンは、閉鎖的なレイアウトのキッチンとは異なり、ダイニングやリビングと対面しています。そのため、作業しながら家族とコミュニケーションがとりやすくなりますよ。

キッチンの選び方として、子どもや高齢者、ペットなどの様子をキッチンから見守りたいという方にもおすすめです。

また、リビングやダイニング側からもキッチンの様子がよく見えるため、子どもが料理に興味を持ちやすくなり、配膳や片付けなどのお手伝いをしてもらいやすくなるでしょう。

自由度の高いレイアウトが可能

ペニンシュラキッチンとはレイアウトの制約が少なく、どのような広さの住まいでも比較的取り入れやすいタイプのキッチンです。

同じ対面式のアイランドキッチンは本体の両側に通路を設けるため、設置スペースに広さが必要となりデメリットだと感じる場合もあるでしょう。しかし、ペニンシュラキッチンはキッチンの片側のみ壁に接するため幅が狭いスペースでも配置しやすく、レイアウトの自由度も高いのが特徴です。

配膳しやすく食事の後片付けがスムーズになる

ペニンシュラキッチンは、壁のないオープンなデザインとカウンターがフルフラットという特徴があるため、ダイニングとの距離が近くなります。

そのため、キッチンの裏側に回らなくてもダイニング側から料理を取れるようになり、配膳や後片付けがスムーズに行えます。キッチンのリフォームで選び方に迷っている際は、家事の負担を減らせるように作業動線を考えて計画しましょう。

L型を採用すると家事動線を短くできる

L型キッチンとは、英語のLのような形が特徴のキッチンです。コンロとシンクが横に並んでいる一般的なペニンシュラキッチンとは違い、L型タイプはコンロとシンクが直角になっています。コンロとシンクの距離が近いため、必然的に家事動線が短くなるのです。

L型キッチンの一辺を壁につけて、もう一辺をダイニング側に面するようにレイアウトすると、オープンな雰囲気がありながらも家事動線の短い対面式キッチンに仕上がります。


ペニンシュラキッチンのデメリット

メリットの多いペニンシュラキッチンにも、いくつかデメリットがあります。キッチンの選び方で失敗しないよう、デメリットをしっかりと押さえておく必要がありますよ。ここからご紹介するペニンシュラキッチンのデメリットも参考に、自分に合ったキッチンタイプを見つけましょう。

カウンタートップが丸見えになる

開放的なつくりが特徴的なペニンシュラキッチンですが、ダイニングやリビングから手元が丸見えになるオープンタイプならではのデメリットがあります。

仕事や家事、育児などで毎日忙しいと、キッチンを常に片付けておくのは難しいものです。散らかっているカウンタートップを直接見せたくない場合には、キッチンに立ち上がりを設けるか、パーテーションなどを使って隠す対策をしましょう。

ダイニングやリビングから見えづらくなるように工夫することで、突然の来客でも慌てることがなくなりますよ。

収納不足になりやすい

ぺニンシュラキッチンは上部に吊戸棚を設置しない特徴があるため、一般的なキッチンと比較すると収納が少ないというデメリットがあります。

キッチンとは、選び方を間違えると購入後に収納不足で悩まされる場所の一つです。リフォームなどでペニンシュラキッチンを選ぶ際は、あらかじめ収納量を確認し、ワークトップの下や食器棚なども上手く活用するような収納計画を立てましょう。

このように計画を立てることも、キッチンの選び方において大切です。

油はねや水はねで汚れやすい

対面式のペニンシュラキッチンは油や水はねをカバーするものがないため、調理中にリビング側へ汚れが飛びやすいというデメリットがあります。

リビングの床を汚さないようにするためには、オイルガード(ガラスパネル)やキッチン用のパーテーションなどで対策をしましょう。透明なガラスパネルであれば、設置してもペニンシュラキッチンの開放感は損なわれないため安心です。

また、オイルガードがあることで油はねを防げて衛生面も向上するため、設置するメリットは大きいでしょう。費用も高くないので、ペニンシュラキッチンにしたい方は参考にしてみてください。

リビングにニオイや煙が広がる

壁に囲まれたタイプのキッチンとは違い、ペニンシュラキッチンには空間を遮るものがないため、調理中のニオイや煙などが周囲に広がりやすいデメリットがあります。

リフォームでレンジフードを選ぶ際には、吸い込みの強いタイプを選ぶことが大切です。換気をより効率的に行いたい場合は、ペニンシュラキッチンを窓などの開口部近くに設置すると良いでしょう。


ペニンシュラキッチンの失敗しない選び方

ここでは、最適なペニンシュラキッチンを見つけるために、失敗しない選び方をご紹介します。先述にあるデメリットもしっかり理解したうえで、キッチンの選び方も学びましょう。

設置場所のスペースを確認する

一つ目のポイントは、設置場所のスペースを確認してから、そこに合うサイズのものを見つけることです。

ペニンシュラキッチンは、ダイニング側の床に汚れが飛び散ることを防ぐため、奥行きが約70~100cmと一般的なキッチンよりも大きめにデザインされている特徴があります。

そのため、ペニンシュラキッチンの幅だけではなく、奥行きの寸法も確認してから設置場所と照らし合わせることが大切です。また、リフォームでキッチンの奥に大型冷蔵庫を入れる場合は、その分の通路幅を確保して計画を立てましょう。

コンセントの位置や個数を確認する

二つ目のポイントは、コンセントの位置や個数の確認です。キッチンでは多くの電化製品を使うため、あらかじめ使用する位置や個数を想定して計画しておくと安心です。

現状のコンセントが使いにくい場合や、コンセントの数が足りないという問題があれば、リフォームする際に位置の変更や増設を施工業者に相談してみると良いでしょう。

収納量を確認する

三つ目のポイントは、収納の多さです。壁に面して設置する壁付けキッチンや、壁や吊戸棚で仕切られているクローズドキッチンとは違い、ぺニンシュラキッチンは開放感に溢れた雰囲気が特徴です。

しかし、吊戸棚を設置しないため、収納スペースが減ってしまうデメリットがあります。

ペニンシュラキッチンを選ぶ場合は収納量を確認し、調理器具や調味料、食器といった収納するアイテムをあらかじめ想定しておくことが大切です。必要に応じて、別途キャビネットや収納棚を追加するなどの検討もしましょう。

予算を決めておく

四つ目のポイントは、リフォームにかかる費用を決めておくことです。ペニンシュラキッチンは、大きさやグレード、メーカーなどにより価格に大きな差があります。

また、魅力的なオプションが多数あるため、理想を追ってあれこれ付けてしまうと、あっという間に費用が跳ね上がってしまいます。自分好みのキッチンにしたい場合でも、費用をしっかりと考えながらオプションを選びましょう。

ペニンシュラキッチンの場所を移動しないリフォームの場合、費用は約60~200万円とみておきましょう。また、壁付けタイプからペニンシュラキッチンに変更するようなリフォームでは、床や壁の張り替え、配管工事などが必要で、50~100万円ほどの費用が追加でかかります。

ペニンシュラキッチンを選ぶ際は、希望の機能や素材などに優先順位をつけて、あらかじめ余裕をもって予算を決めることが大切です。


ペニンシュラキッチンのおしゃれな施工実例

ここからは、ペニンシュラキッチンのおしゃれなリフォーム実例をご紹介します。施工費用も実例と共にご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【実例1】吊戸棚を撤去してオープンタイプのペニンシュラキッチンにリフォーム、303万円

before

after

施工会社:みずらぼ

実例URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_kitchen/220210715risyeruar

一つ目の実例は、吊戸棚が設置されていた一般的なタイプのキッチンです。経年で扉の表面が剥がれ、古びた印象がありました。

リフォーム後の実例写真では、吊戸棚を取り払ってペニンシュラキッチンにリフォームされていますね。ペニンシュラキッチンの収納の少ないデメリットを補うために、大容量のフラットスライドクローゼットを採用しています。

キッチンの上に溢れていたものを全て片付けられるようになり、気持ちよく生活できそうです。

【実例2】中古物件のキッチンをホテルライクに劇的リフォーム

before

after

施工会社:ナサホーム

実例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_kitchen/20210906to-yok

二つ目の実例は、購入した都心の中古物件のキッチンを理想のスタイルしたものです。上記の実例写真では、吊戸棚や壁で閉鎖的なイメージのキッチンですが、ここから憧れのペニンシュラキッチンを導入してリフォームしています。

閉鎖的だったキッチンを開放的なペニンシュラキッチンにリフォームされ、リビングを見渡せるようになりました。周囲の壁はモザイクタイルで飾り、ペニンシュラキッチンを主役にした空間づくりで、まるで高級ホテルのような雰囲気が漂います。

ペニンシュラキッチンのデメリットとなる収納不足は、大容量のカップボードを設置することで解決。色をキッチンに合わせておしゃれな空間に生まれ変わった実例です。

【実例3】クローズドタイプキッチンをペニンシュラキッチンにリフォーム

施工会社: r-cove*home by N-Basic

実例URL:https://n-basic.com/

三つ目の実例は、クローズドタイプキッチンの壁を取り払って、ペニンシュラキッチンにリフォームしたものです。多くのお客様を招けるように、カウンターの広さが特徴的なキッチンを選びました。

作った料理をカウンターに並べられるようになり、配膳や片付けもスムーズになりました。お客様をもてなしやすい開放的なキッチンに仕上がっていますね。

理想のペニンシュラキッチンを手に入れて開放的なLDKに

ペニンシュラキッチンはさまざまな間取りに対応しやすく、開放感のあるLDKをつくれる点が魅力です。作業しながら家族とのコミュニケーションがとれるのも大きなメリットでしょう。

今回ご紹介したメリットや費用などを参考に、理想のペニンシュラキッチンを見つけて、おしゃれで広々としたLDKを実現させましょう。 


※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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