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和室を洋室にリフォームする際の注意ポイントは?工事部分ごとの費用や事例をご紹介


この人に聞きましたHarmony Life

英国認定(ARB)建築士 インテリア、建築、都市デザインを学びながら現地企業で10年修行し、培った主婦目線のきめ細やかな提案を心がけています。自身のYouTubeチャンネル 「London Harmony Life」では、古い佇まいのある建物やアンティークマーケット、英国のガーデンショー、手作りで楽しむ暮らしといったワクワクする情報を配信中。

畳の感触やいぐさの香りに癒される和室。しかし、家族の高齢化やライフスタイルの多様化により、和室を洋室にリフォームしたいというご要望が増えています。この記事では、和室を洋室にリフォームする際の注意点や、各工事ごとの費用相場、事例までを分かりやすく解説します。

目次

和室から洋室にリフォームできるの?

和室から洋室へのリフォームは、見た目だけでなく空間の使い方が大きく変わります。「本当にリフォームできるの?」と悩む方も多いですが、和室を洋室にリフォームすることは可能です。この記事では、リフォームのメリットや費用の相場、事例などを紹介していきます。

和室を洋室にフルリフォームした事例も紹介しますので、自宅をリフォームしたいと考えている方はぜひ参考にしてみましょう。


和室を洋室にリフォームするメリット

掃除やお手入れが楽

和室といえば床は畳ですが、その場合傷みや汚れは避けられません。畳の裏表を入れ替えるなどメンテナンスも必要になります。

しかし、洋室のフローリングは掃除機での掃除や雑巾がけで十分綺麗になり、飲み物をこぼしてもシミが残りません。汚れたり傷ついたりした際のメンテナンスが簡単であれば、家事の時間短縮にもつながりますね。

介護や車イス使用に適している

在宅介護を視野に入れている場合は、和室より洋室の方が適しています。布団よりもベットから起き上がる方が介護も楽になるため、介護用のレンタルベットを借りるケースがほとんどです。

また、畳にベッドは脚部分が沈んでしまうため、洋室のフローリングが適しています。車椅子を使う場合でもフローリングならスムーズに室内移動ができますよ。

インテリアの選択肢が広がる

和室から洋室へと生活が変わると、部屋のインテリアテイストも変わります。和室では合わなかったインテリアも、洋室であればデザインの選択肢が広がって自分好みのインテリアを配置できます。模様変えに対応できることも洋室のメリットですよ。

収納スペースを確保しやすい

和室の押入れは奥行が深いことが多く、布団や季節外れの物を収納するスペースになりがちです。あまり見直されずに何年も同じ物が収納されていることもありますよね。

そこで、押入れをクローゼットにリフォームすると、普段の衣類がすぐに把握できて出し入れも簡単です。また、クローゼットは奥行が浅くても高さを生かせば十分な収納スペースが確保できるため、衣類の収納もしっかりできます。


和室を洋室にリフォームするデメリット

和室の畳は、洋室のフローリングに比べて床の断熱性や防音性が高いのが特徴です。そのため、畳の上でくつろいだり客室に使用したりと、フレキシブルに使えます。ここからは居心地の良い和室の畳から洋室にリフォームするデメリットを紹介していきます。

和室から洋室へとリフォームを考えている方は、洋室のデメリットもしっかりと理解したうえで検討しましょう。

足元から冷える

和室の畳に比べると、洋室のフローリングは足ざわりが冷たいため冬場は特に冷えを感じます。そのため、靴下やスリッパを用意したり、ホットカーペットなどの暖房器具を用意したりと対策が必要です。

洋室は生活音が響きやすい

洋室のフローリングは、表面が固くて衝撃音を吸収しにくいです。そのため、子どもの飛び跳ねる音や歩く音などが伝わりやすいでしょう。アパートやマンションなど集合住宅の場合は、階下の部屋に音が伝わりやすいので迷惑にならないよう注意が必要です。


和室を洋室にリフォームする費用の相場

ここからは、和室を洋室にリフォームする際の費用を紹介していきます。以下の表にある工事部分の費用相場を参考に、リフォームをする方は検討してみましょう。また、次の項目では費用や注意点を詳しく解説していきますので、こちらの表と併せてチェックしていきましょう。

部位別の費用相場

和室→洋室リフォームの部位別項目

費用の相場(6~8畳)

工期

畳をフローリングにリフォーム

13~24万円

1~3日

壁や天井を壁紙クロスにリフォーム

10~22万円

2~3日

ふすまを引き戸やドアにリフォーム

3~15万円

2~3日

押し入れをクローゼットやウォークインクローゼットにリフォーム

15~50万円

3~7日

和室全体を洋室にリフォーム

50~100万円

5~7日

畳をフローリングにリフォームする際の費用の相場と注意点

和室の畳を洋室のフローリングに変えるだけでも、部屋の印象は大きく変わります。しかし、もう少し費用を抑えたい場合は、クッションフロアやフローリングマットで洋室の雰囲気を出すと良いでしょう。

畳をフローリングにリフォーム(6畳・13~24万円・工期1~3日)

和室の畳の厚さは40~50mmですが、洋室のフローリングは12mm程度の厚みしかありません。そのため、隣の部屋との段差をなくすための下地工事が必要となります。その際下地に断熱材や遮音マットを仕込むことにより、フローリングの弱点である冷えや防音対策が可能です。

費用の相場が13~24万円と幅広いのは、一戸建てかマンションか、断熱材の有無、フローリングが無垢材か複合材かなどの組み合わせによって変わるためです。

マンションは管理規約があるため、防音仕様のフローリングもしくは防音マットを使う必要があります。そのため、一戸建てより費用が割高になるのです。和室から洋室への費用相場をまとめた以下の表も参考にしてみてください。

戸建て

断熱材

フローリング種類

費用の相場(6畳)

×

複合材

13~16万円

×

無垢材

14~17万円

複合材

14.5~17万円

無垢材

15~19万円

マンション

断熱材

遮音マット

フローリング種類

費用の相場(6畳)

×

×

遮音機能付き複合材

18~20万円

×

無垢材

18.5~22万円

×

遮音機能付き複合材

19~22万円

無垢材

19.5~24万円

マンションならフローリングの遮音等級に注意

マンションの管理規約の中で、「L45」や「L40」などの記載があることをご存じでしょうか。これは「L等級」といって、マンションの上階で発生した衝撃音が、階下にどの程度聞こえるかの基準値として設けられています。数字が小さいほど遮音性能が高いことを意味します。

そのため、リフォームをする際はこの遮音性能を検討したうえで工事を行うことが必須です。床の高さを調整する和室から洋室へのリフォームは、以下どちらの方法も可能です。工事の方法をしっかりとおさえてリフォームを検討しましょう。

①遮音性能を有する下地(遮音マット)を使う

遮音マット側で遮音性能を満たすため、フローリングのデザインの選択肢が広がります。無垢材でも複合材でも自由に選べる点が特徴です。

②遮音性能を有するフローリングを使う

フローリングのデザインは限られますが、コンクリートスパンに直貼りができます。そのため、床の高さに余裕がない場合には便利な工法です。

畳をクッションフロアにリフォーム(6畳・11~14万円・工期1~3日)

一般のクッションフロアは2mm程度の厚みで、遮音性能のついているものも4.5mmと薄い傾向にあります。そのため、フローリングと同じように下地工事が必要です。

価格はフローリングと比べても材料代の違い程度です。マンションでは管理規約の遮音等級(L45・L40など)に達するよう、遮音性能のあるクッションフロアを選びましょう。

畳の上にフローリングカーペットを敷く(6畳・5万円前後・工期1日)

賃貸マンションの方や「数年後には和室に戻したい…」と原状復帰を視野に入れている方は、フローリングカーペットがおすすめです。和室の畳の上に敷くだけで、安価に洋室の雰囲気を手に入れられますよ。

しかし、フローリングカーペットと畳との間が蒸れやすいため、ダニやカビが発生しないように注意して湿気対策をしっかりと行いましょう。防虫・防湿シートをフローリングカーペットと畳との間に設置して対策することをおすすめします。


壁や天井を壁紙クロスにリフォームする際の費用の相場と注意点

一戸建ての和室は真壁工法といって、柱や鴨居が見える造りとなっています。それらを残したまま壁のみにクロスを貼る方法や、大壁工法といって洋室の壁に造り替える方法もあります。ここからは、それぞれの費用の相場と注意点を解説していきます。

既存の真壁(砂壁)の上にクロスを貼る(6畳・10~18万円・工期2~3日)

既存の和室が劣化の少ない砂壁の場合、その上に壁紙を貼ることもできます。既存砂壁を専用接着剤で固め、処理をしたうえで壁紙を貼ります。下地の処理をしっかりと行うことで、美しく壁紙を仕上げることが可能です。

DIYの工事を検討される方もいますが、砂壁の凹凸をなくす処理はハードルが高く、おすすめとはいえません。検討する際は、リフォーム会社や専門の職人さんへ相談してみましょう。

真壁から大壁にリフォーム(6畳・10~22万円・工期2~3日))

一戸建ての和室は伝統的な真壁であるため、石膏ボードや耐火ボードを貼るなどして壁の厚みを調整する作業が必要です。和室の既存壁の内側に壁を作るので、洋室にリフォームした時に若干狭くなることに注意しましょう。

もう一つの注意ポイントとしては、洋室となった壁と床の取り合いには巾木、壁と天井との取り合いには廻り縁を入れるので、周りに調和する色を選ぶことです。一般的にはフローリングの色に合わせますが、西洋風に壁や天井と同じ白にするとおしゃれな洋室になります。

窓装飾は障子を外してカーテンにする場合、窓の上にカーテンレールが取り付けられるように下地を入れておきましょう。

床とセットの工事だと割引になる場合もある

和室の壁リフォームを検討する場合は、床とセットでのリフォームもおすすめです。床とセットで工事すると、割引してくれるリフォーム会社もありますよ。

床だけの工事や壁だけの工事は、工事をしない部分に養生が発生します。しかし、両方まとめての工事は業者側も作業しやすくなります。床と壁のセットの工期は10日前後となるため把握しておきましょう。

ふすまを引き戸やドアにリフォームする際の費用の相場と注意点

ふすまから引き戸にリフォーム(3~10万円・工期2~3日)

和室のふすまから引き戸へのリフォームは、建具本体と敷居の交換のみで完了するため簡易的な雰囲気の変更や利便性の確保におすすめです。

また、ドアに比べて通気性が高く、介護の場合は戸を少し開けておくことで家族間の気配も感じられます。しかし、冬場は隙間風が入りやすいので、少し寒くなることも注意しておきましょう。

襖からドアにリフォーム(8~15万円・工期2~3日)

開き戸へのリフォームは、建具本体と建具枠の交換や隣接する部屋と廊下の段差を埋める工事も必要になるため費用がかさみます。

また、襖が2枚のものを1枚のドアにする場合、壁を作る必要があるためさらに費用がかさんでしまいます。この場合、壁の工事とドアの工事をまとめた方が効率が良くなります。


和室の押し入れをクローゼットにリフォームする際の費用の相場と注意点

和室から洋室へのリフォームでは「布団を処分してベッドにするため、押入れの中をさらに使いやすくしたい!」ということもあるのではないでしょうか。このような場合には、押れをクローゼットにリフォームすることがおすすめです。

和室の押入れをクローゼットにリフォーム(15~25万円・工期3~5日)

押入れの床は和室の床と違い、下地が入っておらずべニヤ板のみを貼ってあるケースが多くなっています。布団の収納であれば問題がなかった床も、クローゼットとして重い収納ケースなどを入れる場合は、きちんと下地や補強材を入れてもらいましょう。

また、ドアは手前に開く折れ戸が使い勝手が良くておすすめです。

両側から使える収納も可能

和室の押入れの奥行きは90cmと深いのが特徴です。そのため、押入れの奥の壁が廊下や隣の部屋と面している場合は、部屋側には奥行60cmのクローゼット、廊下や隣の部屋側から使える奥行30cmの収納棚をつくることも可能です。

こちらは造作工事になるため、費用や工期はリフォーム会社によって変動します。

押入れをウォークインクローゼットにリフォーム(~50万円・工期3~7日)

和室の押入れの奥行をさらに拡張し、ウォークインクローゼットにリフォームする方も増えています。2間続きの和室を洋室にリフォームする場合や、空間に余裕があるときに人気のリフォームです。

壁の解体と新規の壁が必要になるため、費用は50万円程度をみておきましょう。

断熱材を入れて結露防止対策をしっかり行う

北側に位置する和室の押入れは湿気がこもりやすいため、結露が発生している場合があります。このような場合は、壁や床に断熱材を入れて結露防止対策も行いながら、洋室をつくっていきましょう。


和室全体を洋室にリフォームする際の費用の相場と注意点

和室全体を洋室にリフォーム(50~100万円・工期5~7日)

和室全体を洋室にリフォームする場合、床・壁や天井のクロス張替え、建具や収納など、全てのリフォームを行います。

費用の相場が50~100万円と幅広いのは、先に述べたように床の断熱材の有無、フローリング材の種類や遮音等級、壁クロス、ドア、クローゼットなどそれぞれの材料によって価格が変動するためです。

一戸建ての場合は真壁ですが、マンションでは既に大壁になっている場合が多いため、マンションの6畳和室を洋室にリフォームする費用の相場は50~60万円で収まるケースが多い傾向にあります。

そこで、現地調査の時にリフォーム会社に大体の概算と工期を確認しておきましょう。また、全ての工事をまとめた方が効率が良くて工期も短縮できます。

ここからは、実際にリフォームを行なった事例と共に解説していきます。

【事例1】 一戸建て、和室を洋室に全面リフォーム、約880万円

before

after

施工会社:株式会社アートリフォーム

URL:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=18

こちらの事例は、LDKの隣にあった2間続きの真壁和室を大壁洋室にしています。LDKとの境壁を取り払って、大空間のLDKを実現させている成功事例ですね。

2階の真壁和室も洋室にリフォームされて、見違えるほどの洋風住宅に生まれ変わっただけでなくクローゼットの設置で洋室の利便性をしっかり確保しています。

【事例2】賃貸マンション、和室を洋室に全面リフォーム、496万円

before

after

施工会社:株式会社アートリフォーム

URL : https://www.artreform.com/example/detail.php?id=245

こちらの事例も、フルリフォームされたものです。賃貸物件のため、どのような世代の方でも住みやすくて親しみを感じてもらえる内装というご希望から、2間続きの和室も全て洋室に全面リフォームをされた成功事例です。

もともと和室だった1部屋はリビングに取り込み、もう1部屋は引き戸で仕切りプライバシーを確保しています。ウォークインクローゼットの新設で収納量も大幅にアップと、どのような世代にも好まれる素敵な洋風空間になっていますね。

和室をうまくリフォームしてあなた好みの洋室に

今回は和室を洋室にリフォームする際のポイントを、工事部分ごとに解説しました。事例で紹介したように、和室から洋室へのリフォームで見違えるような空間に生まれ変わります。

当記事で紹介した費用相場や注意点、事例などを参考に、あなた好みの洋室リフォームを検討してみてください。また、悩んだ際はリフォームの専門家が揃っているショールームに訪れることがおすすめです。

経験豊富なプロの視点であなたのリフォームプランをサポートしてくれます。ぜひ一度相談してみてください! 


※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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