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和室の畳からフローリングにリフォーム!張り替えの費用相場や広さ別の事例をご紹介


この人に聞きました神谷三理砂

一級建築士 住まいや暮らしをもっと楽しく快適に!アイデアや情報をお届けする建築ライター。建築業界で意匠設計を担当し、アメリカではジュエリー制作やグラフィックデザインなどを学びました。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛け、現在は執筆中心に活動しています。

ライフスタイルの変化に伴い、今ある和室の畳をリフォームでフローリングに張り替えるケースが増えています。そこで今回は、和室の畳をフローリングにリフォームする際の注意点や費用相場、リフォーム事例などをご紹介!リフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

和室の畳はフローリングに変更できるの?

和室の畳は、張り替えリフォームでフローリングに変更できます。「6畳の和室がライフスタイルに合わない…」「畳が古くなったから替えたい」という方は、部屋を一新するちょうど良いタイミングですのでリフォーム会社への依頼も検討してみましょう。

3畳から6畳程度の比較的小さな和室でも、床材を変えるだけで部屋のイメージを大きく変えられます。そこで当記事では、畳をフローリングに変えるリフォームについて解説していきますので依頼する業者や費用相場をおさえて見積もりし、フローリングの床への変更を検討してみましょう。


畳をフローリングにリフォームするメリット

マンションや戸建て住宅のリフォーム工事の中でも、畳をフローリングに変更するリフォームはメリットが多くて人気です。ここでは、どのような面でフローリングは暮らしのプラスになるのか、メリットについてご紹介します。

ダニが発生しづらくなる

畳の目には埃や汚れが入り込むため、これらを餌とするダニが繁殖しやすくなります。一方、フローリングは汚れを拭き取るか掃除機をかければ簡単にゴミが取れる床材です。

そのため、床をフローリングにしてきちんと掃除をすると、ダニの発生を防げて部屋を清潔に保てますよ。

メンテナンスが楽になる

い草の畳は、水分に弱くて定期的に表替えが必要です。一方、フローリングは汚れの拭き取りや掃除機をかけるだけで綺麗になるため、掃除の手間がかかりません。また、複合フローリング(合板を積み重ねて表面に天然木の薄板や化粧シートを貼り合わせたもの)であれば、ほとんどお手入れいらずなことが嬉しいポイントです。

ただし、無垢フローリングはオイルを塗るなどの定期的なメンテナンスが必要です。さらに、無垢フローリングは水染みができやすく、水分を含むと膨張してしまう恐れもあります。そのため、水をこぼしたらできるだけ早く拭き取るようにしましょう。

家具を自由にレイアウトできる

畳の上に重たい家具を置いたり長期間同じ場所に家具を置いたりすると、表面が凹んで見栄えが悪くなります。一方、フローリングは畳よりも跡が付きにくいため、重たい家具を配置しても床の凹みは気になりにくいのが特徴です。

ただし、無垢フローリングは材質によって家具の重みで凹んでしまう場合があるため注意しましょう。

バリアフリー化できる

将来、在宅介護や車椅子が必要になった場合、畳の部屋では生活に不便が生じてしまいます。介護ベッドを置くことで畳が凹んでしまったり、床と畳の段差が車椅子にとって障害になったりするためです。

そのため、いざというときに備えたい場合は畳をフローリングに張り替えて床の段差をなくし、ベッドを置ける状態にしておくと安心です。事前に床をバリアフリー化しておくことで、長く住み続けられる住まいになります。

畳をフローリングにリフォームするデメリット

マンションや戸建住宅の畳をフローリングに変更するリフォームは人気がありますが、いくつかデメリットもあります。そこでここからは、畳をフローリングにリフォームする際のデメリットをご紹介!

「マンションの床をリフォームしたら生活に支障がでた…」と後悔しないよう、リフォームを依頼する前にマイナス面もチェックしておきましょう。

複合(合板)フローリングは足元が冷えやすくなる

畳は空気を多く含んでいるため断熱性が高く、冬は部屋を暖かく保つ効果があります。しかし、複合フローリングの場合は空気層がないため断熱効果が低く、床を張り替えることで足元が冷たく感じることもあるでしょう。

そのため、床を複合フローリングにする際は断熱材や床暖房などを導入して寒さ対策をしましょう。

防音性が低下して生活音が気になってしまう

厚みとクッション性のある畳は、音や衝撃を吸収する効果があります。しかし、フローリングは畳よりも厚みがないうえに硬いため、足音や椅子をひく音などの生活音が響きやすくなってしまうのです。

そのため、床の防音対策として「床材の下に防音材を入れる」「遮音性能の高いフローリングを選ぶ」といった方法をとりましょう。

特に、マンションの場合は音が響かないように、フローリング材の遮音等級(遮音性能)を定めているところも多くあります。リフォーム工事をする際は事前に管理規約を確認しておきましょう。


和室の畳からフローリングにリフォームする方法

和室の畳からフローリングに変更する方法は、主に2通りあります。どちらの方法がよいか事前におさえ、見栄えや耐久性、予算に応じてリフォーム方法を選びましょう。

畳の上にフローリングカーペットを敷く

「できるだけ簡単にリフォームしたい」「費用を抑えたい」という方は、DIYで畳の上からフローリングカーペット(ウッドカーペット)を敷く方法がおすすめです。

フローリングカーペットは、一般的なカーペットのように敷くだけでフローリングにリフォームできるアイテムです。さまざまな商品が展開されていて、希望の大きさをオーダーできるものや、自分で好きな大きさにカットするDIYタイプなどがあります。

畳を剥がしてフローリング材に張り替える

リフォーム会社に依頼して既存の畳を剥がし、フローリングに張り替える方法は手間がかかります。しかし、畳の上にフローリング材を敷くよりも耐久性に優れ、美しい床に仕上がって満足度も高くなりますよ。

また、工事期間は部屋の大きさや状態によって前後しますが、1~2日程度みておきましょう。

畳からフローリングへの張り替えと追加工事の費用相場

畳をフローリングに変更するリフォーム工事は、どれくらい費用がかかるのか気になりますよね。あらかじめ、費用相場を目安に予算を検討したい方も多いでしょう。

ここからは、畳からフローリングに張り替える際の費用相場をご紹介します。また、押し入れや壁などを追加でリフォームする際の工事費用もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

畳をフローリングに張り替える費用相場

畳からフローリングへの張り替えは、部屋の広さやフローリングの材質、一戸建、マンションなどによって価格が変わります。ここでは、4.5畳・6畳・8畳の和室の畳をリフォームした際の費用をご紹介します。

また、複合フローリングや無垢フローリングによっても費用は変わるので、費用相場を目安に予算を検討したい場合はチェックしておきましょう。

複合フローリングのリフォーム費用相場

4.5畳:9~14万円前後

6畳:11~17万円前後

8畳:14~22万円前後

無垢フローリングのリフォーム費用相場

4.5畳:12~16万円前後

6畳:15~20万円前後

8畳:18~30万円前

※工事費用には、フローリング材・畳の撤去・下地木工事・諸経費などが含まれています。

複合フローリングには、主に2~4mm程度の薄い無垢の板を、合板の表面に貼り合わせた挽き板、さらに薄い0.3~0.5mm程度の無垢の板を使用した突き板、木目調のプリントを施したシート張りがあります。無垢フローリングと同じような見た目や質感の挽き板の価格が最も高くなり、耐傷性や遮音性といった機能を備えているタイプも値段が高めです。

一方、無垢材の場合は樹種によって価格が大きく変わり、一般的に杉やパインは比較的安く、チーク・タモ(アッシュ)・ブラックウォールナットは高めです。、また、節(枝の一部が丸い模様として表れている)や辺材(木の外側に近い部分)の入り具合が少ないほど高額になります。

また、住まいの状況によっては防音対策が必要になったり断熱材を入れたりと、追加費用が発生する場合もあります。そのため、リフォームを依頼して工事する際は、ある程度余裕をもって予算を検討しておくと安心でしょう。

和室の畳をフローリングに変更して押し入れがそのまま残っていると、全体のバランスが崩れて違和感が生じてしまうこともあります。

そのため、畳のリフォーム工事を依頼する際は、押し入れをクローゼットに作り変えるかの検討も必要です。その際、追加でかかる工事費用として10~20万円程度みておきましょう。

畳の処分費用相場

畳からフローリングに張り替える際は、フローリング材や施工費以外に畳の撤去や処分費用がかかります。処分費用は依頼する業者によって異なり、あらかじめ見積もりに含んでいる場合と見積もりとは別途で費用がかかる場合があります。

そのため、業者にリフォーム工事を依頼する際は、事前に撤去費用が見積もりに含まれているのか確認しましょう。また、見積もりに記載されていない場合は、別途費用がかかるのか聞いておくと安心です。


畳をフローリングに張り替える際の注意点

畳をフローリングに張り替える際は、費用相場や見積もり以外にもいくつか注意しておきたいポイントがあります。ここからご紹介する注意点を参考に、リフォーム工事を依頼しようと検討している方は事前に確認しておきましょう。

押し入れや壁のリフォームもあわせて検討する

押し入れは収納量が多いですが、奥行きがあるため使いにくいものです。また、部屋が純和風や和モダンであれば押し入れの襖や砂壁をそのまま使い続けても違和感はありませんが、洋風のインテリアの場合はバランスが悪く見えてしまうでしょう。

押し入れをクローゼットにする場合の費用相場

和室の畳をフローリングに変更して押し入れがそのまま残っていると、全体のバランスが崩れて違和感が生じてしまうこともあります。そのため、フローリングを導入する際は、押し入れをクローゼットに変更するのか壁のデザインをどうするのかなど、あらかじめ計画を立てましょう。

畳のリフォーム工事を依頼する際は、押し入れをクローゼットに作り変えるかの検討も必要です。その際、追加でかかる工事費用として10~20万円程度みておきましょう。

砂壁の上から壁紙を貼る場合の費用相場

フローリングの雰囲気に合わせて、砂壁をクロスに変更するケースも多くあります。その際のリフォーム費用相場は、6~8畳で10~20万円程度です。

ただし、既存の和室の状態が悪くて施工に手間がかかったり、壁紙のグレードが高くなったりするとリフォーム費用は上がります。そのため、費用相場よりも少し高く予算を検討しておくと、リフォーム会社に依頼する際も安心でしょう。

防音対策をする

フローリングは畳よりも音や振動が伝わりやすい素材です。特に、マンションのような集合住宅では遮音性に配慮したフローリング材を選ぶなどの防音対策が必要ですよ。

また、多くのマンションでは管理規約によってフローリングの遮音性能が定められています。無垢フローリングのように遮音性能の低い素材の場合は、工事の段階で防音材を入れるなどして規定をクリアできるように対策しましょう。

冷え対策をする

複合フローリングは畳のように内部に空気を含まないため、張り替えたことによって冬に寒さを感じる場合があります。特に、戸建ての1階や断熱性能が低い家、寒冷地の場合は、畳からフローリングにリフォームするタイミングで断熱材を入れたり床暖房にしたりと対策をとりましょう。

また、寒さ対策としてホットカーペットを使用する際は、材質によって床が変色・変形する場合もあります。そのため、必ずホットカーペットに対応しているフローリング材を選ぶようにしましょう。無垢材は割れや反りを生じやすいため、ホットカーペットを直接敷くことはNGです。

マンションの和室の畳をフローリングにリフォームした事例

築年数が古いマンションの和室でも、床材を畳からフローリングにすることでおしゃれな空間づくりが可能です。そこでここからは、畳からフローリングに張り替えたマンションのリフォーム事例をご紹介します。

実例を参考に見積もりを出したい方や、どこの業者に依頼したらよいか悩んでいる方はこちらの事例をチェックしてみてください。

【事例1】4畳の和室をおしゃれな寝室に

Before

After

施工会社:アートリフォーム

実例URL:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=258

こちらは、マンションのリビングに面した4畳の和室を寝室にリフォームした実例です。このように、リビングの一角に寝室を設けるリフォームはライフスタイルの多様化で人気が高まっています。

床材は、グラデーションが美しいフローリングを採用し、押し入れは撤去してクローゼットに。ベッドヘッド側には、アクセントとして落ち着きのあるグレー系のクロスを採用しています。

また、可動式の扉とウッドブラインドで空間を仕切れるようにしているため、普段は全開にして開放的に、急な来客時にはすぐに閉められて臨機応変に空間をアレンジできますよ。

【事例2】築19年のマンションの和室を開放的なセカンドリビングに

Before

After

施工会社:ナサホーム

実例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_private/20180209slivingt

こちらは、マンションの和室の畳を印象的なフローリングに張り替えた実例です。襖を取り払って、リビングダイニングの隣に開放的なセカンドリビングをつくっています。

空間がひと続きになっているリビングダイニングとはフローリングの趣を変えて、幅が広めで人気の高いヴィンテージ感のあるタイプをセレクトしています。マンションなので、下階に音が伝わりにくい防音床材を使用し、防音性も安心です。

【事例3】6畳の和室をなくして対面キッチンのあるLDKに

Before

After

施工会社:アートリフォーム

実例URL:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=105

こちらは、6畳の和室を取り払いLDKにリフォームした事例です。将来を見据えて、床は段差のないフローリングを採用。白をベースにしたシンプルな内装が、個性的なアールの天井とフローリングの木目を美しく引き立たせています。

LDを拡張し、以前は個室だったキッチンをオープンにしたため、空間が広々と心地よくなりました。料理しながら家族とコミュニケーションがとりやすくなって、毎日の暮らしが一層楽しくなりますね。

和室の畳をフローリングに変えて暮らしやすく!

今回は、和室の畳をフローリングに張り替えるリフォームについてご紹介しました。依頼する業者によってリフォームの費用は前後するので、リフォームを考えている方は当記事を参考に見積もりを立ててみましょう。

また、和室の畳をフローリングにすると部屋の雰囲気が大きく変わり、今のライフスタイルに合うおしゃれな空間になります。「畳が古くなった」「使いにくい」と感じたら、ぜひ和室の床をフローリングにリフォームして暮らしやすい住まいにアップグレードしましょう。 


 

 

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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