押し入れを改造してクローゼット化!リフォーム例や気になる費用相場をご紹介


この人に聞きました神谷三理砂

一級建築士 住まいや暮らしをもっと楽しく快適に!アイデアや情報をお届けする建築ライター。建築業界で意匠設計を担当し、アメリカではジュエリー制作やグラフィックデザインなどを学びました。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛け、現在は執筆中心に活動しています。

「押し入れが収納しづらくて困る」「押し入れはライフスタイルに合わない」というように、押し入れの悩みを抱えていませんか?そこで当記事では、押し入れをおしゃれなクローゼットにリフォームする実例や費用相場、注意点などを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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押し入れを改造してクローゼット化するメリット

ライフスタイルが変化して和室での生活が減ったことで、奥行きの深い押し入れを使いにくいと感じる人も多くなってきたのではないでしょうか。上段と下段に分かれていて活用頻度の低い押し入れは、解体して使いやすくリフォームし、有効活用したいものですよね。

そこで当記事では、どのようにしたら押し入れをクローゼットに改造できるのかを解説します。上段と下段の仕切りがある押し入れをクローゼットにリフォームするメリットも紹介しますので、参考にしてみましょう。

押し入れはクローゼット化できるの?

押し入れは、上段と下段の仕切りや天袋を解体して内部をデザインし直し、追加で扉を取り付けることでクローゼット化できます。解体してリフォームすることで、今のライフスタイルに合う使いやすい収納スペースの追加が可能です。

クローゼットは扉の種類や材質、内部の棚板のレイアウトなどによって、さまざまなデザインが考えられます。そのため、あらかじめ収納するものを想定して計画することが、理想のクローゼットを完成させるポイントです。

押し入れをクローゼット化するメリットとは?

押し入れは和室向けにつくられているため、布団を上段か下段に収納しやすいサイズとなっています。そのため、奥行きが80~90cmと深く、仕切りは中棚や天袋で上段と下段に大きく分けられているのみです。収納に奥行きがあり過ぎると、奥に収納した物を取り出しにくいですよね。使わない荷物で押し入れの内部が溢れてしまい、「押し入れの上段から荷物がなだれ落ちてきた…」というケースも多いでしょう。は、

このように、スペースが大きく分かれているだけで、洋服を掛けるハンガーパイプや細かい仕切り、棚板などが取り付けられていない押し入れは整理しづらく、現代のライフスタイルに合わなくなってしまいました。

そこで、押し入れを解体して内部にハンガーパイプや棚を取り付けるリフォーム工事を行うと、使えるエリアが広くなって前後に洋服を掛けられるようになります。追加で照明を設置すればクローゼットの奥まで見渡せるようになるので、より使いやすくなるでしょう

 

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押し入れをクローゼット化する方法①内部の改造

押し入れの中棚を撤去する

押し入れには、通常空間を仕切るための中棚と天袋が設置されています。押し入れを解体せずに内部をそのまま活用して、上段にハンガーパイプを追加で取り付けることも可能です。

しかし、コートやワンピースといった長さのある服は、裾が中棚に当たってしまいます。長さのある服を掛けたい方は、中棚があることを不便に感じてしまうでしょう。

ですので、押し入れの中棚を解体することで、縦方向に広くスペースができてクローゼットのように使いやすくなるのが大きなメリットです。また、中棚の撤去後に収納するものに合わせて追加で棚板を設置すると、より使い勝手の良いクローゼットが完成します。

ハンガーパイプの設置

押し入れの中段・天袋を解体してオープンな空間をつくり、ハンガーパイプを設置すると洋服が掛けられるようになります。ハンガーパイプの設置位置は、使う人の身長や掛ける洋服の高さ、収納する物によって大きく変わります。

たとえば、シャツを掛けて下の空いたスペースに衣装ケースを置きたい、という場合もありますよね。その際は、手が届きやすい高さでありながら、洋服をかけても裾が衣装ケースに当たらない高さを考える必要があります。また、押し入れの奥行きを利用して、前後に1本ずつハンガーパイプを設置すると、収納力がアップします。

あらかじめハンガーパイプに何を掛けるのか、洋服以外に何を収納するのかを考えて計画すると、使いやすいクローゼットになりますよ。

板の追加

押し入れに棚板を設置すると、物を整理できて収納しやすくなります。その際、ハンガーパイプとの兼ね合いを考えて、どのくらいの広さを棚として使用するか考えましょう。

棚板の設置方法には、固定式と可動式があります。可動式の棚にすれば収納する物に合わせて収納スペースの高さを臨機応変に変えられるため、ライフスタイルが変わっても長く使い続けやすいでしょう。

押し入れは、ベニヤ板で囲われているだけで強度が足りないことが多いため、ハンガーパイプや棚板を設置する際には、追加で下地に補強工事が必要になります。リフォームする際は工事業者に押し入れの状態を確認してもらい、しっかり補強対策をとるようにしましょう。

 

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押し入れをクローゼット化する方法②扉の変更

押し入れのエリアをクローゼット化する際は襖を扉に変更する場合が多く、既存の鴨居や敷居、縦枠を撤去して、新たにクローゼット用の枠やレールなどを取り付けてから扉を設置します。

扉は開き方によって「折れ戸」「引き戸」「開き戸」の3種類から選べて、それぞれ使い勝手や特徴に違いがあります。一つずつ解説していきますので、自分に合う扉を選んでくださいね。

折れ戸

クローゼットの扉の中でも、最も一般的に使われているのが折れ戸です。アコーディオンのように折りたたんで開閉するタイプで、扉をほぼフルオープンできます。そのため、クローゼットエリアの内部を見渡しやすく、収納全体を活用しやすいことがメリットです。

しかし、折りたたむときに扉が居室側へ出っ張ってしまうので、クローゼットの前には荷物を置けません。そのため、十分なスペースのない部屋の場合は、折れ戸を取り付けることで使いにくいと感じる場合があるでしょう。

また、他の扉と比較すると構造が複雑なため、故障しやすいというデメリットもあります。

引き戸

引き戸は、押し入れと同じように扉を左右に引いて使用するタイプです。扉を開閉する際に扉が出っ張ることはありません。扉の前後のスペースもあり、扉の前に荷物を置きたい場合や限られたスペースの部屋でも使いやすいのがメリットです。

しかし、扉が前後に動く引き戸を取り付けた場合、押し入れと同じようにフルオープンにはなりません。そのため、内部を全体的に見渡せない点はデメリットでしょう。

開き戸

開き戸は、一般的なドアのように扉を手前に引いて開けるタイプです。開き戸をクローゼットに設置するとフルオープンになるため内部を見渡しやすいですが、扉を開閉するための広いスペースが必要となります。

そのため、開き戸の設置を検討する際は部屋の広さに適しているかどうかを考えましょう。

カーテン

クローゼットに扉を取り付けるのではなく、カーテンレールを取り付けてカーテンを設置する方法もあります。簡易的に、突っ張り棒を利用することも可能です。

カーテンにするとクローゼットをフルオープンにできて開閉も楽なので、収納を有効活用しやすくなりますよ。また、幅の広いアイテムも収納しやすいので、好きな色や柄のファブリックを使ってデザインできます。

押し入れをクローゼット化する方法③押し入れエリアのサイズを変更する

押し入れの奥行きは深く、上段や下段に布団を畳んで収納できるように約80~90cmあります。そのため、物を前後に並べて収納すると奥側や上段をうまく活用できなくなり、デッドスペースが生まれてしまうのです。

せっかくある収納スペースを有効活用するには、押し入れの上段・下段を解体して奥行きの狭いクローゼットにデザインし直すという方法があります。この方法であれば、収納量が多少減っても内部にデッドスペースが生まれないため、活用度の高い便利な収納が作れますよ。

また、押し入れを解体してスペースを拡張し、ウォークインクローゼットにする方法もあります。この場合は、床や壁の補強工事を行い、必要に応じて断熱材を入れて、壁紙を貼って内装を仕上げます。内部のレイアウトやデザインはウォークインクローゼットの広さによりますが、オーダーでハンガーパイプの設置位置や据え付け棚のサイズなどを指定してつくる方法もあれば、市販のユニット棚を活用する方法もあります。

大容量の収納スペースを設置すると、家電やスーツケースなど季節アイテムを一か所にまとめられて管理しやすくなり、活用範囲がグッと広がるでしょう。

 

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押し入れをクローゼット化する際の費用相場と3つの注意点

ここからは、押し入れの上段・下段を解体してクローゼット化する際の費用相場と、注意点について解説します。

押し入れをクローゼット化するリフォームの費用相場

一般的な襖2枚分の押し入れのリフォーム工事の費用相場は、おおよそ11~20万円です。以下の表はリフォーム工事費の具体的な内訳となっていますので、参考にしてみましょう。

中段の解体

約1万5千~2万円

棚板・ハンガーパイプの設置

約1万5千~2万円

クローゼットの壁・床の補強

約1~2万円

壁にクロスを貼る

約2万5千~4万5千円

扉本体・取り付け工事

約6~10万円

壁や床の補強・張替え

約1~4万円

廃棄物の処分などの諸経費

約2万円

リフォーム費用は、クローゼットの扉の素材や種類、設置する棚の数、壁面クロスの有無、グレードによって異なります。また、デザインや工事内容、追加のオプションなどによっても大きく変わってくるため注意が必要です。

押し入れをウォークインクローゼットに拡張したり、内部に造作家具を追加で取り付けたりする方法では、リフォーム規模が大きくなるため20~50万円程度を考えておきましょう。

クローゼット化の注意点1:扉選び

クローゼットの扉は、物の取り出しやすさや使い勝手に大きく影響します。部屋の状況や広さなども考慮して、引き戸・折れ戸・開き戸の中から最適なものを選びましょう。見た目のデザインだけでなく、それぞれのクローゼット扉の特徴を活かして使用できるものを選ぶことが大切です。

クローゼット化の注意点2:押し入れの壁や床の構造を確認する

押し入れのリフォームは、家の状況によって追加で補強工事が必要になることがあります。特に、築年数が古い家の場合は、押し入れの内部に薄いベニヤ板が取り付けられているだけで、重量に耐えられないケースもあるためです。

そのままの状態では壁面や床に棚などを設置できないため、クローゼットを設置する際は床の構造を確認して必要な補強を追加しましょう。

クローゼット化の注意点3:結露対策する

押し入れは内部に湿気がたまりやすくカビが発生することも多いスペースです。特に、外壁に接している押し入れの場合は結露が生じやすいため、断熱材を入れて対策をしましょう。

壁面に調湿機能のあるクロスを貼る方法も、結露対策に効果があります。クローゼットの内部に空気が通るように、ルーバータイプの扉を追加で取り付けるのも一つのアイデアです。長く活用できるクローゼットを完成させるために、必要な対策をとっておきましょう。

押入れをクローゼット化するリフォーム工事の実例

ここからは、押し入れの上段・下段を解体してクローゼット化するリフォーム工事の実例を紹介します。ご自宅の押し入れをリフォームする際はデザインのヒントにして、活用できるクローゼットづくりを実現してくださいね。

【実例1】クローゼットの内部を可愛くデザイン

Before

After

株式会社:ナサホーム

実例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_private/accentcloth_kawaiicloset.html

こちらは、お子さんの小学校入学に合わせて和室を子ども部屋にリフォーム工事した実例です。押し入れを一旦解体して、内部に間仕切り壁、中棚、枕棚を新調。

子どもの成長や使い勝手に合わせて、高さを調節できるように可動棚も追加で設置しました。中棚があるので、上段や下段に荷物を分けられますね。

クローゼットの扉は、部屋の扉と色や質感を合わせてデザインしています。追加で壁面にはお子さんが自分で選んだ花柄の壁紙を貼り、女の子らしい可愛いクローゼットが完成。お気に入りのクローゼットに仕上がって大満足しているそうです。

【実例2】ルーバータイプの扉を取り付けた和モダンなデザイン

Before

After

株式会社:アートリフォーム

実例URL:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=27&c4=9&photokey=1

こちらは、和室を洋室へデザイン変更して和モダンなスペースにリフォーム工事した事例です。和の雰囲気を保ちながらもスタイリッシュなデザインにするため、既存の押し入れと床の間には新しく扉を設置してクローゼット化しました。扉はルーバータイプを取り付けて通気性にも配慮しています。

こちらの実例のように、押し入れを解体せずにクローゼット扉を取り付けるだけでも、空間の雰囲気を高めることが可能です。飾り棚の桟やオープン棚の棚板も色を合わせて、全体的に統一感と落ち着きのある素敵な空間に仕上がりました。

押し入れをクローゼット化して暮らしをより快適に!

押し入れは、ライフスタイルに合わないと上手く活用できず、デッドスペースになってしまいます。しかし、クローゼットにリフォームする方法を取り入れることで、収納を有効活用できますよ。

押し入れを解体してクローゼットにすると、住まいをスッキリと片付けやすくなるうえに、部屋をおしゃれにイメージアップすることも可能です。デッドスペースになっている部分がある場合は、クローゼットにリフォームして暮らしを快適にしましょう!

 

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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