二階建てを平屋にリフォームするメリットデメリット【費用や注意点も公開】

この人に聞きました菊地重信

一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」

年齢を重ね、階段の上り下りが負担になったり、使わない部屋が増えたりすると「もっとコンパクトに暮らしたい」と考え、二階建てから平屋へのリフォームを検討する人もいるでしょう。

平屋にすれば、生活動線が短くなって家事が楽になり、段差の少ない安全な住まいに変わります。また、冷暖房効率が上がることで光熱費を抑えられ、固定資産税やメンテナンス費用も減らせます。

一方で、日当たりやプライバシー、防犯などの課題もあるため、事前に注意点を理解しておくことが大切です。

この記事では、平屋リフォームのメリット・デメリット、費用の目安、工事の流れ、利用できる補助金までを建築の専門家がわかりやすく解説します。

二階建てを平屋にリフォームするメリット

二階建てを平屋にリフォームすると、暮らしやすさ・安全性・経済性の面で以下のような多くの利点があります。年齢を重ねても安心して住み続けられる家づくりが可能になります。

  • ライフステージに合わせた家にできる
  • 階段の昇り降りがなく楽で転落リスクが無い
  • 冷暖房効率が上がる
  • 地震への不安が減る
  • 固定資産税やメンテナンス費用が減る

ライフステージに合わせた家にできる

家族の成長や生活スタイルの変化に合わせて、家の形を変えることは自然な考え方です。若い頃は子ども部屋や収納を確保するために二階建てが便利ですが、子どもが独立すると空き部屋が増えてしまいます。掃除や管理の負担も大きくなり、階段の上り下りが体に負担をかける場合もあります。

平屋にリフォームすれば、生活の中心が一階にまとまり家事動線が短くなります。キッチン・浴室・寝室・リビングが同じフロアにあるため、移動が楽になり体力を使わずに快適に過ごせるでしょう。特に高齢になったとき、階段を使わずに生活できることは大きな安心材料です。

また、平屋はバリアフリー設計にしやすく、手すりや段差のない床を取り入れることで将来の介護にも対応できます。家族構成の変化や年齢に合わせて、住みやすさを維持できる点が平屋へのリフォームの魅力です。

階段の昇り降りがなく楽で転落リスクが無い

二階建てでは、毎日階段を上り下りする必要があります。若いときは苦にならなくても、年を重ねるにつれて足腰に負担がかかりやすくなるでしょう。階段での転倒事故は家庭内で多く発生しており、骨折やけがにつながる危険性もあります。

平屋にすれば、生活空間がすべて一階に集まるため、階段を使うことがありません。毎日の移動がスムーズになり、家の中での安全性が高まります。特に夜間にトイレへ行くときや体調が悪いときなども、階段がないことで安心して移動できます。

子どもやペットがいる家庭でも安心です。階段からの転落事故を防げるだけでなく、掃除や荷物の運搬もずっと楽になります。体への負担を減らし、家族全員が安心して暮らせる環境をつくることができるのです。

冷暖房効率が上がる

二階建てでは、上下の温度差が大きくなりやすい特徴があります。暖かい空気は上に上がり冷たい空気は下にたまるため、冬は二階が暖かく一階が寒くなりがちです。夏は逆に二階が暑くなり、冷房効率が下がります。

平屋の場合、家全体の空気が均一に循環しやすく冷暖房が効きやすい構造です。二階につながる吹き抜けや階段部分がないため、空調が効く範囲の天井高が抑えられ、エアコンの効きが良くなり光熱費の節約にもつながります。

断熱性能の高い建材を使用すれば、さらに快適な室内環境を保つことができます。天井裏や壁の断熱を見直すと、夏も冬もより過ごしやすい家になります。冷暖房の効率化は省エネ効果にも直結し、環境にも家計にもやさしい選択です。

地震への不安が減る

日本は地震が多い国であり、建物の高さが低いほど揺れに強い傾向があります。二階建ては上階が重いため、地震の際に建物全体が大きく揺れやすく、構造への負担も増します。

平屋にすると建物の重心が低くなるため、地震の揺れを受けにくくなります。屋根や柱への負担も小さく、倒壊のリスクを抑えられるのが特徴です。特に築年数が古い家では、構造体の劣化や基礎の弱さが不安材料になりますが、平屋へのリフォームで安心感が大きく高まります。

耐震補強や制震装置を同時に導入することで、より安全な住まいにできます。構造的な安定性を重視したい人や、地震に不安を感じている人にとって、平屋へのリフォームは現実的で効果的な対策です。

固定資産税やメンテナンス費用が減る

二階建てから平屋にリフォームすると、建物の延べ床面積が小さくなります。建物の評価額は床面積に比例して計算されるため、減築によって固定資産税が下がる可能性があります。税額が軽くなるため、長期的な金銭的負担を減らすことができるでしょう。

外壁や屋根の面積も減るため、定期的なメンテナンスにかかる費用も抑えられます。外壁塗装や屋根の防水工事などは、面積が広いほど費用が高くなる傾向があります。平屋では高所の工事が減るため、安全に作業できるうえ、足場の設置費用も削減可能です。

こうした点から、将来的な維持費や修繕費を考えると、平屋化は経済的にも有利です。老後の安心と経済性を両立できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

JR神戸駅前のHDC神戸には二階建てを平屋にリフォームしたい場合に相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。平屋へのリフォームで後悔したくないとお考えの方は、実際にかかるメンテナンス費用の比較や固定資産税の概算などの話を聞くと、長期的なコストメリットがどの程度の金額か想像できるのでおすすめです。

二階建てを平屋にリフォームするデメリット

 

平屋にすることで暮らしが快適になる一方、生活音や日当たり、プライバシーなどに注意が必要です。設計段階で工夫を加えれば、多くの課題は改善できます。

  • 生活音が気になる場合も
  • 日当たりが悪くなる可能性
  • 周辺環境により眺望が悪くなる
  • プライバシーが保ちにくい
  • セキュリティ面に不安がある
  • 床上浸水の場合に逃げ場がない

生活音が気になる場合も

平屋ではすべての部屋が同じフロアにあるため、家族の生活音が伝わりやすくなります。二階建ての場合は、寝室を上階に分けることで音が分散しますが、平屋では壁の仕切りやドアを閉めても音が届きやすい構造になります。

リビングでテレビを見ていると、その音が寝室や子ども部屋に伝わる場合があります。夜に一人だけ起きているときや、勉強・在宅ワークなど集中したい時間に気になる人もいるでしょう。

防音対策としては間取りの工夫が有効です。寝室とリビングの間に収納スペースを設けると音が遮られやすくなります。天井や壁の中に吸音材を入れたり、防音ドアを採用したりするのも効果的です。

床材を柔らかい素材にすることで足音や衝撃音を軽減できます。設計時に音の伝わり方を意識して配置すれば、静かな環境をつくることが可能です。

日当たりが悪くなる可能性あり

平屋にすると建物の高さが低くなるため、周囲の建物や塀、樹木の影響を受けやすくなります。特に隣家が近い地域では、太陽の光が入りにくくなるかもしれません。二階建てのときに二階の部屋が明るかったとしても、平屋では同じような日当たりを確保できない場合があるのです。

この問題を解決するためには、窓の位置や大きさを工夫することが大切です。南側に大きな窓を設ける、天窓(トップライト)をつける、リビングを中庭に面するように配置するなど、光を取り込む設計が効果的です。

屋根の形を片流れにして高い側に窓を設ける方法もあります。こうした工夫を加えると、日当たりの問題を最小限にできます。太陽の光が入る明るい家は、健康にも心にも良い影響を与えるため、設計段階で十分に検討することが大切です。

周辺環境により眺望が悪くなる

二階建てでは上階の窓から遠くの景色を見渡せますが、平屋にすると目線が低くなるため、外の眺めが限られます。特に住宅密集地では、隣家の壁やフェンスが視界に入り、開放感が減る可能性があります。

眺望の問題は、設計の工夫で改善することも可能です。中庭や吹き抜けを設けると、外の視線を気にせずに開放的な空間を確保できます。外の景色が見えにくくても、庭に植栽や花壇をつくれば、視覚的な広がりを感じられるでしょう。

窓の位置を高めに設けたり、視線が抜ける方向にガラス壁を配置したりすると、圧迫感を軽減できます。眺望が悪くなることはデメリットの一つですが、設計によって「外を見せる家」から「内を楽しむ家」へと発想を変えることができるのも平屋の魅力です。

プライバシーが保ちにくい

平屋はすべての部屋が地面に近い位置にあるため、外から室内が見えやすくなります。特に道路に面した窓や庭側の掃き出し窓は、通行人や近隣住民の視線が気になるかもしれません。

プライバシーを確保するには、外構計画をしっかり考えることが重要です。フェンスや植栽を使ったり、格子状のルーバーや高さのある生け垣を使ったりすれば、圧迫感を与えずに視線をカットできます。

窓の高さを変えたり、すりガラスやブラインドを活用したりすることで、外からの視線を防ぎながら採光を確保できます。間取りの段階で、リビングや寝室の位置を道路から離すなど、配置を工夫することも大切です。

外からの視線を意識したデザインを行うと、平屋でも落ち着いた生活空間を実現できます。

セキュリティ面に不安がある

平屋はすべての窓や出入口が地面に近いため、侵入されるリスクが高いと感じる人もいます。二階がある家に比べて、外から出入りできる開口部が1階に集中していることが理由です。

防犯対策としては、窓ガラスを強化する方法があります。防犯合わせガラスやシャッター付きサッシを採用すれば、破られにくくなります。人の気配を感知して点灯するセンサーライトや、防犯カメラを設置することも効果的です。

フェンスや門扉の配置を工夫し、敷地内に死角をつくらないことも重要です。植栽を選ぶ際も、茂りすぎる樹木は視界を遮り、かえって侵入しやすくしてしまう危険性があります。

セキュリティ対策を丁寧に行えば、平屋でも安心して暮らせます。設計段階から防犯を意識することが、住まいの安心感につながるでしょう。

床上浸水の場合に逃げ場がない

平屋はすべての部屋が一階にあるため、大雨や台風による浸水時に避難場所が確保しにくいという問題があります。二階があれば一時的に上階へ避難できますが、平屋では建物内に安全な高所がありません。

このリスクを軽減するためには、まず敷地の高さや排水計画を見直すことが大切です。地盤が低い土地では、盛土や基礎を高くすることで床上浸水リスクを減らせます。排水ポンプを設置したり、宅地内に雨水貯留槽を設けたりして浸水リスクを減らす方法もあります。

過去に浸水被害があった地域では特に注意が必要です。防水性の高い建材を採用したり、外壁や開口部を強化したりすることで、被害を最小限に抑えられます。

事前の備えをしっかり行うことで、平屋でも安全な暮らしを守ることが可能です。

平屋にリフォームする費用相場

二階建てを平屋にリフォームする費用は、建物の構造・面積・工法によって大きく変わります。解体や補強工事が必要になるため、一般的なリフォームよりも高額になりやすい傾向があります。

一般的な費用相場

二階建てを平屋にリフォームする場合、一般的な費用相場は1,000万円〜2,000万円前後です。これは、上階部分の解体費用と、一階部分の補修・補強費用を合わせた金額になります。

木造住宅で延べ床面積が30坪前後の場合、二階部分の解体に300万円〜500万円程度、一階部分の仕上げ・断熱・屋根工事などで700万円〜1,000万円ほどかかります。屋根を新しく架け替える必要があるため、新築に近い工事規模となることが多いです。

耐震補強や断熱性能の向上を同時に行うと、さらに費用が上がります。一方で、この機会に家全体の性能を高めれば、光熱費の節約や将来的な修繕費の削減にもつながります。

単に二階を壊すだけでなく、「平屋として快適に暮らせるように再設計する」点を意識することが大切です。コストだけでなく、長期的な住みやすさを考えることが成功のポイントです。

減築と建て替えの費用を比較

項目 減築リフォーム(平屋化) 建て替え
費用相場 1,000万円〜2,000万円前後 1,800万円〜3,000万円程度

二階を減築して平屋にする場合と、建て替えを行う場合では、費用構成が大きく異なります。

減築リフォームでは、建物の一部を残すため基礎や配管を再利用できますが、解体や補修が複雑になるため工事単価はやや高めです。一方で建て替えはすべて新しくするため、構造の自由度が高く、最新の耐震基準にも対応しやすいという利点があります。

費用の目安としては、減築リフォームが1,000万円〜2,000万円前後、建て替えは1,800万円〜3,000万円程度が一般的です。

建て替えは見た目や性能を一新できますが、仮住まいの期間が長くなり、廃材処分費用や登記手続きも増えます。一方、減築リフォームは工期が短く、固定資産税の評価額を抑えられるメリットもあります。

どちらを選ぶかは、建物の老朽度と今後のライフプランを総合的に考えることが大切です。

減築と建て替えの工期を比較

項目 減築リフォーム(平屋化) 建て替え
工期の目安 約3か月〜6か月 約6か月〜1年
仮住まい期間 短め(1か月〜3か月程度) ※住みながら工事が可能な場合も 長め(3か月〜6か月以上) ※完全に退去が必要
工期延長のリスク 予想外の劣化・補修箇所が見つかると遅延する可能性あり 天候・資材遅延・設計変更などで長期化する可能性あり

費用だけでなく、工期の違いも重要な検討ポイントです。

減築リフォームは建物の一部を活かすため、3か月〜6か月程度が一般的です。二階部分の解体、屋根の再構築、内装や外装の補修を行う工程が含まれます。構造を一部残すため、全解体よりも早く完成するケースが多いです。

一方、建て替えの場合は、6か月〜1年程度かかります。既存建物の全解体、地盤調査、基礎工事から始まり、住宅の新築と同じ工程を踏むためです。工期が長くなる分、仮住まい費用や引っ越し費用などの間接コストも増えます。

減築のほうが短期間で済むという点は魅力ですが、構造体を再利用するため、工事中に予想外の劣化や補修箇所が見つかるかもしれません。その際は追加費用や工期の延長が発生する可能性があります。

信頼できる施工会社に事前の調査を依頼し、スケジュールと費用の見通しをしっかり立てることが重要です。

減税制度や補助金が利用できる可能性も

平屋へのリフォームでも、条件を満たせば補助金や減税制度を利用できる場合があります。

耐震改修を同時に行う場合は「住宅・建築物安全ストック形成事業」や「自治体の耐震改修補助金」などが対象です。要件や補助額は地域によって異なりますが、数十万円から100万円前後の支援が受けられるケースもあります。

省エネ性能を高めるリフォームを行う場合は、「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」といった国の制度を利用できる場合があります。断熱性能の向上や高効率設備の導入が条件です。

バリアフリー改修を行う場合は、所得税の控除や固定資産税の減額措置が受けられる可能性もあります。

これらの制度は年度ごとに内容が変わるため、リフォームを検討する際は自治体や施工業者に最新情報を確認することが大切です。適用できれば、実質的な負担を大幅に減らせます。

JR神戸駅前のHDC神戸には、平屋へのリフォームについて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。現在の家屋の状況や理想の暮らし方に応じた提案を受けながら、それぞれの会社が提案するリフォームプランを検討できます。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、平屋へのリフォーム検討時に浴室や洗面所といった水回り設備の一新を検討してみるのも、暮らしやすい家がイメージできるのでおすすめです。

二階建てを平屋にリフォームする場合の注意点

平屋へのリフォームは、見た目を変えるだけでなく構造を大きく変える工事です。安全性や法的手続き、プライバシー、防犯への配慮をしっかり行うことが成功の鍵になります。

建築確認申請が必要

二階建てを平屋にするリフォームでは、建築基準法に基づく「建築確認申請」が必要になるケースがあります。

単なる内装の変更であれば不要ですが、屋根や柱など構造体に影響を与える工事を大部分で行う場合は、法律で申請が義務づけられています

たとえば、二階部分を解体して屋根を新しく架け替えると、構造計算をやり直す必要があります。建物の強度や安全性を保つためには、設計図面をもとに役所へ届け出る手続きが欠かせません。

減築を行うことで建ぺい率や容積率の扱いが変わる場合もあります。以前の建物が古い基準で建てられている場合、現行法に合わせて修正しなければならないケースも考えられます。

申請を怠ると、完了検査が通らなかったり、将来の売却時にトラブルになったりする恐れがあります。リフォーム会社と連携し、法的な手続きを確実に進めることが大切です。

耐震診断が必要

二階部分を取り除くことで、建物の重さやバランスが変わります。そのため、平屋にリフォームする前には必ず耐震診断を行いましょう

二階がなくなることで上からの荷重が減る一方、柱や梁の配置が変化し、構造上の弱点が生まれるかもしれません。特に古い木造住宅では、筋交いや構造体を接続する金物の位置を確認して再計算しなければ耐震性が低下する危険性もあります。

耐震診断では、基礎のひび割れ、柱の腐食、接合部の強度などを専門家が細かくチェックします。その結果をもとに、必要に応じて耐力壁の追加や金具補強を行います。

リフォーム後に地震が起きても安全を確保するためには、この工程を省略してはいけません。

自治体によっては耐震診断や補強工事に補助金を出しているところもあります。安心と経済性の両面から、早めに専門家に相談することをおすすめします

プライベートな空間への配慮

平屋ではすべての部屋が同じフロアにあるため、家族同士の気配を感じやすくなります。これは安心感につながる一方で、プライバシーが確保しづらいという課題もあります。

リビングでの会話が寝室に聞こえたり、在宅ワーク中に生活音が気になったりするかもしれません。これを防ぐには、部屋の配置計画を工夫することが大切です。

寝室とリビングの間にウォークインクローゼットや廊下を挟むと、音の伝わりを軽減できます。家族それぞれの部屋の入口をリビングから直接見えない位置に配置すると、より落ち着いた空間がつくれます。間仕切り壁を高めに設けたり、防音性の高いドアを採用したりすることも効果的です。

平屋はつながりを感じられる構造ですが、プライバシーの確保も同時に考えると、家族全員が快適に暮らせる住まいになります。

道路や隣家からの目隠し対策

平屋は二階がない分、道路や隣家から室内が見えやすくなります。とくにリビングや寝室が道路に面している場合は、通行人の視線が気になる可能性があります

目隠し対策としては、まず外構計画を重視することが大切です。塀やフェンスを高く設けるだけでなく、植栽を組み合わせると自然で柔らかい印象になります。常緑樹を使えば一年中視線を遮ることも可能です。

また、窓の位置を工夫する方法もあります。道路側に高窓(ハイサイドライト)を設ければ、外から見えにくい状態のまま光を取り入れられます。カーテンやブラインドだけに頼らず、建築デザインの段階で目隠しを考えて取り入れるのが理想です。

近隣との距離が近い地域では、採光とプライバシーの両立が課題になります。外からの視線を意識しながらも、開放感を失わない設計・デザインが、快適な平屋づくりのポイントです。

防犯対策

平屋では窓や出入口がすべて地面に近いため、防犯面の工夫が欠かせません。防犯対策を怠ると、空き巣や侵入被害のリスクが高まるため、設計段階から意識しておくことが大切です。

防犯合わせガラスや格子付きサッシを採用すると、窓からの侵入を防げます。玄関ドアにはピッキングに強いディンプルキーを使い、補助錠を追加するのも有効です。

屋外照明や人感センサーを取り入れることで、不審者を寄せつけにくくなります。最近では、スマートホーム化によって、防犯カメラや鍵の施錠をスマホで確認できる仕組みも普及しています。

防犯は後から強化するよりも、最初から設計に組み込むほうが効果的です。安心して暮らせる家を目指すためには、建物と敷地の両面から安全を考える必要があります。

洪水や浸水時への対策

平屋は地面との距離が近いため、洪水や豪雨の被害を受けやすい構造です。特に低地や川沿いの地域では、浸水対策をしっかり行うことが求められます。

対策の第一歩は、建築前にハザードマップを確認することです。想定浸水深や避難経路を把握し、安全な高さに建物があることが重要です。

基礎を高く設計したり床下に防水層を設けたりすることで、床上浸水を防ぐことができます。玄関や勝手口には止水板を設置すると、雨水の侵入を防ぐのに効果的です。

外構の排水計画も見直す必要があります。敷地の勾配を調整して雨水を外に流すようにしたり排水ポンプを備えたりすれば、被害を最小限に抑えられます。

災害時に備え、非常用電源や防災グッズを確保しておくことも安心につながります。

平屋だからこそ、日常の安全と非常時の備えを両立する設計が大切です。

事例

平屋へのリフォームは、家族構成や敷地条件によって内容が大きく異なります。ここでは、老後の暮らしを見据えた平屋へのリフォームと、耐震性能を重視した減築リフォームの2つの実例を紹介します。

二階建てから平屋へと減築リフォームして耐震性能を高めた事例

ビフォー

 

アフター

施工会社 住友不動産のリフォーム
費用 2000万円以上(フルリフォーム)
築年数 35年

高齢のお母様との同居を機に築35年の2階建て住宅を平屋へと減築リフォームしました。2世帯住宅のため生活動線を整理し、必要十分な広さに調整してあります。

耐震性も高め、思い入れのある家に安心して住み続けられるようになりました。

老後の暮らしを見据えて二階建てを平屋へリフォームした事例

ビフォー

 

アフター

施工会社 住友不動産のリフォーム
費用 1,000万円~1,500万円
築年数 34年

古くなった内装を一新するタイミングで二階建てを平屋へとリフォーム。階段を上らないですむ住宅は年齢を重ねるほどありがたみがわかります。老後の暮らしを見据えた減築リフォームです。

減築により減った収納は、1階の車庫を和室にして収納を設け、キッチンにはパントリーを設けることで解決しました。生活スタイルの変化にともなって水回りや各部屋の大きさを調整し、より住み心地の良い家へと変貌しています。

平屋への減築で実現する、安心で無理のない暮らし方

二階建てを平屋にリフォームすることは、単なる減築ではなく、「これからの暮らし方を見直すための再設計」です。

階段を使わない生活は体への負担を軽減し、将来の介護にも備えられます。建物の重心が下がることで地震への強さが増し、冷暖房効率も上がるため、経済面でもメリットがあります。さらに、固定資産税やメンテナンス費用が下がる点も見逃せません。

一方で、生活音の伝わりやすさや日当たり、プライバシー、防犯といった課題も生まれます。すべての空間が一階に集まると、家族の距離が近づく反面、静けさやプライバシーを保つ工夫が必要です。

これらの問題は、間取り・外構・建材選びを工夫することで解決可能です。リフォーム会社と相談しながら、採光・通風・視線の抜け方まで考えたプランを立てることで、デメリットを最小限に抑えられます。

もし老朽化や階段の不便さに悩んでいるなら、平屋リフォームは検討する価値のある選択肢です。正しい知識と計画をもとに進めれば、安心・快適・経済的な理想の終の住処を実現できるでしょう。

JR神戸駅前のHDC神戸には、二階建てから平屋へのリフォームついて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新のユニットバスの他にシステムキッチンなどを見て、水回りの設備を含めて平屋へのリフォームを検討してみるのも、暮らしやすい将来の生活が想像できるのでおすすめです。

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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