古民家のリノベーションで後悔する理由と対処法【信頼できる会社を選ぼう】

この人に聞きました菊地重信

一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」

古民家は昔ながらの風合いや趣のある空間が魅力的です。

しかし、実際にリノベーションを始めると、想像以上の費用や計画変更、住み心地の問題など、予想していなかったトラブルに直面することが少なくありません。せっかく手に入れた家での暮らしが、完成後に「思っていた暮らしと違った」と後悔する人もいます。

この記事では、古民家リノベーションでありがちな失敗の理由と対処法をわかりやすく解説します。失敗を避け、理想の住まいを実現するためのポイントをぜひチェックしてください。

目次

古民家リノベーション後悔理由1.想像以上に費用がかかる

古民家は魅力的ですが、修理や改修に予想以上のお金が必要になるケースが多いです。ここでは想像以上に費用がかかる理由について説明します。

購入した家が広すぎた

古民家は、現代の住宅よりも土地や建物が広い場合が多く、庭や蔵が付いていることも珍しくありません。一見すると開放感があり魅力的ですが、広さはそのままリノベーション範囲の広さにつながります。

50坪の家と80坪の家では80坪の家の方が工事費用が増えます。床や壁、天井の張り替え面積が大幅に増え、材料費と職人の手間も比例して高くなるからです。

広い家はリノベーション後の生活でも維持コストが高くつきます。冬は広い空間を暖めるために暖房の効きが悪く、光熱費が現代の家の倍以上かかる場合もあります。掃除や手入れにかかる時間も多く、庭や外構のメンテナンスにも費用がかかります。

最初は「広い家でゆったり暮らしたい」と思っていても、実際に暮らすと管理の負担が大きすぎて後悔する人も少なくありません。購入前に理想だけで決めず、本当に必要な広さを見極めることが大切です。生活スタイルに合わない広さを選ぶと、建物自体だけでなく暮らし全体の負担が増えるため、リノベーション前に維持費や管理の手間までシミュレーションしておくと失敗を防げます。

築年数の割に劣化していた

古民家は見た目がしっかりしていても、長年の湿気や雨漏り、虫害で内部の木材が予想以上に傷んでいる場合がよくあります。特に床下や壁の中、屋根裏などは簡単に確認できないため、購入した後に解体して初めて深刻な劣化が見つかるケースも珍しくありません。腐食やシロアリの被害があると補強や交換が必要になり、費用が一気に跳ね上がります。

さらに、古民家は建てられた当時の耐震基準が今より緩いため、現行基準に合わせるには大規模な補強工事が必要です。耐震補強だけで数百万円かかる可能性もあり、予算を超えてしまう原因になります。内部の劣化状況によっては構造から大幅に直さなければならず、結果的に新築に近い金額がかかるかもしれません。

購入前に、専門家による詳細な現地調査を依頼すると、見えない部分のリスクを把握できます。費用を抑えるためにも、状態の良い古民家を選ぶ目利きが必要です。

内装を解体したら強度不足が判明した

古民家は何度も修理や増改築をされているケースが多く、構造が複雑になっている場合があります。見た目は問題がないようでも、壁や天井を解体した際に、家を支える柱や梁が思った以上に細かったり、傷んでいたりすることが発覚する可能性があります。

強度不足が発覚すると、安全に住むために大規模な補強や構造の組み直しが必要です。場合によっては耐震工事を追加する必要があり、工事の内容が当初の予定から大きく変わるかもしれません。工期が延びるだけでなく、予算も何割も増えてしまうケースが多いです。

古民家は建てられた年代によって構造の考え方が違い、現代の工法と同じではないため、解体してみないとわからないリスクが必ずあります。そのため、解体後に追加工事が発生する可能性を考慮して、余裕をもった予算を組むことが大切です。

再利用するつもりの建材が使用できなかった

古民家リノベーションの魅力は、古い木材や建具を活かして昔の雰囲気を残せるところですが、工事の際に丁寧に確認してみると想像以上に劣化している場合があります。表面はきれいでも内部が虫に食われていたり、湿気で曲がっていたりしていて、再利用すると安全性に問題が出るかもしれません。

昔と比べて現代は平均身長が伸びるといった変化があり、昔の建材は天井の高さや扉の大きさなど現代と寸法が合わない可能性もあり、再利用するには加工が必要です。加工に手間がかかる分、結果的に新しい材料を使うより費用が高くなる場合もあります。残したいと思っていた建具や梁が使えないと、当初のデザインプランも見直さざるを得ません。

リノベーション前に、残したい部分が本当に再利用できるかどうか、専門家に確認してもらうと安心です。

再利用した現存の材料が破損した

再利用できると判断した建材でも、取り外すときや工事中に割れてしまうかもしれません。昔の木材は多くの地震を経験して強度が落ちているため、慎重に扱っても破損のリスクがあります。壊れてしまうと新しく材料を調達する必要があり、費用だけでなく工期も延びます。

古材は同じものが手に入らないため、デザインの統一感が崩れてしまう場合もあります。古民家の趣を残すためには、古材を扱う経験が豊富な職人に依頼することが大切です。

実は補助金が使えたが知らなかった

自治体によっては古民家のリノベーションや耐震補強、省エネ改修に補助金が出る場合があります。そうした情報を知らずに工事を進めてしまうと、本来もらえたはずの補助金を逃してしまいます。

補助金は工事を始める前に申請しなければならないものが多く、そういった補助金は後からさかのぼって申請はできません。使える制度は地域や工事内容によって異なるため、自分で調べるだけでは見落とすことも。

工事を計画する前に、自治体の窓口や専門家に相談すれば、どんな補助制度があるか確認できます。うまく活用すれば費用負担を大幅に減らせるため、情報収集は欠かせません。

JR神戸駅前のHDC神戸には古民家をリノベーションしたい場合に相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。古民家のリノベーションで後悔したくないとお考えの方は、施工事例などの話を聞くとどんな調査や工事が必要か想像できるのでおすすめです。

古民家リノベーション後悔理由2.イメージと仕上がりが違う

古民家は思い描いた通りに仕上げるのが難しく、完成後に理想と違うと感じる可能性があります。計画段階のズレが大きな後悔につながるため、ここでは具体的なすれ違い理由をご紹介します。

物件探しの段階でイメージが沸かなかった

古民家は建物ごとに特徴が違い、同じ築年数でも状態や雰囲気が大きく異なります。

新築のモデルハウスのように標準的なイメージがなく、実際に見てもどこを残し、どこを直せば理想に近づくのか想像しづらい場合が多いです。特に初めて古民家を購入する人は、現状の姿とリノベーション後の完成形を頭の中で重ねるのが難しく、購入時にしっかりと判断できずに後悔する可能性があります。

古民家は間取りが現代の生活に合っていないケースが多く、どこまで改修すれば住みやすくなるかが見えにくいのも問題です。和室や土間が多かったり天井が低かったりすると、想像していた開放感が出せない可能性もあります。

購入前に複数の物件を見比べ、専門家と一緒にどんな改修が可能か話し合うことで、現実的なイメージがつかめます。現地での見学だけでなく、過去のリノベーション事例を参考にすると、具体的な完成形が描きやすくなります。

施工会社にリノベーションのイメージが伝わらなかった

理想の完成形を自分の頭の中では描けていても、それを施工会社に正確に伝えるのは簡単ではありません。言葉だけの説明では受け取り方が人によって違い、結果的に完成後の雰囲気が全く別のものになることがあります。

「古民家の味わいを残したい」と伝えても、どの程度古い部分を活かすのか、どこを新しくするのかのバランスがズレると、仕上がりが大きく変わってしまいます

古民家特有の建材や意匠を残す場合、施工技術や経験が不足している会社ではうまく再現できない可能性があります。細かい仕上げや素材感の違いは、完成してから初めて気づくケースが多く、簡単にやり直せません。

イメージのすり合わせをする際には、言葉だけでなく写真や図面、イメージボードを使い、施工事例を一緒に確認することが重要です。古民家リノベーションの経験が豊富な会社を選ぶと、意図が伝わりやすくなります。

取り壊す予定の部材を残す必要があった

計画段階では取り壊すつもりだった壁や柱が、実際には構造を支える重要な役割をしていて撤去できない可能性があります。古民家は現代の建築と構造が違うため、壊してもいいと思っていた部分が解体後の調査で残さなければならないとわかる場合が多いです。

その結果、希望していた間取り変更ができなかったり、広々とした空間を作れなかったりするケースがあります。構造を補強しながら取り壊す方法もありますが、その場合は追加費用が必要になり、予算や工期に大きく影響します。

古民家のリノベーションでは、壊せる部分と壊せない部分の判断がとても重要であり、事前に構造の専門家に確認してもらうことで計画変更のリスクを減らせます

見せる部材が劣化していて見せられる状態ではなかった

古民家の梁や柱は、長い年月を経て味わい深い風合いを持っていますが、実際には劣化が進んでいるケースも多いです。解体して梁を見せる予定だったのに、シロアリ被害や腐食がひどく、そのままでは安全性に問題がある場合、補修や交換が必要になります。

補修をすると当初の味わいが失われたり、全て新材に交換する事態になってしまい、計画していたデザインが変わる場合もあります。汚れやシミがひどくて塗装をして隠さざるを得ないケースもあり、思い描いていた「古材の質感を活かした空間」が実現できない可能性も。

古民家の素材をそのまま見せる計画を立てるときは、実際にどの程度の状態かをしっかり確認することが必要です。

当初のイメージと、実現可能なプランが違いすぎた

古民家は現代の建築より自由度が低く、できるプランに制約があります

天井を高くしたいと思っても屋根の構造上難しかったり、大きな窓を開けたいと思っても耐震性が落ちるため許可されない場合もあります。

その結果、最初にイメージしていたデザインがそのまま再現できず、全体の雰囲気が変わってしまうかもしれません。古民家特有の寸法や形に合わせるため、家具や建具のサイズが制限され、インテリア計画が思うように進まないことも後悔の原因になります。

計画を立てる際は「できること」と「できないこと」を整理し、柔軟にデザインを調整する姿勢が必要です。古民家は完全に理想通りにするのではなく、建物の個性を理解し、その特徴を活かしたプランにするほうが、結果的に満足度の高い仕上がりになります

JR神戸駅前のHDC神戸には、古民家のリノベーションについて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。現在の古民家の状況や理想の暮らし方に応じた提案を受けながら、それぞれの会社が提案するリノベーションプランを検討できます。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、古民家のリノベーション時に浴室や洗面所といった水回り設備の一新を検討してみるのも、暮らしやすい古民家がイメージできるのでおすすめです。

古民家リノベーション後悔理由3.住み心地が悪い

見た目の美しさだけを優先すると、実際に暮らしたときの快適さが損なわれる危険性があります。古民家特有の構造や立地が住みやすさに影響を与えます。リノベーションしたのに住み心地が悪くて後悔する理由について考えてみましょう。

奥の部屋まで光が届かず暗い

古民家は敷地が広く、部屋が縦や横に続いている造りが多いです。昔は自然光よりも照明に頼る生活が一般的だったため、現代の家ほど採光を意識していません。そのため、家の奥まった部屋は昼間でも暗く、窓を開けても十分な光が入らない可能性があります。

古民家の窓は現代の住宅より小さく、ガラスではなく障子や雨戸が使われているケースが多いため、古い開口部は光を遮る原因の一つです。リノベーションで明るくしようとしても、構造上、壁を抜けない場合があり、理想の採光が確保できないケースもあります。

暗い部屋は気持ちまで沈みがちになり、実際に暮らしてみると「こんなに暗いとは思わなかった」と後悔する人が少なくありません。照明を追加する方法もありますが、配線工事が必要で費用がかかるうえ、日中も照明をつける生活になるため電気代も増えます。

購入前に季節や時間帯を変えて見学し、日当たりの状況を確認することが大切です。また、どうしても明るさが足りない場合は、中庭や吹き抜けを作るなど、採光を確保する工夫が必要です。

広すぎて冷暖房の光熱費がかかった

古民家は天井が高く、部屋の数も多いため、夏も冬も冷暖房の効率が悪いことがよくあります。特に冬は隙間風が入りやすく、暖めた空気がすぐに逃げてしまうため、暖房をつけてもなかなか部屋が暖まりません。逆に夏は外からの熱気が入りやすく、室温が上がりやすいのが特徴です。

現代の住宅のように断熱材が十分に入っていないため、光熱費が予想以上にかかります。リノベーションで断熱性能を高めることは可能ですが、壁や床、天井を大きく解体しなければならず、工事費が高額になります。

広い空間はエアコンの効きが悪く、部屋ごとに温度差が出やすいのも問題です。冬場は廊下が冷え込み、部屋から部屋へ移動するたびに寒さを感じる場合もあります。見た目の開放感や風通しを重視すると、快適さやランニングコストが犠牲になるケースが多いため、断熱性能や空調計画をしっかり考える必要があります。

見せる梁にたまったホコリが掃除できない

古民家の魅力のひとつは、天井を取り払って梁を見せるダイナミックな空間です。しかし、開放的な天井にすると梁の上にホコリがたまりやすくなり、掃除が大変です。高い位置にあるため脚立を使っても手が届きにくく、掃除の頻度が減るとホコリがどんどん積もります。

梁の上にクモの巣ができたり、虫の死骸が落ちてくる場合もあり、きれいな見た目を保つのが難しいのが現実です。掃除が面倒だからと放置すると、せっかくの見せ梁が汚れてしまい、インテリアの雰囲気が台無しになります。

リノベーションで見せ梁を採用するなら、ホコリが目立ちにくい仕上げにする、あるいは定期的に掃除できるように専用の掃除道具を用意するなど、維持管理の方法まで考えておくことが必要です。見た目のかっこよさだけでなく、日々の暮らしやすさを考慮したデザインにすることが大切です。

隙間から風やほこりが入ってくる

古民家は木材で建てられており、年月とともに柱や梁がわずかに歪んで隙間ができます。外壁や建具の合わせが緩んでいる場合も多く、風が吹くとヒューヒューと音がしたり、砂ぼこりが入り込む可能性があります。

リノベーションで建具を交換したり隙間を埋めたりすることはできますが、完全に気密性を高めるのは難しいかもしれません。特に古い木材は温度や湿度で収縮するため、新しく調整しても季節によって隙間が再び開くことがあります。

隙間風は体感温度を下げる原因になり、冬の寒さがより厳しく感じられます。ほこりが舞いやすい環境は掃除の手間も増えるため、暮らし始めてからストレスになる場合が多いです。快適さを優先するなら、気密性を重視した改修や内窓の設置などを検討する必要があります

ご近所付き合いが大変

古民家は昔ながらの集落や地域にあるケースが多く、周囲に長く住んでいる人々との関係が密接です。地域のルールや行事への参加が求められることもあり、都会のように干渉が少ない環境を期待するとギャップを感じます。

都会から移住して古民家暮らしを始めた場合、近所の人たちとの距離感や生活習慣の違いに戸惑う場合が多いです。地域特有の風習や慣習に合わせる必要があり、うまく溶け込めないと居心地の悪さを感じる可能性もあります。

リノベーションそのものとは別の問題ですが、生活環境としては重要なポイントです。購入前に地域の雰囲気や自治会の活動内容を確認し、どの程度の関わりが必要か把握しておくことが、後悔を防ぐためには欠かせません。

広すぎて落ち着かない

古民家は部屋が多くて空間に余裕がありますが、実際に暮らすと「広すぎて落ち着かない」と感じる人もいます。特に家族が少ない場合、使わない部屋が増えると管理が行き届かず、どこか薄暗い雰囲気が残ります。

広い家は物音が響きやすく、夜になると静かすぎて不安を感じる場合もあります。生活動線が長くなるため、日常の移動が面倒に感じるケースもあり、コンパクトな現代住宅に慣れた人ほど不便さを感じやすいです。

広い空間は憧れの対象になりがちですが、実際の暮らし方に合わないと精神的な負担になる可能性があります。間取りをコンパクトにするなど、広さの使い方を工夫することが大切です。

家の周りの草むしりが大変

古民家は敷地が広くて庭や畑、空きスペースが多いことが特徴です。自然豊かな環境は魅力的ですが、その分、雑草が生えるスピードが早く、手入れを怠るとすぐに荒れてしまいます。

草むしりや庭の手入れは思った以上に時間と体力が必要です。放置すると虫が増えるなど、隣近所に迷惑をかける可能性もあり、管理を続けるプレッシャーになります。除草剤や防草シートを使う方法もありますが、費用がかかるうえ、環境への影響を考える必要もあります。

庭が広い点が魅力で購入しても、実際には維持しきれずに後悔する人が多いです。購入前に、自分がどこまで管理できるか、現実的に考えておくことが必要です。

古民家リノベーションで後悔しないための対処法

古民家の魅力を活かしながら快適に暮らすには、事前の準備や計画が欠かせません。住む前に正しい知識を持ち、適切な判断をすることで後悔を減らせます。どのような対処法があるのか、ここで把握してください。

古民家のことを知る

古民家は現代の住宅とは構造も素材も考え方も異なります。木材や土壁、瓦屋根など自然素材が多く使われており、それぞれの特徴を理解しないままリノベーションを進めると、工事中や住み始めてから予想外の問題が起こります。

土壁は湿気を調整する性質がありますが、現代的な断熱材との相性が悪い場合があります。瓦屋根は耐久性が高い一方で重量があるため、耐震性の補強が必要になるかもしれません。

古民家の多くは現代の建築基準が制定される前に建てられているため、耐震性や断熱性が低いのが当たり前です。そうした弱点を補うために、どの程度の改修が必要かを把握する必要があります。

地域によって建築様式や材質が異なり、雪国では豪雪に耐える構造、温暖な地域では風通しを重視した造りになっているなど、特徴を理解することで改修の方向性が見えやすくなります。

古民家に詳しい専門家や建築士のアドバイスを受けるのも重要です。建物の歴史や構造を知れば、残すべき部分と変えるべき部分の判断ができます。事前に古民家の基礎知識を身につけておくと、見た目に惑わされずに価値のある改修計画が立てられます。

現状調査を徹底的に行う

リノベーションを始める前に、建物の現状を詳しく調べることが後悔を防ぐ最も効果的な方法です。

外観がきれいでも、床下や屋根裏、壁の内部が劣化しているケースは珍しくありません。特に古民家は長い年月で湿気やシロアリ被害を受けている場合が多く、目に見えない部分に大きな問題が隠れています。

現状調査では、柱や梁の強度、基礎の状態、屋根や外壁の耐久性、床下の湿気や腐食の有無などを確認します。必要に応じて耐震診断も行い、補強が必要かどうかを判断します。調査を怠ると、解体後に重大な劣化が見つかり、追加費用が膨らむ原因になります。

調査は建築士や古民家の構造に詳しい専門家に依頼するのが安心です。可能であれば既存図面や過去の修繕履歴を確認し、どの部分が後から手を加えられているかも把握します。現状を正確に知ることで、無駄な工事を減らして必要な箇所に予算を集中できます。

ライフスタイルを把握してから予算を決める

古民家リノベーションの費用は建物の状態や工事内容で大きく変わります。見た目のデザインを重視しすぎると、実際の暮らし方に合わず、完成後に「もっと別のところにお金をかければよかった」と後悔する場合があります。

自分たちのライフスタイルを具体的にイメージすることが大切です。家族構成や日々の動線、どの部屋を主に使うのか、趣味や仕事に必要な空間はどこかなどを整理すると、優先すべき工事が見えてきます。

庭を活かしたいなら外構工事に重点を置くべきですし、冬の寒さを解消したいなら断熱改修を優先することが必要です。

ライフスタイルに合わないリノベーションは、見た目は理想的でも住み心地が悪くなります。限られた予算の中でどこにお金をかけるかを明確にすると、満足度が高い仕上がりになります。工事費用だけでなく、光熱費やメンテナンス費など、リノベーション後にかかるランニングコストも考慮して予算を設定すると安心です。

複数の業者に相見積もりを取る

古民家リノベーションは特殊な技術が必要なため、業者によって得意分野や見積もりの内容が大きく異なります。ひとつの会社だけで決めると、相場より高い費用を支払うことになったり、工事内容が不十分だったりするリスクがあります。

複数の業者に見積もりを依頼すると、費用の目安がわかるだけでなく、提案内容の違いも比較できます。古民家に慣れていない業者は現代住宅と同じ感覚で見積もりを出すことがあり、後から追加費用が発生する可能性が高いです。一方、古民家の経験が豊富な業者は、解体後に想定されるトラブルまで考慮した計画を提案してくれるため、結果的に安心できます。

また、見積もりの内訳が細かいかどうかも信頼性の判断材料になります。漠然とした一式価格ではなく、どの工事にどれだけ費用がかかるかが明確な業者のほうが、後でトラブルになるリスクが低いです。

JR神戸駅前のHDC神戸には、古民家のリノベーションについて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に見積もりができて便利です。理想の暮らし方に応じた優先順位の提案を受けながらプランを検討できます

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、浴室や洗面所といった水回り設備の優先順位を検討してみるのも、予算の範囲でできるリノベーションがイメージできるのでおすすめです。

契約前のチェックポイントを作って信頼できるリフォーム会社を選ぶ

リノベーションの成功は、信頼できる業者選びが鍵を握ります。施工実績や資格、古民家特有の構造に対する理解度などをしっかり確認せずに契約すると、仕上がりや工期、費用面でトラブルになる場合が多いです。

契約前に、過去の古民家リノベーションの事例を見せてもらい、どの程度の技術があるか確認すると良いでしょう。工事の進め方やトラブルが起きたときの対応方針を事前に説明してもらい、納得できるか判断することも重要です。打ち合わせの段階で質問にきちんと答えてくれるか、曖昧な説明をしないかも、信頼性を見極めるポイントです。

契約書に工事内容や金額、追加費用が発生する条件、工期、保証内容が明確に記載されているかの確認も大切です。不安があるまま契約すると、後から想定外の費用や工期の延長で後悔することになります。慎重に比較検討し、誠実な対応をしてくれる業者を選ぶと、安心してリノベーションを進められます。

古民家リノベーションの実例ビフォーアフター

ここでは古民家をリノベーションした実例をビフォーアフターでご紹介します。

断熱対策を取り入れ住み心地を改善した実例

ビフォー

 

アフター

施工会社 住友不動産のリフォーム
築年数 45年

冬場に隙間風で寒い点や、ほとんど使われていない和室の存在にお悩みだった施主。老後を快適に過ごすためにリノベーションをしました。

間取り変更をして大きなLDKを作るとともに水回りの設備も一新。明るく開放的な空間を実現しました。

床・壁・天井に断熱材を施し、サッシは気密性・断熱性の高い製品に交換したことで、快適な温熱環境も実現し、過ごしやすい住まいへと変貌しています。

見せ梁を取り入れた古民家リノベーションの実例

ビフォー

アフター

施工会社 アートリフォーム
費用 1700万円
築年数 52年

もともとすべての部屋が和室でキッチンも土間の古民家だったため、現代の生活スタイルとは合っていませんでした。

全体的な間取り変更に合わせて水回りも移設。古民家の構造体は見せ梁として残しつつ天井高は確保し、モダンな空間を演出しています。利便性と意匠性を兼ね備えたリノベーションを実現しました。

施主支給品を取り入れた古民家リノベーションの実例

ビフォー

アフター

施工会社 アートリフォーム
費用 1000万円~2000万円
築年数 60年

漏水もあり家屋全体が劣化してきたことから全体のリノベーションを決意。外観は当時の雰囲気を少し残し、内装は和の面影を残しつつも大幅にリノベーションしました。

リビングには吹き抜けを取り入れて明るく開放的な空間を実現しつつ、大きな見せ梁で和モダンな空間を実現しています。

理想の空間を実現するために施主支給品をたくさん取り入れ、施工会社とのイメージの差を可能な限り少なくできました。

古民家を理想の住まいにするために必要な準備と心構え

古民家リノベーションは、唯一無二の魅力と暮らしの味わいを与えてくれる一方、費用や住み心地、仕上がりの面で後悔する人が少なくありません。

解体してみなければ分からない劣化や構造の問題が潜んでいる場合が多く、想定以上の追加工事が必要になるケースもあります。理想のイメージをそのまま再現するのは難しく、残したい素材が使えなかったり、構造上の制約でプランが変更になることも後悔の一因です。採光や断熱性能、維持管理の手間など、暮らし始めてから気づく住みにくさがストレスにつながります。

こうした後悔を防ぐには、まず古民家特有の特徴や弱点を理解することが大切です。購入前に専門家による現状調査を行い、劣化状況や補修の必要性を正確に把握しましょう。自分のライフスタイルに合う改修の優先順位を決め、予算配分を明確にすることも重要です。古民家リノベーションの経験が豊富な業者に複数見積もりを取り、比較検討すれば、費用や仕上がりのズレを減らせます。

古民家は新築にはない温かみや歴史を感じられる空間ですが、現代の暮らしに合わせるためには慎重な計画が必要です。きちんと準備をして信頼できるパートナーと進めれば、後悔ではなく愛着を持てる住まいに生まれ変わります。

JR神戸駅前のHDC神戸には、古民家のリノベーションついて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新のユニットバスの他にシステムキッチンなどを見て、水回りの設備を含めてリノベーションを検討してみるのも、本当に必要な空間が想像できるのでおすすめです。

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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