二重窓DIYの効果がないと感じる原因【後悔しない二重窓リフォームを実現しよう】

この人に聞きました菊地重信

一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」

「二重窓をDIYで取り付けたけれど、あまり効果を感じない」そんな声は意外と多く聞かれます。二重窓は本来、断熱・防音・結露防止に高い効果を発揮しますが、施工方法や素材の選び方を誤ると、十分な性能を得られないことがあります。

特にDIYでは採寸の誤差や枠の気密不足、素材の断熱性の違いによって、期待した快適さを得られないケースが少なくありません。中には「せっかく取り付けたのに結露がひどくなった」「音があまり変わらない」と感じる人もいます。

しかし、原因を正しく理解すれば、二重窓は確実に効果を発揮します。本記事では、二重窓の基本的な仕組みと効果から、「効果がない」と感じる理由、そして後悔しないための対策までを、建築の専門家がわかりやすく解説します。

DIYを検討している方はもちろん、これからリフォーム会社に依頼しようとしている方にも役立つ内容です。読めば、あなたの家に本当に必要な断熱・防音対策が明確になります。

二重窓の仕組みと効果

外と室内の間に空気の層を作り、熱や音の伝わりを防ぐのが二重窓の基本的な考え方です。ここでは、どうして二重窓が断熱や防音に役立つのかを、わかりやすく説明します。

二重窓の仕組み

二重窓は、1つの窓の室内側にもう1つの窓を取り付けて、2重構造にする仕組みです。外側の窓と内側の窓のあいだには、数センチから十数センチの空気層ができます。この空気層が大きなポイントです。空気は熱や音を伝えにくい性質をもっているため、外の気温や騒音の影響を受けにくくなります

冬であれば外の冷たい空気が直接室内に伝わるのを防いでくれるため、暖房の効きがよくなります。夏も同じで、外の熱気が入ってきにくくなるため、冷房の負担が減ります。つまり、二重窓は「家の断熱材の一部」として働くのです。

また、2枚の窓のあいだに空気があることで、外の音の振動が内側のガラスまで届きにくくなります。電車の走行音や車のエンジン音、近所の話し声などが小さく感じるのはこのためです。ガラスの種類や間隔によっても効果が変わるため、目的に合わせて設計することが大切です。

二重窓は、外のサッシとは別に内窓を取り付ける「内窓方式」が一般的です。この方式では、外壁に手を加えずに施工できるため、リフォームとしても人気があります。既存のサッシにレールをつけ、樹脂製やアルミ樹脂複合のフレームを組み立てて取り付けます。

工事は1日で終わる場合が多く、DIYでも挑戦できる範囲です。ただし、正しい寸法と水平がとれていないなど施工精度が落ちると、気密性が落ちてしまうため注意が必要です。

二重窓の効果

二重窓の主な効果は、断熱・防音・結露の軽減・省エネの4つです。

二重窓は断熱効果があり、外気の影響を抑えることで冬は暖かく、夏は涼しさを保ちやすくします。外気温の変化が直接伝わらないため、室内の温度が安定して快適に過ごせます。特に窓の面積が大きいリビングでは、効果を感じやすいです。

また、外の音がガラスを通して伝わるとき、空気層がクッションのような役割を果たすため、防音効果もあります。ガラスの厚みを変えたり、防音用の合わせガラスを使ったりすると、より高い遮音性能を発揮します。静かな空間がつくれるため、勉強やテレワークにも向いています。

結露防止も見逃せません。外の窓と内側の窓のあいだに空気の層があるため、内窓の表面温度が下がりにくくなります。これにより、冷たい外気で室内の水蒸気が冷やされにくくなり、ガラス面に水滴がつくのを防げます。結露が減ればカビなどの発生も抑えられるため、健康面にもよい影響があります。

省エネ効果も期待でき、暖房や冷房の効率が上がることで光熱費が減るため、年間のエネルギー消費を抑えられます。環境への負担も小さくなり、最近ではSDGsの観点からも注目されています。

ただし、効果を最大限に発揮させるには、正しい設計と施工が欠かせません。空気層の幅やサッシの気密性、ガラスの種類を誤ると、本来の性能を発揮できなくなります。DIYの場合は、仕組みを理解したうえで、施工精度に気を配ることが大切です。

二重窓DIYの効果なしと感じる原因

二重窓を取り付けても「思ったより効果がない」と感じる人がいます。その多くは、施工や条件の問題によって、本来の性能を引き出せていないことが原因です。ここでは、DIYで失敗しやすい8つの理由を詳しく説明します。

すべての窓を二重窓にしていない

家の中の一部の窓だけを二重窓にしても、効果を実感しにくい場合があります。特にリビングや寝室など、外気に面する窓が多い部屋では、1カ所だけ施工しても外気の出入りがほかの窓から発生し、室内全体の温度差が大きくなります。

リビングの掃き出し窓を二重窓にしても、キッチンや廊下の窓がそのままなら、そこから冷気や熱気が入り込みます。その結果、室温の安定を感じにくくなるのです。

音の問題も同様です。外の騒音は壁だけでなく、家全体を通じて伝わります。1枚の窓だけ防音しても、別の窓や換気口から音が入ると効果が半減します。DIYでは「まず1カ所試す」という考え方も悪くはありませんが、全体のバランスを見て、どの窓を重点的に対策すべきかを判断することが大切です。

最終的な快適さを得るためには、二重窓を「家全体の断熱システムの一部」として考える必要があります。部分的な施工は体感効果を弱めるため、効果をしっかり出したい場合は主要な開口部すべてに設置するのが理想です。

窓ガラスや窓枠の断熱性が低い

二重窓を取り付けても、使う素材の性能が低いと効果は十分に得られません。DIYでは費用を抑えるために、アクリル板、プラダン(プラスチック段ボール)、ポリカーボネート板などを使うことがあります。これらの素材は軽くて加工しやすい反面、断熱や防音の面ではガラスに劣ります。

プラダンは内部に空気層があり、一定の断熱効果がありますが、気密性が低く、温度差が大きい環境では結露が発生しやすいという欠点があります。日光や紫外線にも弱く、長期間使うと変色やたわみが起きる場合もあります。

ポリカーボネート板は衝撃に強く、透明度も高いため、プラダンよりは耐久性がありますが、厚みが不足すると防音性や断熱性は十分とは言えません。

窓枠がアルミだけでできているタイプも注意が必要です。アルミは熱を通しやすい金属のため、せっかく空気層をつくっても枠を通じて熱が伝わってしまいます。断熱を重視するなら、樹脂製やアルミ樹脂複合の枠が効果的です。これらは熱を伝えにくく気密性も高いため、二重窓の性能を最大限に引き出せます。

DIYでコストを抑えることも大切ですが、性能の低い材料を選ぶと「見た目だけ二重窓」になってしまう可能性があります。素材の特性を理解したうえで、環境や目的に合った部材を選ぶことが重要です。

内窓と外窓の間隔が広すぎる・狭すぎる

二重窓の性能を左右するのが、外窓と内窓のあいだにある空気層の幅です。この間隔が広すぎても狭すぎても、断熱効果や防音効果が下がります

空気層が広すぎる場合、内部の空気が動きやすくなってしまい、断熱層としての働きが弱まります。コールドドラフトと呼ばれる冷たい空気が下に流れる現象が起こり、空気が循環して断熱効果が低下します。

逆に、間隔が狭すぎると、熱が直接伝わりやすいです。数センチしか離れていないと、外の冷気がすぐ内側まで届き、結露が発生しやすくなります。音の面でも空気の振動が伝わりやすくなるため、防音効果も下がります。

最適な間隔は、一般的に70mm程度とされています。サッシメーカーの既製品では、70mm程度に設計されているケースが多いです。

DIYで自作する場合は、壁の厚みや窓枠の奥行きをしっかり測り、ちょうどよい空気層が確保できるように調整することが大切です。間隔を適切に取り、空気の動きを抑えると二重窓本来の性能を発揮できます。

窓枠に隙間がある

気密性が確保できていないと、二重窓の性能は大きく落ちます。とくにDIYで取り付けた場合、サッシ枠と壁のすき間や、ガラスと枠の接合部に微妙なズレがある場合があります。小さなすき間からでも外気が入り込めば、せっかくの空気層が意味をなしません。

空気が通ると、冷気や熱気だけでなく音も伝わりやすくなります。冬場には冷たい風が入り、夏には熱気が流れ込むため、結露の原因にもなります。DIYでは水平器での確認を省略したり、コーキング材を薄く塗ってしまったりすることが失敗のもとです。

隙間を防ぐには、施工前に下地をしっかり整えることが欠かせません。取付け面のホコリや凸凹を除き、パッキンや気密テープを丁寧に貼ることが重要です。見た目がきれいでも、わずかなすき間で性能は大きく変わります。断熱や防音を目的にするなら、「気密性の確保」が最優先です。

部屋の換気不足

二重窓を取り付けると、気密性が上がるため空気の流れが少なくなります。これは断熱面では良いことですが、換気を意識しないと湿気がこもり、結露やカビの原因になるかもしれません。特に冬は、暖房で室温が高く外気が冷たいため、湿気が内側の窓に集まりやすくなります。

DIYでは断熱に集中しすぎて換気のことを忘れがちです。空気が動かない状態では、湿度が高くなり、ガラス面が曇るだけでなく、木枠や壁紙の傷みにもつながります。こうした問題が起きると「二重窓は失敗だった」と感じてしまうケースが多いです。

対策としては、定期的に窓を開けて空気を入れ替えることが大切です。換気扇を使用したり、除湿機を併用したりすると湿度を一定に保てます。二重窓は「閉じる」ことで効果を発揮しますが、快適さを維持するためには「開ける」タイミングも必要です。

他の場所から外気が侵入している

二重窓を設置しても、ドアや換気口、床下など別の場所から外気が入ってくると、断熱効果を感じにくくなります。家全体の気密性が保たれていなければ、冷たい空気が回り込んでくるからです。

とくに玄関ドアや勝手口は、金属製で断熱性が低いものが多く、窓よりも大きな熱の出入り口になっています。また、換気口やエアコンの配管まわりにも小さなすき間があり、そこから冷気が侵入します。DIYで二重窓を取り付けても、こうした部分を対策しなければ、家全体の温度差は改善しません。

効果を高めるには、家の中のすき間探しがポイントです。ドア枠や配線の通り道など目立たない部分を確認し、すき間テープや断熱材で補修します。二重窓だけで完璧に断熱するのは難しいため、ほかの開口部とのバランスを取ることが大切です。

築古で窓以外に弱点がある

築年数が古い住宅では、壁や床、天井などに断熱材が入っていない可能性があります。二重窓を取り付けても、建物全体が外気の影響を受けやすい構造だと効果が小さくなります。特に木造住宅で壁の中に断熱材がない場合、壁全体から冷気が伝わり部屋の温度を下げてしまいます。

床下や天井裏に隙間があると、そこからも冷たい空気が侵入します。DIYで窓だけを改善しても、建物の断熱性能そのものが低ければ、快適さは長続きしません。

このような場合は、窓だけでなく、家全体の断熱計画を考えることが重要です。壁の断熱リフォームや、玄関ドアの交換、床下の断熱補強などを組み合わせると、体感温度が大きく変わります。二重窓はあくまで第一歩であり、建物全体を見てバランスよく対策することが、後悔しないための鍵です。

無音を目指している

「完全に静かな部屋を作りたい」と期待しすぎると、二重窓でも満足できないケースがあります。二重窓は確かに防音効果がありますが、音をゼロにするわけではありません。外の車の走行音や人の声が大きい環境では、音の種類によっては思ったほどの防音効果を得られないケースもあります。

高音(鳥の声や話し声)は比較的カットしやすいですが、低音(重低音のエンジン音など)はガラスを通り抜けやすい傾向があります。壁や床を伝わってくる振動音までは防げません。そのため「外の音がまったく聞こえない部屋」は、専門的な防音構造を組む必要があります。

DIYでは、使用するガラスやサッシの選び方、施工精度によっても遮音性能が変わります。目的に合った材料を選び、期待する効果を正しく理解しておくことが大切です。「静かさを高める工夫」として二重窓を取り入れるのは効果的ですが、「完全な無音」は現実的ではないことを知っておくと後悔を防げます。

二重窓リフォームで後悔しないために

二重窓は正しく施工すれば大きな効果を発揮しますが、誤った方法や不十分な計画では期待した結果を得られません。ここでは、後悔しないリフォームにするために押さえるべき5つのポイントを解説します。

部屋全体で断熱や防音などを考える

二重窓の性能を十分に生かすには、部屋全体の環境を一体的に考えることが欠かせません。窓だけを改善しても、床や壁、天井などほかの部分から熱や音が出入りしてしまうと、体感温度や静けさは思ったほど変わらないものです。

窓を二重にしても、床下や壁の断熱が弱ければ、冬には足元が冷たく感じられます。音についても、窓だけでなくドアや換気口を通して伝わるケースがあります。そのため、断熱や防音を「部屋全体の仕組み」としてとらえ、総合的に対策することが重要です。

カーテンやブラインドも補助的な役割を果たします。厚手の遮熱カーテンを組み合わせると、二重窓の効果をさらに高められます。リフォーム計画を立てる際は、窓だけでなく、部屋全体の断熱バランスを意識して検討することが、後悔しないための第一歩です。

換気対策を考慮する

二重窓を設置すると、気密性が高まるため空気の流れが減少します。これは断熱面では良いことですが、換気が不十分になると湿気や二酸化炭素がこもり、結露やカビ、空気のよどみを招く可能性があります。健康面にも影響するため、換気対策をしっかり考えることが大切です。

特に冬は暖房を使用するため、室内外の温度差が大きくなり、内窓のガラス面で結露が発生しやすくなります。換気をこまめに行うことで室内の湿度を調整し、結露やカビを防ぐことができます。

24時間換気システムがある場合は、二重窓によって吸気や排気の流れが変わる場合もあるため、専門業者に確認するのが安全です。自然換気を取り入れる場合は、換気できる窓や換気口を残すなど、バランスの取れた設計を意識しましょう。気密性と換気性の両立が、快適で長持ちする空間づくりの鍵となります。

適切な材料を選定する

二重窓の性能は使う材料によって大きく変わります。DIYでは見た目や価格だけで判断しがちですが、断熱性・防音性・耐久性のバランスを考えて選ぶことが重要です。

ガラスの種類では、Low-E複層ガラスが特に効果的です。表面に金属コーティングが施されており、熱を反射して外気の影響を防ぎます。寒冷地では内側反射タイプ、暑い地域では外側反射タイプを使うと効率的です。さらに、合わせガラスを使うと遮音効果が高まり、防犯性も向上します。

枠の素材にも注意が必要です。アルミ製は軽くて扱いやすい反面、熱を通しやすい性質があります。断熱を重視するなら、樹脂やアルミ樹脂複合サッシを選ぶと良いでしょう。また、パッキンやレール部分の気密性が高い製品を選ぶと、隙間風を防げます。

見た目だけでなく、地域の気候や目的に合った材料を選ぶと、長く快適に使える二重窓になります。

施工精度を確保する

どんなに性能の高い二重窓でも、取り付け方が不正確だと本来の効果を発揮できません。特にDIYでは、寸法のズレや水平の傾きが原因で、すき間や歪みが生じます。ほんの数ミリのズレでも気密性が落ち、冷気の侵入や結露の原因になります

施工精度を上げるためには、まず正確な採寸が基本です。サッシの内側の幅・高さ・奥行きを3カ所ずつ測り、最も小さい寸法を基準に製品を選ぶと、ぴったり収まります。また、取付面が水平であるかを確認し、枠の固定時にねじれが生じないよう注意します。

DIYで自信がない場合は、部分的に業者のサポートを受けるのも賢明です。たとえば採寸や取り付けの最終チェックだけ依頼すれば、コストを抑えつつ精度を確保できます。二重窓は正確な施工があってこそ性能を発揮するため、慎重な作業が欠かせません。

実績が豊富なリフォーム会社に依頼する

DIYでは難しい部分も多いため、効果を確実に得たいなら専門業者への依頼を検討するのがおすすめです。特に築年数が経過した家や、サッシの歪みがある住宅では、経験豊富な職人の技術が必要です。

プロの施工では、建物の構造や窓の状態を総合的に見て、最適な製品と施工方法を提案してもらえます。また、断熱・防音の測定データに基づいた計画ができるため、効果が数値として確認しやすく、仕上がりも美しくなります。

リフォーム会社を選ぶ際は、過去の施工実績や口コミ、メーカー認定の資格を持つかどうかをチェックしましょう。見積もり時には、使用するガラスの種類や施工方法、保証内容を具体的に確認しておくことが大切です。信頼できる業者に依頼すれば、施工後のトラブルも少なく、長期的に安心して使い続けられます。

JR神戸駅前のHDC神戸には、二重窓について相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。窓の断熱・防音状況や理想の暮らし方に応じた提案を受けながら、それぞれの会社が提案するリフォームプランを検討できます。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、二重窓リフォーム時に浴室や洗面所といった水回り設備の一新を検討してみるのも、暮らしやすい家がイメージできるのでおすすめです。

二重窓だけでは不十分な場合の断熱対策

二重窓は効果的な断熱方法ですが、建物の構造や築年数によっては、窓だけで快適な温度を保てないこともあります。ここでは、二重窓とあわせて検討すべき断熱補強の方法を紹介します。

床の断熱補強

床は人の体感温度に大きく影響する部分です。特に冬は、足元から冷気が上がってくるため部屋全体が冷たく感じます。二重窓を取り付けても、床の断熱が弱いままでは快適さを保ちにくいのです。

床下断熱の方法は大きく2つあります。1つは「床下から断熱材を貼る方法」で、既存の床を壊さずに施工できるため、リフォームに向いています。もう1つは「床を張り替えて断熱材を入れる方法」で、費用はかかりますが効果は高くなります。どちらも、グラスウールや発泡プラスチックなどの断熱材を使って外気を遮断します。

また、フローリングの上に断熱マットやコルク材を敷く簡易的な方法もあります。DIYでも行える対策ですが、根本的に温度を改善するには、床下への施工がより効果的です。足元が暖かくなることで、エアコンの設定温度を下げても快適に過ごせるようになり、省エネにもつながります。

天井の断熱補強

天井は暖かい空気がたまりやすい場所です。断熱が弱いと、せっかく暖房で暖めた空気が屋根裏に逃げてしまい、光熱費がかさんでしまいます。二重窓で外気の侵入を防いでも、天井の断熱が不十分だと室温が安定しません。

天井の断熱工事では、屋根裏に断熱材を敷き詰める方法が一般的です。グラスウールやセルロースファイバー、発泡ウレタンなどがよく使われます。これらは空気を多く含み、熱を伝えにくい特性があります。特に発泡ウレタンはすき間なく施工できるため、気密性も高くなります。

夏の暑さ対策として、屋根裏に遮熱シートを貼る方法も効果的です。太陽光の熱を遮って室温の上昇を防ぐことができます。DIYの場合は屋根裏の作業スペースが確保できることが条件ですが、リフォーム会社に依頼すれば短期間で施工可能です。天井の断熱を強化すると、二重窓との組み合わせ効果が一気に高まります。

壁の断熱補強

壁は建物の中でも最も面積が広く、熱の出入りが大きい部分です。二重窓で空気の流れを遮っても、壁の断熱が弱いと外気温の影響を受けやすくなります。特に築年数が古い住宅では、断熱材が入っていなかったり経年劣化で性能が落ちていたりするケースがあります。

壁の断熱補強には、内側から行う「内断熱」と外側から行う「外断熱」の2つの方法があります。内断熱は、壁の内側にボード状の断熱材を貼る方法で、室内の工事だけで済むためリフォーム向きです。一方、外断熱は建物全体を包み込むように施工するため、コストは高いものの高い断熱効果が得られます。

DIYでは内断熱が現実的です。発泡スチロール系の断熱パネルを貼るだけでも効果があります。ただし、壁内部の結露やカビを防ぐために、防湿シートを併用することが重要です。壁の断熱性を高めると、室内温度が安定し、冷暖房の効率も大きく向上します。

玄関ドアの断熱補強

玄関ドアは外気の出入りが最も激しい部分の1つです。金属製ドアの場合、表面が冷たくなりやすく、冬は冷気の通り道になります。せっかく窓を二重化しても、玄関から熱が逃げてしまうと効果が半減します。

断熱性を高めるには、玄関ドア自体を断熱仕様に交換するのが最も確実です。断熱ドアは内部に発泡ウレタンなどの断熱材が入っており、熱の伝わりを防ぎます。また、気密パッキンがしっかりしているため、すき間風も入りにくくなります。最近ではデザイン性の高い製品も多く、家の外観を損なわずに快適さを向上させられます。

交換が難しい場合は、内側に簡易ドアを設けて二重ドア化する方法もあります。DIYでも可能ですが、ドアの開閉スペースを確保することが条件です。玄関の断熱を強化することで、家全体の温度が安定し、二重窓の効果をより実感できるようになります。

壁の隙間埋めで高気密化

住宅の断熱性能を高めるうえで、すき間を減らす気密化も欠かせません。どんなに優れた二重窓を設置しても、壁や床、天井のすき間から空気が漏れていると、断熱効果は大きく下がります。特に古い家では、木材の収縮や地震による変形で細かなすき間ができている場合が多いです。

気密化の基本は、すき間をひとつずつ確実にふさぐことです。コンセント周りや配管の通り道、壁と床の境目などを確認し、気密パッキンや発泡ウレタンで充填します。DIYでも比較的簡単にできる部分ですが、目に見えないすき間はリフォーム会社に赤外線カメラなどで調査してもらうと確実です。

気密化を進めると、暖房や冷房の効率が大きく上がり、外気の影響を受けにくい家になります。二重窓はその中心的な役割を担いますが、家全体のすき間対策と組み合わせてこそ真価を発揮します。

二重窓にリフォームした事例

ここでは、実際に二重窓を導入した家庭の事例を紹介します。どのような環境でどの程度の効果が得られたのかを具体的に見ることで、リフォームやDIYの参考になります。

マンションで二重窓リフォームをして断熱対策した事例

ビフォー

アフター

施工会社 ナサホーム
築年数 20年

大きな窓で空調が効きづらく結露を心配していた施主。そこで断熱性にすぐれる二重窓を採用しました。

マンションのため、大きな開口部はベランダに面する掃き出し窓のみ。この窓を対策することで十分な断熱効果を得られました。断熱・遮熱効果で結露も防止でき、希望にそったリフォームとなりました。

戸建てのリビングを二重窓にして静けさを確保した事例

アフター

施工会社 安江工務店
費用 1,050万円(フルリフォーム)
築年数 25年

「みんなが集まれる広々としたリビングにしたい」「防音対策もしたい」という施主の希望に合わせて、二重窓を含めてフルリフォームを行った例です

完全な無音を求めていたわけではなく静かな環境を求めていたため、二重窓の遮音性能で対応でき、施主も満足のゆったりと過ごす空間を実現しました。

マンションの寝室を結露対策で二重窓にした事例

アフター

施工会社 アートリフォーム
費用 699万円(リノベーション)
築年数 30年

家全体をリノベーションするとともに、気になっていた寝室の結露対策として二重窓を採用しました。

防音効果もあるため快適な睡眠環境を実現しています。断熱性能が上がったことから結露も防止できました。

後悔しない二重窓リフォームのコツ|効果を最大限に引き出すために

二重窓は正しく設計・施工すれば、住まいの快適さを大きく変えられる設備です。「効果がない」と感じる多くのケースは、取り付け方や環境条件に原因があります。

窓の種類や枠の材質、空気層の幅、気密性の精度など、わずかな違いが性能を左右します。窓以外の場所—床、壁、天井、玄関など—から熱や音が出入りしている可能性もあり、家全体の断熱計画を立てることが本当の快適さを実現する鍵となります。

DIYで挑戦する場合は、採寸や施工精度に細心の注意を払い、断熱性の高い材料を選ぶことが重要です。築年数が経過している住宅や窓の歪みがある場合は、リフォーム会社に依頼することで確実な性能を得られます。費用を抑えたい場合でも、部分的にプロのサポートを受けると、失敗ややり直しを防げます。

JR神戸駅前のHDC神戸には、二重窓リフォームついて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新のユニットバスの他にシステムキッチンなどを見て、水回りの設備を含めて二重窓を取り入れたリフォームを検討してみるのも、素敵な空間が想像できるのでおすすめです。

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