完全分離二世帯住宅の間取りパターン!メリット・デメリットから実例までも紹介

 

この人に聞きました菊地重信

一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」

完全分離型二世帯住宅は、二つの家族が独立した空間で暮らせる理想的な住まいの一つです。

この記事では、完全分離型二世帯住宅の代表的な間取りパターンである縦割りと横割り(上下分離)について詳しく解説します。また、それぞれのメリット・デメリットを比較し、実際の事例も紹介します。

これから二世帯住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

二世帯住宅には3タイプある

二世帯住宅とは、親世帯と子世帯の二つの家族が一緒に住むための家のことです。これには3つのタイプがあります。

完全分離型二世帯住宅

完全分離型二世帯住宅は、建物は一つですが、2つの家が完全に独立しています。それぞれの家族が別々の玄関、キッチン、バスルーム、リビングを持っていて、お互いに干渉せず、プライバシーをしっかり保てます。まるで一つの建物の中に二つの家があるイメージです。

親世帯と子世帯がそれぞれ独立して生活できるので、お互いのライフスタイルを尊重しながら住めます。

部分共有型二世帯住宅

部分共有型二世帯住宅は、いくつかの場所を共有し、いくつかの場所は別々に使うタイプです。たとえば、玄関や廊下は共有しているけれど、キッチンやリビングはそれぞれの家族専用で使用するパターンです。

このタイプは、お互いに適度な距離を保ちながらも、必要なときにはすぐに会えるというバランスが取れています。共有部分があることで、コミュニケーションが取りやすくなり、それぞれのプライバシーもある程度守られます。

完全共有型二世帯住宅(同居)

完全共有型二世帯住宅は、すべてのスペースを共有するタイプです。同じ玄関を使い、同じキッチンやリビングを使います。つまり、ほぼ一つの家族として一緒に生活する同居スタイルです。

このタイプは、家族全員がいつでも顔を合わせられ、助け合えます。また、家事や育児の負担を分担しやすくなるというメリットもあります。しかし、プライバシーが少なくなるため、お互いの生活リズムや習慣に配慮する必要があるでしょう。

完全分離型二世帯住宅のメリット

完全分離型二世帯住宅には、独立性とプライバシーが保てるというメリットがあります。家族のニーズや状況をよく考えて、最適な住宅タイプの選択が大切です。

プライバシーが確保できる

完全分離型二世帯住宅では、玄関やキッチン、バスルームが別々なので、お互いのプライバシーがしっかり守られます。自分たちだけの空間を持てるので、安心して生活できます。

たとえば、親世帯が友人を招いてホームパーティーを開いても、子世帯のプライバシーは侵されません。反対に、子世帯が深夜に映画を楽しんでも、親世帯の生活に影響を与えることはほとんどありません。

こうしたプライバシーの確保ができると、ストレスは軽減され、快適な生活環境を得られます。

生活の時間帯が違っても問題ない

もし親世帯と子世帯で生活する時間帯が違う人がいても問題ありません。たとえば、夜遅くに帰ってくる子世帯や早朝に出かける親世帯がいても、別々のスペースなので、他の人を気にせずに生活できます。

親世帯が早朝にジョギングをしたり、子世帯が夜遅くまで勉強や仕事をしていても、お互いの生活リズムに干渉することなく過ごせるでしょう。家族全員が自分のペースで生活できるという自由さが大きなメリットです。

また、静かな環境での睡眠や集中が必要な場合も、完全分離型ならその要求を満たせます。

会いたいタイミングで会える

完全分離型二世帯住宅なら、お互いに独立しているので、会いたいときにだけ会えます。自分の時間も大切にしつつ、必要なときには家族と交流が可能です。

たとえば、週末に一緒に食事をしたり、特別なイベントで集まったりと、自分たちのペースで家族の時間を楽しめます。普段はそれぞれの生活を尊重しつつ、イベントや休日にはリビングやダイニングを行き来して過ごせるので、家族間のバランスが取りやすくなります。

これにより、過度な干渉を避けながらも、適度な距離感を保てます。

困ったときに頼れる

完全分離といえども、同じ建物内に住んでいるので、何か困った場面があったときにはすぐに頼れます。

たとえば、急な用事で子供を預けたいときや、ちょっとした手助けが必要なときに便利です。急病やけがの際にも、家族がすぐ近くにいるという安心感があります。

また、親世帯が高齢になったときに、日常生活での手助けが必要になった場合でも、子世帯がすぐに対応できるので安心です。

こうした相互扶助の関係は、精神的な安心感を提供し、生活の質を向上させます。日頃はプライバシーを尊重しながらも、困ったときに頼りやすい環境を整えたいなら、完全分離型二世帯住宅が最適でしょう。

生活費を明確に分担しやすい

完全分離型二世帯住宅では、各家族がそれぞれの生活費を負担できます。光熱費や食費など、どの費用がどちらの家族のものかを明確に分けられるので、トラブルを避けやすくなります。

たとえば、電気代や水道代も各世帯ごとに計算できるため、無駄な支出を防げます。さらに、食事や日用品の購入も各家族が独自に行えば、好みやライフスタイルに合わせた生活が可能です。これにより、金銭的なトラブルが減り、より円滑な生活が実現します。

子供を保育園に入れやすい

完全共有型や、部分共有型二世帯住宅は子供を保育園に入れる時に不利になる可能性があります。同居の祖父母が子供を保育できると見なされるケースがあるからです。一方、完全分離型二世帯住宅だと、祖父母と別居していると見なされるため保育園に入れやすい傾向があります。

保育園入園については、自治体によって条件が異なるので、必ず事前にお住まいの自治体に確認してください。

完全分離型二世帯住宅のデメリット

完全分離型二世帯住宅には、独立性とプライバシーが保てるというメリットがありますが、費用や光熱費、介護やコミュニケーションの面でデメリットもあります。

家族のニーズや状況をよく考えて、最適な住宅タイプの選択が大切です。特に、将来的な生活スタイルや家族構成の変化を見越して、十分な検討が重要です。

費用が他の二世帯住宅より高い

完全分離型二世帯住宅は、他の二世帯住宅に比べて建築費用が高くなります。それぞれの家族が独立したスペースを持つため、玄関、キッチン、バスルームなどを二つずつ作る必要があるためです。

また、建築だけでなく、維持管理費も高くなります。たとえば、家が大きくなるぶん外壁の塗り替えや屋根の修理など、建物全体のメンテナンスにかかる費用も増えるでしょう。

さらに、独立した空間を持つための間取りやデザインにも工夫が必要で、その分設計費も高くなる傾向があります。

光熱費が節約にならない

完全分離型二世帯住宅では、各家族が独立して生活するため、光熱費が二倍かかります。それぞれの家で暖房や冷房、電気を使うので、光熱費の節約が難しいです。共用部分がないため、エネルギーを共有して使えません。

たとえば、冬に暖房を使う際、親世帯と子世帯でそれぞれ暖房を入れる必要があり、その分のエネルギー消費が増えます。さらに、キッチンやバスルームの使用頻度も増えるため、水道代やガス代も二倍になります。これにより、月々の生活費が他のタイプの二世帯住宅よりも高くなるでしょう。

介護がしづらい

親世帯が高齢になったとき、介護が必要になるかもしれません。完全分離型二世帯住宅では、各家族が独立して生活しているため、介護をするために行き来するのが大変です。特に、夜中に助けが必要な場合など、他のタイプの二世帯住宅に比べすぐに対応するのが難しくなります。

たとえば、緊急時に親世帯の様子を確認するためには、別の玄関から出入りする必要があり、時間がかかります

また、日常的な介護が必要な場合でも、独立したキッチンやバスルームを利用するために、介護者が頻繁に移動しなければならない場合が多いです。これにより、介護の負担が増え、ストレスを感じるかもしれません。

コミュニケーションが取りにくい

完全分離型二世帯住宅では、お互いの生活空間が完全に分かれているため、日常的なコミュニケーションが少なくなります

たとえば、朝食や夕食を一緒に取る機会が減り、お互いの様子を把握するのが難しくなるでしょう。これにより、家族の絆が弱くなる可能性があります。家族間の交流が減ると、問題や悩みを共有する機会が少なくなり、誤解や摩擦が生じやすくなるかもしれません。

さらに、独立した生活空間は、子世帯が親世帯との関わりを減らす原因になる可能性があり、家族の一体感が失われるリスクもあります。

広い土地が必要

完全分離型二世帯住宅を建てるには、広い土地が必要です。それぞれの家族が独立したスペースを持つため、敷地面積が大きくなります。特に都市部では、広い土地を見つけるのが難しく、高額になる場合が多いです。

たとえば、都市部で広い敷地を確保するためには、高額な土地代を支払う必要があります。また、広い土地を手に入れるために郊外に移住する選択肢もありますが、そうすると通勤や通学の利便性が低下することもあるでしょう。

さらに、広い土地を持てば、庭の手入れや敷地の管理にも手間がかかります。これにより、維持費や管理費の増加も考慮しなければなりません。

【実例】完全分離型二世帯住宅の間取りパターン

完全分離型二世帯住宅には、家族のニーズや土地の形状に応じてさまざまな間取りパターンがあります。ここでは、主な間取りパターンとして「縦割り」と「横割り(上下分離)」の二つについて説明し、それぞれの注意点を紹介します。

縦割り

 

 

施工会社 住友不動産のリフォーム
費用 2000万円以上
築年数 46年

 

縦割りの完全分離型二世帯住宅は、建物を左右に分けて二つの独立した住居にするタイプです。各住居は隣り合わせに配置され、それぞれに玄関、キッチン、リビング、バスルーム、トイレなどが完備されています。

この配置は、敷地が広い場合や、横に長い土地で特に有効です。縦割りの間取りでは、各世帯が完全に独立しており、プライバシーが保たれるのが大きな特徴です。お互いの生活リズムに干渉せずに済みます。

また、隣り合う部分の壁をしっかりと防音仕様にする必要があるため、これにより防音対策も万全となるでしょう。

今回あげた実例の家は左をバリアフリーにして、右を賃貸に出せるような仕様にしています。縦割りだとこの家のような工夫ができ、子世帯が住まなくなった場合や親世帯が不測の事態におちいった場合にも使い続けられます。

お隣に住んでいる感覚に近いかもしれませんが、家の中をお互い行き来できる扉を設けることで、何か起きた場合に備えました

横割り(上下分離)

施工会社 ナサホーム
費用 2600万円
築年数 35年

 

横割りの完全分離型二世帯住宅は、建物を上下に分けて二つの独立した住居にするタイプです。たとえば、一階に親世帯、二階に子世帯が住む形です。この配置は、敷地面積が限られている場合や、縦に長い土地で有効です。

上下に分かれると、狭い敷地でも二世帯が住むスペースを確保できます。特に親世帯が一階に住めば移動が楽になり、高齢者に優しい設計が可能です。建物の高さを活かして、周囲の景観や日当たりを良くするなどの配慮もできるため、住環境が向上します。

今回の実例では横割りの完全分離型の二世帯住宅を用意できませんでした。部分共有型の二世帯住宅となり、廊下と玄関を共有する実例です。完全分離型は廊下も玄関も別に設けますが、ポイントは部分共有型とほとんど同じです。

上下で住み分けることで、親世帯も子世帯も1フロアに住むので、それぞれが平屋に近い間取りを戸建てで実現できました。1フロアなので生活動線が短く済み移動が楽です。

それぞれの注意点

縦割りの間取りでは、左右の住居間で壁を防音仕様にすることが重要です。音が漏れないようにしっかりとした構造にすれば、お互いの生活リズムを乱さずに済みます。

また、共用の庭や駐車場の配置にも注意が必要です。うまく配置しないと、どちらかの世帯が使いにくくなる可能性があります。

さらに、玄関が並び、デザインのバランスが難しくなるので、設計段階での工夫が必要です。

横割りの間取りでは、上下階の生活音に対する防音対策が特に重要です。上階の足音や生活音が下階に響かないように、床や天井の防音をしっかりと行う必要があります。

駐車場や庭の使い方にも注意が必要で、二階の住人が庭を使いにくい場合があるので、庭の設計段階で打合せが不可欠です。

JR神戸駅前のHDC神戸には、複数のリフォーム会社や新築メーカーが出店しています。お近くにお住まいの方は、一度プロに相談に行ってみてはいかがでしょうか?あなたに”ぴったり”の二世帯住宅が見つかるかもしれません。

完全分離型二世帯住宅で後悔した点

完全分離型二世帯住宅には、多くのメリットがありますが、実際に住んでみると後悔する点もいくつかあります。

生活音や採光、収納の問題から、来客時の気遣いや共有部分の管理、介護・育児のサポートまで、さまざまな点に注意が必要です。これらの課題を理解し、家族全員が快適に過ごせるような工夫が重要です。

生活音が気になる

完全分離型二世帯住宅でも、生活音が気になる場合があります。特に、隣接する壁や床から伝わる音が問題になる可能性が高いです。

たとえば、親世帯のテレビの音や、子世帯の足音、ドアの開閉音などが響いてしまい、お互いにストレスを感じるかもしれません。防音対策をしっかり行わなかった場合、このような音の問題が顕著になり、生活の質が低下する可能性があります。

さらに、防音対策を行ったとしても、完全に音を遮断するのは難しいため、音に敏感な人には不満が残るでしょう。

他にも、夜中に家族がトイレに行く音や、朝早くの準備の音が気になってしまう場合があります。これにより、日常生活でのストレスが増し、快適な暮らしが難しくなるかもしれません。

採光や通風に差がある

二世帯住宅の配置によっては、採光や通風に差が出るでしょう。たとえば、片方の住居が日当たりの良い位置にあり、もう片方が影になる場合、住み心地に大きな差が生じます。

また、風通しが悪い住居では、湿気や空気のこもりが問題となり、健康面にも影響が出る可能性があります。このような状況を避けるためには、設計段階での十分な配慮が必要ですが、全ての条件を完璧に整えるのは難しい場合もあります。

特に、都市部で敷地が限られている場合、理想的な配置を実現するのが難しく、結果的に片方の住居が不利な条件になるかもしれません。

たとえば、南向きの窓が少ないために、冬場の寒さが厳しいと感じたり、夏場には風が通らずに室内が蒸し暑くなる場合があります。このような環境は、住む人の健康や快適さに直接影響を与えるため、十分な注意が必要です。

想像より出会う

完全分離型とはいえ、意外と顔を合わせる機会が多いことに驚くかもしれません。玄関や駐車場などの共用スペースでの出会いは避けられず、プライバシーを完全に保つのが難しい場合もあります。

特に、生活リズムが違う場合でも、予期せぬタイミングで顔を合わせる場合があり、気まずさを感じるかもしれません。この点については、事前の期待と実際の生活にギャップが生じやすいです。

たとえば、親世帯が早朝に庭で作業をしているときに、子世帯が外出するために玄関を使うと、意図せずに会ってしまいます。

また、共用スペースでの出会いが多いと、気軽に外出できなくなったり、逆に家に帰るのが気まずく感じる場合があります。こうした日常的な出会いは、意図せずにプライバシーを侵害される感覚をもたらし、ストレスの一因となるかもしれません。

収納が足りない

二世帯住宅では、特に収納スペースの確保が難しい場合があります。各世帯が独立したスペースを持つため、共有の収納スペースを設けるのが難しいです。その結果、日用品や季節物の収納場所が不足し、部屋が雑然としやすくなります。

特に、狭い土地に建てられた二世帯住宅では、この問題が顕著で、物が増えるたびに収納に困る場合が多いです。

また、収納スペースが限られていると、家の中が片付かず、常に物が溢れている状態になります。これは見た目の問題だけでなく、精神的なストレスの原因にもなります。

さらに、収納スペースの不足は、家族全員が共用するアイテムの管理を難しくし、どこに何があるか分からなくなるでしょう。これにより、物を探す手間が増え、時間の無駄も生じます。

来客時に気を使う

来客時には、二世帯住宅特有の気遣いが必要です。たとえば、片方の世帯に来客があった場合、もう片方の世帯が気を使って静かに過ごさなければならない場合があります。

また、共有の駐車場や玄関スペースを利用する際にも、来客との調整が必要です。このような状況は、特に頻繁に来客がある家庭にとってはストレスとなります。

たとえば、子世帯が友人を招いた場合は話に花が咲いて騒がしくなるかもしれません。そんな状況では親世帯が子世帯の会話の邪魔にならないように過ごすため、気を使うでしょう。

逆に、親世帯に親戚が訪ねてきたときには、子世帯が気を使って外出したり、静かに過ごすことを求められるかもしれません。

このように、来客があるたびにお互いが気を使い合うことで、自由に過ごす時間が制約され、ストレスを感じるでしょう。

共有部分の管理に不満がたまる

完全分離型二世帯住宅でも、共有部分の管理に不満がたまる場合があります。たとえば、庭や駐車場、共用の廊下などの管理責任をどちらが負うかでトラブルになるかもしれません。

また、共有部分の掃除やメンテナンスを巡って意見が分かれる可能性もあります。このような管理の問題は、お互いの関係に悪影響を及ぼす可能性があるため、事前にルールを決めておくことが重要です。

たとえば、庭の手入れをどのように分担するか、駐車場の使い方をどうするかといった具体的な問題について、明確な取り決めがないと、日常的な不満が積み重なります。

さらに、共有部分の使用頻度や使用方法が異なると、不公平感が生じやすくなります。

具体的には、片方の世帯が頻繁に庭を使用する一方で、もう片方の世帯がほとんど使用しない場合、使用頻度と手入れの割合が合致していないと、庭の手入れに関する負担感が偏ってしまうでしょう。

このような状況は、家庭内での不和を引き起こしやすいため、共有部分の管理については十分な話し合いと合意が必要です。

介護・育児のサポートに不便

完全分離型二世帯住宅では、二世帯住宅なので困った時に助け合いしやすいけれど、介護や育児のサポートが必要な場合に不便を感じる場合があります。たとえば、高齢の親世帯が急に具合が悪くなった場合、子世帯がすぐに駆けつけられないでしょう。

また、子世帯が育児で忙しいときに、親世帯のサポートを受けるために、わざわざ行き来する手間がかかります。このような状況では、部分共有型や完全共有型に比べると、完全分離型のメリットであるプライバシーが逆に不便に感じるかもしれません。

たとえば、夜中に赤ちゃんが泣いたときに親世帯に手伝ってもらうためには、別の住居に行く必要があります。これが頻繁に発生すると、両世帯ともに負担が大きくなります。

また、日常的な介護が必要な場合でも、独立した生活空間を行き来する手間が増えるため、介護者にとっても大変です。

こうした問題を解決するためには、サポートが必要な時期には一時的に同居するなどの柔軟な対応が求められます

まとめ

完全分離型二世帯住宅は、二つの家族が独立して住むための住まいで、縦割りと横割り(上下分離)の二つの間取りパターンがあります。

縦割りでは建物を左右に分け、各世帯が独立した空間を持つためプライバシーが保たれ、生活音の干渉が少ない利点があります。

横割りは建物を上下に分け、一階に親世帯、二階に子世帯が住む形で、狭い敷地でも対応可能です。ただし、どちらのパターンも防音対策や共有部分の配置に工夫が必要です。

完全分離型のメリットには、プライバシーの確保や生活リズムの調整、経済的な管理のしやすさがあります。各世帯が独立しているため、お互いの生活に干渉せず、快適に過ごせます。

一方、デメリットとしては、建築費用の高さ、光熱費の節約が難しい点、介護や育児のサポートがしづらい点などがあります。また、生活音や採光、通風の差による住み心地の違い、共有部分の管理に対する不満、来客時の気遣いなども問題となる場合があります。

完全分離型二世帯住宅は、メリットとデメリットをよく理解し、家族のニーズに合った設計が重要です。

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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