一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」
実家をリフォームする際には、費用が気になるところですよね。補助金や減税制度を活用することで、費用を抑えることができます。代表的なものに介護リフォーム補助金、エコリフォーム補助金、耐震リフォーム補助金などがあります。
具体的なリフォームプランを考える際には、家族構成やライフスタイル、リフォームの目的、予算なども検討するとよいでしょう。
本記事では、実家をリフォームする際に知っておきたい費用相場や補助金・減税制度、注意点などを解説します。
実家のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
実家をリフォームするメリット・デメリット
実家をリフォームするかどうかは、さまざまな要素を考慮して判断する必要があります。ここでは、実家リフォームのメリットとデメリットを整理して解説します。
【メリット】新築するより費用が安く済む
実家をリフォームする最大のメリットは、新築するよりも費用が安く済む点です。実家は既存の建物であるため、土地取得費や基礎工事費などの費用が不要になります。また、建物の骨組みや外壁などの構造体はそのまま使えるため、新築に比べて工期も短く済むことが多いです。
土地取得費がかからない
土地取得費は新築の費用の大きな割合を占めるため、この費用が不要になることで、リフォームの費用を大幅に抑えられます。
建物の骨組みや外壁などの構造体はそのまま使える
実家は既存の建物であるため、建物の骨組みや外壁などの構造体はそのまま使えます。新築の場合は、これらの構造体を一から造るため、費用と工期がかかります。
工期が短い
実家は既存の建物であるため、新築に比べて工期が短く済みます。工期が短いということは、工事費が抑えられるだけでなく、生活に支障が出にくいというメリットもあります。
具体的な金額で考えてみる
具体的な費用の比較としては、土地面積40坪(土地価格は100万円/坪)、建築面積20坪、2階建てで延床面積132㎡だと想定すると、以下のような例が挙げられます。
- 新築の場合:土地取得費4,000万円、基礎工事費200万円、建物本体工事費2,400万円の合計6,600万円
- 実家リフォームの場合:リフォーム部の解体費用300万円、建物本体工事費2,000万円の合計2,300万円
この例では、新築の場合に比べて実家リフォームの場合は4,300万円も費用を抑えられます。
もちろん、実家リフォームの費用はリフォーム内容や規模によって異なります。しかし、多くの場合は新築するよりも費用が安く済むと考えてよいでしょう。
【メリット】補助金が使える可能性がある
国や自治体では、リフォームを支援する補助金制度を実施しています。補助金の対象となるリフォーム工事は、バリアフリー化や省エネ化、耐震化など多岐にわたります。補助金を利用することで、実家のリフォーム費用をさらに抑えられます。
補助金の対象となる主な工事としては、以下のようなものが挙げられます。
- バリアフリー化
- 省エネ化
- 耐震化
- 耐久性向上
- 子育て支援
- 空き家対策
補助金の額は、工事内容や規模によって異なりますが、最大で工事費用の50%程度が補助されることもあります。
補助金を利用することで、実家のリフォーム費用を大幅に抑えることができます。また、補助金制度を知ることが、実家のリフォームを検討するきっかけとなるかもしれません。
具体的な補助金制度としては、以下のようなようなものが挙げられます。
- 介護保険による住宅改修
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 子育て支援型共同住宅推進事業
- 住宅建築物安全ストック形成事業
これらの補助金制度の詳細については、国土交通省や各自治体のホームページで確認できます。
実家をリフォームするかどうかを検討する際には、補助金制度の利用を検討してみるのもよいでしょう。
【メリット】減税ができる可能性がある
リフォームで一定の要件を満たした場合、所得税や固定資産税の減税を受けることができます。減税額はリフォーム工事費や工事内容などによって異なります。
減税の対象となる主な工事としては、以下のようなものが挙げられます。
- 耐震改修
- バリアフリー化
- 省エネ化
- 長期優良住宅化
減税額は、リフォーム工事費や工事内容などによって異なります。
具体的な減税制度としては、以下のようなようなものが挙げられます。
- 住宅ローン減税(住宅ローン控除)
- 耐震改修に関する特例措置
- バリアフリー改修に関する特例措置
- 長期優良住宅化リフォーム減税
減税制度の具体的な内容について説明します。減税制度の詳細についてはお近くの自治体に確認してみてください。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)
住宅ローンを利用した実家のリフォームの費用は所得税の控除対象となります。控除額は年末のローン残高の0.7%で10年間、最大140万円です。
耐震改修に関する特例措置
耐震改修を行った実家は固定資産税の減額や軽減の対象となります。減税期間は1年間で、減額率は固定資産税額の1/2までです。
バリアフリー改修に関する特例措置
バリアフリー改修を行った実家は、耐震改修同様に固定資産税の減額や軽減の対象となります。減税期間は1年間で、減額率は固定資産税額の1/3までです。
長期優良住宅化リフォーム減税
長期優良住宅化基準に適合するリフォームを行った実家は、所得税の控除固定資産税の減額や軽減の対象となります。減税期間は1年間で、減税率は固定資産税額の2/3までです。
【メリット】思い出の一部を残して住める
実家には子どもの頃の思い出が詰まっているものです。せっかく実家をリフォームするのであれば、以下のように思い出の物や場所を残しておくのもおすすめです。
- 懐かしい家具や雑貨を残す
- 思い出の場所をそのまま残す
- 思い出の写真を飾る
懐かしい家具や雑貨を残すことで、実家に温かみや懐かしさを加えられます。また、思い出の場所をそのまま残すことで、子どもの頃の思い出をより鮮明に思い出すことができるでしょう。
実家をリフォームする際には、思い出が詰まった家の一部や家具を残すことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。そうすることで、実家はより特別な場所になるでしょう。
例えば、以下のような具体例が挙げられます。
- 子どもの頃よく遊んだ床材をリメイクする
- 両親が結婚式で使った家具をリノベーションする
- 実家で保管されていた子どもの頃の写真や絵を壁に飾る
思い出を残すリフォームは、自分だけのオリジナルの空間を創り上げることができるというメリットもあります。
【デメリット】間取りの自由度に限界がある
実家をリフォームする場合、間取りの自由度に限界があります。建物の構造や外観、周辺環境などの制約があるためです。
実家をリフォームする際には、間取りの自由度に限界があることを理解しておくことが大切です。実家の状況によっては、間取りを大きく変更することが難しい場合もあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
以下に、間取りの自由度に限界があるリフォームの具体的な例をいくつかご紹介します。
- 壁や柱を撤去して、広々とした空間をつくりたい場合
- 部屋の位置を変更したい場合
- 二世帯住宅にリフォームしたい場合
これらのリフォームを行う場合は、建物の構造や外観などの制約を考慮する必要があります。
実家のリフォームで検討する工事内容
実家のリフォームでは、さまざまな工事内容が考えられます。ここでは、代表的な工事内容を5つに分けてご紹介します。
- バリアフリーリフォーム
- 断熱リフォーム
- 耐震リフォーム
- キッチンなどの水回りのリフォーム
- 二世帯同居などの間取り変更・増築
バリアフリーリフォーム
高齢化社会を迎え、実家で高齢の両親と同居するケースが増えています。そのような場合、バリアフリー化を検討するとよいでしょう。バリアフリー化とは、高齢者や障がい者が安全に暮らせるように、段差の解消や手すりの設置などの工事をすることです。
バリアフリー化の工事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 段差の解消
- 手すりの設置
- 引き戸への交換
- トイレや浴室の改修
段差の解消
玄関や廊下、トイレ、浴室などの段差を解消することで、転倒などのリスクを減らせます。段差を解消する方法としては、スロープや段差解消機の設置、段差をなくすための床材の張り替えなどがあります。
手すりの設置
玄関や廊下、トイレ、浴室などの通路や階段に手すりを設置することで、歩行の安定を図ることができます。手すりの設置場所や高さは、利用者の体格や生活スタイルに合わせて検討が必要です。
引き戸への交換
開き戸のドアを開け閉めする際には力や体力が必要となるため、引き戸への交換を検討するとよいでしょう。引き戸は開け閉めが楽で、転倒のリスクも低くなります。
トイレや浴室の改修
トイレや浴室は高齢者や障がい者が頻繁に利用する場所です。そのため、これらの場所をバリアフリー化することで、安全・安心な暮らしを実現できます。
トイレの改修は洋式トイレへの交換や手すりの設置、滑りにくい床材の採用などが挙げられます。浴室の改修は浴槽の段差を解消したり、手すりを設置したり、浴室椅子や浴槽台を設置したりするなどの工事があります。
断熱リフォーム
断熱リフォームとは、建物の断熱性を高める工事です。断熱性を高めることで冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごせます。また、省エネ効果も高まり光熱費の削減にもつながります。
断熱リフォームの工事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 屋根や外壁の断熱材の施工
- 窓やドアを断熱性の高いものに交換
- 床下や天井の断熱材の施工
断熱リフォームをすることで快適な暮らしを実現し、光熱費の削減にもつなげられます。
屋根や外壁の断熱材の施工
屋根や外壁は建物の熱の出入りを大きく左右する部分です。そのため、屋根や外壁の断熱材の施工は断熱リフォームの基本となります。
屋根や外壁の断熱材の施工には、吹き付け断熱やグラスウール、スタイロフォームなどの方法があります。
窓やドアの断熱性の高いものに交換
窓やドアは、熱の出入りの割合が高い部分です。そのため、窓やドアを断熱性の高いものに交換することで、断熱効果を高められます。
断熱性の高い窓やドアには、複層ガラスや樹脂サッシなどの種類があります。
床下や天井の断熱材の施工
床下や天井は熱の出入りの割合は低い部分ですが、断熱材を施工することで、断熱効果をさらに高められます。
床下や天井の断熱材の施工には、断熱材を敷き詰める方法や断熱材を吹き付ける方法があります。
耐震リフォーム
耐震リフォームとは、建物の耐震性を高める工事です。耐震性を高めることで、地震などの災害に備えられます。
耐震リフォームの工事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 柱や梁の補強
- 基礎の補強
- 外壁や屋根の補強
耐震リフォームをすることで、安心して暮らせる家に変えることが可能です。
柱や梁の補強
柱や梁は建物の強度を支える重要な部分です。そのため、柱や梁の補強は耐震リフォームの基本です。
柱や梁の補強には、柱や梁を増設する方法や柱や梁に補強材を入れる方法などがあります。
基礎の補強
基礎は建物の土台となる部分です。基礎が弱いと地震の揺れで建物が倒壊するリスクが高くなります。
基礎の補強には、基礎を補強する材料を埋め込む方法や基礎の柱を増設する方法などがあります。
外壁や屋根の補強
外壁や屋根は、地震の揺れで受ける衝撃を吸収する役割を担っています。外壁や屋根が弱いと、地震の揺れで建物が損傷するリスクが高くなります。
外壁や屋根の補強には、外壁や屋根に補強材を入れる方法や、外壁や屋根を重量の軽いものに交換する方法などがあります。重量の軽いものを使うことで地震による揺れの増幅を減らすことが可能です。
キッチンなどの水回りのリフォーム
キッチンや浴室、トイレなどの水回りは、毎日の生活で頻繁に利用する場所です。使い勝手が悪い場合はリフォームを検討するとよいでしょう。
JR神戸駅前のHDC神戸やグランフロント大阪にあるHDC大阪には、大手住宅設備メーカーが複数入っていますので、最新の設備の機能を体験して見るのもおすすめです。
水回りのリフォームの工事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- キッチンの設備の交換
- 浴室の設備の交換
- トイレの設備の交換
- 水漏れなどの修繕
水回りのリフォームをすることで、使い勝手やデザインを向上できます。
キッチンの設備の交換
キッチンの設備は10〜20年程度の寿命と言われています。そのため、古くなった場合は交換を検討するとよいでしょう。
キッチンの設備の交換には、システムキッチンの交換やガスコンロやシンク、収納などの単品交換などがあります。
システムキッチンの交換を行う場合は、予算や家族構成、キッチンの使用の仕方に合わせて最適なキッチンを選ぶことが大切です。ガスコンロやシンク、収納などの単品交換を行う場合は、好みや使い勝手に合わせて必要な設備を選べます。
浴室の設備の交換
浴室の設備も10〜20年程度の寿命と言われています。古くなった場合は交換を検討するとよいでしょう。
浴室の設備の交換にはユニットバスの交換や、浴槽や洗面台、給湯器などの単品交換などがあります。
ユニットバスの交換を行う場合は、予算や家族構成、理想的なお風呂での過ごし方に合わせて浴室を選ぶことが大切です。浴槽や洗面台、給湯器などの単品交換を行う場合は、利用頻度や好みに合わせて必要な設備を選びましょう。
トイレの設備の交換
トイレの設備も、10〜20年程度の寿命と言われています。古くなった場合は交換を検討してください。
トイレの設備の交換には、タンクレスのトイレへの交換や、便器や洗面台などの単品交換などがあります。
タンクレスのトイレへの交換を行う場合は、節水効果や省エネ効果が期待できます。便器や洗面台などの単品交換を行う場合は、清掃性や見た目の好みに合わせて必要な設備を選べます。
水漏れなどの修繕
水漏れなどのトラブルが発生した場合は、早めに修繕を行うことが大切です。水漏れを放置すると、建物の劣化や周囲への被害につながる可能性があります。
水漏れなどの修繕は、専門の業者に依頼することをおすすめします
二世帯同居などの間取り変更・増築
二世帯同居や親世帯の介護を目的としたリフォームを行う場合は、間取り変更や増築が必要になる場合があります。
間取り変更・増築の工事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 玄関や廊下などのスペースを増やす
- トイレや浴室などの水回りを増やす
- キッチンやリビングなどの居室を増やす
- 部屋を仕切る
- 部屋をつなげる
玄関や廊下などのスペースを増やす
玄関や廊下などのスペースを増やすことで、両世帯が行き来しやすくなります。親世帯の介護をする際にもゆとりを持って動けます。
トイレや浴室などの水回りを増やす
トイレや浴室などの水回りを増やすことで、両世帯で利用する際にもお互いに気を遣わなくて済む水回りが実現可能です。親世帯の介護をする際にも、使いやすい水回りを確保できます。
キッチンやリビングなどの居室を増やす
キッチンやリビングなどの居室を増やすことで、両世帯のプライバシーを守れます。親世帯の介護をする際にも、子世帯が過ごす場所を確保できるメリットは大きいでしょう。
部屋を仕切る
部屋を仕切ることで、両世帯のプライバシーを守ることができます。親世帯の介護をする際にも、子世帯の生活への影響を最小限にできます。
部屋をつなげる
部屋をつなげることで、両世帯がコミュニケーションを取りやすくなります。親世帯の介護をする際にも気軽にコミュニケーションを取れるので、子世帯がサポートしやすいでしょう。
実家をリフォームするのにかかる費用相場
実家をリフォームする際には、工事の内容や規模によって費用が大きく異なります。一般的な目安として、以下のとおりです。
工事内容 | 費用相場(坪単価) |
---|---|
水回り(キッチン・浴室・トイレ) | 10~20万円 |
内装(壁・床・天井) | 5~10万円 |
外装(屋根・外壁・サッシ) | 10~20万円 |
間取り変更・増築 | 20~50万円 |
これらの費用はあくまでも目安であり、実際にかかる費用は工事の内容や規模、建物の状況などによって大きく異なります。
事例1:子どもの自立をきっかけにした間取り変更リフォーム
【Before】
【After】
施工会社 | ナサホーム |
費用 | 2360万円 |
築年数 | 30年 |
子どもが自立して家を出るようになった場合、空いた部屋を親の部屋や趣味の部屋などにリフォームするケースがあります。このような場合、壁の一部を取り壊して部屋を広くしたり、クローゼットや収納スペースを増設したりする工事が行われます。
今回の事例では、子供が独立して夫婦ふたりの生活になったことをきっかけにリフォームを行いました。費用は2360万円です。
1階では狭かった玄関にシューズクロークを設けて広々と使えるように改装し、土間以外では子供の帰省時に利用できるように多用途なフリールームとしました。
2階にはLDKと水回りを集約させ、日当たりの良いリビングを設けて対面型のキッチンを設置することで、開放感のある空間を実現させています。
3階にスタディールームとウォークインクローゼットを新設することで、住の空間を充実させました。
事例2:二世帯住宅全面改装
【Before】
【After】
施工会社 | ナサホーム |
費用 | 1950年 |
親世帯と子世帯が同居する二世帯住宅の場合、両世帯のプライバシーを守るために間取り変更や増築を行うケースがあります。このような場合、玄関や廊下を広くしたり、トイレや浴室を増設したりする工事が行われます。
今回の事例では二世帯住宅として全面的に改装をし、1階にはご両親、2階以上には施主世帯が住む空間としました。費用は1950万円です。
世帯が分離して一つの家に住むので、1階にも2階にもキッチンを設け、別々の生活を送れるように配慮してあります。
玄関にはご両親が高齢化したときのことも考慮して、引き戸を採用しました。
事例3:生活動線を改善するマンションリフォーム
【Before】
【After】
施工会社 | ナサホーム |
費用 | 600万円 |
築年数 | 51年 |
マンションの場合、間取り変更や増築が難しい場合もあります。そのような場合、生活動線を改善するために、キッチンや浴室の設備を交換したり、収納スペースを増設したりする工事が行われます。
今回の事例では、部屋数が多くて使い勝手の悪さを感じていたため、間取りを2LDKからワンルームへと思い切って変更しました。費用は600万円です。
築51年のマンションであったため、生活動線が現在のライフスタイルと合っていませんでした。具体的には玄関が狭くて使いづらい、収納が少ないといったことが問題でした。
使用頻度の低い洋室を解体することで玄関を広げてシューズクロークを作り、ウォークインクローゼットも同時に作成することで、収納の少なさをカバーしています。
ワンルームへと変えたことで生活動線が改善されるとともに、部屋全体に光が届き、明るい住まいに変貌しました。
事例4:実家に移り住むための全面リフォーム
施工会社 | ナサホーム |
費用 | 1100万円 |
築年数 | 34年 |
実家に移り住むために、全面リフォームを行うケースもあります。このような場合、キッチンや浴室、トイレなどの水回りを最新の設備に交換したり、間取りを変更してバリアフリー化したりする工事が行われます。
今回の事例では、実家に移住することをきっかけにマンションの全面リフォームを行いました。費用は1100万円です。
使いにくかった壁付のキッチンからおしゃれなブルータイルの対面キッチンへと変更し、キッチンからリビングが見渡せる素敵な空間へと変身しています。
廊下側の物入れをワークスペースと趣味部屋を兼ねた書斎に変更することで、使い勝手が格段に上がりました。
実家のリフォームで使用できる可能性のある補助金・減税
実家をリフォームする際には、補助金や減税制度を活用することで、費用を抑えることができます。詳しくはお近くの自治体や専門業者にお問い合わせください。
JR神戸駅前のHDC神戸には複数のリフォーム会社が入っているので、制度の対象となるリフォームについて気になる場合は相談に行ってみると良いでしょう。
介護リフォーム補助金
介護リフォーム補助金は、高齢者の介護を目的としたリフォームに対して、国や自治体から補助金が交付される制度です。
補助金の対象となるリフォームには、以下のようなものがあります。
- 手すりの設置
- 段差の解消
- 滑りにくい床材の採用
- トイレや浴室の改修
- 玄関の改修
補助金の額は、最大で20万円程度が交付される場合があります。
住宅エコリフォーム推進事業
住宅エコリフォーム推進事業は、省エネや創エネを目的としたリフォームに対して、国や自治体から補助金が交付される制度です。
補助金の対象となるリフォームには、以下のようなものがあります。
- 断熱工事
- 太陽光発電システムの設置
- 蓄電池の設置
- 省エネ設備の導入
補助金の額は、最大で35万円程度が交付される場合があります。
耐震リフォーム補助金
耐震リフォーム補助金は、建物の耐震性を高めるリフォームに対して、国や自治体から補助金が交付される制度です。
補助金の対象となるリフォームには、以下のようなものがあります。
- 柱や梁の補強
- 基礎の補強
- 外壁や屋根の補強
補助金の額は、最大で100万円程度が交付される場合があります。
同居対応リフォーム補助金
同居対応リフォーム補助金は、親子世帯や二世帯住宅など、複数世帯が同居するためのリフォームに対して、国や自治体から補助金が交付される制度です。
補助金の対象となるリフォームには、以下のようなものがあります。
- 玄関や廊下のスペース確保
- 水回りの増設
- 手すりの設置
補助金の額は、最大で30万円程度が交付される場合があります。
各種工事の所得税減税
各種工事の所得税減税は、住宅の改修工事に対して所得税から一定の金額を控除できる制度です。
控除の対象となる工事には、以下のようなものがあります。
- 耐震改修
- バリアフリー改修
- 省エネ改修
- 同居対応リフォーム
- 長期優良住宅化リフォーム
控除額は最大でそれぞれ60万円程度です。耐震と省エネ、耐久性向上、太陽光発電設備設置などをすべて行うと80万円程度になる場合もあります。
固定資産税減額
固定資産税減額は、住宅の改修工事に対して固定資産税の減額措置が適用される制度です。
減額の対象となる工事には、以下のようなものがあります。
- 耐震改修
- バリアフリー改修
- 省エネ改修
- 長期優良住宅化
先述しましたが、減税期間は1年間で、減額率は固定資産税額の1/3~2/3程度が減額されます。
ここだけは押さえたい!実家をリフォームする時の注意点
実家をリフォームする際には、以下の点に注意が必要です。
- 増築は固定資産税が上がる
- 相続税・贈与税の確認
- バリアフリー化
- ヒートショック対策
- 安心できる耐震・耐久性
- 将来のライフスタイルへの可変性をもたせる
実家をリフォームする際には、これらの注意点を押さえておくことで、後悔のないリフォームを実現することができます。
増築は固定資産税が上がる
増築を行うと建物の床面積が増えるため、固定資産税が上がる場合があります。増築を行う前に固定資産税の増額分を把握しておきましょう。
相続税・贈与税の確認
リフォーム費用を親から贈与された場合は、相続税や贈与税の対象になる場合があります。リフォーム費用を贈与する際には、相続税や贈与税の専門家、税理士に相談しましょう。
バリアフリー化
年月が経てばいずれ高齢になります。現時点での高齢化や障害の有無にかかわらず、誰もが安全に暮らせる住環境を整えることが大切です。段差の解消や手すりの設置など、バリアフリー化を検討しましょう。
ヒートショック対策
冬の寒さや夏の暑さによるヒートショック対策も重要です。ヒートショックは直接命に関わるため、断熱材の施工やエアコンの設置など、ヒートショック対策を検討しましょう。
安心できる耐震・耐久性
地震や台風などの災害に備えて、耐震・耐久性を高めるリフォームも検討してください。柱や梁の補強、屋根や外壁の改修など、耐震性・耐久性の高い住宅にしましょう。
将来のライフスタイルへの可変性をもたせる
家族構成やライフスタイルの変化に備えて、可変性を持たせるリフォームも検討しましょう。たとえば、間取りを変更しやすいようにしたり、収納スペースを多めに確保したりすることで、将来のライフスタイルの変化にも対応しやすくなります。
実家のリフォームは補助金や減税をうまく使うのがポイント
実家をリフォームする際には、工事内容や規模によって、費用が大きく異なります。一般的な目安としては以下のとおりです。
工事内容 | 費用相場(坪単価) |
---|---|
水回り(キッチン・浴室・トイレ) | 10~20万円 |
内装(壁・床・天井) | 5~10万円 |
外装(屋根・外壁・サッシ) | 10~20万円 |
間取り変更・増築 | 20~50万円 |
実家をリフォームする際には、補助金や減税制度を活用することで、費用を抑えることができます。
- 介護リフォーム補助金
- エコリフォーム補助金
- 耐震リフォーム補助金
- 同居対応リフォーム補助金
- 各種工事の所得税減税
- 固定資産税減額
実家をリフォームする際には、以下の点に注意が必要です。
- 増築は固定資産税が上がる
- 相続税・贈与税の確認
- バリアフリー化
- ヒートショック対策
- 安心できる耐震・耐久性
- 将来のライフスタイルへの可変性をもたせる
実家をリフォームする際には、これらの注意点を押さえておくことで、後悔のないリフォームを実現することができます。
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