宅地建物取引士、FP2級保有 不動産・建設会社の土地有効活用のコンサルティング営業を6年担当。現在は不動産や建設業界の知見を活かした不動産や金融ジャンルのライターとして活動しています。
「リフォームローンの金利ってどれくらい?」「どうやってリフォームローンを選ぶの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、リフォームローンについて
- リフォームローンの特徴
- リフォームローンの金利の相場
- リフォームローンのシミュレーション
- リフォームローンを選ぶ際のポイント
を紹介します。リフォームローンについてしっかりと理解するためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
リフォームローンの特徴とは
マイホームの増改築やリフォームが必要となり、リフォームローンを検討されている方もいるのではないでしょうか。
家に関するローンと言えば、住宅ローンをイメージする方が多いと思いますが、住宅ローンとリフォームローンは何が違うのでしょうか。その違いをはっきりと知らないという方も多いでしょう。
リフォームローンの特徴を押さえておくことで、得られるメリットを知ることができるため、前向きにリフォームローンを検討できるようになります。それでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
連帯保証人が必須ではないケースがある
多額のお金を借りる時には、連帯保証人は必須であると思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、担保の要らない無担保型のリフォームローンでは、連帯保証人が必須ではないケースがあります。
まず、担保が必要な理由としては、ローンを借りた人が、ローンを返済できなくなってしまうかもしれないからです。お金を貸す側は、そのようなリスクも考慮して担保を要求していることを覚えておきましょう。そして、実際にローンの返済がされなくなった場合には、担保されたものを利用して、ローン残額の回収に努めます。
そして、担保は「物的担保」と「人的担保」の2種類に分かれます。物的担保とは、資産として価値のある土地などの不動産になることが多いです。住宅ローンの場合は、基本的には購入する住宅が担保として扱われます。人的担保とは、連帯保証人や連帯債務者などを指します。
リフォームは、小規模なものも多く、費用も数千万円ほどの住宅ローンとは違って、数百万程度の少額であることも多いでしょう。そのため、借りた人がローンを返済できる可能性の方が高いと考えられ、無担保のローン、つまり連帯保証人がいなくても借りられる場合があります。
住宅ローンより審査に通過しやすい
各金融機関の審査基準は公にされていないため、詳細を知ることはできません。しかし、国土交通省が公開している「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」では、審査項目についての記載があります。融資を行う際の、上位5項目は以下のとおりです。
- ローン完済時の年齢
- 健康状態
- ローン借り入れ時の年齢
- 担保の評価
- 勤続年数
実際に、ローンの商品説明書には、利用可能な方の条件として「年齢」や「年収」が記載されていることも少なくありません。年齢が高い方や年収が低い方は、ローンを返済できない可能性が高くなるため、金融機関側のリスクを軽減するため、このような審査基準になっていると考えられます。
しかし、先述したとおり、リフォームは小規模で比較的少額である場合が多いです。そのため、住宅ローンに比べて貸す側のリスクも低くなるため、審査に通過しやすいと言われています。
そして、審査期間も短くなっていることが多いです。リフォームは内容の特性上、どうしても急を要する場合もあるでしょう。そのような時に、融資までの期間が短いケースもあるため、事前に情報収集をしておきましょう。
住宅ローンとの併用ができる
住宅ローンとの併用ができるのも、リフォームローンの特徴の1つと言えます。今住んでいるマイホームにリフォームが必要になる場合もあれば、中古住宅を購入するタイミングに合わせてリフォームが必要となる場合もあるでしょう。
その際には、住宅ローンとの併用ができます。しかし、リフォームローンは住宅ローンよりも審査に通過しやすいとは言え、状況によっては借りたい額が叶わないケースや、最悪の場合借りられないこともあります。
ローンを借りる上で大事なのは返済能力です。そのため、既に借りているローンを滞納していたり、返済能力を上回るほどの金額を借りようとしたりすると、希望している額の融資が受けられない可能性がある点には、注意が必要です。
フリーローンより金利が低くなることが多い
リフォームローンは、フリーローンよりも金利が低くなることが多いです。
フリーローンとは、使い道が定められていないローンを指します。結婚式を挙げるための費用や、資格取得のために学校に通う場合など、さまざまシーンでの活用が可能です。そして、使い道が自由であるためリフォーム費用に充当することも可能です。
しかし、ローンは使い道が決まっている方が、金利が低くなる傾向があります。そのため、目的がリフォームと決まっている場合には、フリーローンではなく、金利の低いリフォームローンを借りることをおすすめします。
リフォームローンの金利の相場とは
ここまで、リフォームローンの特徴を解説してきましたが、実際にリフォームローンを借りる場合の、金利の相場が気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、担保の有無や金利の動き方などを比較しながら解説します。相場を知っておくと、どのような基準を持って選択するべきかが明確になるため、実際にローンを借りる際にも困ることが少なくなるでしょう。
無担保型と有担保型ごとの相場
各金融機関の例も挙げながら、無担保型と有担保型それぞれの金利の違いを詳しく解説します。具体的な金融機関を例に挙げながら金利を比較していきましょう。
無担保型
無担保型のリフォームローンの金利は以下のとおりです。(2024年6月時点)
- 三菱UFJ銀行:年1.99%~年2.875%
- 三井住友銀行:年1.475%
- みずほ銀行:年3.875%~年5.30%
- りそな銀行:年1.6%~年3.775%
詳細の条件は、金融機関ごとに異なるため、詳しく知りたい方は各金融機関のホームページをご確認ください。
有担保型
有担保型のリフォームローンは以下のとおりです。(2024年6月時点)
- 住宅金融支援機構のリフォーム融資(高齢者向け返済特例):年1.07%~年3.50%
- 東京スター銀行:年0.85%~年4.35%
こちらも、詳細の条件は下記金融機関によって異なるため、詳しく知りたい方は、各金融機関のホームページをご確認ください。
各金融機関で設定されている金利の大きさは「無担保型>有担保型」となっていることがわかるのではないでしょうか。その理由は、先述したとおり有担保型の場合は、万が一ローンの返済が滞ってしまっても、担保されたものを利用してローンの残債を回収できる可能性が高いからです。無担保型の場合は、返済されなかった場合のリスクを背負っているため、金利も高くなることに注意しましょう。
変動金利と固定金利ごとの相場
リフォームローンを変動金利にするのか、固定金利にするのかによっても相場が異なります。変動金利と固定金利の違いも踏まえながら詳しく解説します。
変動金利
変動金利は、情勢に合わせて金利が変動するため、ローンを借りた時点では返済総額がいくらになるのかがわかりません。また、金利が上がってしまった場合には、総返済額も増額するといったデメリットがあります。しかし、先述したようなリスクを背負っている分、固定金利よりも金利が低いため、変動金利を選択する方が多いです。
みずほ銀行と東京スター銀行の変動金利は以下のとおりです。(2024年6月時点)
- みずほ銀行:年3.875%
- 東京スター銀行(有担保型リフォームローン):年0.85%~年7.35%
固定金利
固定金利は、ローンを借りている全期間の金利が一定となる「全期間固定金利型」と、一定期間のみ固定金利となる「固定金利期間選択型」に分かれます。情勢が変化しても、全期間もしくは一定期間は金利が固定されるため、ローンを返済しながらの生活がイメージしやすいのが特徴です。
みずほ銀行と東京スター銀行の固定金利は以下のとおりです。(2024年6月時点)
- みずほ銀行:年4.65%~年5.30%
- 東京スター銀行(有担保型リフォームローン):年1.80%~年8.85%
同じ金融機関でも、変動金利と固定金利で、約1%の金利の差が生じることがわかります。金額が大きくなればなるほど、金利の1%差が与える影響力も大きくなるため、どちらの金利を選ぶのかを慎重に検討しましょう。
金利0%になる可能性もある
大手家電量販店では、対象のリフォームに対して、最長60回分割まで無金利となるリフォームローンを用意しています。このように、リフォームローンの中には、金利が0%になる可能性があるものも存在しています。
例えば、100万円のリフォームローンをボーナス返済なしで、金利年2.0%・支払い回数60回・元利均等方式で借りた場合、返済総額は約105万円で、約5万円の利息が発生します。しかし、無金利でローンを組んだ場合、5万円分の利息を節約することが可能です。
ローンの金額がより高額となり、金利も上昇すると、さらに多額の利息が発生します。そう考えると、無金利によって得られる恩恵は大きいと言えるでしょう。他の企業でも、期間限定で金利0%のキャンペーンが開催されていることもあります。貴重な機会を逃さないように、情報を収集しておきましょう。
リフォームローンのシミュレーション
リフォームローンの特徴が理解できたら、次に気になるのは、実際にリフォームをした場合にかかる費用と、ローンの返済額ではないでしょうか。ここでは、リフォームローンのシミュレーションを2パターン紹介します。
リフォームする場所によって、金額の相場は異なるものです。リフォームの相場も加味しながら、リフォームローンを組むと「毎月の返済額と総支払額がいくらぐらいになるのか」をシミュレーションします。事例を知ることで、リフォームローンを組んだ場合のイメージが付きやすくなるでしょう。
シミュレーション①浴室・洗面室・トイレのリフォーム
浴室・洗面室をリフォームする際の費用の相場は、180万円~となっているため、200万円のローンを以下の条件で借りることを想定します。
- 借入金額:200万円
- 金利:全期間固定型
- 返済期間:10年
- 返済方式:元利均等方式(ボーナス時の返済なし)
金利を年1.5%、もしくは年3.0%とした場合の、毎月の返済額と総支払額は以下のとおりです。
- 金利1.5%の場合:毎月の返済額:17,958円/総支払額:2,134,936円
- 金利3.0%の場合:毎月の返済額:19,312円/総支払額:2,317,389円
金利が倍になった場合、毎月の返済額は+1,354円、総支払額は+182,453円になります。
シミュレーション②家全体のリフォーム
全体をリフォームする際の費用の相場は、1,000万円~となっているため、1,000万円のローンを以下の条件で借りることを想定します。
- 借入金額:1,000万円
- 金利:全期間固定型
- 返済期間:15年
- 返済方式:元利均等方式(ボーナス時の返済なし)
金利を年1.5%、もしくは年3.0%とした場合の、毎月の返済額と総支払額は以下のとおりです。
- 金利年1.5%の場合:毎月の返済額:62,074円/総支払額:11,173,280円
- 金利年3.0%の場合:毎月の返済額:69,058円/総支払額:12,430,358円
金利が倍になった場合、毎月の返済額は+6,984円、総支払額は+1,257,078円になります。
月々の差で見ると大したことはないと思うかもしれませんが、借入れる金額が増え、返済期間が長くなると、金利による返済額や総支払額の差が大きくなることがわかります。だからこそ、金利が与える影響の大きさを考慮しながら、どのくらいの金額でローンを組むのかを考えることが大切です。
リフォームローンを選ぶ際8つのポイント
ここまでの内容を踏まえて、リフォームローンへの理解も段々と深まってきたのではないでしょうか。次は、どのようなポイントに気を付けながら、リフォームローンを選べば良いのかを紹介します。ポイントをしっかりと押さえられれば、数ある選択肢の中からでも、最適なリフォームローンを選択できるようになるでしょう。
金利を比較する
先述したとおり、金利は担保の有無でも、変動か固定かの違いでも差が出ます。また、リフォームローンを提供している金融機関は複数あるため、組み合わせ方によっても金利は異なります。
ローンは数年もしくは数十年支払わなければならないものです。先述したリフォームローンのシミュレーション結果からもわかるように、数%の金利の違いが数十万円の利息の差を生みます。だからこそ、それぞれのリフォームローンのメリットやデメリットも踏まえながら、じっくりと比較検討することが大切です。
借入可能額を確認する
都市銀行の借入可能額の上限額は、500~1,000万円です。借入可能額の上限を上回る金額を借りることはできないため、自身が考えているリフォームにどのくらいの金額がかかるのか、また、自己資金として用意できる金額がどのくらいあるのかも確認しておきましょう。
金融機関の中には、借入可能額が1億円となっているような金融機関もありますが、先述したとおり、返済能力がないと判断された場合には、希望金額を借入できない場合もあります。必要に応じてリフォームの内容も見直しながら、身の丈にあった金額を借りるようにしましょう。
返済期間を確認する
都市銀行の返済期間は、10~15年です。同じ金額を借りても、返済期間が短いほど月々の返済額は増えます。
月々の返済額が増えて、家計が負担に耐えられないという方は、返済期間が長いリフォームローンを選ぶと良いでしょう。ただし、返済期間が長くなると、支払う利息も増えるといったデメリットも発生するため、注意が必要です。
団体信用生命保険の加入が必須か確認する
団体信用生命保険とは、ローンを借りている債務者が亡くなったり、高度障害になったりした場合に、保険金をもとにローンの残債を支払う制度です。この制度を利用することで、もしものことが起こっても、残された家族や大切な人に負担をかけずに済みます。
しかし、都市銀行の中にも団体信用生命保険が利用できる金融機関と、利用できない金融機関があるように、利用の可否は金融機関によって差があります。リフォームの金額が少額であれば負担は大きくならずに済むかもしれませんが、高額のリフォームになる場合には、団体信用生命保険の加入が可能かどうかも確認しておくと良いでしょう。
繰り上げ返済の手数料を確認する
繰り上げ返済には、以下のようなメリットがあります。
- 返済期間を短縮できる
- 月々の返済額を減らせる
リフォームローンの負担が軽くなって嬉しくない人はいないでしょう。だからこそ、少しでもリフォームローンの負担を減らすために、繰り上げ返済を視野に入れている人も多いでしょう。
しかし、繰り上げ返済時に手数料がかかる場合があります。例えば、三菱UFJ銀行は繰り上げ返済時には税込みで5,500円の手数料が発生します。
リフォームローンの負担を軽くするために繰り上げ返済をするにも関わらず、その度に手数料が取られてしまってはもったいないですよね。繰り上げ返済をすることも考慮して、繰り上げ返済時の手数料がかかるかどうかを確認しておきましょう。
諸経費を考慮する
リフォームローンには、金利だけではなく、さまざまな諸経費が発生する場合があります。例えば、ローンを借り入れする際には印紙代がかかったり、先述した団体信用生命保険に加入する場合には、その分の金利が元の金利に上乗せされたりします。
もし、大規模なリフォームをする場合には、一時的に引っ越して仮住まいをしないといけなくなるかもしれません。その際の引っ越し代や、仮住まい先での家賃も諸経費です。諸経費だけで、数十万円といった金額になることもあるでしょう。そのため、リフォーム工事にかかる費用だけではなく、諸経費も考慮しながらローンを借りることが大切です。
事前に返済シミュレーションをしておく
先述したように、リフォームローンは担保の有無や、金利の動き方によっても支払う金額は大きく変わってきます。金利0%のローンを利用すれば、さらに負担金額は軽くなるでしょう。どのような条件のローンを選ぶかによって、月々の返済額、そして総返済額は大きく変わってきます。
だからこそ、金融機関ごとのリフォームローンだけではなく、リフォームの内容やリフォームを依頼する企業などを想定しながら、事前に返済シミュレーションをしましょう。
返済シミュレーションをしっかりと実施しておけば、本当に必要なリフォームなのか、借入れる金額に無理はないのかを見直すきっかけにもなります。そして、リフォームローンを借りた後の生活も苦しくならずに済むでしょう。
専門家に相談する
リフォームと言っても、リフォームの内容や規模、かかる金額はさまざまです。そして、自己資本金がどのくらいあるのか、親からの援助が受けられるのかどうかなどによっても、ローンを組む金額は異なります。
そのような中で、複数あるリフォームローンの中から、自身に合ったものを見つけるのは簡単なことではありません。そのため、専門家に相談することは、最適なリフォームローンを見つける上で、大切なポイントと言えるでしょう。
例えば、HDC神戸では「住まいに関する悩み」に応える無料相談サービスを行っています。さまざまな資格を持ったアドバイザーが、あなたの悩みを解決するためのお手伝いをしてくれます。リフォームローンを考えている場合には、ぜひ一度HDC神戸のコンシェルジュに相談してみてはいかがでしょうか。専門家の立場からアドバイスをしてくれるため、より納得感のある決断を下すことができるでしょう。
また、HDC神戸に入居している複数のリフォーム会社でも、リフォームのプロにリフォームローンについて相談することも可能です。情報を収集して検討してはみたものの、疑問や不安が残るという方は、ぜひHDC神戸に足を運んでみてください。
まとめ|リフォームローンのことならプロに相談しよう
リフォームローンはさまざまな特徴があるだけではなく、金利の相場も金融機関や企業によって異なるため、情報量は多くなります。その中で、必要な情報を取捨選択し、自分の理想の家を実現するための、リフォームローンを決めるのは労力がかかるでしょう。
住宅ローンより返済期間が短いとされていますが、それでも数年、長い人は10年以上ローンを組むことになります。ローンを組んだ後に後悔しないためにも、慎重に検討する必要があります。
もし、ローン選びに悩んだら1人で抱え込まずにプロに相談してみましょう。HDC神戸には「住まいに関する悩み」に応える無料相談サービスがあります。また、HDC神戸には複数のリフォーム会社が入っており、リフォームのプロにリフォームローンなどについて相談することもできます。プロの視点で、あなたの悩みにアドバイスをくれるため、解決に向けて一歩前進できるでしょう。
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