nook interiors代表。二級建築士。住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計企画会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、インテリアコーディーネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。
日常生活の中で、歩いたり、椅子を引いたり、荷物を動かしたりする時に触れる床は、内装材の中でも劣化しやすい部分です。「細かい傷が増えてきた」「色が褪せて見映えがよくない」などの悩みが出てきたら、フローリングの張り替えを検討するタイミングです。
この記事では、フローリングを張り替えるタイミングやフローリングの種類、張り替えを検討する上で気になる施工方法や費用相場などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
フローリングを張り替えるタイミング
新築時には美しくツヤがあったフローリング。年数が経ってきて傷や劣化が気になってはいるものの、そのまま使い続けているという人は多いでしょう。フローリングの張り替えは、どのようなタイミングで行うといいのでしょうか。張り替えるタイミングの目安となる状態や年数を把握しておきましょう。
きしむ音がする
歩くと「ギシギシ」「ミシッ」といった音が鳴る場合は、フローリングに問題がある場合と、床下地に問題がある場合とが考えられます。
フローリング材本体に問題があるケースでは、室内の空気の乾燥によってフローリング材が収縮し反っているか、逆に空気内の湿気をフローリング材が吸収し膨張することで、つなぎ目部分がこすれて音が出るパターンが多いです。壁ぎわで音が鳴っていたら、フローリング材と壁の仕上げ材がこすれて音が出ている可能性が高いでしょう。築年数が経っている場合は、フローリング材本体が劣化して強度が下がり、歩行などで重量がかかるたびにきしんでいる状態が考えられます。
床下地に問題があるケースでは、フローリングの土台となっている床下地の木材にすき間や反りが起きて、歩行の重量によって音が鳴る場合が多いです。フローリングの下には、フローリング材を支える根太(ねだ)と、根太を支える大引(おおびき)という2種類の木材が格子状に設置されていますが、どちらも木材なので、フローリング材と同じように、乾燥や湿気で収縮・膨張を繰り返します。根太や大引がシロアリ被害を受けて、木材の内部がスカスカになっている場合や、床下地を固定する釘が下地の間でこすれ、きしみが発生することもあります。
歩くと違和感がある
フローリングの不具合として、「歩くと沈むような感覚がして違和感がある」というトラブルも少なくありません。踏んだ時に、ふわふわと浮くように感じる場合もあります。こうした症状が起きる原因として多いのが多湿による腐食です。フローリングもしくは床下地の木材が、長年湿気にさらされてしまうと、床下地の木材が腐食し、上に張っているフローリングが床下地から剥がれて浮いたような状態になり、踏んだ時に沈み込んだり、ふわふわとした踏み心地になったりします。
湿気の影響が少ないうちはきしむ音がする程度で済みますが、湿気が多く、劣化が激しくなると沈み込みを感じやすいです。新築当初はしっかりとした踏み心地だったのに、年数が経つうちに沈み込みの感覚が強くなってきたなら、劣化が進行した状態だと考えていいでしょう。湿気以外に、シロアリ被害が広がっていたり、カビが大量発生していたりする可能性もあります。床下地全体の劣化が進んでいることが多いため、沈み込みや浮遊感がある箇所だけを補修するのではなく、基本的に全面張り替えを行うのがおすすめです。
張り替えの目安は築15~20年目
フローリングは、歩行による摩擦や家具などを動かす際の衝撃、湿気などによって劣化していきます。一般的には、先ほど触れたような症状が出やすくなる築15〜20年目あたりが、張り替えのタイミングです。フローリング材は、こまめにメンテナンスしているかどうかで寿命の長さが多少変わりますが、メンテナンスをする機会がない床下地は徐々に劣化していくため、築15年を過ぎた頃から劣化の影響が出やすくなるのです。
張り替えのタイミングはあくまでも目安なので、新築から20年以上経っても問題がなければ、張り替える必要はありません。ただし、水まわり設備や壁紙などもリフォームを行う時期にさしかかるため、フローリングだけ張り替えずにいると、古さが目立って見た目のバランスが崩れることもあります。他の箇所のリフォームとあわせて張り替えを検討するのもいいでしょう。
フローリングの種類
フローリングには、「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類があります。似ているようでも色や質感に微妙な違いがあり、それぞれ異なる特徴を持っているので、張り替えるならじっくり比較して選びましょう。2種類のフローリングの特徴についてそれぞれ紹介します。
無垢フローリング
原木から切り出した、自然のままの木材を使った床材が無垢フローリングです。基本的に、切り出した一枚板を他の木材と重ねることなくそのまま使うので、単層フローリングとも呼ばれます。
天然の木材ならではの質感を楽しめる上に、床一面に張ると木の香りが室内に広がるのが大きな魅力です。木の特性のひとつである調湿作用(室内の空気に含まれる水分が多い時は吸収し、少ない時は放出する働き)を活かすことができます。年数が経つにつれて、深みがある独特の色合いに変化する味わい深さも特徴のひとつです。天然の一枚板なので、表面に傷が入った場合は削って修復できるうえ、ほどよい弾力があるため歩行時の足腰への負担が少ないと言われています。
一方、天然の木材なので、乾燥や湿気の影響を受けて変形しやすいのがデメリットです。反りや割れが生じたり、継ぎ目にすき間が出たりするので、室内環境や季節によって床鳴りが起きやすくなります。傷も入りやすいため、こまめなメンテナンスが不可欠です。
後ほど、無垢フローリングに使われる樹種の解説もしますので、ぜひ最後まで記事をチェックしてくださいね。
複合フローリング
合板や集成材(薄くスライスした木の板を接着剤で貼り合わせた木材)を基材とし、木や化粧材で表面を仕上げた床材が複合フローリングです。複数の材料を重ねてつくられるため、複層フローリングとも呼ばれます。
2~3mmの厚みの天然木を表面仕上げに使い、無垢フローリングに似た質感を出せる「挽き板」や、0.3~1mmの厚みの天然木を基材に貼って仕上げた「突板」、木目柄を印刷した樹脂製シートやオレフィンシートを基材に貼って仕上げた「シート」などがあり、色や質感のバリエーションが多彩です。
無垢フローリングのように、乾燥や湿気の影響で反りや収縮・膨張が起きることは少なく、施工後も安定した状態で使えます。水拭き掃除ができるため、日常のお手入れがしやすいメリットもあります。無垢フローリングよりも価格が安いので、リビングや寝室などの広い床面を全面張り替えしたい場合は、予算を抑えやすいでしょう。
一方で、調湿機能がない点や、傷が入った時に削って補修するのが難しい点はデメリットです。踏み心地が硬いため、室内犬や猫などのペットの足に負担がかかる可能性もあります。予算と必要な機能のバランスを考えて、選ぶことが大切です。
フローリングの施工方法と費用相場・工事期間
フローリングの施工方法は、「新規張り」と「重ね張り」とに分類されます。施工方法別に、工事費用の相場や工事期間の目安について見ていきましょう。
新規張りの場合
新規張りは、今張ってあるフローリング材をすべて剥がし、新しいフローリング材に張り替える施工方法です。床下地の状態を直接確認してトラブルの原因を把握できるので、必要な補修を行ってトラブルを根本から改善することができます。「きしみや沈み込みなどを解消したい」「フローリング全体に色あせや傷が発生している」といった方におすすめです。
一方で、現在のフローリングを剥がし、床下地を調整する際には、大きな音や振動が続いたり、粉じんが舞い上がったりします。重ね張りと比べると、材料費や工事費が高くなりやすく、工事期間も長いので、予算や施工時期について事前によく検討することが大切です。
新規張りにかかる工事費用は、フローリングの種類や樹種、グレードによって異なりますが、複合フローリングを採用した場合、6畳で10〜18万円、10畳で17〜26万円が相場です。無垢フローリングを選ぶと、この金額に+3〜6万円が相場と言えるでしょう。さらに、既存フローリングの撤去・処分費用で5万円前後、下地補修が必要なら2〜4万円が必要です。家具が多い場合は移動費用がかかる場合もあります。
工事期間の目安は、1部屋の張り替えで2~3日と見ておくといいでしょう。「施工範囲が広い」「現在のフローリングの状況が悪く剥がしにくい」「下地の状態が悪く補修に時間がかかる」といった場合は、工事期間が半日〜1日長くなると考えておきましょう。
重ね張りの場合
重ね張りは、現在のフローリング材を剝がさずそのまま残して、新しいフローリング材を上から重ねて張る施工方法です。現在のフローリングを剥がす工程がないため、工事費用が安く抑えられます。工事期間が短く、ホコリや騒音が発生しにくいので、施工中に別の部屋で過ごすことも可能です。現在のフローリングと新しいフローリングの二重張り状態になることで、下の階に音が響きにくくなるというメリットもあります。「手早くフローリングを張り替えたい」「工事費用を抑えたい」といった方におすすめです。
一方で、張り替え時に床下地を確認しないため、床下地が劣化していても分かりません。築15年以上経っている家だと、床下地の劣化によるきしみや沈み込みがいつ発生してもおかしくないので、重ね張りした後すぐにトラブルが発生して、再度工事が必要になるリスクがあります。また、重ね張りした分、張り替えた部屋の床面が高くなり、廊下や隣室との床面に段差ができる点には注意が必要です。
重ね張りにかかる工事費用は、フローリングの種類や樹種、グレードによって異なりますが、複合フローリングを採用した場合、6畳で7〜14万円、10畳で10〜18万円が相場です。無垢フローリングを選ぶなら、新規張りと同じくこの金額に+3〜6万円が相場となります。新規張りとは違い、既存フローリングの撤去・処分費用や下地補修費用はかからず、追加されるとすれば家具移動費用でしょう。
工事期間の目安は、1部屋の張り替えで1〜2日です。新規張りよりも短いので、比較的気軽に張り替えできる方法と言えます。
フローリングを張り替える際の注意点
フローリングの張り替えを検討する時、費用や工事期間につい注目してしまいがちですが、満足度の高い仕上がりにするためには他にも把握しておきたいポイントがあります。「工事する前に知っておけばよかった」と後悔しないための注意点を紹介します。
マンションは事前に管理規約を確認する
集合住宅であるマンションは、多くの世帯が同じ建物内で生活するため、騒音トラブルが起きやすいです。各部屋で発生した音は、構造体や配管を伝って建物内に反響しますが、特に室内の床を歩いたり、物を落としたりした時の音は直下の部屋に響きやすいので、床材の選定は慎重にしなければいけません。
マンションの場合、フローリング材の遮音等級が管理規約で決められています。管理規約とは、マンションの建物や敷地、付属施設の管理や使用に関する決まり事をまとめたものです。マンション内で起こるトラブル管理規約に加え、使用細則を別途定めているマンションもあります。使用細則とは、管理組合などによって開かれる集会で決められた管理規約以外のルールをまとめたものです。
マンションの部屋のフローリングを張り替える場合は、まず管理規約で決められているフローリング材の遮音等級を確認しましょう。室内の床は、区分所有者が単独で所有する「専有部分」にあたりますが、リフォーム工事を行う際は、事前に管理組合へ工事許可申請書を提出しなければなりません。この時、管理規約や使用細則で決められている遮音等級以上のフローリング材を選定していないと、工事の承認が下りないので注意が必要です。
工事中の仮住まいが必要か検討する
床下地の状態や施工方法によって、フローリングの張り替え工事の期間は異なります。狭い面積を重ね張りするなら1日程度で終わりますが、リビングや寝室など広い面積を床下地の補修込みで新規張りにする場合は、2〜4日かかるでしょう。張り替え中の箇所は使用できないので、住みながら工事をするなら、一時的に他の部屋で生活することになります。
キッチンのフローリングを張り替える場合は、キッチン本体を取り外し、フローリングを張り替えた後再設置するため、キッチンが使えない日があります。リフォーム業者から提出された工程表を確認し、工事中の過ごし方を事前にシミュレーションしておくのがおすすめです。
工事中、特に現在のフローリングを剥がす作業をしている間は、大きな音や振動が発生します。ホコリも大量に発生するため、養生してあるとはいえ何となくホコリっぽさを感じることもあります。さらに、工事中は職人が出入りするので、普段とは違う雰囲気にストレスを感じることも少なくありません。数日の工事期間とはいえ、小さい子どもやお年寄り、療養中の家族がいるなら、無理をせず仮住まいすることも考えてみてください。
無垢フローリングの特徴を把握しておく
無垢フローリングは天然の木材なので、室内環境に応じて膨張・収縮したり、反りや変形などが起きることをあらかじめ想定しておく必要があります。無垢フローリングに使われる木材の特徴を把握し、納得した上で選んでくださいね。
無垢フローリングの材料となる木材は、針葉樹と広葉樹に大きく分かれます。
針葉樹は内部の細胞構造が単純で、空気を多く含んでいるので、柔らかく軽いのが特徴です。肌触りがいい反面、傷が入りやすいため、こまめなメンテナンスを必要とします。スギやアカマツ、パイン、ヒノキなどが床材としてよく使われる代表的な樹種です。
広葉樹は、内部の細胞構造が複雑で密度が高く、含んでいる空気の量が少ないため、硬く重いという特徴があります。伐採して建築材料として加工できるようになるまで、90〜100年かかる樹種が多く、40〜60年で伐採できる針葉樹よりも流通量が少ない分、値段が高めです。個性的な木目を持つ樹種が多く、硬いので傷がつきにくい反面、弾力性はほとんどありません。ウォールナットやオーク、メイプル、クリなどが床材として使われる代表的な樹種です。
「無垢フローリングにしたいけれど材料費を抑えたい」「手触りのよさを重視したい」という方は針葉樹を、「来客や家族の出入りが多いので傷がつきにくい床にしたい」「個性的な木目の床にしたい」という方は広葉樹を検討してみるといいでしょう。
張り方を変更する場合は割付を確認する
住宅のフローリングは、「定尺張り」と呼ばれる張り方が一般的です。同じ寸法の材を、長辺の1/2分だけ交互にずらしながら張っていきます。
長さが異なる材を同じ方向に張り込んでいく「乱張り」は、木目や色の個性を出しやすい方法です。いろんな長さの材を張るため、独特のニュアンスを生かした個性的な雰囲気を出せます。
細長い材をV字型に張り合わせていく「ヘリンボーン張り」は、ヴェルサイユ宮殿にも使用されている洗練された張り方として、最近人気が高まっています。床面のデザインにこだわりたい場合はおすすめです。
ヘリンボーン張りのようにV字型に張るのは同じですが、突合せ部分を45度にカットして仕上げる方法は、「フレンチヘリボーン張り」と呼ばれます。斜め張りがより強調され、シャープな印象です。
その他、同じ長さの小さな材を組み合わせて作った正方形を並べていく「市松張り」や、壁に対して斜めに材を張っていく「斜め張り」などもあります。
定尺張りは完成後のイメージを想像しやすいですが、それ以外の張り方はあまり見る機会がないこともあって、仕上がりのイメージがつきにくいものです。特に、現在のフローリングが「定尺張り」で、張り替え時に他の張り方に変えるなら、イメージのずれがないよう施工事例などの写真をしっかり確認しておきましょう。
どのようなパターンで材を張っていくかを決める割付(わりつけ)も、フローリングの張り替えには不可欠な作業です。「ヘリンボーン張り」や「市松張り」は、壁ぎわに目地が偏ったり、中途半端な大きさの材で埋めたりしないよう、部屋全体で左右対称になるよう中心から左右に張っていくと美しく仕上がります。リフォーム業者に割付図を作ってもらい、全体のバランスが取れているか施工前にチェックしておくことが大切です。
フローリングの張り替え費用を抑えるコツ
フローリングの張り替え費用は、同じ床面積でも樹種や機能、グレード、張り方などの選択で大きく異なります。しかし、毎日視界に入り、常に触れる場所なので、費用は抑えつつも好みのフローリング材を使いたいですよね。
ここからは、フローリングの張り替え費用を安く抑えるコツを5つ紹介します。
現場調査を念入りにしてもらう
フローリングを初めて張り替えるタイミングが新築時から15〜20年後だと、フローリング材だけでなく、床下地も劣化しているケースが多いです。特に問題がないと感じていても、プロの目から見ると近々トラブルが起きそうな状態になっていることもあります。床下地を調査し、必要な補修を行うことができるのは、張り替えのタイミングしかないので、現場調査の際に念入りに確認してもらいましょう。
「ひとまずフローリングだけ新しくすればいい」という考えで、簡易な現場調査のみで張り替えると、張り替えた数年後にきしみや沈み込みなどのトラブルが起きて、再度フローリングを剥がして調査するという事態になりかねません。張り替え時に費用を抑えても意味がなくなってしまうので、張り替え時に現場調査をしっかりしてもらうのがおすすめです。
複数のリフォーム業者から見積を取る
フローリングの張り替え工事には、「現在のフローリングをきれいに剥がせるか」「床下地の状態を正確に判断し適切な補修ができるか」「要望に沿った特徴やグレードの商品を提案できるか」「美しい割付で施工できるか」など、さまざまな技術が必要とされます。満足度の高い仕上がりを得るためにも、内装工事の経験が豊富なリフォーム業者を選定することが大切です。
とはいえ、リフォーム業者選びは難しいもの。そこでおすすめしたいのが、複数のリフォーム業者に見積を依頼する「相見積」をおこなうことです。リフォーム業者によって、提案されるフローリング材や施工内容・工事費用などが異なるため、違いを一つ一つ検討し、もっとも自分の要望に近い提案をしてくれて、かつ金額も納得できるリフォーム業者を選ぶといいでしょう。
相見積の際に注意したいのは、どの業者にも同じ要望を伝えることです。相見積の目的は、取捨選択しやすいように提案内容や施工方法・費用を比較するためなので、リフォーム業者ごとに要望を変えないように気をつけましょう。
標準グレードのフローリング材を選ぶ
施工方法が同じなら、できるだけ価格が安い標準グレードのフローリング材を選ぶことで費用を抑えられます。
複合フローリングと無垢フローリングとでは、天然の木材の使用比率が少ない複合フローリングの方が安価です。傷が入りにくいようコーティングしてある商品や、定期的なワックス掛けが基本的に要らないワックスフリータイプの商品は、標準グレードの商品よりも高くなるので、予算重視ならこれらのタイプは対象から外しましょう。
無垢フローリングは、
- 心材(木の幹の中心部分)の割合が多い
- 色ムラや節が少ない
ものほどグレードが高くなり、価格も上がります。また、同じグレードの中でも樹種によって価格差があり、広葉樹の方が針葉樹よりも一般的に高価です。予算を抑えたいなら、針葉樹で、かつ心材の割合や色ムラ、節の量にはこだわらずに選ぶと良いでしょう。
規格による価格差も考慮したい項目です。一枚の無垢板を使っているOPC(One Pieceの略)タイプは高く、小さな無垢材を縦横につなぎ合わせたFJL(Finger Joint Laminationの略)タイプは安いです。予算を抑える場合は、FJLタイプから選定するといいでしょう。
重ね張り工法で張り替える
前述した通り、フローリングの張り替え方法は、新規張りと重ね張りの2種類があります。工程数が多く、床下地調整分の材料費も加わる新規張りに比べて、現在のフローリングの上から新しいフローリング材を張って仕上げる重ね張りの方が、工事費用を抑えられます。きしみや沈み込みなどのトラブルがないのであれば、重ね張りを選びましょう。
DIYは避ける
最近は、DIYでフローリングを張り替える方法がネット上でも数多く公開されており、一定のニーズがあるようです。リフォーム業者に依頼しない分、工事費用を安くできるのがメリットと言われますが、必ずしもそうとは限りません。
フローリングの張り替えでもっとも難しいのは、壁面と床面のすき間をつくらずきっちりと張る作業です。部屋の壁はまっすぐで、隣接した壁と直角に交差しているように見えますが、実際にフローリング材を張っていくと、壁が斜めになっていたり、直角に交差していなかったりする場合がほとんどです。そうなると、フローリング材をミリ単位で精密に寸法調整しなければきれいに仕上がりません。壁面と床面の取り合いを適当にしてしまうと、すき間からホコリや湿気が侵入して、床下地の劣化が早く進んだり、壁面とフローリング材がこすれて踏むたびに音がしたりして、結局やり直す羽目になることもあります。
築年数が進んで床下地の傷みがひどい場合は、フローリングを張り替える前に床下地の補修が不可欠です。人・家具などの重量や、歩行時の衝撃に耐えられる強固な床下地を組むには、専門的な知識や経験が必要なので、DIYでは対応できません。
フローリング材は寸法が大きく、重さもあります。持ち運びや張り替えの際には体力を使うため、腰を痛めたりケガをしたりするリスクも考慮したいです。
「多分できる」と自己判断で張り替えてみたものの、うまく仕上がらず自分では対応できないとなると、リフォーム業者に手直しを依頼することになり、結果的に高くつきます。仕上がりや安全性が確実ではないDIYでの施工は、避けておくのが無難です。
施工方法や費用をよく検討して好みのフローリングに張り替えよう
フローリングの張り替えは、部屋の雰囲気を大きく変えるため、フローリング材や張り方などにこだわりたいですよね。ただし、予算とのバランスや張り替え時の注意点なども併せて検討することが大切です。
この記事を参考に、好みのフローリングに張り替えて、素敵なインテリアを楽しんでください。
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