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リフォームの住宅で迷う床の色。色の特徴や部屋の雰囲気から考える失敗しない選び方


この人に聞きましたcaramel

インテリアコーディネーター インテリア商社勤務中にインテリアコーディネーター、カラーコーディネーター3級、福祉住環境コーディネーター2級を取得し、ショールームでの接客やセミナー講師などを経験。主婦の立場から、簡単に取り入れやすいインテリアのコツをご提案していきます。

床の色が与える部屋の印象は意外と大きいもの。リフォームの場合は新築と異なり、既存の物との関係でしっくりとくる床の色は限られてきます。そこで当記事では、リフォームの際におすすめな床の色の決め方を紹介していきます。リフォームの実例もあるので参考にしてみてください!

フローリングの耐用年数の目安

おうち時間の増加によって、今まで気にしていなかった家の中に目が向いた方も多いのではないでしょうか。壁紙の剥がれや床のキズ、片付けても物が溢れている状態など家の中の悩み事は尽きませんよね。

一般住宅の床によく使われているフローリングの耐用年数は、平均で10~15年といわれています。8畳のフローリングの張り替えであれば、10~20万円ほどかかるでしょう。

リフォーム時の床色の選び方で新築と異なる点は、「ある程度設置する家具などが決まっている」「汚れやキズなど現時点で問題点がわかっている」「部屋の用途がある程度確定している」という点です。

そこでこの記事では、どのようなことに注意して床(主にフローリング)の色を選んだら失敗しないかを解説していきます。新築時とは異なるリフォームにおいて、床の色がもたらす効果や人気の色をあらかじめおさえておきましょう。


床の色の種類・色の特徴

床の色の種類とは?

一般住宅の床に使われている色は、「明るい色の木目」「中間色の木目」「ダーク色の木目」です。また、最近の新築住宅では「ホワイト系」「グレー系」も人気があります。

ここからは、それぞれの色が与える雰囲気や効果を紹介していきます。おすすめのインテリアテイストもまとめたので、新築時やリフォームする際の選び方に迷っている方は参考にしてみましょう。

床リフォームの費用感

床をリフォームをした場合の費用としては、それぞれの床材によって金額が異なります。また「張り替え工法(古い床材を撤去して新しい床材を張り替える工法)」か「重ね貼り工法(古い床材の上に重ねて新しい床材を貼る工法)」によっても金額が変わります。現場の状況により、どちらも選択できるケースと選択肢がないケースがありますが、一般的に張り替え工法の方が費用がかかります。

ここでは、6畳の部屋を同じ素材で張り替えた場合、張り替え工法を中心に費用の目安をご紹介します。材料の価格帯や施工場所の条件などにより金額はかなり左右されますので、詳細は見積り依頼をすることをおすすめします。

6畳の部屋を同じ素材で張り替えた場合(張り替え工法)

フローリング

9~18万円

クッションフロア

4.5~10万円

フロアタイル

5.5~10万円

カーペット

5.3~12万円

7~20万円

また、違う素材の床材に張り替えする場合(クッションフロア→フロアタイルなど)には、下地をプラスして段差を解消したりする必要があるため、プラスで費用がかかります。素材によっても、水に強い、摩擦に強いなどそれぞれの特徴がありますので、リフォーム前にしっかりと下調べをするといいでしょう。

明るい色の木目のフローリング

明るい木目のフローリングのメリットは、明るく温かみのある雰囲気を作りやすいことです。また、北欧風インテリアのようなカラフルな物との相性がよく、ホコリも目立ちにくいのも特徴のひとつとなっています。デメリットは、色味が明るいので高級感のあるラグジュアリーな雰囲気を作りにくい点です。

明るい木目にぴったりなインテリアテイストは、人気の北欧風テイストやナチュラルテイストがいいでしょう。木の雰囲気を大切にしたインテリアテイストや、カジュアルでポップな印象のインテリアテイストがおすすめです。

従来、新築マンションや新築建売住宅の床は中間色のフローリングが多く販売されていましたが、最近では部屋が広く見える印象がある明るめのフローリングを採用している物件も多く、より人気が出てきています。

部屋が明るいと気持ちも明るくなる心理的効果があるので、陽当たりがあまり期待できない部屋を中心に人気のカラーとなってきています。

中間色の木目のフローリング

中間色の木目の床は木の自然な色に近く、昔から人気の色として多くの方が「フローリング=中間色」をイメージするのではないでしょうか。違和感なく部屋の雰囲気が作れて、新築時でも失敗の少ない一番人気のカラーです。

白っぽい床は毛が目立ちやすく、ダークな色の床はホコリが目立ちやすいですが、、中間色はどちらも目立ちにくいというメリットもあります。デメリットは、一般的によく使われる色であるため、個性的な部屋の雰囲気を作りにくい点でしょう。

中間色の木目と相性のよいインテリアテイストは、カントリー調テイストや西海岸風テイストなどです。中間色の木目の床は家具によってさまざまな雰囲気を作れるので、インテリアテイストがはっきりと決まっていない方や色の選び方に迷う方にもおすすめです。

ダーク色の木目のフローリング

ホワイト系の壁とのコントラストがはっきりとするダーク系のフローリングは、スタイリッシュでモダンな雰囲気を作るのにおすすめの床色です。広々とした新築マンションのダーク系床材は、高級感を出せるので人気のカラーとなっています。

ダーク系床材のメリットは、落ち着いた高級感のある雰囲気を作りやすく、汚れや毛が目立ちにくい点です。また、デメリットは白っぽいホコリが目立ちやすい点や、一般的に剥がれが目立ちやすい点、狭い部屋に使うと圧迫感を感じる点でしょう。

ダーク系の床材に合うインテリアテイストは、人気のシンプルモダンテイストやインダストリアルテイスト、アンティークテイストなどです。

このようにインテリアテイストが決まっている場合はおすすめですが、ダーク系の床材は主張が強いためインテリアテイストの変更が難しい色といえます。また、新築時と異なり手持ちの家具を使う場合は、家具との相性や建具と並べたときに違和感がないかなど、バランスを見ることも重要です。

ホワイト系の床

白っぽくて明るい床色は、メリットとして部屋全体を明るく広く見せる効果があるので、空間が限られている部分にもおすすめです。また、ホコリが目立ちにくくて家具との相性がよく、インテリアテイストも比較的幅広く作れるでしょう。

しかし、デメリットもあります。毛や汚れが目立ちやすい点や、経年劣化による色褪せ・黄ばみなどが目立ちやすい点です。リビングなど使用頻度の高い場所は汚れがつきやすい場所でもあるので、掃除の頻度を減らしたいという方にはあまりおすすめできません。

ホワイト系の床材に合うインテリアテイストは、人気のシンプルモダンテイストやスタイリッシュモダンテイスト、ナチュラルカントリーテイストなどです。家具やファブリックなど、使う色を選ばずに自分好みのテイストを作りやすい点も魅力的です。

グレー系の床

木目や石目の床の色の展開には、グレー系のタイプもあります。グレーの床は、グレイッシュで洗練された雰囲気のインテリアを作れます。また、ベージュが少し入ったものであれば少し柔らかい雰囲気になり、ブラックの要素が強くなると無機質な雰囲気を作れます。

グレー系の床色のメリットは、汚れや毛、ホコリが目立ちにくい点です。デメリットは、合わせる家具やインテリアテイストが比較的限られる点でしょう。ホワイト・ブラック・ダークブラウンなどの家具とは合わせやすいですが、木の優しい雰囲気をもつナチュラル系の家具はグレーの持つシックなイメージとは合いません。

グレー系はスタイリッシュな雰囲気で魅力的ですが、今持っている家具の買い替えを検討する必要があるかもしれません。そのため、使用している家具やファブリックとの相性も見ながら床色を決定するようにしましょう。


リフォームで注意したい床色の選び方とは?

床色の選び方①今持っている家具の色やテイストに合わせる

リフォームの場合は新築と違い、床だけのリフォームや全面的なリフォーム、全面リフォーム+家具の買い替えなどさまざまですよね。そのため、リフォームの規模によって、周りとのバランスを取る必要があります。

統一感のある空間にする場合、初めに部屋のインテリアテイストをはっきりと決めることが重要です。どのような雰囲気が好みなのか迷う場合には、雑誌を見たりSNSなどを参考にしてみましょう。好きな雰囲気を何パターンか挙げてみると、自分好みの傾向がみえてきます。

またリフォームの場合、家具の買い替えはしないという方も多いでしょう。特に、木製の家具を使っている方であれば、家具の色とのバランスを考えた上で床色を決める必要があります。

近い色同士の木製であれば部屋全体に統一感をもたらしますが、同じ空間の中に異なる木製の色が入ってくるとバラバラな印象になります。

家具の色に近い床色を持ってくると、落ち着きのある空間に仕上がります。床色と全く逆の色の家具を持ってくるとアクセントになり、素敵な空間に仕上げられます。この場合、家具全体の色を統一してばらつきを抑えるのがおすすめです。

床色の選び方②建具の色に合わせる

床色と建具の色を揃えると、まとまりのある違和感のない空間が作れます。一方、白っぽい床にダークブランの建具を使ってコントラストをはっきりさせる手法も最近のSNSでは人気です。

色の選び方に迷う場合、できるだけ色数を抑えて色のコントラストを少なくし、すっきりとした印象のベースを作ってみてください。家具やファブリックなどで色を足していく方法は、失敗も少なく、部屋を広く見せる視覚効果も得られるのでおすすめです。

床色の選び方③現状の問題点に合わせる

新築と異なりリフォームの場合は、「ペットを飼っているから床のキズやペットの毛が目立つ」「人の出入りが多いのでホコリが立ちやすい」など、現状の問題点がわかっているケースも多いでしょう。

キズで塗装の剥がれが一番目立ちやすいのは、ダークブラウンなど濃い色の床です。そのほかにも、毛の掃除が大変なときはダーク系など濃い色の床に(ペットの毛が白っぽい場合はホワイト系)、ホコリが目立ちやすい場合はホワイト系の明るい色の床を選ぶのが効果的です。

中間色または木目に濃淡が少しあるタイプのものは、キズや汚れが目立ちにくい効果があります。色の選び方に加えてキズに強いタイプの床材や、自動掃除機・床拭きロボットなどを使える丈夫な素材を選ぶのもおすすめです。

床色の選び方④部屋の広さで決める

部屋の広さによっては、視覚効果を利用して床色を決めることもおすすめです。白っぽい明るい床は空間を広く見せてくれる効果があるので、空間が限られている場合などは明るめの床を選ぶといいでしょう。

また、ダークブラウンのような濃い色の床は落ち着いた印象になりますが、狭い部屋に使ってしまうと圧迫感のある印象になってしまいます。そのため、ある程度面積がある空間に使うことをおすすめします。

床色の選び方⑤素材で決める

リビングなど一番こだわりたい部屋は、無垢材から選びたいという方も多いでしょう。無垢材は、自然素材ならではの風合いや肌触り、見た目の印象など魅力的な要素を豊富に持ち合わせています。

しかし、自然素材は耐水性や防汚性が低いものが多いため、デメリットも踏まえたうえで経年変化を楽しみたい方におすすめです。また、木の種類によって黄味が強いものや赤味が強いもの、節がしっかりあるものなど見た目が個性的なものも多くあります。

広い面積であればそれなりの主張もあるので、周りの家具をできるだけシンプルにしてみるのがおすすめです。木の良さを十分に味わえるシンプルなインテリアにすると、無垢材の床の良さをより一層強調できますよ。

真似したいリフォーム実例集

【実例1】明るくて開放的な部屋に

Before

After

施工会社:住友不動産のリフォーム

事例URL:https://www.sokkuri3.com/kodate2/case_detail/1139/

こちらは、全体的に少し暗かったキッチンの改装例です。キッチンを床から浮かせることで床が見える面積が広がり、より空間を広く見せる効果を発揮しています。

キッチンのパネルカラーも、アースカラーで明るい色を採用しています。視覚的にもポップで楽しくなるような空間に仕上がっていますね。色に迷う方はできるだけ明るい色を使うと、採光だけでは解決しない空間の明るさを出せます。

また、こちらの実例のように床やキッチンに光沢のある素材を使うと、壁の白が反射して部屋全体を明るく見せる効果があります。部屋の暗さに悩む場合は、色の選び方を決める際に「光沢タイプ、ツヤありタイプ」を選ぶこともおすすめです。

【実例2】モダンで自分好みの玄関に

Before

After

施工会社:ナサホーム

事例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_total/20201225full-renovation

こちらは、玄関のリフォーム実例です。ダークブラウンの床や、建具から中間色の木目に変更したことにより、玄関をより明るく見せる効果が出ています。玄関先は窓が取れないケースが多いため、どうしても暗い印象になりがちですよね。

そこで、床色を明るくして内装や照明を変更することで明るい空間を作り出しました。新築時では気付かなかった問題点は、明るい色を取り入れることで空間に広がりを感じさせています。上手に視覚効果を利用できていますね。

【実例3】ナチュラルで優しい雰囲気のリビングへ

Before

After

施工会社:ナサホーム

事例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_total/20211202eartht

こちらの実例は、リビング隣の和室をなくしてLDKを広くしたリフォーム例です。明るい色のフローリングを使うことで部屋全体に明るさが増し、広さを感じられるリビングへと印象が変わりました。

家具や建具の色も床に近い色を選ぶことで、全体的に統一感もありますね。色数を抑えているので、おしゃれですっきりとした印象になっています。

【実例4】洋室にも自然に溶け込む和室へ

Before

After

施工会社:ナサホーム

事例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_total/20210720syunou2t

こちらは、和室のリフォーム実例です。従来の畳は畳縁(畳の長辺に縫い込んだ布の部分)があり、どうしても空間に広がりを感じさせにくいことが難点でした。

最近人気の出てきている縁なし畳や琉球畳などは、畳縁がないことで空間を広く見せる効果があります。縁なし畳は、隣接するモダンなリビングとの印象に違和感なく溶け込める和室としておすすめで、新築・リフォーム共にとても人気のあるアイテムです。

【実例5】ホテルのようなラグジュアリーな家に

Before

After

施工会社:ナサホーム

事例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_total/20210220zenmeno

こちらは、キッチンのリフォーム実例です。ホワイト系のキッチンですが、床色を木目からホワイトの石目に変えることで印象を変化させていますね。

キッチン天板や引き出し取っ手、建具などにダークブラウンを使ってコントラストをはっきりさせているので、メリハリのあるおしゃれな空間に仕上がっています。

リフォームの時は、ポイントを押さえた床色の選び方をしよう!

リフォームの場合は新築と異なって、手持ちのものやリフォームしない箇所とのバランスなどに迷う方も多いでしょう。しかし、床色を変えるだけでも随分と部屋の印象を変える効果があります。部屋の印象が一番重要という方は、当記事を参考に床色を選んでみてください。

理想の部屋の印象を決めて、どのような色にすると最もバランスがよく統一感のあるインテリア空間になるかをおさえておきましょう。一番の問題点を解決してくれる重要なポイントを考えたうえで、床色の選び方を決めてくださいね。 


 

 

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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