
一級建築士 住まいや暮らしをもっと楽しく快適に!アイデアや情報をお届けする建築ライター。建築業界で意匠設計を担当し、アメリカではジュエリー制作やグラフィックデザインなどを学びました。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛け、現在は執筆中心に活動しています。
「ワンルームマンションの借り手が見つからない」「空室が長く続いている」と悩んでいませんか? 今回は、おしゃれなワンルームにリノベーションするポイントや工事費用などをご紹介します。賃貸ワンルームマンションの需要を高めたいオーナー様はぜひ参考にしてください。
目次
ワンルームマンションのリノベーション2通りの方法とメリット・デメリット
ワンルームのリノベーション方法は主に2通りあり、目的や予算に応じて検討する必要があります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。
一部分の設備や内装だけをリノベーション

ひとつ目は、ワンルーム全体ではなく一部の設備や壁・床などをリノベーションする方法です。例えば、料理がしやすいように複数口のコンロを設置する、3点ユニットバス(浴室、トイレ、洗面が同じ空間にある)を独立した浴室やトイレへ変更するというように、部分的に手を加えます。
リノベーションの予算が限られている場合は、どこか1箇所に焦点を絞ってリニューアルすると、費用を抑えながら物件の強みをつくれるでしょう。
内装や間取りを丸ごと一新するリノベーション

ふたつ目は、ワンルーム全体をリノベーションしてイメージアップする方法です。
特に入居率を上げるためには水まわり設備の交換は必須ですが、ワンルーム全体に手を入れて3点ユニットバスの分離、水まわり設備の交換、間取り変更など大掛かりなリノベーションをすると費用が上がり、家賃でコストを回収するのが難しくなるため注意しましょう。
ワンルームマンションをリノベーションするメリット

ワンルームマンションをおしゃれにリノベーションするメリットは主に3つあります。それぞれみていきましょう。
空室対策できる
入居希望者が見つからない人気のないワンルーム物件は、内装や設備などに何かしら原因がある可能性があります。
おしゃれで住み心地のよいワンルームにリノベーションすると、空室対策に効果を発揮します。今の部屋の状態を踏まえて、どこに手を入れたらよいのかを考えて必要な対策をとりましょう。
物件の価値が上がる
一般的に物件は経年劣化で価値が下がりますが、ワンルームマンションをおしゃれにリノベーションして価値を向上させると人気が上がり、相場より家賃を上げても借り手が見つかる可能性が高まります。
資産価値の高い人気のワンルームになると、売却する際に売却益も見込めるでしょう。ただし、ワンルームはリノベーションの費用がかかり過ぎると、家賃を上げても充分な利回りを得られないため注意が必要です。
競合物件との差別化になる
ワンルームマンションが多いエリアでは、似たような物件は入居者の奪い合いになります。リノベーションで内装や設備をおしゃれに生まれ変わらせることができれば、競合物件との差別化でワンルームの空室率を減らせるでしょう。
ワンルームマンションをリノベーションするデメリット

ワンルームマンションにはいくつかデメリットもありますので、ポイントを押さえてプランニングに活かしましょう。
費用がかかる
ワンルームマンションのリノベーションには、それなりに設備費用や施工費用がかかります。クロスの張り替え程度であればさほど費用はかかりませんが、水まわり設備を一新するようなリノベーションの場合は数百万円かかることもあります。
リノベーションを考える際は、あれもこれもと多くの箇所をおしゃれに変えたいと思うものですが、予算に応じて全体的ではなく必要な部分のみをリノベーションするなど工夫しましょう。リノベーションでは、予算とプランのバランスをとることが大切です。
デザインによっては入居希望者が見つかりにくくなる
ワンルームマンションをリノベーションすると既存の内装が大きく変わり、「おしゃれにイメージチェンジできる」「人気の物件になる」と思うものです。
しかし、自分がおしゃれだと思うデザインが、必ずしも入居者に好まれるとは限りません。個性的な内装や間取りにしてしまうと、入居者がなかなか見つからないという可能性が高まります。そのため、ワンルームをリノベーションする際は、需要やトレンドをリサーチして内装デザインを考えましょう。
ワンルームのリノベーション費用相場
ここからは、ワンルームマンションのリノベーション費用相場を内装の部分別にご紹介します。費用は素材やデザイン、メーカーなどによって異なりますので、あくまでも目安として参考にしてください。
内装リノベーションの費用相場

まず、ワンルームマンションの内装工事で多いクロスや床の張替え費用相場をご紹介します。
クロス張り替え
クロスのデザインは、ワンルームマンションの入居対象者は学生が多いのか、社会人の女性が多いのかというように傾向に合わせて選ぶと、物件の人気を高めるのに効果的です。クロスの張り替え費用相場の目安は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 量産品のリーズナブルなビニールクロス  | 
 約800〜1,000円/㎡  | 
| 
 一般的なマンションの内装に使用されるビニールクロス  | 
 約1,000〜1,500円/㎡  | 
床の張り替え
ワンルームマンションの床のリノベーションでは、主にフローリングやクッションフロアの張り替え、畳からフローリングへの張り替え工事を行います。費用相場は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 フローリングの張り替え工事  | 
 4.5帖:2.8〜10万円 6帖:4〜14万円 8帖:5〜18万円  | 
| 
 クッションフロアの張り替え工事  | 
 4.5帖:1.7〜3万円 6帖:2.2〜4万円 8帖:3〜5.3万円  | 
| 
 畳からフローリングへ張り替え工事※  | 
 4.5帖:約9~16万円 6帖:約11~20万円 8帖:約14~30万円  | 
※畳からフローリングへの張り替え工事費用には、フローリング・畳の撤去・下地木工事・諸経費などが含まれています。
また、フローリングの張り替え工事費用相場は、素材や樹種、厚み、工事面積、メーカーなどによって大きく変わります。クッションフロアの工事は、ソフト巾木(床と壁をつなぐ建材)も交換することが多いため、プラスで5〜8千円ほどみておきましょう。
水まわり設備のリノベーション費用相場

ここでは、水まわりの箇所ごとのリノベーション費用相場をご紹介します。工事の規模や設備のグレード、メーカーなどによって費用相場は変わりますので、目安として参考にしてください。
キッチン
キッチンのデザインや使い勝手は、ワンルームマンションの物件選びにおいて大事なポイントになるため慎重に選びましょう。工事費用相場は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 システムキッチンの交換  | 
 50〜150万円  | 
リノベーション費用相場は、サイズやデザイン、オプション、メーカーなどによって費用相場は大きく変わります。
コンロや換気扇、食器洗いの設置や交換といった部分的な工事であれば30万円程度でできますが、キッチンの場所を移動するような大掛かりな工事になると、200万円程度みておく必要があるでしょう。
トイレ
トイレは、ワンルームマンションの人気を左右する大事な部分のひとつです。そのため、清潔感を大切にリノベーションしましょう。工事費用相場は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 既存のトイレに温水洗浄便座の設置  | 
 5〜10万円  | 
| 
 便器交換  | 
 10〜30万円  | 
上記以外にクロスや床材もあわせて交換する場合には、約50万円程度みておきましょう。
浴室
昔ながらのタイル張りの浴室や、浴室・トイレ・洗面がひとつの空間にある3点ユニットバスは人気がないため、できるだけリノベーションしましょう。それぞれの費用相場は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 ユニットバス交換  | 
 50〜150万円  | 
| 
 在来浴室からユニットバスへ交換  | 
 60〜150万円  | 
| 
 3点式ユニットバスからトイレを分離  | 
 60〜180万円  | 
ユニットバスの性能やデザイン、グレード、メーカーなどによって費用相場が大きく変わり、ハイグレードタイプになると250万円ほどかかる場合もあります。
洗面所
洗面所は、鏡の裏に収納のあるタイプや、鏡を見たときに顔に影ができにくいような照明が付いているデザインが人気で、入居者に喜ばれます。工事費用の相場は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 洗面化粧台を交換  | 
 約10〜25万円  | 
洗面化粧台は、サイズやデザイン、オプションなど、メーカーによって費用相場が変わります。また、クロスや床材も交換する場合は、プラスで約5〜6万円ほどみておきましょう。
間仕切りのリノベーション費用相場

部屋のレイアウトを変更する間仕切りのリノベーションには、新たに壁を設置する方法と可動間仕切りを設置する方法の2通りあります。可動間仕切りは、ライフスタイルに合わせて空間を自由に仕切れるため、最近人気が高まっているデザインです。工事費用相場は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 間仕切り壁を新設  | 
 10〜25万円  | 
可動間仕切りは、種類や素材、大きさなどによって高いものでは数十万円ほどかかる場合があります。そのため、予算や使い勝手などを考慮して選びましょう。
クローゼットのリノベーション費用相場

ワンルームマンションのクローゼットをリノベーションする際は、まず何をどれくらい収納できるようにするかをイメージしましょう。こうすることで、スペースに無駄がなく使いやすい収納になります。
クローゼットのリノベーション費用相場は、広さや内装、グレード、オプションなどによって大きく変わりますが、目安は以下の通りです。
| 
 リフォーム内容  | 
 費用目安  | 
|---|---|
| 
 壁面クローゼットを新設  | 
 10〜50万円  | 
| 
 ウォークインクローゼットを新設  | 
 20〜80万円  | 
| 
 ハンガーパイプ追加  | 
 1.5〜3万円  | 
| 
 棚の追加  | 
 1.5〜5万円  | 
| 
 クローゼットを拡張  | 
 10〜20万円  | 
| 
 押し入れをクローゼットに変更  | 
 11〜20万円  | 
クローゼットが充実している物件は使いやすさが向上し、借り手にとって魅力的に映ることでしょう。特にたくさん服を所有している女性やスーツなどで何かと嵩張る社会人の男性にとっては非常に嬉しいポイントです。
ワンルームのリノベーション押さえておきたいポイント
ここからは、ワンルームのリノベーションを成功させるために押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
キッチンを交換して明るく清潔な印象に

キッチンを新設するリノベーションは、ワンルームマンションをイメージアップするのに効果的な方法のひとつです。
特に、女性の場合は物件選びの大事なポイントにキッチンを挙げる人が多くなっています。そのため、リノベーションで明るいキッチンにすると、入居者を確保しやすくなる上に家賃を高く設定できるようになるでしょう。
ユニットバスのバス・トイレを別にして快適に

ワンルームでは、バスとトイレを別々にした間取りが人気があるため、ぜひリノベーションしたい部分です。特に、ユニットバスに馴染みのない若い世代をターゲットにしている場合には必須といえます。
とはいえユニットバスを設置している物件もまだ多く、リノベーションすることで差別化を図り、家賃設定を上げることも可能となるでしょう。
床や壁紙を一新してイメージアップ

床やクロスの傷、汚れている箇所が目立っているワンルームマンションはイメージが下がってしまうため、入居者の確保が難しくなります。たとえ古いワンルームでも、リノベーションで床や壁紙を張り替えると清潔感がアップします。できるだけおしゃれな印象に変えられるように、手を入れることが大切です。
水まわりの修繕を行い水漏れなどのトラブルを未然に防ぐ

ワンルームをリノベーションするタイミングで、水回りの給水・排水管の状態をチェックし、必要に応じて修繕しましょう。万が一、水漏れで建物の構造体に大きなダメージが及んでしまうと、後々の修繕費用が高くついてしまいます。
早めに修繕することは結果的にメンテナンス費用を抑えることにつながるため、水漏れや詰まりなどは目に見えていない状態でもきちんと確認するようにしましょう。
和室をリノベーションしてモダンな空間に

ワンルームの和室は古いイメージを与えてしまい、ベッドやソファを置いて過ごす今のライフスタイルにも合わないため、あまり人気がありません。また、奥行きの深い押入れも使いにくい部分です。
そこで、床をフローリングに、押し入れをクローゼットに変えるリノベーションをして、モダンなワンルーム空間に変えましょう。
【事例】店舗のようにおしゃれなワンルームマンション、346万円
Before

After

施工会社:アートリフォーム
事例URL:https://www.artreform.com/example/841/
こちらは、北欧ヴィンテージやインダストリアルテイストをイメージしてデザインされた、ワンルームマンションの事例です。躯体現しやエイジング塗装を施した内装に、ヴィンテージ調の家具を合わせておしゃれにコーディネートされています。
ワンルームの空間は単調になりがちですが、スリットの間仕切りを配置して、ゆるやかに空間を区切りながらアクセントを添えています。デザイン性だけでなく、使い勝手にも配慮したワンルームに仕上がっていますね。
住み心地はもちろん、友人やお客様を招いたときに自慢できるようなおしゃれな内装に仕上げることが、需要の高いワンルームをつくる大事なポイントです。
ワンルームをリノベーションして理想の部屋に
ワンルームのリノベーションは、ある程度の費用がかかるため躊躇してしまうかもしれませんが、空室の状態が長く続くデメリットを考えると、リノベーションをする価値は十分あります。当記事でご紹介したリノベーションのポイントを参考に、素敵なワンルームをつくりましょう。




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