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オール電化にリフォームする費用相場は?切り替えにかかる工事金額やどんな設備が必要か解説


この人に聞きましたmashley

インテリア家具コンシェルジュ 最適な家具を提案する家具コンシェルジュでさまざまな媒体にインテリア・ライフスタイル記事を寄稿するライター。ブログ「北欧ミッドセンチュリーの家づくり」ではデザインの小話や家づくり・暮らしに役立つ情報を発信中。椅子コレクターで、現在26脚の椅子とともに楽しく暮らす。最近空き家付きの山林を購入し、セルフリノベーションやアウトドアも満喫中。

電気・ガスの併用からオール電化に切り替える場合、どのくらいのリフォーム費用がかかるのでしょうか。この記事では、リフォームの費用相場やオール電化に切り替えるメリット・デメリットを紹介します。また、オール電化に必要な設備や導入できる設備なども詳しく解説していきます。

リフォームでオール電化に切り替えるメリット・デメリット

オール電化とは、調理・空調・給湯など家の中で使用する全ての熱源を、電気に一本化する仕組みのことです。元々ガスを使っていた住宅でも、リフォームによってオール電化への切り替えが可能です。

ガスからオール電化への変更はメリットとデメリットがあるため、切り替える前に確認しておきましょう。

オール電化に切り替えるメリット

オール電化にするとガスの基本料金がなくなるため、光熱費の節約になります。また、電気が熱源のIHクッキングヒーターに切り替えると、ガスコンロを使うよりも火災リスクが軽減されます。さらに、空気中の熱を利用して湯を沸かす電気給湯器「エコキュート」に溜まったお湯は、断水時の生活用水として使用可能です。

オール電化は災害時の復旧が早いこともメリット

災害時、一般的に電気はガスに比べて復旧が早い傾向にあります。これは、基本的に電気設備が地上に露出しており、埋められているガス配管と比べると問題箇所の特定や確認が早くできるためです。このように、ガスよりも早く再供給されるのがオール電化の強みといえます。

オール電化に切り替えるデメリット

オール電化の電気契約プランはさまざまあり、夜間は安くて昼間が割高になるプランを選ぶと、日中に電気を多く使用した月は電気代が高くなる場合があります。また、一部の土鍋や底が丸い中華鍋など、IHクッキングヒーターでは使用できない調理器具がある点もデメリットです。

オール電化は停電時に熱源が使えない

断水時はエコキュートの水を使える長所があるものの、停電発生時は熱源が使えません。そのため、停電時はコンロで湯沸かしや調理ができるガスのほうが有利でしょう。オール電化に変更する場合は、いざという時に備えてカセットコンロなどの防災グッズの用意が必要です。


オール電化のリフォームに必要な設備

オール電化へ切り替える際はいくつかの設備を導入しますが、必ず設置するものとそうではないものがあります。まずは、オール電化住宅を実現するために必要な設備をタイプごとに紹介します。

設備①電気給湯器

オール電化の住宅にはガス給湯器がないため、お湯を沸かす電気給湯器が必要です。電気給湯器には、エコキュートと電気温水器の2種類があります。なお、オール電化の戸建て住宅では、電気温水器よりもエコキュートのほうが一般的です。これはエコキュートが電気温水器よりも消費電力が少ないということに関係しており、同居人数が多い戸建てでは電気温水器よりも大きな省エネ効果が期待できます。現在では電気温水器の生産台数が減り、エコキュートのほうが機種が増えて選びやすくなっています。

エコキュート

エコキュートは、屋外の空気中の熱と電気を利用し、ヒートポンプの原理で効率よく湯を沸かすタイプです。電気温水器よりも消費電力が少ないため、電気代を節約できるメリットがあります。ただし、タンクとヒートポンプの設置スペースが必要で、場所をとることがデメリットです。

電気温水器

電気温水器は、タンクの中にあるヒーターを熱源にしてお湯を沸かすタイプです。こちらは、給湯タンクを設置するスペースのみが必要で、エコキュートよりも場所をとりません。ただし、消費電力が大きいため、エコキュートよりも電気代が高くなりやすいというデメリットがあります。

設備②IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーターとは、電磁波で発生した熱源で調理する設備です。こちらは、据え置き型とシステムキッチンに埋め込むビルトイン型があります。天板はガスコンロと異なり凹凸がないため、フラットでお手入れが簡単です。

IHクッキングヒーターには200Vが必要

一般的な家電は100Vで動きますが、IHクッキングヒーターは200Vが必要です。現在では、多くの住宅で200Vの電気が引き込まれていますが、中には室内の分電盤まで200Vが来ていない家もあります。その場合は、オール電化の本工事に加えて引き込み工事が必要です。

IHクッキングヒーターに物足りなさを感じる人もいる

加熱時はフライパンや鍋の底をIHの表面につけておく必要があり、チャーハンを作るときのようなフライパンを振る調理には不向きです。調理方法が制限されるため、IHクッキングヒーターは料理の仕方にこだわる方にとって物足りなく感じることがあります。


オール電化のリフォームに必須ではない設備

オール電化のリフォームに必須ではありませんが、導入すると暮らしの快適化や電気代の節約に役立つ設備もあります。各設備の特徴を知り、オール電化リフォームでの導入を考える目安にしましょう。

設備①床暖房

床暖房は床下にヒーターや温水を流すパイプを設置し、床材を加温して部屋を暖める設備です。寒い冬に重宝する暖房器具で、エアコンと違って空気が乾燥しにくく、ホコリが出にくいというメリットがあります。オール電化で導入できる床暖房のタイプは、次の2種類です。

電気式床暖房

電気式床暖房は、床下に設置した電気ヒーターで温めるタイプです。温水式に比べて導入費用は控えめですが、電気の契約プランによっては電気代が高くなります。電気式は複数の種類に分かれていますので、詳しく知りたい方は以下の記事もチェックしてみましょう。

温水式電気床暖房

温水式電気床暖房は、電気で作った温水を床下のパネルに流して温めるタイプです。エコキュートの湯を使うタイプにすると、夜間に沸かした湯を昼間に使うことで電気代が節約できます。温水式には複数の種類があり、大気熱を使うヒートポンプ式タイプなどがあります。

床暖房のみの工事依頼は可能?

既にオール電化導入済みでヒートポンプ内蔵の多機能エコキュートがある場合、そのまま利用して床暖房のみの工事依頼で済みます。多機能以外のエコキュートを利用している場合は、ヒートポンプタイプの温水式床暖房を導入するのがおすすめです。

設備②太陽光発電

オール電化の電気契約のプランによっては、夜間の電気代が安くなる代わりに昼間の電気が割高になります。そのため、昼間の電気代も節約したい場合は、太陽光発電とオール電化のセットでの導入を考えてみましょう。その際には以下のような注意点についても考えておく必要があります。

発電した電力を保存して利用したいなら蓄電池が必要

太陽光発電設備で変換された電力は、すぐに消費したり売電したりすることが可能ですが、使用しない電気の蓄積はできません。電気を蓄えて使うには太陽光発電設備とは別に蓄電池が必要で、設置費用が発生します。

売電収入による費用回収は時間がかかることがある

余剰電力の売電価格は発電した電力を固定価格で買い取ってもらえる「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」で10年間安定しますが、それ以降は非常に安くなるのが一般的です。設備導入費用やメンテナンス費用を売電収入で回収しようとすると、買取価格が安くて予想より時間がかかる場合があります。


オール電化にリフォームする時の費用相場

オール電化のリフォームを依頼する前に、費用相場をチェックして工事内容を決める目安にしましょう。ここでは、オール電化リフォームにおける種類ごとの平均的な費用相場を紹介します。ただし、実際の費用は工事内容や依頼先で変わりますので、あくまでも目安と考えましょう。

オール電化に切り替えるリフォームの全体の費用相場

国土交通省の資料「リフォームの内容と価格について」によると、オール電化へ切り替えるリフォームの全体の費用相場は100〜200万円が目安となっています。

別途追加工事の費用発生で最終費用が大きく変わる

オール電化のリフォームで追加工事が発生すると、最終的な費用が相場より高くなる場合があります。例えば、床暖房リフォームでの床の段差解消や、IHへの切り替えをきっかけにしたキッチンの向きの変更などです。追加工事は、材料や内容によって費用が大きく変わります。

工事費用を含めた各設備のリフォーム費用相場

続いて、オール電化の各設備ごとの費用相場を紹介します。予算に応じたリフォーム内容を考える目安にしましょう。

エコキュートへの切り替えリフォームの費用相場

エコキュートへの切り替えリフォームの費用相場は、本体費用と工事費用を合わせて40~50万円が目安です。容量や機能によって本体費用が変わります。一般的な容量は、3〜5人用の370Lや5〜7人用の460Lのため、同居人数や費用を目安に適切な容量を選びましょう。

IHクッキングヒーターへの切り替えリフォームの費用相場

IHクッキングヒーターへの切り替えリフォームの費用相場は、本体費用と工事費用を合わせて18〜80万円が目安です。100Vから200Vへの変更が必要な場合は、別途電気工事費用が発生します。

床暖房のリフォーム費用相場

床暖房のリフォーム費用相場は、工事タイプで変わります。既存の床の上に施工する直貼りタイプの場合、温水式の目安が6~9万円/畳、電気式の目安が5~8万円/畳です。

また、既存の床材を剥がす張り替えタイプの場合は、温水式の目安が9~12万円/畳、電気式の目安が8~11万/畳となります。

太陽光発電の設置費用の相場

太陽光発電の設置費用の相場は、設備費用と工事費用を合わせて140~160万円が目安です。本体金額はメーカーや機能、器具の大きさなどによって異なります。蓄電池の費用相場は、本体費用と工事費用を合わせて90~150万円が目安です。


オール電化のリフォームを依頼する前に知っておきたいこと

オール電化の工事を依頼する会社と契約する前に、注意点や費用節約のコツを押さえて後悔のないリフォームを目指しましょう。

オール電化にリフォームする際の注意点

オール電化への切り替えは、電気代の節約や火災リスクの軽減に役立ちますが、導入にあたって注意すべきこともあります。ここから紹介する4つの注意点を押さえて、オール電化への切り替えで起こりがちなトラブルを避けましょう。

注意①契約を変更しないと電気代が節約できないことがある

せっかくオール電化にしても、通常電気料金のままだと夜間の電気料金が安くならず、電気代の節約になりません。ただし、昼間に電気をよく使う場合は契約の切り替えで逆に電気代が高くなる場合がありますので、普段の電気の使い方に合ったプランを選択しましょう。

注意②エコキュートは置き場次第でトラブルになる

エコキュートはサイズが大きいため、置き場によっては通路の妨げになり、メンテナンスしにくくなる場合があります。また、エコキュートを寝室付近に設置すると騒音で眠れなくなったり、隣家とのトラブルに発展したりする恐れがありますので設置場所に注意しましょう。

注意③マンションのオール電化リフォームは難しい

マンションでは各世帯に電気容量が割り当てられており、オール電化にするために電気容量を上げるとなると管理組合への確認が必要となります。また、そもそも大きなエコキュートの置き場を確保することが難しいという問題もありますので、事前にリサーチしておきましょう。

注意④オール電化設備の在庫不足の可能性も頭に入れておく

昨今は、半導体不足などの影響でエコキュートなどの在庫が少なくなり、オール電化への切り替えを依頼してもすぐに設置できない状況が続いています。器具の種類や注文するタイミングによっては数ヶ月以上待つこともあるため、早めに計画して依頼しましょう。

オール電化への切り替えリフォームの費用を節約するコツ

オール電化へ切り替える際は、ちょっとした工夫によりリフォーム費用を節約できる場合があります。ここで紹介する3つのコツを契約前に押さえて、費用を節約しましょう。

費用を節約するコツ①複数の会社に見積もりを依頼

オール電化の設備や器具は、メーカーによる希望小売価格がありますが、販売時には値引きがあるため最終的な販売価格は依頼する会社によって異なります。さらに、工事の内容もリフォーム費用に影響します。そのため、数社に見積もりを依頼して金額と内容を比較しましょう。

費用を節約するコツ②オール電化工事の実績がある会社に依頼

オール電化に不慣れな会社に依頼すると、オール電化を得意とする会社に比べて設備・器具の仕入れ値が割高になる場合があります。そのため、候補となる会社のホームページを見て実績をチェックし、経験豊富な会社に依頼してリフォーム費用の節約につなげましょう。

費用を節約するコツ③複数のリフォームをセットで依頼

オール電化だけでなく他のリフォームにも言えることですが、工事はできるだけまとめて依頼するほうが費用の節約になります。例えば、オール電化工事と台所の設備変更をする場合、期間を空けて別々に依頼するよりもまとめたほうが運搬費・人件費などの費用を削減できます。

オール電化のリフォーム費用の相場を予め知っておこう

オール電化の費用相場は、リフォームの予算配分を決める目安になります。相場が分かると、どのような設備を導入したらどのくらいの費用になるのかイメージできますよね。今回紹介した内容をもとにオール電化への切り替えを検討し、快適な住まいを実現しましょう。 


 

 

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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