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予算500万円でできるリフォームとは?箇所別の費用から施工内容まで解説

この人に聞きましたHarmony Life

英国認定(ARB)建築士 インテリア、建築、都市デザインを学びながら現地企業で10年修行し、培った主婦目線のきめ細やかな提案を心がけています。自身のYouTubeチャンネル 「London Harmony Life」では、古い佇まいのある建物やアンティークマーケット、英国のガーデンショー、手作りで楽しむ暮らしといったワクワクする情報を配信中。

「愛着のある実家、でもあちこち古くなってきたのでリフォームしたい。」「500万円の予算でどこまでできるの?」こんなお悩み一度は考えたことがあるのではないでしょうか? 本記事では、500万円の予算で具体的なリフォームの箇所別の費用から、施工内容までを解説します。

リフォームには2パターンあります

リフォームには大きく分けて2パターンがあります。築年数によって住宅の状態は異なり、予算や希望、坪数によってもリフォームの内容はかわりますが、この2つを知っておくと判断の目安になります。

表層リフォーム

表層リフォームとは、目に見える部分のリフォームとなります。

水周り機器の取り換え、経年変化で汚れた壁紙やフローリングの張替え、間仕切壁の変更などが含まれます。築40年でも状態が良い物件で、耐震性能も満たしていれば表層リフォームのみで済む場合もありますが、プロの意見を聞くなど慎重に決めましょう。

スケルトンリフォーム(フルリフォーム)

スケルトンとは英語で「骨格」を意味します。スケルトンリフォームとは、建物の骨格である柱、梁、床は残し、内装や設備を解体して行う大掛かりなリフォームを指します。間取りの変更や、水周りの位置を変えることも可能です。

壁の中の配管を取り換える場合もスケルトンリフォームにあたります。骨組以外をまるごと変えるリフォームですので、見た目の仕上がりは新築とほとんど変わりません。

表層リフォーム、スケルトンリフォームのメリットとデメリットとは?

ここでは特に、築年数が経っている場合の表層リフォーム、スケルトンリフォームのメリットとデメリットを紹介していきます。

表層リフォームのメリット

壁クロスの張替えなど音の出ない作業であれば、住みながら工事を進められるので、引っ越しや仮住まいなどの費用が不要になります。

表層リフォームのデメリット

表層リフォームだけで良いと判断し、水周り機器の交換工事中に、配管に老朽化が見られたなど、後から追加費用が発生してしまうケースもあります。築年数が古い場合は解体してみてから思っていたより劣化が激しかったなどの問題が発覚する場合もありますのであらかじめ頭に入れておきしょう。

スケルトンリフォームのメリット

建物の断熱性能が上がれば、将来的に省エネにつながります。耐震補強工事をし新耐震基準を満たすことにより、住宅ローン減税を受けることができます。

物件の使い勝手や価値は上がりますので、将来売却の際は買い手がつきやすくなるのもメリットのひとつです。

スケルトンリフォームのデメリット

既存の躯体をケアしながら、機械を使わず職人さんがにスケルトンにしていくため、工期は長くなり人件費がかかるため、必然的にコストは高くなります。引っ越しや仮住まいが必要になるので、その費用も見ておく必要があります。


予算500万円でできる表層リフォーム工事

この記事で扱う相場データ

リフォームの費用は、各施工会社によってさまざまですが、この記事で扱う参考相場データは国土交通省の資料を参照します。国土交通省が、工務店・リフォーム会社・量販店等約40社にアンケート及びヒアリング調査をし、割り出した相場で、価格のうしろに*がついているものです。

https://www.mlit.go.jp/common/000145917.pdf

また、場所別で予算を出しましたが、バス・洗面台を一緒にリフォームするなどまとめての工事となれば、価格はもう少し抑えることができるでしょう。

予算500万円の内訳

各場所別に予算と事例をご紹介します。500万円の予算内で可能なのは表層リフォームのみではありますが、こんなにたくさんのリフォームが可能です。もちろん坪数や個所数によっても金額は変動します。

  •   キッチン 150万円
  •   トイレ 50万円
  •   浴室 100万円
  •   洗面所 70万円
  •   内装 100万円
  •   予備費 30万円

それでは具体的にどの部位にいくらかかるのか見ていきましょう。

キッチン(予算150万円)

システムキッチンI型の交換 40〜80万円(*相場価格は国交省データに基づく。以下同じ)

キッチン全体のリフォーム 80〜400万円*

キッチンのリフォームは、材料や設備によって価格が大きく変わるのが特徴です。またシステムキッチンI型の交換のみであれば40万円から可能です。

逆に、参考価格400万円はキッチンの場所を変え、配管(水道・ガス・電気)の移設工事をし、扉やワークトップのグレードも上げた場合の金額です。キッチンの位置を変えずユニットや機器を交換し、キッチンの壁紙や壁パネル、古くなった床などの取替では150万円前後がよく見られます。

【事例1】 築40年、マンションのキッチンリフォーム 67万円

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施工会社:株式会社ナサホームみずらぼ

URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_kitchen/20190422-s

基本的なI型キッチンの交換ですが、比較的リーズナブルに抑えられています。これは、シンクとガスコンロの位置はそのままとし、冷蔵庫は既存を使い、床はリフォームをしていないことが功を奏しています。暗いキッチンが明るくなり、お掃除がしやすくメンテナンスが楽になったというのは、費用対効果の高い事例と言えるでしょう。

【事例2】 築50年、一戸建てのキッチンリフォーム 139万円

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after

施工会社:株式会社ナサホームみずらぼ

URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_kitchen/20200917stedia-i

キッチンリフォームにおいては平均的な価格ですが、盛りだくさんの内容が入っています。壁一面のI型キッチンの交換と共に、造作壁工事もしたため窓の手前に棚スペースが増えました。設備も一新し、ビルトイン食洗器の導入や換気扇の位置変更で、作業効率や換気効率が良くなり、デザイン性も高い成功事例です。

 

トイレ(予算50万円)

タンクレストイレへの交換 30~50万円*

トイレ全体の改装 20~100万円*

トイレのリフォームも材料、設備により金額に開きがありますが、およそ50万円以内でできることが多いです。ただ、くみ取り式のトイレをシャワートイレにするなど大きなリフォームの場合は100万円前後になる場合もあります。

【事例1】 店舗のトイレをタンクレストイレにリフォーム 32万円

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施工会社:株式会社ナサホームみずらぼ

URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_toilet/ecocarat.html

既存トイレがすでにシャワートイレだったので、タンクレストイレを設置してもリーズナブルにできた事例です。不特定多数の人が使うトイレに、機能性タイルエコカラットを取り入れて快適性を向上させ、なおかつ低予算という成功事例です。

【事例2】 築30年、一戸建てトイレを和式から様式へ 40万円

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施工会社:株式会社ナサホームみずらぼ

URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_toilet/151123_toilet_narashi.html

和式から洋式トイレにリーズナブルにリフォームした成功事例です。電源や給排水管の新設工事がありながらも、内装をシンプルに壁クロスやクッションフロアを使っているため、価格が抑えられています。

足腰の負担を軽減するバリアフリーにし、ドアの開き勝手を変えたことによる安全性の向上も特筆すべき点です。

浴室(予算100万円)

システムバスの交換(一戸建て)60~150万円*

古い一戸建てになると、旧式のタイル張りお風呂をユニットバスにリフォームしたいという要望をよく聞きます。100万円程度の予算でシステムバスに交換できた事例をご紹介します。

【事例】 築50年、一戸建て旧式お風呂をユニットバスへ 105万円

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施工会社:株式会社ナサホームみずらぼ

URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_bath/320210729sazanaar

寒くて滑りやすい旧式お風呂の問題点を、ユニットバスの導入で見事に解決しています。お孫さんとの入浴を考慮して選ばれた浴槽や、床材にも快適性や安全性の気配りが感じられます。

洗面所(予算70万円)

洗面所の改装20~100 万円*

取り付ける洗面ユニット次第で価格は変動しますが、この事例は伝統的な日本家屋の土壁から洋室に変更し、収納棚をつけて劇的にリフォームしています。

【事例】 築50年、一戸建て内装リフォームで収納をたっぷり確保 70万円

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after

施工会社:株式会社ナサホームみずらぼ

URL:https://mizulabo.co.jp/works/w_lavatory/320210923piaraar

こちらの事例は、伝統的な日本家屋の土壁から洋室に変更し、清潔感あふれる洗面空間となりました。窓は塞いでしまったものの、洗面台と可動棚を追加したことにより機能性の向上と収納量が劇的に上がった成功事例です。


内装リフォーム(予算100万円)

  •   畳の交換6~12万円*
  •   畳からフローリングに15~60万円*
  •   壁クロスの貼り替え6~30万円*

内装のリフォームに関しては、部屋の広さや数によって変わります。ただ、上記の費用の上限をとって、予算を100万円としておくと全体予算の500万円以内に収まるでしょう。

予算500万円でできる外装・耐震リフォーム工事

*参考価格として、国交省データから参照したものです。(全て一戸建て)

外装リフォーム(外壁・屋根)

外壁材の重ね塗りは使用する塗料、塗装面積や劣化具合で変わり、耐久年数が長い材料程高額になります。

外壁材の重ね塗り 50~150万円*

サイディングの上貼り 80~200万円*

屋根の痛み具合により、3つの方法があります。上から塗り重ねるか、屋根材を取り換えてしまうか、上に重ね葺きするかによって以下の違いがあります。

スレート屋根の塗り替え 20~80万円*

瓦屋根の交換 70~120万円*

金属屋根の重ね葺き 90~250万円*

耐震補強

耐震補強は、スケルトンにした状態でどこにどのような補強を入れるか決めていきます。耐震補強には大きく分けて2種類あります。金物を使用して柱や梁、開口部の強度を上げるタイプと、更に基礎の補強も加えるかで金額は大きく変わります。

耐震補強(金物使用) 20~60万円*

耐震補強(基礎からの工事) 100~200万円*

古い物件をリフォームする際にチェックすべき点

新旧どちらの耐震基準で建てられたか

1981年(昭和56年)に改正された建築基準法の改正前と後では以下の違いがあります。

改正前)旧耐震基準は、震度5程度の地震で全壊しない強度を規定

改正後)新耐震基準は、震度6強~7程度の地震で全壊しない強度を規定

築40年の物件は、建築基準法が改正される1981年(昭和56年)より前に確認申請を通しているため、旧耐震基準で建てられている可能性は高いといえます。よって最新の耐震性能を満たしていない可能性があります。ただ、改正前の建築物だからといって必ず耐震性能が満たされていないとは限りません。

新耐震基準は、1978年(昭和53)年6月12日に発生した宮城県沖地震を教訓にしてできたものです。当時の建築業界では大災害が起きてから法の改正が行われるまでに、前もって耐震基準を高めておこうといった動きがありました。よって築40年の物件でも、耐震性能が満たされている物件はあるのです。

お風呂設備などの水周りからの水漏れがないか

キッチン・洗面所・浴室・トイレなど水周りから水漏れしている場合は、給排水管の老朽化が考えられます。また、水周りのタイルが割れていたり、壁紙やフローリングが湿気を含んで傷んでいたら要注意です。給排水管が劣化している場合は取替えとなりますが、構造体にもダメージを与えていないか事前チェックが必要です。

雨漏りで、天井や壁に浸水の跡がないか

雨漏りは構造体にダメージを与えていることが多いため、中古住宅を購入してリフォームを考えているかたには、必ずチェックすべき項目です。天井や壁クロスにシミがあったり、部分的に張りかえている場合、雨漏りがあったかよく調べてみましょう。

白アリ診断と駆除

築40年となると、見えない部分の老朽化は確実にあります。

白アリ診断で床下の状況を診断してもらいましょう。雨漏りなどで構造体が湿気を持ち、被害が深刻な場合は、スケルトンリフォームにして構造体自体を取り換えるなどの対策が必要になります。

以上の項目をクリアし、リフォームの範囲を判断しましょう

専門家に見てもらい築40年でも、最新の耐震性能を満たし、上記の注意点をクリアすれば、表層リフォームだけで済む場合もあります。その場合は500万円の予算である程度の表層リフォームを計画できるでしょう。

自分にあったリフォームを検討しよう!

リフォームには大きく分けて2つの種類があり、それぞれ予算や注意点が存在します。今回紹介した予算や事例を活用して自分にあったリフォームの方式や内容を検討してみましょう。

また悩んだ際はぜひリフォームの専門家が揃っているショールームに訪れるのがおすすめです。経験豊富なプロの視点であなたのリフォームプランニングをサポートしてくれることでしょう。 


※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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