ランドセル放置に悩む家庭は『子ども目線』が不足しているのかもしれません。放置されたランドセルにため息をついているママは、今一度置き場を見直してみましょう。ランドセル置き場の決め方や収納のアイデア、片付けを習慣化するためのコツを紹介します。
目次
ランドセル置き場が使われなくなる理由
子どものことを考えて置き場を決めたのに、ランドセルはいつも放置…、このような状態では親もストレスがたまります。子どもはなぜ、決められた場所にランドセルを置かないのでしょうか?
ランドセルを放置してしまう子どもの心理について考察します。
置き場にわざわざ行くのが面倒
「ただいま」と帰宅して、すぐにランドセルを下ろしてしまいたい子どももいます。「ランドセルは決められた場所に置かなければいけない」と分かっていても、そのときの気分で適当な場所にランドセルを放置してしまいます。
帰宅して疲れた子どもが重たいランドセルを持ち運ぶのは、案外大変なものです。ランドセル置き場までが遠かったり置きにくい場所にあったりすると、「ちゃんと置かなきゃ」という気持ちよりも「面倒くさい」が勝ってしまいます。
学校の準備が大変になる
次の日の時間割を見て教科書やノートをそろえて、ランドセルに入れる…、これが子どもの平日のルーティンです。
ランドセル置き場が学用品置き場と離れている場合、子どもはランドセルを取りに行ってから準備をしなければなりません。子どもがその一手間を面倒に感じれば、ランドセルの定位置は自然に学用品のそばとなるでしょう。
一般的に、子どもの多くは大人ほど「常に部屋をきれいにしておかなくては」と、部屋の見栄えを重視しません。「こっちに置いた方が楽」と思えば、床でもソファの上でも、好きな場所にランドセルを置いてしまいます。
ランドセルの置き場を決める考え方
(出典) photo-ac.com
子どものランドセル放置が気になっているママは、ランドセル置き場の決め方や置き方について再検討してみましょう。
ランドセルの置き場を決めるとき、注意したいポイントを紹介します。
大事なのは子ども目線になること
ランドセル置き場は、子どもの使い勝手・動線を考慮して決めるのがベターです。
例えばリビングで過ごすことの多い子どもなら、ランドセル置き場をリビングに設置した方が使いやすくなります。
このとき学用品もセットにしておけば、次の日の準備の手間もありません。子どもが「面倒だ」と感じなくなり、言われなくてもランドセルを定位置に置くようになります。
子どものランドセル放置に悩む家庭は、子どもと一緒に改善策を出し合うのもおすすめです。子どもの「こうしたい」を参考にすることが、問題解決につながります。
置き方のバリエーションを知る
『どのような置き方にするか』もランドセル置き場を設置するときに重視したいポイントです。置き方のバリエーションの例として、以下のものがあります。
- フックに掛ける
- 肩ベルトを下にして置く
- 棚・収納スペースに入れる
このうち片付けが苦手な子どもにおすすめなのは、『肩ベルトを下にして置く』、すなわち『置くだけ』の収納方法です。
フックに掛けたり棚・収納スペースに入れたりするためには、ランドセルの向きを変えたり持ち替えたりする必要があります。
ところが置くだけなら、余計な動作は必要ありません。床やソファに置くのと同じ感覚で、ランドセルを定位置に戻せます。
ランドセルの開閉も簡単で、次の日の準備もスムーズになるでしょう。
【ランドセル置き場】アイデア5選
(出典) photo-ac.com
ランドセル置き場を作るときは、子どもの帰宅後の動線や使いやすい収納方法を考えてみましょう。我が家のランドセル置き場を考えるとき、おすすめのアイデアを紹介します。
動線を考えるなら玄関の近くに
「帰宅してすぐに遊びに行ってしまう」「習い事があって、すぐに出なければならない」などの場合は、玄関から近い場所にランドセル置き場を設置するのがおすすめです。
帰宅してそのままランドセルを置ければ、子どもは「面倒くさい」と感じる暇もありません。コンパクトタイプのフックやハンガーなら、省スペースで設置できます。
ただし玄関近くをランドセルの定位置にしてしまうと、次の日の準備に手間取ります。玄関近くの収納は『一時的な置き場』として、学用品のそばにも収納スペースを作るのがおすすめです。
カラーボックスで一式収納スペースに
ランドセル放置の原因が「次の日の準備をしにくいから」なら、ランドセルと学用品一式を収納できる『カラーボックス収納』がおすすめです。
「見栄えが悪い」「チープな感じが苦手…」などと感じるママは、扉付きのカラーボックスを選んだりDIYでパーツを加えたりしてみてはいかがでしょうか。
また派手な色や部屋のカラーに合わないカラーボックスを選ぶと、インテリアになじみにくくなります。カラーはモノトーンやナチュラルカラーで統一すると、スッキリした印象になるでしょう。
リビングに置くなら隠す方法も
子ども部屋よりもリビングの滞在時間が長い子どもなら、リビングにランドセル置き場を設置するのがおすすめです。リビングをごちゃごちゃさせたくない場合は、ランドセル置き場にスクリーンやカーテンを取り付けるとよいでしょう。
また現在リビング収納がある家庭は、丸ごと『子ども専用』とすれば、兄弟姉妹がいても余裕で使えます。学用品一式の収納もしやすく、子どもにとって使いやすいランドセル置き場となるでしょう。
注意点としては、扉付きのリビング収納は扉を外して使うことです。子どもがドアの開閉を面倒に感じると、ランドセル放置状態に逆戻りするかもしれません。
子ども部屋に置くなら学年に合わせて
子どもの学校・生活に必要なアイテムがそろう子ども部屋は、ランドセル置き場としては最適といえるでしょう。
机のそばにランドセル置き場を設ければ、学用品・教科書の出し入れがスムーズです。宿題や次の日の準備が楽になって、忘れ物もしにくくなります。
ただし子ども部屋にランドセル置き場を設置するのは、自主学習が増える高学年になってからなど、子どもが自室にいる時間が長くなってからにしましょう。
子どもによっては、ほとんど子ども部屋を使っていないケースもあります。子ども部屋が『ただの物置』と化しているのであれば、ランドセルはリビングに置いた方がよいかもしれません。
子どもに合わせてすのこをDIY
DIYのアイデアはSNSでたくさん見つかりますが、特におすすめなのが『すのこ』を使ったランドセル置き場です。
「とりあえず置ければよい」という人には、すのこの裏にキャスターを付けるアイデアがおすすめです。収納は置くだけと簡単で、力の弱い低学年の子どもにもおすすめです。移動も容易なため、掃除や場所を変えるときも苦になりません。
「長く使えるラックを作りたい」という人は、複数枚のすのこをラック風に仕立ててはいかがでしょうか。サイド部分はすのこを立てて、棚部分はすのこを横にして…、とすのこの向きを変えて組み合わせるだけです。
親子一緒にペイントしたりパーツをくっつけたりしてDIYすれば、子どもも愛着を持って使ってくれるでしょう。
ランドセル置き場を定着させるには?
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ランドセル置き場を作っても、子どもがそこを「ランドセルを置く場所だ」と認識しなければ意味がありません。ランドセル置き場を定着させるにはどうすればよいのでしょうか?
子どもにランドセルの置き場を正しく認識してもらうためのポイントを紹介します。
縄張り意識を刺激する
ランドセル置き場を子どもの『縄張り』にすれば、「他人に触られたくない」という意識が湧いてきます。ランドセル置き場を作ったら「ここはあなたの場所よ」「ママもパパも、勝手に手を出さないようにするからね」と伝えましょう。
成長するにつれて、子どもは自分だけのテリトリーを求めるようになります。子どもが「ランドセル置き場は自分だけのテリトリー」と認識すれば、子どもの中に責任感が芽生えます。親が言わなくても「ランドセルを管理しよう」「責任を持とう」と考えるようになるでしょう。
叱るより褒める方が有効
子どものモチベーションを上げるのに有効なのは、褒めることです。放置されたランドセルに毎日小言を言っているママは、もう一度置き場について子どもと相談し直した方がよいでしょう。
叱られた子どもは「叱られたくないからランドセルをしまおう」と考えます。これでは親が期待するような整理整頓の習慣は身に付きません。「やりなさい」という前に「どうしてできないのかな?」と尋ね、改善策を探すのがベターです。
状況が改善したら、子どもをたくさん褒めましょう。褒め言葉がモチベーションになって、子どものやる気を刺激します。「正しいことをしている」と自信が付けば、子ども自らが率先してランドセルを片付けるようになるでしょう。
「そこに置くのが当たり前」を目指そう
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ランドセルを放置する子どもには、何らかの理由が潜んでいるケースがほとんどです。子どもを叱ってしまう前に「どうすれば子どもが片付けやすくなるか」を考えましょう。
基本的に、ランドセルを片付ける最も簡単な方法は『置く』ことです。特に子どもが小さいうちは、収納方法は簡単な方が子どもに負担が掛かりません。『子どもの使いやすい収納か』『置きやすい場所か』などを考えて、ランドセル置き場を決めるのがおすすめです。
子ども目線のランドセル置き場ができれば、子どもも率先して片付けるようになります。ランドセル置き場を子どものテリトリーにして、子どもにランドセル管理の責任を持たせましょう。