家を出るときや帰宅したとき、玄関タイルが汚れているとよい気分ではありません。黒ずみや汚れをきれいに落とし、気持ちのよい玄関にしましょう。玄関タイルを掃除するときのポイントや必要な掃除道具・さらには、積極的に実践したい掃除方法を紹介します。
目次
玄関タイルが汚れる原因
玄関は、家の扉を開けて最初に目に入る場所です。そのため、家の第一印象は玄関で決まると言っても過言ではないでしょう。
来客があった際によい印象を与えるためにも、常にきれいにしておくのが理想といえます。しかし、「すぐに汚れてしまう」と悩む人も多いのではないでしょうか?
掃除の前に、玄関が汚れる原因について考えてみましょう。
砂や土
玄関タイルが汚れる原因の一つに、靴の裏に付着した砂や土が挙げられます。
帰宅した家族の靴裏をチェックしてみれば、小さな砂や土が付いているのが分かるはずです。特に雨で濡れた靴裏は汚れが付着しやすく、たくさんの砂や泥が付いているでしょう。
また、玄関は外との距離が最も近いため、扉を開け閉めする際にもほこりが入ってきやすいといえます。
そういった汚れが乾燥して固まると、手ごわい汚れとなって玄関タイルにこびり付きます。時間が経つほど落としにくくなるため、早めの掃除が必要です。
車の排気ガスや花粉
目視しにくい汚れとして、車の排気ガスや花粉があります。
玄関の扉を長時間開けておくことは少ないものの、家族の出入りやちょっとした来客など、わずかなスキにほこりが入り込みます。
例えば家が道路沿いにある場合、排気ガスによる汚れが入りやすいでしょう。また、花粉は春だけのものではありません。1年中何かしらの花粉が空気中に舞っており、私たちの体・髪・衣類に付着します。
目に見えない些細な汚れでも、毎日積み重なれば玄関を汚してしまいます。大きな汚れが見えなかったとしても、定期的な掃除は必須です。
掃除の前にやるべきこと
(出典) photo-ac.com
「玄関タイルを掃除しよう!」と思い立っても、いきなり始めるのは効率的ではありません。玄関タイルの種類によって掃除方法は異なるため、まずは我が家の玄関に最適な掃除方法を見つけることから始めましょう。
掃除に取り掛かる前にやっておきたいことを紹介します。
玄関タイルの素材をチェックする
掃除を始める前に、自宅の玄関タイルはどのような素材なのかを必ず確認しましょう。
タイルの素材によっては、ブラシでこするのはおろか水を流すことさえ避けなければなりません。チェックの際の重要ポイントは、『天然石か人工石か』です。
天然石はデリケートな素材であるため、ブラシやほうきによる傷が付きやすく、水洗いでシミができてしまう可能性があります。玄関タイルに大理石・御影石・火山石などの天然石が使われている場合は、大掃除はほぼできないと考えましょう。
一方人工石の場合は、ブラシ・スポンジ・ほうきなど、さまざまな道具を活用できます。タイルの特徴に合わせた方法で掃除を行いましょう。
必要な道具をそろえる
玄関タイルの掃除は、基本的に『掃く』『濡らしてこする』『拭く』の手順で行います。掃除道具はこれらの作業ができるものをそろえましょう。
タイプを問わず、人工石の玄関タイルの掃除にあるとよいアイテムは、以下のものです。
- ほうき
- ちりとり
- メラミンスポンジ
- 雑巾・ウエス
ほうきとちりとりは、砂やゴミ・ほこり等を集めるのに使います。またメラミンスポンジは、こびり付いた汚れを落とすのに最適です。
一方、雑巾やウエスは、汚れ落とし用と仕上げのから拭き用として必要です。大きく汚れることが想定されるため、すぐに捨てられるウエスが重宝します。
このほか、ザラザラして凹凸がある玄関タイルには、汚れをこそぎ落とすデッキブラシも用意しておきたいところです。
頑固な汚れに効く掃除グッズも
掃き掃除や水拭きでは落とせない汚れは、重曹・セスキ炭酸ソーダを使って落としましょう。
どちらもアルカリ性の性質を持っており、人体への影響も少ないため、子どもがいる家庭でも安心です。ただし、長時間使用する場合や肌が荒れやすい人は、手袋を装着するようにしましょう。
また性質は同じでも、『アルカリ性が強いのはセスキ炭酸ソーダ』『研磨効果があるのは重曹』と、特徴が異なります。セスキ炭酸ソーダは汚れを浮きやすくし、重曹はタイルの溝に入り込んだ汚れをこすり洗いする際に便利です。
水と混ぜて使う場合は、重曹は『水100ml:小さじ1』、セスキ炭酸ソーダは『水500ml:小さじ1』としましょう。
なおどちらとも、天然石には使えません。
素材別玄関タイルの掃除の仕方
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玄関タイルの掃除方法は、タイルの表面が『ツルツルのもの』『ザラザラのもの』で異なります。また、前述のように天然石は使用道具が限られるため、掃除方法には注意が必要です。
それぞれの掃除の仕方と、天然石の玄関タイルの掃除のポイントを見ていきましょう。
ツルツルの玄関タイルの掃除
ツルツルの玄関タイルは、表面が真っ平らです。ゴミやほこりが表面のみにこびり付くため、掃除がしやすいでしょう。デッキブラシでゴシゴシこすらずとも、比較的簡単に汚れが落とせます。
必要なものは、『ほうき』『ちりとり』『雑巾』『メラミンスポンジ』です。
以下の手順で掃除しましょう。
- ほうき・ちりとりで表面のゴミを取り除く
- 水に濡らした雑巾でタイルを拭く
- 落ちない汚れをメラミンスポンジでこすり落とす
- 雑巾でから拭きする
メラミンスポンジは研磨効果があり、平らな表面の掃除には最適です。ただし素材によっては傷を付けてしまうため、使用前にお試しで目立たない部分をこすってみましょう。このとき問題がなければ、全体の掃除に使っても構いません。
また、掃除が終わった後は、から拭きをしても玄関が湿っています。近くのドアや窓を開け、しっかり乾燥させることが大切です。
ザラザラの玄関タイルの掃除
ザラザラの玄関は随所に凸凹があって、ゴミやほこりが入り込みやすくなっています。
掃除道具としては、『ほうき』『ちりとり』『デッキブラシ』『雑巾』が必要です。汚れがひどい場合は、『重曹』『セスキ炭酸ソーダ』をプラスしても構いません。
掃除の手順は以下の通りです。
- ほうき・ちりとりで表面のゴミを取り除く
- 濡らした雑巾で拭く
- デッキブラシでこする
- 濡らした雑巾で汚れを拭き取る
- から拭きする
重曹・セスキ炭酸ソーダは、デッキブラシと併せて使います。重曹なら粉末のまま、セスキ炭酸ソーダなら水と混ぜてスプレーを作りましょう。
玄関に振り掛けたりスプレーしたりした後、水で濡らしたデッキブラシでこすればOKです。
天然石の玄関タイルの掃除
天然石の玄関タイルは傷が付きやすいため、メラミンスポンジ・デッキブラシ・ほうきといった、こするものは使用してはいけません。また天然石は水に弱いため、大量に使うとシミやひび割れの恐れがあり、汚れどころではなくなるかもしれません。
「どうしても掃除したい」という場合は、『掃除機』『柔らかい布』を用意して慎重に行いましょう。
- 掃除機で表面の汚れを吸い取る
- マイクロファイバーなどの柔らかい布でから拭きする
上記の方法でも、材質によっては変色・変質する可能性があります。掃除機とから拭きで手に負えないと感じた汚れについては無理をせず、プロに任せるのが1番です。
玄関タイルをきれいに保つコツ
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玄関タイルの掃除が大変なのは、汚れが蓄積しているためです。汚れがたまりにくいルーティンを作れば、掃除の手間も省けるでしょう。
玄関タイルをきれいに保つために気を付けたいポイントを紹介します。
玄関の物を減らす
まず大切なのは「掃除しよう」と思ったときにすぐに掃除できる環境であることです。玄関に靴・傘立て・子どものおもちゃ等を置いている家庭は、靴箱やほかの収納に移動させましょう。
玄関に物がたくさんあると、いちいち動かして掃除しなければなりません。掃除の手間が倍増し、掃除に時間がかかってしまいます。「玄関の掃除は面倒だから、後にしよう」という気分になりやすく、掃除頻度が下がるのです。
『玄関に靴を出しっぱなしにしない』を家族にも共有し、家族全員が靴を靴箱にしまう習慣を付けましょう。
泥よけマットを敷く
泥よけマットは、踏むだけで靴裏の泥や汚れを落としてくれるアイテムです。ドア前に設置すれば、家に入る人の靴裏の汚れをざっと落としてくれます。
玄関内に持ち込まれる砂・ほこり等が減れば、目を覆いたくなるほどの汚れにはなりません。軽い掃除で済むようになり、小まめな掃除も負担を感じにくくなるでしょう。
玄関マットの素材には『人工芝』『ラバー』『パイル』などがあります。デザインや形状も多彩なので、我が家のカラーや雰囲気に合うものを選んでみてはいかがでしょうか。
玄関タイル掃除は素材をチェックしてから
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玄関タイルの掃除方法は、天然石か人工石かによって大きく異なります。玄関タイルにダメージを与えないようにするには、掃除方法を事前にチェックしておくことが大切です。
掃除の基本は『掃く』『こする』『拭く』で、汚れや材質に応じて重曹・セスキ炭酸ソーダをプラスしたり、デッキブラシやメラミンスポンジを活用したりしましょう。
玄関掃除は手間がかかると思いがちですが、『玄関に物を置かない』『靴裏の汚れを落として入る』を徹底するだけで、掃除はグッと簡単になります。
玄関掃除のコツを知り、気持ちのよい玄関を保ちましょう。