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「お気に入りの椅子を長く使いたい」「費用をかけずに修理したい」
このような理由から、自分で椅子の修理をしたいと思う方は多いのではないでしょうか。難しい修理でなければ、DIYで修理することは可能です。
そこで今回は、椅子をDIYで修理する方法や注意点 、自分で修理しないほうがいいケースについて解説します。「調子が悪くなった椅子を使い続けることの危険性」についてもお伝えします。ぜひ参考にしてください。
目次
要注意!椅子を修理しないと起こること
「椅子の調子が悪いかも」と思っても、すぐに対処できず「面倒だからまた今度にしよう」「まだ大丈夫でしょ」と先送りにしてしまうこともあるでしょう。
しかし、何も手を打たずにそのまま使い続けると、椅子の状態の悪化を招きます。パッと見て分からないところで、劣化が進んでいるかもしれません。
見て見ぬふりを続けると、椅子の座り心地が悪くなるだけでなく、大きなケガにつながることもあります。修理せずに放置するとどのようなことになるのか、ここで理解を深めておきましょう。
座り心地や健康に影響する
座面のクッションがヘタれていると、座り心地が悪いと感じることが多いでしょう。クッションの下の硬い部材と接触し、痛みを感じる場合もあります。
また、椅子の形に歪みが発生している場合は、座ったときの姿勢に影響を与えます。無理な姿勢になると腰痛や体の血行不良を起こすこともあり、長く座っていることが困難になります。
無理な姿勢で座っているということは、椅子に対して体重が適切に分散されていないということです。荷重のバランスが崩れ、椅子の寿命を縮めることにつながります。
快適に座ることができなければ、無意識のうちにその椅子を使わなくなることも。使わずに置物状態となり、部屋の広さを圧迫することもあるでしょう。
ケガをする恐れがある
修理せずに椅子を使い続けると、最悪の場合、大ケガをすることにもなりかねません。体重がかかっている脚が折れて転倒し、骨折するケースも多発しています。割れた木材の先端に体が接触すると、流血する恐れもありますし、破損時に隙間に指を挟むことも考えられます。
また、早めに対処していれば簡単な修理で済んだものが、大きく破損した後では修理代が高額になったり、修理が不可能になったりすることもあるでしょう。修理できなければ買い替えざるを得なくなり、想定外の費用が発生することになりかねません。
早めに修理するべき椅子の症状とは
「椅子が壊れているかも」と思ったとき、急いで修理するべきか悩んでしまうこともありますよね。
- 背もたれや座面が割れている
- 脚が破損している
- グラつき・ガタつき・歪みがある
- クッションがへたっている
- 傷や汚れがひどい
以上のような症状が出ている場合は、なるべく早く対処することをおすすめします。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
背もたれや座面が割れている
背もたれや座面の割れは、早急に修理するようにしましょう。このような体を支える役割をしている部分は、割れたところに負荷が集中し、大破する可能性があります。
背もたれや座面が割れる主な原因は、負荷がかかり過ぎたことや経年劣化です。特に木製の椅子は、温度・湿度の変化によって、木が収縮や膨張をくり返します。徐々に劣化が進み、負荷がプラスされることによって、最終的に割れが生じてしまうのです。
割れの状態によっては補修だけでは済まず、背もたれや座面の交換が必要になる場合もあります。
脚が破損している
脚が破損している場合も、できるだけ早めに修理しましょう。構造上、脚は全てを支える要です。万が一脚が折れて体を床にたたきつけられてしまえば、骨折などの大ケガをするリスクがあるでしょう。
4本脚の椅子は、4本で負荷を分散し、バランスを取ることを想定して作られています。そのうち1本でも破損があれば、バランスを保つのが難しくなります。バランスの悪い荷重の加わり方によって、残りの3本にも影響が出てしまうのです。
脚が折れると、ボンドなどで接着するだけでは、人の体重を支えるほどの強度を保てません。脚を交換するか、その椅子に合う脚がない場合は、椅子を丸ごと買い替える必要が出てくるでしょう。
グラつき・ガタつき・歪みがある
椅子に座ってグラつきやガタつきがある、椅子自体が歪んでいる場合も注意が必要です。グラつきやガタつきが起こるのは、主に以下のようなことが原因です。
- 木材が痩せて脚の接合部に不具合が起こっている
- ネジの締め付けが緩んでいる
- 脚を固定する部品に劣化が発生している
- 歪んで椅子のバランスが崩れている
温度・湿度の変化は、木材の割れにつながるだけでなく、ネジの締め付け具合にも影響します。ネジが緩み、部品を固定できていない状態で負荷がかかり続けると、徐々に椅子が歪んでしまいます。バランスの取れていない椅子は、主要部の割れにつながりやすいため、早めに状態をチェックしましょう。
日本は1年の温度・湿度の変化が大きい国です。木製の椅子は状態変化が起きやすいため、定期的に不具合がないかチェックしましょう。
クッションがへたっている
長年の使用でへたってしまったクッションは、座り心地を悪くします。人は座り心地が悪いと、無意識に体のバランスを取ろうとします。これが姿勢を悪くする原因になり、腰痛や肩こりを起こすこともあるでしょう。
クッションのへたりは、経年劣化が主な原因です。体重がかかり続けたことでクッション材が薄くなったり、劣化して硬くなることが多いです。
デスクワークで使う椅子など、長時間座る椅子の場合は、より体への負担は大きくなります。体の疲れを引き起こすため、なかなか仕事に集中できません。早めにクッションを張り替えたほうがいいでしょう。
傷や汚れがひどい
大急ぎで対処するほどではありませんが、傷や汚れがひどい場合も早めに対処したいですよね。長く使っていると、傷ができるのは自然なことです。ペットがいるご家庭では、噛んだり爪を立てたり、ということも少なくないでしょう。汚れが蓄積されて目立つこともよくあります。
多少の傷であれば愛着が湧いたり、”味”と捉えることもできますが、ひどい場合は見た目も悪くなります。視界に入るたびに、残念な気持ちになることもあるでしょう。
傷が多くても、自宅で簡単に目立たなくすることが可能です。表面の汚れは削って落とすこともできます。これから解説する修理方法を、ぜひ参考にしてみてください。
椅子を自分で修理する方法!簡単な修理はDIYも可能
ひどい症状でなければ、自分で修理できる場合もあります。ここからは、椅子の修理をDIYする方法や手順について解説します。
傷・へこみ・色あせがある場合
浅い傷
浅い傷やへこみ、色あせは、「家具用マーカー」や「家具用マニキュア」などで補修できます。気になる部分にサッと塗るだけで、簡単に目立たなくすることが可能です。ホームセンターやインターネットで購入でき、カラーバリエーションも豊富です。椅子の色に合ったものを用意しましょう。
深い傷へこみ
- 家具補修用クレヨン
深い傷やへこみであっても、「家具補修用クレヨン」で埋めることが可能です。塗り込むだけで、気になる部分が目立たなくなります。
使い方は、傷に対して直角に塗り込み、余分なクレヨンを付属のヘラなどで取り除くだけです。時間が経っても塗り込んだ部分が変色することもなく、長期間に渡って傷をカバーしてくれますよ。
「家具補修用クレヨン」は、椅子以外にも、テーブルやフローリングの傷を埋めるのにも使えて便利です。この機会に、何色か揃えておいてもいいでしょう。
- 木工パテ
椅子の強度に影響しない程度の軽いひびやへこみには、「木工パテ」を使って溝を埋めるといいでしょう。木工パテはペースト状になっており、硬化した後はサンディングや塗装をして調整できます。
使い方は、ペーストをひびに塗り込み、余分なパテをヘラなどで取り除いて乾燥させるのが一般的です。注意点として、パテは水分を蒸発させて硬化するため、乾燥すると体積が減ってくぼんでしまうことがあります。その場合は、再度パテを重ね塗りしましょう。
ただし、特徴や使い方は製品によって異なるため、取扱説明書をよく確認してから行ってください。
色あせ
- 塗装されている椅子
塗装施工されている椅子は、色あせしている部分の塗装を1度研磨して落とし、その上から家具用のマニキュアを塗って見た目を改善する方法があります。
サンドペーパーで削って軽く塗装を落とし、マニキュアを何度か塗り重ねて本来の椅子の色に近づけます。「ハンドパッド」などと呼ばれる塗装用の研磨スポンジを使って塗装を落としてもいいでしょう。
- 無垢材を使用した椅子
無垢材の椅子であれば、色あせが強くても家具用のオイルやワックスを使用して目立たなくできます。以下の手順で行いましょう。
- 目の細かいサンドペーパーで表面を磨く
- 水気を固く絞った布で木くずを丁寧に拭き取る
- 乾いた布でオイルやワックスを擦り込むようになじませる
- 15~30分ほどおいた後、乾いた布で丁寧に拭き上げる
- 日陰で12〜20時間ほど乾かす
乾く前に椅子を使用すると、手で触れた部分のオイルが取れてしまうので注意しましょう。作業は、できるだけ気温が20℃以上で、よく晴れた日に行ってください。20℃以下の場合はオイルが乾きにくく、椅子を長時間使えないことがあります。
クッションを自分で交換する場合
複雑な素材や造りでない限り、一般的な椅子のクッション部分の構造は意外と簡単です。多くの場合、クッションをカバーするビニールや布を、ホチキスのような針で止めているだけです。材料や工具が揃っていれば、DIYもそれほど難しくありません。
クッション交換に必要なものは、主に以下の通りです。
- カバー生地
- ウレタン
- チップウレタン
- 不織布
- ペンチ
- プラス・マイナスドライバー
- タッカー
- ハサミ
- ハンマーなど
新しいカバー生地やウレタンなどは、ホームセンターやインターネットで購入できます。工具のほとんどは、100円ショップでも揃えられるものばかりです。本格的なものでも、2,000円前後から購入できるでしょう。
材料が揃ったら、以下の手順で交換します。
- 椅子から座面を外す
- 座面の素材を分解する
- クッションを交換し、カバーを張り替える
- 張り替えた座面と椅子を固定する
1.椅子から座面を外す
まずは、作業しやすいように椅子から座面を外します。多くの場合、ネジで固定されているので、ネジを外して本体から座面だけ取り外しましょう。ネジはクッションの交換後に再度使用するので、なくさないように気を付けてください。
2.座面の素材を分解する
次に、座面とカバー、中身のクッション材など、それぞれの素材を分解します。カバーと座面は、大きなホチキスのようなタッカーというもので固定されています。
タッカーの針にマイナスドライバーを差し込み、ペンチで一つずつ外します。座面がボンドなどで接着されている場合は、むやみに剥がそうとせず、ヘラなどを使って少しずつ優しく剥がしていきましょう。
タッカーはかなりしっかり固定されているため、分解は力が必要になる工程です。ケガをしないように注意してください。
3.クッションを交換し、カバーを張り替える
次に、新しいクッション材とカバーに張り替える工程です。ウレタンなどのクッション材を、座面より一回り大きくカットします。カバーはさらに2~3㎝大きめにカットしましょう。
下からカバー、ウレタン、不織布、座面板の順に重ね、座面板の裏からタッカーを打ち付けて固定します。一辺の中央をタッカーで留めたら、シワにならないようカバーの生地を引っ張りながら全体をタッカーで留めていきます。角の部分は生地を重ねながら留めましょう。
このとき、カバーが緩まないように引っ張りながら行うのがポイントです。少しでも緩みがあると、完成時にシワになるので気を付けてください。
4.張り替えた座面と椅子を固定する
最後に、タッカー針をハンマーで打ち込んで表面を整えます。椅子の本体に、外したネジを使って座面を固定すれば完成です。
インターネットで修理キットを購入しても
1つ1つ材料を揃えるのが面倒な場合は、修理キットを購入してもいいでしょう。修理キットの多くは、ウレタンやチップウレタン、不織布などがセットになって販売されています。
修理キットには必要なクッション材がまとまっており、1脚ごとに部材が扱いやすい大きさにカットされていて便利です。丁寧に解説された説明書が付いているので、初めての方でも安心して張り替え作業ができるでしょう。
このようなキットはホームセンターでは取り扱いしていないことが多いため、気になる方はインターネットで探してみるのがおすすめです。サイズやクッション材の厚みも選べるので、最適なものを見つけられるでしょう。
ただし、キットにはカバーとなる表地はついていないので、キットを使用する場合は表地のみ別途購入する必要があります。もちろん、キットを使用せず、手芸店やホームセンターで必要な材料を個別に揃えても問題ありません。
自分で修理しない方がいいケース
破損の仕方によっては、自分で修理しない方がいいケースもあります。以下のような場合は危険を伴うため、DIYするのはやめておきましょう。
- 脚や背もたれなど主要部分が破損している
- 木材が不規則に割れている
詳しく解説していきます。
脚や背もたれなど主要部分が破損している
脚や背もたれなど、体重がかかり負荷が大きくなる部分が破損すると、安全性を確保できません。自分で修理できたとしても、強度に不安が残ります。
もし、座っているときに折れて崩れたりしてしまえば、大ケガにもつながります。万が一のことを考え、プロに修理をしてもらった方がいいでしょう。
木材が不規則に割れている
木材に不規則な割れが生じると、接着剤を使用しても隙間を埋められず、しっかり固定できません。グラつきやガタつきの原因にもなり、その後も長く使うことが難しくなります。鋭利な先端でケガをする恐れもあるため、DIYは避けるのが無難です。
また、無垢材の椅子は、木材特有の香りや味わいが楽しめる反面、不規則な割れが起こりやすいという一面を持ちます。使われる木材の年輪や部位によって強度が異なることや、温度・湿度の影響を受けやすいことが理由です。
無垢材の割れを防ぐには、日頃から木に”痩せ”が起こらないようにするのが重要です。”痩せ”は温度・湿度の変化によって起こります。空調機や加湿器、除湿器などを使用し、適切な環境を保つように気を配りましょう。
年に1~2回、オイルやワックスを使ってのメンテナンスも忘れないでください。しっかり油分を与えることで、木材の乾燥を防いで割れが起きにくくなりますよ。
椅子の修理はプロに依頼するのがベスト
椅子の修理は、簡単な作業であればDIYすることもできますが、できるだけプロに任せるのがベストです。素人のDIYでは強度や耐久性が著しく低下し、その後長く使えないケースが多いためです。また、素人では修理すべきか買い替えるべきかの判断が難しいこともあります。
DIY修理では長持ちしないことが多い
DIYの修理では、以下のような心配があります。
- 十分に補強できず、安全性に不安がある
- 工具を持っていない場合は、まず工具を揃えなくてはいけない
- 不慣れな作業でケガをする恐れがある
- 失敗すると材料を買い直す必要があり、余計に費用がかかる
- アンティークな椅子や籐などデリケートなものはDIYが難しい
- 分解できても思うように組み立てられない場合がある
中でも、安全性の確保は最も重視するべき点です。使っている最中も、しっかりと修理・補修ができているかどうか不安が残ります。分解したものの、自分で組み立てられなければ、途方に暮れてしまうでしょう。
また、前述したDIYの方法は、工程によっては苦労する場面もあります。例えば、クッション張り替え時のタッカー針の除去などは、非常に骨が折れる作業です。
苦労して修理したからこそ愛着が湧くこともありますが、仮にまたすぐに壊れてしまっては、コストだけでなく、時間や手間も惜しまれるでしょう。
以上のことを考えると、専門店に修理に出すのが無難だと言えます。特に高価なものや廃版商品、修理を失敗したくない大切なものは、プロに依頼するようにしましょう。
修理の度合いによっては買い替えた方がいい場合も
修理が大がかりになる場合は、思い切って買い替えてしまった方が安くなる場合があります。修理が複雑になるケースはDIYするのが難しく、修理に出しても費用や時間がかかるためです。
部品や部材を交換する場合は、その椅子に合ったものを探すのにも時間がかかります。時間をかけたからと言って、最適なものが見つかるとは限りません。
また、すでにDIY済みである場合、さらに修理するよりも買い替えるのがおすすめです。例えば、応急処置として、ボンドや釘を使って一時的に補強していた場合は、修理に出しても作業前にボンドや釘を全て取り除かなくてはいけません。無駄な工程や時間が増えることで、修理代が高くなる可能性があるのです。
「修理or買い替え」はお店に相談してみよう
修理で済むのか買い替えるべきなのか、自分では判断できないこともあるでしょう。その場合は、家具屋さんなどにどうしたらいいか相談してみるのがおすすめです。
専門店であれば、豊富な知識を持ったスタッフが対応してくれます。気になる箇所の写真を見せながら説明すると、状態をスムーズに伝えられます。
椅子は価格帯が広いため、修理と買い替えのどちらが良いかは一概には言えません。大事なのは、「その椅子に思い入れがあるかどうか」です。
今後も長く同じものを使いたい場合は、自分で修理するのではなく、信頼できる専門店に任せるのがおすすめです。修理代の見積もりを取るなどし、相談しながらよく検討してみましょう。
まとめ|破損のある椅子は早めに修理・買い替えをして安全性を保とう
簡単な椅子の修理は、DIYで修理することも可能です。傷や汚れ、色あせなど見た目が悪くなってきた場合も、家具専用のマーカーやマニキュア、クレヨンなどを使うと手軽にお手入れできるでしょう。
ただし、構造や素材が複雑なものや、体を支える主要部に破損がある場合は、DIYでの修理はおすすめしません。椅子の強度を保つことが難しくなるため、思わぬ事故やケガにつながる恐れがあります。愛着のある大切な椅子の場合は、専門店に修理を依頼するのが確実です。
大きな破損があると、修理できないケースもあります。その場合は、品質が良く、長く使える椅子に買い替えるのもおすすめです。JR神戸駅前のHDC神戸、グランフロント大阪のHDC大阪では、上質な家具を取り扱うショップが複数入っています。家具のプロが在籍しているので、あなたのお好みに合ったものを提案してくれます。
もちろん、椅子の修理のご相談も可能です。「修理しようか買い替えようか迷っている」という方も、1度相談すれば、椅子の状態に合わせて最適な方法を教えてくれますよ。お近くの方は、ぜひ立ち寄ってみてください。
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