寒くなる季節に欠かせない暖房器具。特に冬の寒い日に帰宅したときは、少しでも早く部屋を暖めたいですよね。ガスファンヒーターは、立ち上がりが早いため、比較的短い時間で部屋を暖めることができます。また、ガスを燃焼させることで、水分が発生するため、空気が乾燥しにくいメリットもあります。
冬に便利なガスファンヒーターですが、デメリットもあります。この記事では、ガスファンヒーターのデメリットや、正しい選び方、おすすめの製品などを紹介していきます。ガスファンヒーターが気になっている方や、購入を検討している方は、参考にしてみてくださいね。
目次
ガスファンヒーターのデメリット3つ
そもそも、ガスファンヒーターを使用するには、ガス栓が必要です。住宅の作りによってはガス栓がなかったりして、すぐにガスファンヒーターを設置できない場合があります。また、ガスを燃焼させて暖めるため、こまめな換気の必要もあります。
ここでは、これからガスファンヒーターの購入を検討している方に向けて、代表的な3つのデメリットについて解説していきます。
- ガスのコンセント(ガス栓)がないと設置できない
- こまめな換気が必要
- ガス代と電気代が割高になる
ガスのコンセント(ガス栓)がないと設置できない
ガスファンヒーターは、内部で燃焼させたガスをファンが室内に送り出すことで、部屋が暖まる仕組みになっています。
そのため、ガスファンヒーターの設置にはガス栓が必要です。自宅にガス栓がない場合、ガス会社に開栓や増栓の申し込みをし、後日工事をする流れになります。工事は30分〜1時間ほどで完了しますが、別途工事費用がかかりますので注意しましょう。
開栓の費用は、住宅の作りなどにより前後しますが、20,000円〜30,000円前後の場合が多いようです。ガスファンヒーターの購入を考えている方は、設置したい部屋にガス栓があるかどうかをチェックしておきましょう。
こまめな換気が必要
ガスファンヒーターは、ガスを燃焼させることで発熱させています。そのため、換気が不十分になると、不完全燃焼を引き起こすことがあります。
ガスが不完全燃焼をし続けると、一酸化炭素中毒のリスクが高まります。ガスファンヒーターを使用する場合には、1時間に1〜2回の換気が推奨されています。
また、近年では自動でガスを遮断する「不完全燃焼防止装置」を搭載している製品も販売されています。安全面が気になる方は、安全機能が搭載されているものがおすすめです。
ガス代と電気代が割高になる
ガスファンヒーターを使用すると、ガス代と電気代がかかります。使用する製品によって金額は多少前後しますが、一般的には、1ヶ月あたりの電気代とガス代の合計金額は、10,000円以上かかると言われています。
これに対して、エアコンを使用した場合の毎月のコストは電気代のみです。エアコンを使用した場合の一般的な電気代は、1ヶ月あたりで約8,000円以上と言われています。
エアコンは電気代だけで済みますが、ガスファンヒーターは電気代とガス代の両方がかかるのも、ランニングコストが割高になる要因です。
ガスファンヒーターを使用する場合には、事前に電気やガス料金のプランの見直しをしておくのがおすすめです。
ガスファンヒーターのメリット3つ
ガスファンヒーターは、他の暖房器具と比較して立ち上がりが早く、部屋がすぐに暖まります。また、ガス栓に繋ぐだけで使用できるため、燃料補給の必要がありません。ここでは、ガスファンヒーターを使用する3つのメリットについて解説していきます。他の暖房器具も検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
- スイッチを入れるだけですぐに温まる
- 燃料補給の手間がない
- 部屋が乾燥しにくい
スイッチを入れるだけですぐに暖まる
寒い日に外出先から帰宅して、すぐに部屋が暖まらないと、コートを脱ぐ気になれず気分が下がりますよね。ガスファンヒーターはスイッチを押してからの立ち上がりが早いものが多く、部屋をすぐに暖めることが可能です。
また、石油を使用した暖房器具と異なり、スイッチを入れたときに嫌なニオイがしにくいのも嬉しいポイントですね。
燃料補給の手間がない
ガスファンヒーターは、定期的な燃料補給の必要がありません。ガス栓に繋ぐだけで簡単に使用できるため、こまめな燃料補給の手間がないのがメリットです。毎日使う暖房器具は、燃料補給の頻度が高くなります。燃料の残量を気にせず使用できるのは嬉しいですよね。
また、ガスファンヒーターには、燃料タンクがありません。そのため、軽量でコンパクトなものが多いのも特徴です。持ち運びや掃除がしやすいので、ストレスなく使用することができます。
部屋が乾燥しにくい
寒い時期に部屋の乾燥が気になる方は、ガスファンヒーターの使用がおすすめです。
ガスファンヒーターに使用する都市ガスやプロパンガスは、炭素と水素でできています。炭素と水素は、燃焼すると酸素と結びつき、空気中で二酸化炭素と水になるという特性があります。燃焼の際に発生する水分によって部屋が加湿されることは、大きなメリットといえるでしょう。
ガスファンヒーターの選び方とおすすめ3選
ガスファンヒーターは、販売されている種類も多いので、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
しかし、価格やデザインだけで製品を選ぶのは、注意が必要です。ガスファンヒーターは、自宅で使用されているガスの種類と、同じガスに対応している製品を選ぶ必要があります。そのほかにも、安全機能の有無なども製品によって異なります。
ここでは、ガスファンヒーターを選ぶ際にチェックしておきたい、3つのポイントについて解説していきます。
選び方とあわせて、おすすめのガスファンヒーターも3つ紹介しています。購入を迷っている方は、参考にしてみてくださいね。
- 【選び方①】都市ガスかプロパンガスか
- 【選び方②】安全性に配慮されている製品か
- 【選び方③】設置する部屋の広さに合っているか
【選び方①】都市ガスかプロパンガスか
ガスファンヒーターを購入する前にチェックしておきたいのが、使用するガスの種類です。ガスファンヒーターには、都市ガスを使用するものと、プロパンガスを使用するものがあります。
製品を選ぶ際には、自宅で使用しているガスと同じガスに対応しているものを選ぶ必要があります。万一違う製品を選んで使用してしまうと、異常燃焼の原因にもなりますので、注意しましょう。
【選び方②】安全性に配慮されている製品か
小さいお子さんやお年寄りがいるご家庭では、「ガスファンヒーターの安全性が気になる」という場合も多いのではないでしょうか。ガスファンヒーターは、ガスを燃焼させて部屋を暖めるため、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の可能性があります。
しかし近年では、安全性に配慮されている製品が増えています。不完全燃焼を防止する装置や、製品が転倒した際にガスが自動的に遮断される機能などは、特に重要な機能といえるでしょう。また、小さいお子さんがいる家庭では、イタズラによる誤作動防止のために、ボタンロック機能もあると安心です。
それぞれの家庭によって、必要な安全装置は異なります。欲しい製品に、どのような安全性能が搭載されているかを、事前に確認してから購入してくださいね。
【選び方③】設置する部屋の広さに合っているか
ガスファンヒーターの暖房機能を十分に発揮させるためには、設置したい部屋の広さに合ったサイズを選ぶことが大切です。
いくら高性能な製品を購入しても、設置する部屋の広さにあっていないと、十分な暖かさが得られず、常に暖房パワーを強めに設定しておくことになります。そうすることで、電気代やガス代のランニングコストが割高になってしまうことが考えられます。
対応畳数が大きくなると購入金額は多少高くなりますが、後々のランニングコストを考えると、部屋のサイズにあった製品を選んでおいた方がよいでしょう。
リンナイ|SRC-365Eガスファンヒーター
ガス機器の老舗メーカーである、リンナイから発売されているSRC-365Eのガスファンヒーター。不完全燃焼防止装置や転倒時ガス遮断装置をはじめとする安全装置機能もしっかり搭載されています。
また、小さいお子さんがいる家庭に安心のロックスイッチ機能もついています。そのほかにも、エコ機能やフィルターサイン機能などの便利な機能もありますので、電気代やガス代が気になる方にもおすすめの製品です。
リンナイSRC-365E
ノーリツ|ガスファンヒーターGFH-5803S-LP
パワフルな暖房能力が特徴のノーリツGFH-5803S-LPシリーズ。スイッチを入れたら5秒で暖まるのが魅力的ですね。
暖房能力だけでなく、不完全燃焼防止装置や過熱防止装置などをはじめとする、7つの安全機能もついているので、より安心して使用できます。また、スポット暖房・スポット足暖機能があるのもポイント。お好みの箇所に向かって、好みの暖房出力で暖められるので、冷えやすい足元などにも使えて便利です。
ガスファンヒーター GFH-5803S-LP
Iwatani|カセットガスファンヒーター
カセットガスを使用するタイプのIwataniのファンヒーター。カセットガスの燃焼熱から、電気を生みだしてファンを回す性能が特許を取得している製品です。ガスコンロなどに使用するカセットガスがあれば、簡単に使用できるため、非常時に使えるのもポイントでしょう。軽量でコードレスのため、さまざまな部屋に移動させながら使用できるのも魅力です。
電池や電源コード、ガスホースなども一切必要ありません。コードレスタイプなので、小さいお子さんやお年寄りがいる家庭にもおすすめ。不完全燃焼防止装置や立消え安全装置をはじめとする、5つの安全機能も搭載されていますので、安全性が気になる方にも最適な製品といえるでしょう。
カセットファンヒーター
ほかのガス暖房器具のメリットとデメリット
ガス暖房器具には、ガスファンヒーター以外にも「FF式ガスファンヒーター」や「ガスストーブ」があります。
ここでは、ガスファンヒーター以外のガス暖房器具のメリットやデメリットについて紹介していきます。ガスファンヒーターと比較して、よりライフスタイルにあった暖房器具を選んでみてくださいね。
FF式ガスファンヒーター
近年販売台数が増えているFF式ガスファンヒーター。外気を取り込んで燃焼させることで部屋を暖める仕組みのため、換気の必要がありません。いつもきれいな空気を保つことができるのがメリットの暖房器具といえるでしょう。
ただし、工事費がかかる点や、壁に穴をあける必要があるなどのデメリットもあります。購入する場合には、メリットとデメリットをよく比較検討することをおすすめします。
メリット
FF式ガスファンヒーターは、外気の空気を取り込んで燃焼させ、燃焼した排気を屋外へ自動的に排出させる仕組みになっています。この仕組みにより、お部屋の空気を常にきれいに保つことが可能です。そのため、換気をする必要がありません。冬の寒い時期に、こまめな換気が必要ないのは嬉しいですよね。また、暖まった部屋の温度を一定に保ち続けられるのもポイントでしょう。特に、寒冷地に住んでいる方にとっては、この点は大きなメリットといえます。
デメリット
FF式ガスファンヒーターのデメリットは、おもに3つあります。
- 工事費がかかる
- 乾燥しやすい
- 壁に穴をあける必要がある
FF式ガスファンヒーターは、必ず専門業者による取り付け工事が必要です。工事費は一般的に20,000円前後の場合が多いようです。製品の購入代金以外に、工事費がかかることも、頭に入れておくとよいでしょう。
FF式ガスファンヒーターは、お部屋が乾燥しやすいデメリットがあります。外気を取り込んで燃焼させて部屋を暖める仕組みのため、燃焼時に水分が発生しません。その分お部屋は乾燥しやすくなります。そのため、FF式ガスファンヒーターを使用する場合には、加湿器なども一緒に置くと乾燥対策になります。
また、吸排気をする仕組みのため、設置の際に壁に穴を空ける必要があります。そのため、一度配置してしまうと場所を動かすのが難しいという点も、考慮する必要があるでしょう。
ガスストーブ
ガスストーブは、内部にある燃焼パネルや燃焼筒でガスを燃焼させ、赤外線を発生させます。発生した赤外線の熱によって、部屋が暖かくなる仕組みになっています。ガスストーブは、温風が出ないため、風が直接当たるのが苦手な方にもおすすめの暖房器具です。
メリット
ガスストーブは、温風が出ません。ほこりやハウスダストが舞いにくいため、赤ちゃんがいる家庭などでも安心して使える暖房器具といえるでしょう。また、エアコンやファンヒーター特有の温風が苦手な方などにもおすすめです。ガスの燃焼によって水分が発生するので、部屋が乾燥しにくいのもポイントです。
デメリット
ガスストーブは、ガス栓がない場所では使用できません。ガス栓がない場合には、開栓や増設工事が必要になることがあります。また、使用する製品や、ガスのプランなどによっては、ガス代が割高になる可能性があります。
ガスファンヒーターについてよくある質問と回答
ここからは、ガスファンヒーターについて、よくある質問と回答をピックアップしていきます。ガスファンヒーターの購入に不安がある方や、ガスファンヒーターを使用したことがない方は、チェックしてみてくださいね。
ガスファンフィーターは体に悪いって本当?
ガスファンヒーターが体に悪いと言われている理由は、不完全燃焼による一酸化炭素が発生する可能性があるからでしょう。
近年では、不完全燃焼防止装置をはじめとする、安全機能が充実した製品が増えてきています。小さいお子さんのイタズラ防止のためのロック機能や、転倒ガス漏れ防止機能などが搭載されている製品も多いです。
安全面が気になる方は、ライフスタイルに合った機能が多く搭載されている製品を選ぶのがおすすめですよ。
ガスファンヒーターの危険性が知りたい
ガスファンヒーターの危険性はおもに2つあります。
1つは、換気が不十分なことで不完全燃焼が起こり、一酸化炭素が発生する可能性があることです。一酸化炭素は無臭のため、充満していることに長時間気が付かないと、一酸化炭素中毒になる危険があります。
2つ目にあげられるのは、ガスファンヒーターに長時間あたり続けることによる、低温やけどや脱水症状のリスクがあることです。ガスファンヒーターの近くで就寝する場合には、タイマー設定をして長時間ヒーターに当たり続けないようにする必要があります。
しかし、最近では不完全燃焼防止装置や、自動消化機能など多くの安全機能が搭載されている製品が多いため、上記のようなリスクは低くなりました。購入する前には、どのような安全機能が必要か、検討してから購入すると安心ですよ。
ガスファンヒーターとエアコンなら、どちらが経済的?
ガスファンヒーターを使用する上でかかるコストは、「ガス代」と「電気代」です。エアコンの場合は、かかるコストは電気代のみとなります。
ガスファンヒーターとエアコンを同じ時間稼働させた場合には、ガスファンヒーターのほうがコストが割高になると言われています。
ただし、ガス料金や電気代のプランを見直すことで、多少コストを抑えることもできるでしょう。ガスファンヒーターを購入する場合には、事前にガス代や電気代のプランの見直しておくことをおすすめします。
ガスストーブと灯油ストーブならどちらが安い?
ガスストーブと灯油ストーブのコストを比較すると、本体の購入価格はどちらも2〜3万円前後のため、ほとんど変わりません。しかし、ランニングコストを考えると、灯油ストーブの方が安くなります。1日8時間使用した場合の灯油代は、一般的に200円前後といわれています。同条件でかかるガスストーブのガス代は、都市ガスで300円前後、プロパンガスでは500円前後になります。
さらにガスストーブでは、ガス代以外に電気代もかかりますので、灯油ストーブのほうが割安ということになります。
まとめ|ガスファンヒーターはデメリットも理解し、お部屋や用途に合わせて選ぼう
ガスファンヒーターは、短時間で部屋が暖まりやすい上に、乾燥しにくく、寒い季節に嬉しいメリットがたくさんあります。しかし、一方で自宅にガス栓がないと使用できなかったり、定期的な換気が必要だったりなどの、デメリットもあります。
ガスファンヒーターの購入を検討している場合には、メリットだけでなくデメリットも理解した上で、設置するお部屋や用途にあったものを選びましょう。