小松菜は栄養価の高い野菜です。さらに、色鮮やかな緑色をしているため、おかずの色合いを良くするのにとっても便利。
しかし、小松菜の苦みが好きになれず、料理で使う機会があまりない人は多いのではないでしょうか。
今回は、小松菜の苦みの原因や苦みを抑える方法を解説します。子供でも食べやすい小松菜料理のレシピを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
小松菜が苦いのは腐っているわけではない!食べても大丈夫!
小松菜は、苦み成分がもともと含まれている野菜です。苦い小松菜は腐っているわけではないため、食べても問題ありません。
しかし、以下のような特徴がみられたら腐っているおそれがあるので、食べずに捨ててくださいね。
腐っている小松菜の特徴
- 異臭がする(酸っぱい臭い)
- 黄色く変色している
- 全体的にぬめりが出て溶けた状態になっている
- ネバネバしている
- カビが生えている
小松菜が苦い4つの原因!
小松菜が苦いのは、シュウ酸と呼ばれる成分が原因です。野菜に限らずシュウ酸を含む食品はたくさんありますが、中でも小松菜に多く含まれています。
ほどよい苦みやえぐみであれば食べられますが、食べられないほど苦いと感じる小松菜にはどんな特徴があるのでしょうか。4つの原因を順に紹介します。
- 旬ではない
- 肥料の与えすぎ
- アクの強い個体だった
- 加熱していないまたは加熱のし過ぎ
それぞれみていきましょう。
旬ではない
小松菜は、旬を過ぎると苦みが増す傾向があります。ハウス栽培によって1年中新鮮な小松菜を手に入れられるようになりましたが、旬のものは甘味と苦味のバランスが良いのが特徴です。
小松菜は秋から冬にかけて旬を迎え、味がマイルドになります。苦みが得意でない人は、春先や夏の購入は避けると良いですよ。
肥料の与えすぎ
大きく成長することだけを考えて肥料を与えすぎると、苦みの強い小松菜になってしまいます。肥料の中にはさまざまな成分が含まれていますが、そのうちの窒素は、小松菜に含まれるシュウ酸を増やしてしまうことが分かっています。
家庭菜園で小松菜を育てている人は肥料の与えすぎに注意し、小松菜専用の肥料を使ってみてください。
アクの強い個体だった
同じ野菜であっても、作られた土地や環境、保存状況によって味は変わります。旬の小松菜にもかかわらず強い苦みを感じた場合は、たまたまアクの強い個体に当たってしまった可能性があります。
後ほど苦みを抑える下処理の方法を紹介するので、記事の後半もぜひチェックしてくださいね。
加熱していないまたは加熱のし過ぎ
小松菜は生のままで食べられますが、生の小松菜は苦味が強く出やすいです。生食にこだわらないのであれば、軽く加熱してから食べるのがおすすめです。
しかし、加熱のしすぎにも要注意。何分も茹でたり炒めたりしてしまうと、苦みがさらに強くなってしまうことがあります。ほどよい甘みや食感も失われるため、加熱調理をする時間は1分以内に抑えましょう。
購入前チェック!美味しい小松菜の選び方!
小松菜の苦みは下処理や調理法によって抑えられますが、新鮮な小松菜を購入するのも大事なポイントです。美味しい小松菜の選び方を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 明るい緑色をした小松菜を選ぶ
- 葉が丸みを帯びているものを選ぶ
- 葉の厚みがあるものを選ぶ
スーパーで小松菜を購入する際は、ぜひこれから紹介するポイントを思い出してくださいね。
明るい緑色をした小松菜を選ぶ
葉っぱの色が鮮やな小松菜を選びましょう。茎は白っぽくなく、薄い緑色をしているものがベスト。
葉が黄色いのは鮮度が落ちている証拠です。また、葉の色が濃いものはシュウ酸が多く含まれている可能性が高いため、全体的が明るい緑色をした小松菜は鮮度が高くて美味しいですよ。
葉が丸みを帯びているものを選ぶ
小松菜の葉が丸みを帯び、内側に少し巻いているものを選びましょう。また、葉脈が発達し過ぎると食感が悪くなるため、葉が大きすぎるものを避けるのもポイントです。
ついつい大きくて立派な小松菜を買いたくなりますが、適度なサイズのものを購入してくださいね。大きさよりも、葉の巻き方が目利きのポイントです。
葉の厚みがあるものを選ぶ
葉が肉厚でツヤのある小松菜を選びましょう。肉厚だと味がしっかりしているので、甘みを感じやすいですよ。
さらに、葉が肉厚だと鮮度を保ちやすい利点もありますよ。
苦みを消す方法!ほんのひと手間で美味しい小松菜に大変身!
小松菜の苦みが気になる人は、下処理と調理方法を工夫しましょう。いつもの調理法にほんの少し手を加えるだけで、苦みを抑えることができますよ。
- 水に浸けてアク抜きをする
- 下処理をする
- 味付けを濃いめにして食べる
小松菜の苦味を抑える方法を紹介します。
水に浸けてアク抜きをする
小松菜を炒め料理に使う場合は、加熱する前に水に浸けてアク抜きをしましょう。茎に付いた土をキレイに洗い落としたら、氷水に約10分浸けるだけです。その際、茎がしっかり水に入っていることを確認してください。
長時間水に浸けるとシュウ酸だけでなく、水溶性ビタミンなども一緒に溶け出してしまうため、浸け過ぎには注意が必要です。
下処理をする
和え物を作る場合は、下処理をした小松菜を使いましょう。水に浸けてアク抜きをする原理と同様、たっぷりのお湯を沸かし、約30秒湯がくことで苦み成分がお湯の中に溶け出します。
小松菜をお湯に入れるときは、茎から順に入れるのがポイントです。葉がしなしなにならずほどよい食感を残すことができますよ。
味付けを濃いめにして食べる
アク抜きや下処理をしたうえで濃い味付けにすれば、小松菜の苦みを感じにくくなります。たとえば、オイスターソースやカレー粉などがおすすめです。
旨みや甘みの強い食材を一緒に合わせて調理するのもおすすめですよ。
冷凍小松菜を苦いと感じる理由!正しく保存すれば約1ヶ月日持ちする!
小松菜は冷凍庫の中で空気に触れると乾燥してしまい、苦みを感じやすくなります。
小松菜をラップに包むなどして空気に触れないようにすれば、苦みを抑えることができます。正しく保存すれば約1ヶ月冷凍庫で保存できますよ。
小松菜の保存方法
- 小松菜を洗う
- 沸騰したお湯に入れて、約30秒茹でる
- お湯から取り出し、冷水に浸ける
- しっかり水気を絞る
- お好みの長さにカットする
- 1回で使い切れる量ごと分け、ラップで包む
- ジップロックのような袋に入れて冷凍庫で保存する
ラップで包む際と保存袋に入れる際にしっかり空気を抜くことが、解凍後も小松菜を美味しく食べるためのコツです。
子供が小松菜を食べない!苦いと感じにくいおすすめのレシピ3選
「濃いめの味付けにしても子供が小松菜を食べてくれない…」そんなときは、子供が好む味付けにしておかずを作ってみましょう。子供はもちろん大人も大好きな味付けなので、夜ごはんやお弁当のおかずにおすすめです。
- 小松菜と豚バラの甘辛煮
- 小松菜入り餃子
- 小松菜入りスパニッシュオムレツ
苦いと感じにくいおすすめのレシピを3つ紹介します。
小松菜と豚バラの甘辛煮
旨みたっぷりの豚バラは、小松菜との相性抜群。一緒に食べれば小松菜の苦みを感じにくいので、子供でも食べやすい一品です。
しょうがが苦手な子供がいる場合には、しょうがなしで作ってあげてください。
材料
- 小松菜:1束
- 豚バラ:100g
- しょうが(千切り):10g
- 水:大さじ4
- 酒:大さじ2
- しょうゆ:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
作り方
- 小松菜を冷水に浸けてアク抜きする
- 小松菜を食べやすい長さにカットする
- しょうがを千切りにする
- 豚バラは幅4cmに切る
- フライパンを熱し、豚バラを炒める
- 豚バラの色が変わったらしょうがを加えて炒める
- 調味料を全て加え、煮立ったらふたをして弱火で5分ほど煮る
- 小松菜を加えて混ぜ合わせ、ふたをして中火で約30秒蒸し煮して完成
小松菜入り餃子
餃子は、苦みのある野菜が苦手な子供に小松菜を食べさせるにはうってつけの料理です。しっかりアク抜きをして下味をつければ苦みを感じにくいため、子供も小松菜が入っていることに気づかないでしょう。
キャベツとはまた違った食感を楽しめますよ。
材料
- 小松菜:4束
- 塩(塩もみ用):小さじ1
- 餃子の皮:20枚
- しょうが:1かけ
- 豚ひき肉:100g
- オイスターソース:大さじ1/2
- 醤油:小さじ2
- ごま油:小さじ1/2
作り方
- 小松菜を冷水に浸けてアク抜きする
- 小松菜をみじん切りにしてボウルに入れる
- 小松菜を塩もみして10分ほど置き、水洗いして水気を絞る
- しょうがをみじん切りにする
- ボウルに小松菜・豚ひき肉・しょうが・全ての調味料を入れ、よくこねる
- 餃子の皮で具材を包む
- フライパンに油をひき、強火で熱す
- フライパンが温まったら中火にし、餃子を並べて焼く
- うっすら焼き色がついたら、お湯を約150ml入れてふたをする
- 水分がなくなるまで蒸し焼きにする
- こんがりと焼き色がついたら完成
小松菜入りスパニッシュオムレツ
子供が大好きな卵とベーコンに小松菜を合わせれば、小松菜が苦手な子でも食べてくれる可能性が高いでしょう。小松菜の苦みを抑えるために、チーズとマヨネーズを入れてより濃厚な味付けに仕上げるのがポイントです。
小さくカットして冷凍保存すれば、忙しい朝のお弁当作りに大助かりですよ。
材料
- 小松菜:1束
- ベーコン:2枚
- 卵:3個…☆
- ピザ用チーズ:50g…☆
- マヨネーズ:大さじ1…☆
- 砂糖:小さじ1…☆
- コンソメ顆粒:小さじ1/2…☆
- オリーブオイル:小さじ1
- 塩:少々
- こしょう:少々
- ケチャップ:適量
作り方
- 小松菜はたっぷりのお湯で湯がいて下処理をする
- 小松菜を細かくカットする
- ベーコンは8mm幅にカットする
- ☆の調味料をボウルに入れてしっかり混ぜる
- フライパンにオリーブオイルを入れ、中火で熱する
- ベーコンを炒める
- ベーコンに火が通ったら、小松菜を加えて約30秒炒める
- ペーパータオルで余分な水気を拭き取る
- 塩・こしょうをふる
- ☆をフライパンに流し入れ、サッと混ぜる
- ふたをして中火で3〜4分焼く
- 表面が固まったら裏返し、さらに2分焼く
- お好みでケチャップをつけて完成
まとめ|下処理や味付けを工夫すれば小松菜を苦いと感じにくくなる
小松菜は、調理前に下処理をすることで苦みを抑えることができます。さらに、濃いめの味付けをすれば子供でも食べやすくなりますよ。
美味しく小松菜を食べるためには、新鮮な小松菜を購入することも大切なポイントです。今回紹介した美味しい小松菜の選び方をぜひ参考にしてくださいね。