美味しい肉じゃがを作るうえで欠かせないのが肉選び。実は、肉じゃがに使う肉の種類には地域差があり、使う部位によって味が変わります。
今回は、肉じゃがの肉の種類に焦点を当てて、おすすめの肉の部位や美味しく仕上げるためのコツなどを紹介します。肉じゃがのアレンジ方法も紹介するので、醤油ベースの味付けに飽きてしまった人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
肉じゃがは牛肉と豚肉どっちが美味しい?
結論から言えば、牛肉と豚肉どちらで作っても美味しい肉じゃがができます。ただ、普段から食べ慣れている肉じゃがのほうが「美味しい」と感じる人がほとんどでしょう。
肉の種類によって変わる味や特徴を紹介します。
- 肉じゃがで使用する肉は地域や好みによって変わる!
- 肉の種類によって変わる味や特徴について
上記の内容を順にみていきましょう。
肉じゃがで使用する肉は地域や好みによって変わる!
旅行先や親戚の家で食べた肉じゃがの肉の種類が、「普段食べているものとは違う…」なんて経験をしたことのある人は多いでしょう。
実は、肉じゃがに入っている肉の種類は地域によって異なり、大きく分けて西日本は牛肉、東日本は豚肉を使って肉じゃがを作ります。諸説ありますが、もともと西日本と東日本で食文化が異なることが関係しているといわれています。
昔から食べてきた肉じゃがとは違う味に抵抗を感じる人もいるでしょう。ただ、豚肉で作っても牛肉で作っても美味しく仕上がりますよ。
肉の種類によって変わる味や特徴について
豚肉と肉のどちらを使うのかによって、肉じゃがの味は大きく変わります。
豚肉を使った肉じゃがは、甘みがあり、牛肉を入れた場合に比べて味がしつこくないのが特徴です。豚肉はこま切れ肉やバラ肉を使うことが多く、脂身に凝縮された旨味や甘みが味の決め手になります。牛肉と比較して安く手に入れられるので、肉多めの肉じゃがを作りたいときにおすすめです。
一方、牛肉を使った肉じゃがは、コクがあり高級感のある味わいが特徴です。牛肉は食べ応えがあり、牛肉を少し入れるだけで味がしっかり出るのもうれしいポイントです。
迷ったらこれを買おう!肉じゃがにおすすめの肉の部位!
肉の種類だけでなく、肉の部位によっても味や風味は変わります。いつも同じ肉、同じ部位で肉じゃがを作っている人は、挑戦したことのない部位を使って肉じゃがを作ってみましょう。
- こま切れ肉
- バラ肉
- ロース
- ひき肉
肉じゃがにおすすめの肉の部位を4つ紹介します。
こま切れ肉
こま切れ肉とは、様々な部位の肉の切れ端を集めたものを指します。脂身と赤身のバランスがよく、旨味も甘味もしっかり出やすいのが特徴です。
また、こま切れ肉は薄切りで販売されていることが多いため、カットせずにそのまま使うことができます。肉の部位の中でも特にリーズナブルで調理しやすいこま切れ肉は、家庭だけでなくお店で提供される肉じゃがでもよく使われています。
バラ肉
バラ肉とは、赤身と脂肪が層になっている部分を指します。特に豚バラ肉の場合は脂身が多いため、甘みをしっかり出したいときに使うのがおすすめです。
牛バラ肉は繊維質や筋膜が多く、肉質はやや堅いのが特徴です。しかし、厚みがしっかりしていて食べ応えがあるので、肉の食感を楽しみたいときは牛バラ肉を使って肉じゃがを作ってみてはいかがでしょうか。
ロース
豚ロースは赤身と脂身がくっきり分かれており、上質で上品な甘さを引き出す脂身が味の決め手になります。
また、牛ロースとは背中や肩に近い部分の肉のことです。やや筋がありますが、煮込むと柔らかく仕上がります。サイズが大きいときは半分にカットして使用すると良いですよ。
ひき肉
ひき肉には、牛・豚・鶏・合い挽きの4種類があります。使う肉の種類によって風味や味が異なります。
ひき肉のおすすめポイントは、火が通りやすく味がしみ込みやすいことです。また、噛み切れないといった心配がないため、年配の人や子供でも食べやすい利点がありますよ。
肉を柔らかく仕上げる方法!初心者でも簡単なコツを紹介!
できあがった肉じゃがを食べて「肉が硬い」と思ったことはありませんか?肉の種類や部位によって硬さは異なりますが、できれば肉は柔らかいほうが良いですよね。
肉じゃがの肉は、ちょっとした工夫で柔らかく仕上げることができます。料理が苦手な人や肉じゃがをほとんど作ったことのない人でも簡単にできる、肉を柔らかくするコツを紹介します。
- ほどよい脂身のある肉を使う
- 小麦粉や片栗粉をまぶす
- 肉に下味をつけて漬け込む
- 肉を炒め過ぎない
家にあるものを使ってできる方法ばかりですよ。
ほどよい脂身のある肉を使う
肉を柔らかく仕上げたい場合は、脂身のある肉を使いましょう。たとえば、こま切れ肉やバラ肉などがおすすめです。ロースはものによっては脂身がほとんどないため、脂身のあるものを選びましょう。
赤身の多い肉は煮込むと硬くなりやすいので、適度に脂身がある肉を選んで肉じゃがを作ってください。
小麦粉や片栗粉をまぶす
肉を炒める前に小麦粉や片栗粉をまぶしておくことで、肉が柔らかくなります。小麦粉や片栗粉は、炒める際に肉の中に含まれる水分が抜けていくのを防ぐ働きをします。
ちょっとしたひと手間ですが、肉の水分を保つことができ、パサつきのない柔らかい肉に仕上がりますよ。
肉に下味をつけて漬け込む
すりおろした生姜や玉ねぎには、肉を柔らかくする酵素が含まれています。すりおろした生姜や玉ねぎと肉を一緒に漬け込み1〜2時間冷蔵庫で寝かせましょう。その間に酵素が働き、肉が硬くなるのを防ぐことができます。
肉を炒め過ぎない
肉を炒め過ぎると食感が硬くなってしまうため、注意が必要です。肉じゃがの作り方はレシピによって異なりますが、最初に肉を炒め、全体に火が通ったら一旦肉を取り出しましょう。この順番であれば、加熱のし過ぎを防ぐことができます。
また、肉を重ねたままフライパンに入れて火をつけると、ほぐすのに集中してしまい、火が通り過ぎてしまうことがあります。フライパンに入れる前に1枚ずつ肉をほぐしておくのも、肉を柔らかくするうえで大切なポイントです。
肉の種類によって変わる作り方のポイント!
どの肉を使っても基本の作り方は同じですが、調理のコツは種類によって異なります。それぞれの味を活かすためのポイントを押さて、肉じゃがをさらに美味しく仕上げましょう。
- 【豚肉】浮いてきた余分な油を取ろう
- 【牛肉】苦みやえぐみの原因となるアクを取ろう
- 【ひき肉】しっかり炒めよう
覚えやすいポイントばかりなので、ぜひ真似してみてくださいね。
【豚肉】浮いてきた余分な油を取ろう
煮込んでいるときに浮いてきた余分な油は、おたまですくって捨てましょう。
豚肉の脂身はまろやかで甘みのある肉じゃがを作るうえで欠かせない部分です。ただ、肉の脂身から溶け出した油を摂取しすぎると脂っこく感じ、胃もたれなどを引き起こす場合があります。
溶け出した油を捨てておくことで、ほどよい甘さと旨みを楽しめる肉じゃがができあがりますよ。
【牛肉】苦みやえぐみの原因となるアクを取ろう
牛肉を使った美味しい肉じゃがを作るポイントは、アクを取ることです。アクとは、牛肉を煮込んだ際に出てくる薄茶色や白色をした泡のこと。
アクの主な成分はタンパク質や脂質なので、摂取しても体に害はありません。しかし、アクが混ざると苦みやえぐみが出てしまうため、なるべく取り除いてくださいね。
【ひき肉】しっかり炒めよう
ひき肉は豚肉や牛肉に比べて空気に触れる部分が多いため、酸化しやすいのが特徴です。しっかり炒めれば酸化によって出た臭みを抑えることができます。
ひき肉から出てくる白い脂が透明になるまでしっかり炒めてくださいね。
肉じゃがは牛肉や豚肉だけじゃない!変わり種やアレンジ方法を紹介!
肉の代わりになるおすすめの具材と、肉じゃがのアレンジ方法を紹介します。ぜひお家で作ってみてくださいね。
- 肉じゃがの変わり種3選
- 肉じゃがのアレンジ料理3選
それぞれ3つずつ紹介します。
肉じゃがの変わり種3選
「肉じゃがは豚肉か牛肉かひき肉で作るもの」と思っている人が多いでしょう。しかし、肉の代わりになる具材はたくさんあります。おすすめは、以下の3つの具材です。
肉の代わりになる具材
- 油揚げ
- 鶏もも肉
- ソーセージ
肉以外の具材を使いたい場合は、油揚げがおすすめです。大きくカットしたり、中に豆腐感が残っていて食べ応えのある「京揚げ」を使ったりすれば、物足りないと感じることはないでしょう。
脂っこい味が苦手な人や比較的安価な食材で肉じゃがを作りたい人は、鶏もも肉やソーセージがおすすめです。
肉じゃがのアレンジ料理3選
いつもの醤油ベースの肉じゃがに飽きたら、味変して作ってみましょう。じゃがいも・にんじん・玉ねぎなどいつもの肉じゃがの材料を揃え、調味料を変えるだけなのでとっても簡単です。
- 味噌肉じゃが
- 洋風トマト肉じゃが
- ハーブ香る洋風肉じゃが
材料と作り方を紹介します。
味噌肉じゃが
味噌のコクが効いた肉じゃがは、豚肉で作るのがおすすめです。味噌は普段使っているもので構いません。減塩味噌を使う場合は、味噌を多めに入れて味を調整してくださいね。
材料(2人分)
- 豚肉切り落とし:150g
- 酒:大さじ1
- じゃがいも:2個
- にんじん:1本
- 玉ねぎ:1個
- 油:大さじ1
- 水:250~300ml…☆
- 酒:大さじ2…☆
- 砂糖:大さじ1と1/2…☆
- 味噌:大さじ2と1/2…☆
- 七味唐辛子:適量
作り方
- 豚肉を一口大に切って、酒を絡める
- じゃがいもを食べやすい大きさにカットし、約10分水にさらす
- にんじんは厚さ1cmの半月切りにカットする
- 玉ねぎは1cm幅のくし形切りにする
- 長ねぎは小口切りにする
- じゃがいもの水気を切る
- 鍋に油を入れ、じゃがいも・にんじん・玉ねぎを炒める
- 野菜に油が回ったら豚肉を加えて炒める
- 豚肉の色が変わったら☆の調味料を加える
- 余分な油やアクを取り除き、味噌󠄀を溶き入れる
- 一旦肉を取り出す
- ふたをして中火弱で10分ほど煮る
- じゃがいもが柔らかくなったら肉を入れる
- 器に盛り、お好みで七味唐辛子をふって完成
洋風トマト肉じゃが
いつもの肉じゃがとは一風変わった洋風トマト肉じゃが。隠し味としてウスターソースを入れることで、子供も食べやすい味に仕上がります。
作り方は一般的な肉じゃがとほぼ変わらないので、調味料を揃えれば簡単に作れますよ。
材料(2人分)
- 牛ロース薄切り肉:130g
- じゃがいも:2個
- 玉ねぎ:1個
- トマト缶:1缶(約400g)
- バター:10g
- 赤ワイン(または酒):大さじ2…☆
- ウスターソース:大さじ2…☆
- しょうゆ:大さじ1/2…☆
- 砂糖:大さじ1/2…☆
- 水:1/2カップ…☆
- 粉チーズ:適量
- パセリのみじん切り:適量
作り方
- じゃがいもを食べやすい大きさにカットする、約10分水にさらす
- 玉ねぎは1cm幅のくし形切りにする
- 牛肉は一口大に切る
- じゃがいもの水気を切る
- 鍋を熱してバター10gを入れる
- バターが溶けたら玉ねぎを入れて炒める
- 玉ねぎがしんなりしたら牛肉を加え、肉の色が変わったらじゃがいもを加えて炒める
- じゃがいもに油がまわったら、一旦肉を取り出す
- トマト缶を入れる
- ☆の調味料を全て入れてふたをする
- 時々混ぜながら約15分煮る
- ふたを取り、混ぜながら強火で煮る
- 煮汁がほぼなくなったら、肉をもう一度鍋に入れる
- 器に盛り、仕上げに粉チーズとパセリをふって完成
ハーブ香る洋風肉じゃが
ハーブ好きの人におすすめなのが、ローリエやタイムを使ったハーブ香る洋風肉じゃがです。白ワインで煮込むことで、醤油ベースの肉じゃがとは全く異なる味わいが口の中いっぱいに広がります。
クリスマスディナーやちょっとしたお祝い事におすすめの一品です。
材料(2人分)
- 牛こま切れ肉:200g
- じゃがいも :2個
- 玉ねぎ :1個
- にんじん :1本
- 白ワイン:200ml
- 塩:小さじ1
- コンソメ顆粒:小さじ1
- ローリエ:3枚
- タイム :2本
- オリーブオイル:大さじ1
作り方
- じゃがいもは食べやすい大きさに切る
- 玉ねぎは1cm幅のくし切りにカットする
- にんじんは乱切りにカットする
- 鍋にオリーブオイルをひき、牛こま切れ肉を入れる
- 牛肉の色が変わったらじゃがいも・玉ねぎ・にんじんを入れる
- 全体に油が回ったら肉を取り出す
- 白ワイン以外の調味料を全て入れる
- 玉ねぎがしんなりするまで強火で炒める
- 白ワインを入れひと煮立ちしたら蓋をして弱火で約20分煮込む
- じゃがいもが柔らかくなったら肉を入れて完成
まとめ|肉じゃがは肉の種類によって味や作り方のポイントが違う
肉じゃがは、西日本は牛肉、東日本は豚肉で作ることが多いです。肉の種類や部位によって味が変わるので、あなたの好きな肉で肉じゃがを作ってみてください。
ただ、肉の種類によってアクを取る、よく炒めるなどのポイントが違います。ぜひ、今回紹介した作り方やアレンジ方法を参考にしてくださいね。