毎日の食事の支度は、主婦にとって大仕事の一つです。そんな時、スロークッカーは忙しい主婦やワーママを助けてくれます。手放しで本格的な手料理が簡単に作れるスロークッカーのメリットやデメリット・選び方などを詳しくご紹介します。
目次
スロークッカーとは?
スロークッカーとは、ガスコンロでの「弱火」「とろ火」くらいの沸騰しない温度をキープしながら、じっくり食材を煮込む調理家電です。圧力鍋との違いや、どんな人におすすめなのかを解説します。
圧力鍋とは何が違うの?
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圧力鍋は、鍋に圧力をかけて高温で調理をするため、短時間で料理ができあがるのが特徴です。一方、スロークッカーの場合、圧力はかけずに低温でじっくりと調理するので、煮崩れしにくく味もしっかり染み込ませることができます。
すぐに仕上げたい場合は、電気圧力鍋が良いでしょう。寝る前やお出かけ前に食材を準備して、帰宅後や朝にできたてを食べたい場合にはスロークッカーを使うなど、圧力鍋とスロークッカーを上手に使い分けるとさらに便利です。
どんな人におすすめ?
スロークッカーは手軽に料理のレパートリーを増やせるので、毎日忙しく働く人にも、小さな子供がいる子育て世代やお料理好きの人にもおすすめです。
共働きが一般化している欧米などの国々の家庭では、主婦にとって欠かせない家電になっています。まさに、忙しい現代人を支えてくれるアイテムなのです。
一方、忙しく働く主婦だけでなく、食事が偏りがちな一人暮らしにも便利なアイテムです。一人暮らしの自炊は、どうしても時短メニューばかりになりがちで、栄養バランスが偏ることもあります。
仕事で帰宅が遅くても、手間いらずで食事の支度が完了し、調理を待つ間の時間を有効に使えます。
スロークッカーのメリット
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スロークッカーは、どんな点が便利で何ができるのでしょう?スロークッカーのメリットをご紹介します。
スイッチを入れて待つだけで本格的なお料理ができる
スロークッカーは、材料を入れてスイッチを押すだけで自動で調理してくれるので、待つ間に他のことをしたり買い物に行ったりできる点が便利です。
特に煮込み料理は、コトコトと時間をかけて煮込むほど味が染み込みおいしくなりますが、途中で火加減や煮込み加減を見る必要があり、普通の鍋だと付きっきりにならざるを得ません。
その点、スロークッカーなら手間いらずでおいしい料理を手軽に作れます。火加減を気にすることもなく、焦がしたり煮込み足りなかったりなどの失敗も少なく安心です。
定番メニューから意外なものまで放置するだけで簡単に
スロークッカーなら、一定の温度を保ちじっくりと煮込むことで、塊のお肉も煮崩れせずにホロホロと柔らかく煮込めます。材料を入れてセットしておけば、出かけていても寝ていても煮込み料理がおいしくできあがるのがメリットです。
カレーやシチュー・肉じゃがなど、おなじみの定番料理はもちろん、煮込む間は放置できるので、ルーを使わないスパイスカレーにも挑戦できそうです。
日常の食卓に並ぶぶり大根などの煮魚や、ミートソース・ロールキャベツなどもスロークッカーで作るとより本格的に仕上がります。まとめて作っておきたい豚汁や具沢山スープも、簡単なのにいつもより野菜も柔らかく、うま味たっぷりになります。
少しハードルが高めな豚の角煮や牛すじの煮込み・チャーシューなど、火加減や火の通り具合が難しい料理も手軽にチャレンジできるのはスロークッカーのメリットです。
チキンのトマト煮やローストビーフ・スパニッシュオムレツと、献立のレパートリーが広がり、パーティー料理も簡単に実現できます。お菓子作りが好きな人は、焼き芋や手作りジャムにチャレンジするのもおすすめです。
スロークッカーのデメリット
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便利なスロークッカーですが、人によってはデメリットと感じる部分もあります。スロークッカーのデメリットとなり得るポイントを見てみましょう。
時間がかかる&場所を取る
手放しで調理できるのがスロークッカーのメリットですが、完成までに時間がかかることがデメリットの一つと言えるでしょう。
朝食用なら前日の夜、夕食用にはその日の朝など、時間に余裕を持って準備し、タイマー機能を利用するなど、工夫して使用するのがおすすめです。
強火でさっと加熱する料理や、手早く作ってすぐに食卓に出したいような場合は、フライパンなどでの直火調理が良いでしょう。また、圧力鍋機能が付いている場合は、加圧調理モードで料理すれば、短時間で調理できます。
もう一つ気になるのが、スロークッカーのサイズです。調理できる容量は全体容量の6~8割までなので、実際の大きさは調理容量の1.5~2倍必要になります。
スロークッカーを購入する際には、電気炊飯器と同じくらい場所を取ると考えておきましょう。大きさに応じて、置く場所を確保する必要があります。
向いていない食材もある
スロークッカーでの調理に向かない食材もあります。豚こま肉・薄切り肉のような薄い食材は、火の通りが良すぎてパサパサした食感になる可能性が高いです。
唐辛子などのスパイスも、長時間煮込むと辛くなりすぎることがあるため、スロークッカーでの調理には注意しましょう。スロークッカーの調理に向かない食材も入れておいしく調理したい人は、調理が終わる少し前に入れてみてください。
ウインナーやベーコンも、長時間煮込むと柔らかくなりすぎる可能性があるので注意しましょう。火が通りすぎるとおいしさがなくなってしまうものは入れるタイミングを調整することが、スロークッカーを便利に使うコツです。
自分にピッタリなスロークッカーの選び方
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スロークッカーが欲しいと思ったとき、自分のライフスタイルに合っているかを考慮することが大切です。本当に自分に合うスロークッカーを選ぶポイントをご紹介します。
家族構成など人数や利用シーンに合わせて容量で選ぶ
スロークッカーの容量は商品によって異なるため、家族の人数分に適した大きさを選びましょう。一人暮らしなら1Lほど、2〜3人分であれば容量1.5L以上、4〜5人分なら2.5L以上が目安です。
食べ盛りの子供がいる家庭や、作り置きのおかずとして多めに作りたい場合などは、目安よりも大きめの容量が適しています。キッチンの広さ・テーブルの大きさなど、置く場所と使い方も考慮してサイズを選ぶと良いでしょう。
機能で選ぶ
作りたい料理や使用シーンなどを想像し、必要な機能をチェックしてみましょう。温度設定の幅は、広ければ広いほど作れる料理も増えます。
温度設定は強・弱の2段階切り替えのものが多いですが、細かく温度設定をしたい方には、3段階以上切り替えられるものがおすすめです。メニューによって温度調節するのが面倒な方は、AUTO(自動)モードが搭載されたものを選ぶのも良いでしょう。
家族の起床時間や帰宅時間がバラバラで、食事のタイミングが合わないという家庭は、「保温機能付き」が便利です。
仕事などで外出が多い方は「タイマー付き」がぴったりです。お出かけ前に食材をセットして、帰宅時間に合わせて時間を設定しておけば、帰ってすぐにできたての料理を楽しめます。タイマー設定の最長時間は、メーカーによって異なるので必ず確認しましょう。
直火対応・圧力鍋機能・パーツの取り外しが簡単でお手入れが楽なものなど、自分に合った欲しい機能で選んでみてください。
形状で選ぶ
場所を取らないスティックタイプは、普通の鍋にセットして使用できるので、手持ちの鍋を利用したい人におすすめです。
0.1℃刻みで温度設定ができるものや、長時間のタイマー設定が可能なものなど、種類も豊富で、近年人気が高まっています。煮物だけでなく、ローストビーフや鶏ハムなどの肉料理を作りたい方には特におすすめのタイプです。
機能性を重視するなら、鍋タイプがおすすめです。別鍋が不要で、スイッチ一つで調理可能な点がメリットです。
鍋タイプには、専用のレシピが付いていたり、細かな操作性など、機能性が高い傾向にあります。一方で、置き場所や収納場所が必要なので、狭いキッチンの場合は邪魔になる点には注意しましょう。
一人暮らしに便利なコンパクトサイズのスロークッカー
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一人暮らしで自炊に挑戦したい人や、あまり料理の経験がない人にも便利なスロークッカーがあります。コンパクトサイズで、少人数分の料理が簡単に作れるおすすめのスロークッカーをピックアップしました。
アイリスオーヤマ「スロークッカー ホワイト PSC-20K-W」
真っ白でころんとしたフォルムがかわいく、狭いキッチンにも置きやすいスロークッカーです。容量は1.6Lと小さめで、一人暮らしや夫婦の食卓、小さな子供の離乳食作りなどに活用するのに適しています。
小さいながらも機能性は高く、遠赤外線効果で食材の芯までしっかり火を通し、うま味を引き出すのが特徴です。陶器製の内鍋は保温性が高く、熱々のまま鍋ごと食卓に出すことができます。
最大温度でも98℃前後と沸騰しないため、煮崩れの心配もありません。弱で煮込んだ場合、1時間の電気代は3.1円程度と電気代も安心です。レシピが少し付いているので、料理初心者でも重宝するでしょう。
アイリスオーヤマ スロークッカー ホワイト PSC-20K-W
シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24C-R」
シャープの人気キッチン家電シリーズのスロークッカーです。かき混ぜまで全自動ででき、材料を入れてボタンを押すだけで料理を作れます。
最大15時間の予約調理が可能で、タイマー機能も付いており、朝セットしておけば帰宅後すぐにできたての料理を食べられるのがメリットです。
容量は2.4Lで、一人暮らし・夫婦2人・来客時などに便利なサイズ感です。煮込み以外にも麺類や蒸し物・発酵もできるため、活躍の場が多いでしょう。
パーツの取り外しが簡単で、お手入れモード搭載なのも使いやすいポイントです。アプリと連携させるとメニュー機能を利用できるなど、さすがの多機能が魅力です。
シャープ ヘルシオ ホットクック KN-HW24C-R
シロカ「電気圧力鍋 SP-D131」
1台でスロー調理はもちろん、圧力調理・蒸し調理・炊飯・無水調理・温め直しまでできる万能スロークッカーです。圧力調理で時短、スロー調理でじっくり煮込みと、同じ操作で6通りの調理に対応しています。
「時間はないけれどきちんと自炊はしたい」という、一人暮らしや共働き夫婦の力強い味方になるでしょう。炊飯器を買うよりも、マルチに使えてお料理の幅が広がるかもしれません。
シロカ 電気圧力鍋 SP-D131
家族が多くても大丈夫な大容量のスロークッカー
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家族が多い家庭には、大容量のスロークッカーが必要です。子供の誕生日会やホームパーティーにも活躍するスロークッカーをご紹介します。
クイジナート「スロークッカー カウンタートップクッキング PSC-400PCJ」
プロ御用達のクイジナート発のこのスロークッカーは、調理時間・強弱・できあがりの量の調整を自在に設定できるプログラム機能と、4つの調理モード付きの高性能タイプです。
最大容量約3Lで、家族が多くても満足なサイズです。さらに大きいものが欲しい人には、6Lサイズも展開されています。
タイマー付きで、細かな温度設定も可能です。設定した調理時間になると、自動的に保温モードに切り替わり、最大8時間まで保温できます。中の状態が見えるガラス製のフタが付いているのも便利です。
クイジナート スロークッカー カウンタートップクッキング PSC-400PCJ
ハミルトンビーチ「プログラマブル スロークッカー 33967A」
アメリカのお手頃なキッチン家電ブランドとして知られるハミルトンビーチの、家庭用ながら高機能な容量約5.7Lのスロークッカーです。
3つのモードを搭載しており、「プログラムモード」ではあらかじめ調理時間を設定し、最大14時間温められます。「マニュアルモード」では、時間を設定せずにHighとLowの2段階で、食材の様子を見ながら手動で時間を調節できます。
大きいチキンなどの塊肉なら、「プローブモード」が便利です。付属の温度計を肉に差し込み、温度に合わせて調理します。陶器の内鍋とフタは食洗機に対応しているので、お手入れも簡単です。
ハミルトンビーチ プログラマブル スロークッカー 33967A
クロックポット「エクスプレス クロック スロークッカー8 SCV800-R」
7.5Lの大容量で、大家族や飲食店でも使えるのが、このクロックポットのスロークッカーです。カレーなら1度に35食ほど作ることができ、イベントやパーティーでも活躍します。
温度調節は2種類あり、煮込み料理やおでんなどの具材が多く、保温しておきたい料理に便利です。内鍋は取り外してフタとともに食洗器でも洗えます。
クロックポット エクスプレス クロック スロークッカー8 SCV800-R
マルチに使える多機能なおすすめスロークッカー
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1台で何役もこなせたら、それほど便利なことはありません。マルチに使える多機能なスロークッカーを集めてみました。
アイリスオーヤマ「電気圧力鍋2.2L PMPC-MA2-B」
自動メニューが60種類以上と豊富で、圧力鍋としても使えるマルチな機能が魅力のスロークッカーです。煮込み料理はもちろん、低温調理でハムなどを調理でき、毎日の献立に悩まずに済みます。日中は忙しく、調理時間が取れない人におすすめです。
圧力鍋での時短調理も可能で、豚の角煮などのじっくり煮込む料理もスピーディーに作れます。平日は出勤前の食材セットでスロークッカーとして、休日は圧力鍋として本格的な煮込み料理に挑戦するなど、レパートリーに変化をつけられます。
アイリスオーヤマ 電気圧力鍋2.2L PMPC-MA2-B
ティファール「ラクラ・クッカー 9811」
低温調理をはじめ、圧力調理・蒸し物・炊飯など、1台で10役をこなす万能スロークッカーです。58℃から90℃までの温度設定が可能で、最大22時間に設定できるタイマーも付いており、夜に仕込んで朝食用のスープなどを作るのに向いています。
材料を入れてボタン一つで煮込み料理やスープだけでなく、ローストビーフやケーキなども作れる手軽さが魅力です。容量は3Lあり、家族での食卓が充実するでしょう。
ティファール ラクラ・クッカー 9811
アルファックス・コイズミ「AL Colle ASC-T25/ST」
最大9時間30分までのタイマー設定ができ、直火に対応する内鍋付きの汎用性の高いスロークッカーです。食材を炒め、同じ鍋でそのまま低温調理ができるので、後片づけの手間が少なく済みます。
30分刻みでセットできるOFFタイマーは、最大で9時間30分まで設定可能です。タイマー設定時刻に到達すると、最大6時間の保温に切り替わります。
アルファックス・コイズミ AL Colle ASC-T25/ST
インテリアの一部になるおしゃれなスロークッカー
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「どうせ購入するなら、キッチンのインテリアに溶け込むようなおしゃれなものが欲しい」という人におすすめのスロークッカーをピックアップしました。
バーミキュラ「ライスポットミニ RP19A-GY」
ライスポットの名の通り、炊飯器として使えるクッカーですが、デザイン性の高さや炊飯器に留まらない高性能さで人気のアイテムです。
おしゃれなデザインに、鋳物の無水調理鍋に専用ヒーターが付いた、いわば「電気無水調理鍋」として使えます。スロークッカーとして幅広い調理に対応し、料理研究家からも圧倒的な人気を誇っています。
料理が好きな人には、手に入れたい憧れのアイテムでしょう。また、これから料理に挑戦したい人にも、料理がとにかく楽しくなるのでおすすめです。
バーミキュラ ライスポットミニ RP19A-GY
BRUNO「マルチグリルポット BOE065-RD」
おしゃれなデザインで人気のキッチン家電ブランドBRUNOのマルチグリルポットです。煮込み料理などのスロークッカーとしてだけでなく、焼く・炊く・揚げる機能もついています。
直火とIHにも対応しているので、汎用性が高く使い勝手の良さも魅力です。揚げてじっくり煮込むことができるので、コンフィなどの家庭では難しい料理も簡単に作れます。さまざまなお料理にチャレンジしたい人におすすめです。
BRUNO マルチグリルポット BOE065-RD
THERMOS「シャトルシェフ KBF-3000 APR」
保温性の高いアイテムで人気のTHERMOSのシャトルシェフは、余熱でじっくり調理できるスロークッカーです。保温調理が得意で、素材の風味や味を逃がさず、煮崩れせずに柔らかく仕上がります。
底が焦げ付かない3層構造になっていて、こびりつきにくいフッ素コーティングがされているため洗うのも簡単です。カラーバリエーションや形状の異なるタイプなど、用途や好みに合わせてデザインを選べます。
おしゃれなので、そのままテーブルに置いても食卓が楽しくなりそうです。
THERMOS シャトルシェフ KBF-3000 APR
スロークッカーで毎日のお料理が楽しくなる
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手間を減らせるのに料理のレパートリーが広がるのなら、スロークッカーをぜひ手に入れたいものです。一気にたくさんの料理を作れる大容量タイプから、場所を取らないスティックタイプなど幅が広いため、お気に入りのスロークッカーを見つけられます。
圧力鍋としても使える商品なら料理のレパートリーがさらに増え、毎日のお料理が楽しくなることでしょう。