海外の雑貨や絵画を中心としたインテリアが大好きな、ライフスタイル系Webライター。定期的に模様替えするのが趣味で、落ち着きを求めるリビングや寝室、使いやすさを重視するキッチンや洗面台など、用途に合わせてインテリアを変えることを意識しています。主婦の立場から、快適な空間を演出できるインテリアを紹介します。
日が傾くにつれ、家の中を強い日差しで照らす西日。日照時間が長い夏場は、特に部屋を照らす時間も長くなるため「毎日眩しくて困っている」という人は多いのではないでしょうか。
西日は「眩しい、暑い」といった身体への影響だけでなく、家具や床の変色などの被害が出る恐れもあるため、対策が必要です。
今回は、西日による影響や室外・室内でできる西日対策を解説します。戸建てやマンションでもできる対策も紹介するので「西日対策を徹底して快適に暮らしたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
目次
なぜ西日対策が必要?西日による影響とは
照りつける窓からの暑い日差しは、室内の快適さが一気に失われるほど厄介なものです。特に夏場の西日は強烈なので、対策が欠かせません。
なぜ西日対策が必要なのか、西日による影響やデメリットについて詳しく解説していきます。
- 家具、床、壁が日焼けする
- ベランダからの西日で熱がこもる
- 夏の冷房代が高くなる
- テレビやパソコンが見えづらい
上記を順にみていきましょう。
家具・床・壁が日焼けする
太陽光の紫外線が、家具・床・壁に長時間当たると、日焼けにより変色します。木・畳・革・プラスチックなどの素材は西日の影響を受けやすく、長時間西日が当たることで色褪せてしまうことがあります。
西日の影響は、変色といった見た目の変化だけではありません。木製の家具は表面にひび割れやささくれができたり、プラスチック製品は材質が脆くなって壊れやすくなったりします。
私たちが快適に生活するためだけでなく、家具や部屋の状態をできるだけきれいに保つためにも、西日対策は欠かせません。
ベランダからの西日で熱がこもる
窓やベランダから差し込む西日は、室内の空気を一気に暖めるため、西日が当たる部屋は他の部屋に比べて熱がこもりやすくなります。
また、暖かい空気は冷たい空気よりも軽いため、天井付近に溜まりがち。戸建てであれば、1階よりも2階の部屋のほうが気温が高くなる傾向があります。
寝室や子供部屋を2階に配置しているご家庭であれば、夜間もなかなか室温が下がらず「寝苦しい」「寝付けない」といった睡眠への影響が出ることもあるでしょう。
夏の冷房代が高くなる
日中の日差しで暖められた部屋に西日が差し込むことで、室内温度が40度近くになることも珍しくありません。夏場はエアコンの稼働が必須になりますが、室内温度を適温まで下げるには大きなエネルギーが必要なため、電気代が高くなってしまいます。
また、エアコンの稼働時間が長いことも電気代に大きく影響するため、滞在時間が長くなりやすいリビングが西向きだと、さらに電気代がかかります。西向きの部屋を使う機会が多い、または西向きの部屋の数が多いほど、夏の冷房代は高くなりやすいでしょう。
テレビやパソコンが見えづらい
西日の日差しは強くて眩しいため、テレビやパソコンに直接当たると見づらいと感じることがあります。それだけでなく、直射日光はパソコンやテレビが故障する原因にもなります。
テレビを見たりパソコンで作業したりするのにストレスのない快適な空間を作るだけでなく、そうした電化製品を守るための西日対策も必要です。
ひとまずの対策!西日による影響を抑える簡単な方法
西日対策にはさまざまな方法があるため、「何を買い替えたり設置したりすればいいのか分からない」という人も多いでしょう。
「毎日西日がきつくて困っている」という人は、すぐ取り掛かれる西日対策を取り入れてみてください。
- 家具の配置を変える
- 夕方に使わない部屋を西側に配置する
コストがかからず、短時間でできる対策をひとまず講じておけば、どの対策がベストなのかゆっくり考える余裕もできますよ。
家具の配置を変える
窓に近いほど西日による影響が大きくなりやすいため、窓のそばに家具を配置しないように工夫してください。
ただ、間取り上、窓から離して家具を配置するのがどうしても難しいこともあるでしょう。その場合は、こまめに配置換えするのがおすすめです。
家具の一部分に長時間西日が当らないようにするだけでも、家具の変色やひび割れを防ぐことができますよ。
夕方に使わない部屋を西側に配置する
夕方に使わない部屋を西側に配置するのも、西日対策として有効です。
たとえば、小学生と高校生の2人の子供がいれば、夕方に帰宅する小学生ではなく、部活動で毎日帰りが遅くなる高校生の部屋を西日が当たる部屋にするのも一つの手です。小学生の子供も高校生の子供も、西日に悩まされることなく自分の部屋で快適に過ごすことができます。
マンションや既築戸建は間取り変更リフォームができない、またはリフォーム可能だとしても数十万円ほどの費用がかかります。間取りを変更できない中、「西向きの部屋をどう使うか」が重要なポイントです。
これから家を建てる人であれば、必ずしも窓を設置する必要がないトイレや収納場所などを西側に配置するなどの工夫をすると良いでしょう。
西日対策の注意点やポイントを4つ紹介
西日対策には、ブラインドやルーバーなどを窓に設置して日差しを遮るなど、さまざまな方法があります。今回紹介する以下の4点に注意して、対策方法を選んでくださいね。
- 遮光、断熱、UVカットできる対策方法を採用しよう
- 使いやすさを重視しよう
- 冬に使用しても違和感のない対策グッズを選ぼう
- 部屋やベランダに馴染むデザインを選ぼう
上記を順に紹介していきます。
遮光・遮熱・UVカットできる対策方法を採用しよう
西日対策において最も重要なのは、遮光・遮熱・UVカットといった機能性に優れたアイテムを使用することです。
西日の強い日差しが部屋の中に入らないよう、遮光性が高い対策を取り入れましょう。光を遮ることで、テレビを見たりパソコンで作業したりするのが楽になります。さらに、室内の温度上昇を抑えることもできます。
また、室外の暖かい空気が室内に送り込まれないようにする遮熱機能も、西日対策において重要です。日差しによる熱を遮る効果もあるため、夏の冷房効果を高めるのに有効です。
家具の日焼けが気になる人は、カーテンやロールスクリーンはUVカット率90%以上のものを選びましょう。どうしても西向きの部屋の窓のそばに家具を配置する必要がある場合も安心です。
使いやすさを重視しよう
夏の間は、ほぼ毎日使用する西日対策アイテム。使いづらいと操作するたびにストレスを感じてしまうので、操作が簡単で使い勝手の良いアイテムを選びましょう。
背の低い家族がいても全員が操作可能か、軽い力で操作できるか、操作方法は簡単か、といった点を重視して選ぶと良いですよ。
冬に使用しても違和感のない対策アイテムを選ぼう
冬の西日は夏ほど暑くないものの、太陽の位置が低く、部屋の奥まで日差しが届く時間が長いのが特徴です。
夏だけでなく冬にも西日対策アイテムは重宝するため、夏をイメージした色合いや柄の西日対策アイテムは避けましょう。
西日対策には、DIYで簡単に取り付けられるものや業者に依頼して施工してもらうものなど、さまざまなアイテムがあります。取り付け方法によっては取り外しができない場合があるため、季節を気にせず年中使えるデザインのものを選ぶと良いですよ。
部屋やベランダに馴染むデザインを選ぼう
西日対策アイテムは、部屋やベランダの雰囲気に大きな影響を与えます。西日が当たる窓が大きいほど対策アイテムのサイズも大きくなるため、機能性だけでなく部屋のインテリアにぴったり馴染むものをチョイスしてくださいね。
また、西日対策アイテムの寿命は5〜10年です。破れたり壊れたりしない限り長く使用できるため、その時期の流行りにとらわれることなく、飽きの来ないおしゃれなデザインを選ぶのもポイントですよ。
室外の西日対策!外付けタイプを3つ紹介
「部屋の雰囲気を変えずに西日対策がしたい」という人は、外付けタイプの西日対策がおすすめです。ベランダにいても室内にいても日よけができるタイプもあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 【ルーバー】ほどよく風や光を通す
- 【サンシェード・オーニング】おしゃれなデザインが豊富にある
- 【緑のカーテン】環境にやさしい
後ほど室内の西日対策を紹介するので、ぜひ記事の後半もチェックしてくださいね。
【ルーバー】ほどよく風や光を通す
ルーバーとは、細長い羽板を一定の幅をあけて平行に並べたもののことです。羽板の角度によって光や風の通り具合が変わり、角度を調整できるものとできないものがあります。
ルーバーはアルミ製・ガラス製・木製などさまざまな材質のものがあります。遮光や遮熱効果が高いのはアルミ製とガラス製のルーバーです。温かみのある外観に仕上げたい場合は、木製のルーバーがおすすめです。
また、羽板の並びが縦タイプのものと横タイプのものがあります。どちらも日差しを遮ったり羽板の向きを調節したりすることができますが、横タイプは羽板に雨や汚れが溜まりやすいのが難点です。なるべく掃除の手間を省きたい人は、縦タイプのルーバーを選ぶと良いでしょう。
【サンシェード・オーニング】おしゃれなデザインが豊富にある
サンシェードとオーニングは、日差しを遮り日陰を作ることができる西日対策アイテムです。見た目がおしゃれでデザインも豊富にあるため、機能性だけでなくインテリア性も高いのが魅力です。
サンシェードとオーニングは日よけ対策ができる点では共通していますが、厳密には以下のような違いがあります。
サンシェードとオーニングの違い
- サンシェード:編み目が大きめに作られている生地で、日よけ効果のみ
- オーニング:厚めのテント生地で、日よけと雨よけ効果がある
サンシェードの生地は軽く、金具や紐を窓の上部と柱などに固定して布を張るタイプが一般的です。特別な工具を用意する必要がないため、DIYが得意な人であれば取り付けられるでしょう。
また、サンシェードは色やデザインが豊富なだけでなく、三角形や四角形など様々な形のものがあります。デザインや形状が違うサンシェードをいくつか購入し、気分に合わせて張り替える楽しみ方もできますよ。
一方、オーニングには日よけ・雨よけ効果があり、カフェやレストランなどの店舗の軒先に設置されているのを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。建物の外壁へ直接取り付ける「壁付け型オーニング」であれば、台風のような強風でない限り飛ばされてしまう心配はありません。
オーニングは壁付け型以外に、壁面への取付けが不要な「自由型オーニング」もありますが、壁付け型も自由型も専門業者による設置が必要なものがほとんどです。
布のデザインを楽しみながら手軽に設置したい人は、サンシェードが良いでしょう。日よけだけでなく、ベランダが雨で濡れたり汚れたりするのを防ぎたい人は、オーニングがおすすめです。
【緑のカーテン】環境にやさしい
緑のカーテン(グリーンカーテン)とは、つる性の植物を窓際で育ててカーテンに見立てたもののことです。緑のカーテンは西日が室内に入り込むのを防ぐだけでなく、植物の蒸散作用によって周囲の温度を下げる効果も期待できます。
以下のような植物が日よけに向いています。
緑のカーテンにおすすめの植物
- ヘチマ
- ゴーヤ
- きゅうり
- あさがお
- オカワカメ
緑のカーテンは植物なので、枯らさないよう毎日水やりをしたり、伸びたつるをネットに巻きつけたりする必要があります。園芸や野菜作りが得意な人であれば、それほど難しい作業ではありません。
しかし、日頃から草花を触る機会が少ない人は、植物の管理が面倒に感じることも。上手に育てる自信がない人は、日よけとしてすぐに使えるルーバーやサンシェードなどがおすすめです。
緑のカーテンの鮮やかな緑色は、視覚的な清涼効果もあります。実がなったり花が咲いたりするのを待ちわびながら西日対策できるのは、緑のカーテンならではの魅力です。
室内の西日対策!窓からの日差しを徹底して遮断するタイプを3つ紹介
マンションやアパートのベランダは共用部分にあたるため、外付けタイプのサンシェードやオーニングの設置が禁止されている場合があります。特に賃貸であれば、取り付け工事が必要なタイプを使用するのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、室内で西日対策できる多機能カーテンやロールスクリーン、ブラインドです。ベランダの使用や管理に関するルールを気にせずに設置できるため、幅広い選択肢の中からお気に入りのアイテムを選ぶことができますよ。
- 【多機能カーテン】夏も冬も使えるから便利
- 【ロールスクリーン】部屋をすっきり見せたい人おすすめ
- 【ブラインド】角度の微調整ができるため光や風を取り込める
「室内でできる西日対策を探している」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
【多機能カーテン】夏も冬も使えるから便利
「窓辺の装飾アイテムはカーテンを使いたい」という人は、西日対策として遮光・遮熱・UVカット機能がついたカーテンを選びましょう。日差しの眩しさと暑さを両方遮ることができるため、これまでの部屋の雰囲気を変えずに西日対策ができますよ。
カーテンの遮光レベルは1級〜3級まであり、西日対策としては、太陽の光をほぼシャットアウトできる1級がベストです。ただ、遮光1級は昼間でも部屋が真っ暗になってしまうため、やわらかい日差しを適度に取り込みたい人は、遮光2級のカーテンがおすすめです。
また、「季節によってカーテンを変えるのは面倒」という人は、断熱効果のある素材を選ぶのもポイントです。室外に熱を逃がさないようにする機能があれば、冬の寒い時期でも快適に過ごせるでしょう。
カーテンは部屋の大部分を占めるため、部屋の雰囲気に合う柄や色を選びましょう。視覚的な涼しさを求めて清涼感のある色や柄を選ぶと、反対に、冬は寒々しく感じてしまうことがあります。
一年を通して使えるよう、季節感のある柄を避け、夏でも冬でも違和感のない緑系やオレンジ系の色がおすすめです。
【 ロールスクリーン】部屋をすっきり見せたい人におすすめ
ロールスクリーンとは、布やポリエステル素材のスクリーンを上下に昇降させて使用するカーテンのことです。芯となるパイプで巻き取る仕組みのため、カーテンよりもすっきりした印象になります。「ごちゃごちゃして見えないシンプルな部屋にしたい」という人におすすめです。
また、窓枠や天井に設置して使用することができるため、カーテンレールがない窓の西日対策にもぴったり。
ただ、窓のサイズに合っていないと隙間ができて光が漏れることもあります。反対に、窓よりもサイズの大きいロールスクリーンを選んでしまうと、窓枠に収まらなくなります。
カーテンのように「おおよそのサイズ」では、機能性が低くなり見た目も悪くなってしまうため、高さと幅を採寸するのを忘れないようにしてくださいね。
【ブラインド】角度の微調整ができるため光や風を取り込める
ブラインドとは、スラットと呼ばれる長細い帯状のものを窓枠に設置して日差しや視界を遮る窓装飾の一つです。スラットは角度を調整することができ、天気や気分に合わせて光や風を取り入れながら使用することも可能です。
ロールスクリーン同様、無駄な装飾がないすっきりとした空間を演出できるのも魅力です。
また、ブラインドは種類によってスラットの幅が異なり、スラットの枚数や幅によって見た目や使い勝手が変わります。光を細かく調整したい場合は、15〜25mm幅のものを選びましょう。
ただ、スラットの幅が狭くて枚数が多いと、掃除に時間がかかってしまうデメリットがあります。大きい窓に設置する場合は、スラットの枚数が多くなりすぎないよう、35〜50mm幅のものを選ぶことをおすすめします。
リフォームで解決!遮熱フィルムなら景色を楽しみながら西日対策ができる
遮熱フィルムは、窓ガラスに専用のフィルムを貼るだけで西日対策ができる優れモノ。景色を楽しみながら西日対策ができるため、サンシェードやロールスクリーンなどを使用した場合に生じる「日差しをカットする際にどうしても部屋が暗くなってしまう」といったデメリットをカバーできます。
また、遮熱フィルムは設置場所を取らないので、ベランダでのルールが厳しいマンションやアパートにぴったりの西日対策です。
遮熱フィルムのメリット
- 西日の眩しさを和らげる
- 遮熱
- 断熱
- UVカット
- クリアな視界
- 台風などの災害時の飛散防止
遮熱フィルムにはさまざまな種類があり、スモークタイプやモザイクタイプであれば、外から室内が見えにくくなります。外からの視線が気になりがちな戸建てやマンションやアパートの1階にお住まいの人にとって、西日対策をしながら目隠し対策ができるのはうれしいポイントですね。
遮熱フィルムはホームセンターなどで販売されており、自分で窓ガラスに貼り付けることが可能です。しかし、しわになったり手垢が付いたりして失敗する可能性が高いため、専門業者に依頼することをおすすめします。
フィルムの素材によって金額は変わりますが、床と天井の中ほどの高さにある「腰高窓」1枚で約1万円、リビングなどに設置された大きめの「掃き出し窓」1枚で約2万円です。
一度施工すれば約10年張り替える必要がないため、当面の間引っ越しする予定がない西日に困っているお家におすすめです。
まとめ|窓をリフォームして西日対策しよう
「日差しが強すぎて生活するのも大変」という人は、窓際にサンシェードやロールスクリーンを設置して、西日対策をしましょう。なるべく部屋の雰囲気を変えずに西日対策をしたい人は、外付けタイプがおすすめです。ベランダでのルールが厳しいマンションやアパートにお住まいの人は、室内でできる西日対策を取り入れてくださいね。
また、視界を遮らない方法で強い日差しをカットできる遮熱フィルムもおすすめです。耐久性に優れており、一度貼れば約10年間使用できるともいわれています。
西日対策をした部屋と対策をしていない部屋とでは、快適さが格段に違います。ぜひ、夏の日差しが強くなる前に早めの対策をしてくださいね。
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