肉料理をしっとりと仕上げることができる、ブライン液をご存じでしょうか?
ブライン液は、鶏むね肉・ささみなど、パサつきが気になる肉料理の味方です。鶏肉だけでなく、豚や魚にも使用ができる便利なアイテムです。
美味しさがアップするのは嬉しいですが、デメリットがあるのか気になりますよね。今回はブライン液のデメリットや解消方法を紹介します。
また、簡単な作り方や漬け込み時間も解説するので、ぜひ最後まで読んで料理のスキルアップに活用してみてください!
目次
お肉が美味しくなるブライン液とは
ブライン液は、パサつきが気になるお肉や、安価でうまみが足りないお肉を美味しくすることが可能です。料理人も使用することがありますが、家庭でも簡単に取り入れることができます。
ブライン液について、以下の解説をしていきます。
- ブライン液の正体は水と塩
- ブライン液とソミュール液は何が違う?
- 簡単!ブライン液の作り方
ブライン液の特徴や、作り方を知って上手に料理に活用してみましょう!
ブライン液の正体は水と塩と砂糖
ブライン液とは、水と塩と砂糖が原料の調味液です。水に対して、塩と砂糖がそれぞれ5%の濃度になるように作られています。ブラインとは塩水に漬け込むことを意味しており、下味をつける漬け込み調味液のことです。
ブライン液に塩と砂糖を入れることで、下記のようなメリットがあります。
- 塩が肉のたんぱく質を分解して、中に水分が入りやすくなり、しっとりと仕上がる
- 砂糖が入ることにより、ブライン液が肉に浸透しやすくなったり、臭いを抑えてくれたりする
塩だけでつくるブライン液もありますが、砂糖を入れたほうがしょっぱくなりすぎず、より浸透力が上がるのでおすすめです。
ブライン液とソミュール液は何が違う?
ブライン液と似た調味液でソミュール液がありますが、違いは塩分濃度です。ブライン液は水に対して5%の塩分濃度ですが、ソミュール液は15%の塩分濃度で作られています。
また、塩と砂糖だけで作るブライン液とは違い、ソミュール液はハーブやにんにく、香辛料なども使用されています。お肉を柔らかくする目的ではブライン液を使い、下味をしっかり漬け込むときはソミュール液を使うように区別するのがいいでしょう。
簡単!ブライン液の作り方
ちょっと小難しい名前のブライン液ですが、作り方はとても簡単です!
【材料】
- 水…200ml(1カップ)
- 塩・砂糖…各10g
- 作り方は上記の材料を混ぜるだけ
家庭にある調味料ですぐ作ることができるのは、嬉しいポイントですよね。
水の量に対して5%の塩と砂糖というコツを覚えておけば、ブライン液の量を調節するのも楽です。200mlの水だと多いと感じる時は、100mlの水と5gの塩と砂糖で作ると使いやすい分量になります。
ブライン液にはデメリットが存在する
お肉の美味しさをアップさせるブライン液ですが、以下の4つのデメリットもあります。
- 繰り返し使えない
- ブライン液につけすぎるとどうなるのか?つけっぱなしはNG
- お肉がしょっぱい原因はブライン液?
- 仕込み時間があり手間がかかる
簡単に作れるブライン液ですが、繰り返し使えなかったり、漬け込み過ぎるとしょっぱくなる原因になったりします。
ブライン液の性質をきちんと知り、正しく使えるようになりましょう!デメリットの解消方法も一緒に紹介するので、活用してみてください。
繰り返し使えない
一度使用したブライン液は、繰り返し使うことができません。直接お肉に漬け込んで使用するので、繰り返し使うと菌が繁殖してしまいます。
再利用すると、食中毒の原因に繋がることもあります。繰り返し作るのは面倒かもしれませんが、一度使ったブライン液は破棄しましょう!
ブライン液に漬けすぎるとどうなるのか?つけっぱなしはNG
ブライン液に漬けすぎると、肉はしょっぱくなる可能性があります。お肉の種類によって漬け込む時間が異なるため、お肉に応じた適切な時間で漬け込むことが大切です。
また、ブライン液に漬けっぱなしでの保存はできません。ブライン液は保存調味料ではなく、本来の役割はお肉に水分を蓄えることです。肉別での漬け込み時間はこの後で解説するので、適した時間で漬け込むようにしましょう!
お肉がしょっぱい原因はブライン液?
お肉がしょっぱくなるのは、ブライン液が原因の可能性があります。塩の量が多くなると、塩分濃度が変わってしまいます。塩分が強いと、逆に水分が抜けたり肉本来の美味しさが半減するので注意が必要です。
また、砂糖が入っていないブライン液はしょっぱくなる可能性があります。砂糖はブライン液のしょっぱさを抑える効果があるので、入れるようにしましょう!
仕込み時間があり手間がかかる
料理を時短で行いたい人にとって、仕込み時間があり手間がかかるのも、デメリットの1つです。忙しい人にとって料理は時間勝負になります。ブライン液を使った調理は漬け込む時間が長いので、サクッと作りたい日の献立には向いていません。
しかし、レシピによっては簡単に作れるものが存在します。ブライン液に浸した鶏むね肉を、翌日、調味料を加えてレンジでチンするとサラダチキンが作れます。
メニューによっては簡単に美味しい料理を作ることもできるので、活用してみてください!
ブライン液を上手に活用する使い方と注意点
ブライン液は、使うのが少し難しそうに思えるかもしれません。
ブライン液を上手に活用するポイントは、以下の3つです。
- ブライン液に上手に漬け込む方法
- ブライン液に漬け込む時間は一晩が最適?
- つけた後は洗い流すべきではない
ブライン液の漬け込み方や、漬け込み時間はとても大切です。正しく使うことで、お肉が劇的に美味しくなるので、ぜひ試してみてください!
ブライン液に上手に漬け込む方法
ブライン液に上手に漬け込むには、ポリ袋やジップロックを使うのがおすすめです。タッパーに漬け込む方法もありますが、肉全体を漬け込むにはブライン液が多めに必要です。ポリ袋で覆うと、肉全体にブライン液が染みわたりやすいので、ブライン液は少量で済みます。
また、ボウルにポリ袋を設置して漬け込むと、冷蔵庫内で漏れる心配がなくなります。ポリ袋は使用後に破棄できるので、洗い物が少ないのも嬉しいポイントです。
ブライン液に漬け込む時間は一晩が最適?
ブライン液に漬けこむ時間は、お肉の種類や大きさによって異なります。鶏肉1枚や、厚切りにしたお肉であれば4時間から一晩がベストです。
牛や豚の肉の塊の場合は1~2日間は漬け込んだ方が柔らかくなります。魚や一口大の肉は、浸透が早いので1時間くらいが最適です。魚以外は、フォークで穴をあけてから浸透させるようにしましょう。
漬け込み過ぎると、しょっぱくなる原因になるので、それぞれ適した時間を漬け込むようにしてください。
つけた後は洗い流すべきではない
ブライン液に漬けこんだあと、お肉についている水分は洗い流さないようにしましょう。間違ってブライン液に漬けた肉を洗ってしまうと、その水分がシンクや衣類に付着して、菌が繁殖してしまい、食中毒の原因を引き起こす可能性があります。
調理の際は、水に流さずそのまま使うようにしましょう。
また、ブライン液を廃棄するときや、使用した調理器具を洗うときにも注意が必要です。衣類やシンクに付いた場合、きちんと洗濯や掃除をしましょう。
ブライン液を洗い流す必要はないので、そのまま調理しましょう。
また、ブライン液に浸した肉で唐揚げや、ソテーをする場合はキッチンペーパーでしっかり水分を取るようにしてください。水分を取らずに調理すると、油跳ねや味がぼやける原因になります。
【食材別】ブライン液の漬け込み時間とおすすめの料理方法
ブライン液は食材によって、漬け込み時間が違ってきます。
そこで、食材別に漬け込み時間とおすすめの料理方法を紹介していきます。
今回紹介するのは以下の4つです。
- 一番のおすすめは鶏肉!
- 豚肉に使う場合
- 牛肉にも使えるのか知りたい
- 肉以外では魚にも使用可能
ブライン液といえば、一番代表的に使われるのは鶏肉です。他のお肉料理にも使用が可能ですし、魚料理にも活用ができます。
また、漬け込み時間が長すぎると、しょっぱくなる原因になります。食材や料理方法に合わせて、漬け込み時間を参考にしてみてくださいね!
一番のおすすめは鶏肉!
ブライン液を使うレシピで、代表的なのは鶏肉料理です。ブライン液を使用すると肉が柔らかくしっとりするため、ささみや胸肉のパサつきを抑えることができるのでおすすめです!
漬け込み時間は、一口大にカットした場合は1~2時間、胸肉一枚などは4時間から一晩漬けこみましょう。
鶏胸肉は唐揚げやとり天などの揚げ物が、ふっくらジューシーになります。ささみの場合はサラダチキンにしたり、蒸し鶏にすると柔らかく仕上がります。
レンジで調理する方法もあるので、ブライン液を使って、簡単に美味しく仕上がります。
豚肉に使う場合
ブライン液を豚肉に使う場合も、大きさによって漬け込み時間が変わります。一口大なら1~2時間、厚切りなら2~4時間、塊なら一晩を目安にしましょう。
ブライン液に漬けた豚肉はトンカツがおすすめです!やはり、揚げ物はジューシーなものが美味しいですよね。
レンジで簡単調理をしたい場合は、ローストポークにしてみるのもいいでしょう。華やかなレシピを美味しく簡単に作れるので、ホームパーティーにも向いています。
牛肉にも使えるのか知りたい
ブライン液は牛肉にも使うことが可能です。どの肉にも使用できるので、本当に万能な調味液といえます。
牛肉も、大きさによって漬け込む時間が異なります。一口大は1~2時間、ステーキ肉や塊は4時間から一晩を目安に漬け込みましょう。ブライン液に漬けた牛肉は、ぜひステーキで柔らかさを感じて欲しいものです。安価なお肉でも、ブライン液でジューシーに仕上げることができます。
他には、すね肉を使用してシチューを作ると、お肉の旨味を楽しめるのでおすすめです。
肉以外では魚にも使用可能
ブライン液はお肉に使用するイメージが強いですが、魚にも使うことができます。魚に使うと、生臭さを抑えることができ、魚料理を美味しく食べられます。
漬け込む時間は、30分~1時間と短めです。長く漬け込むと、しょっぱくなるので注意しましょう。
タラなどの白身魚のフライにしたり、鯖や鮭をソテーしたりする時にもおすすめです。魚の生臭さがなくなることで、小さいお子様も喜んで食べてくれます!
まとめ
ブライン液は魔法の調味液と言われていて、水と塩と砂糖で簡単に作ることができます。
100mlの水に対して、塩と砂糖が各5gという覚えやすい対比なので、量の調整もしやすいです。
お肉をしっとりとジューシーに仕上げてくれるブライン液ですが、デメリットも存在しています。漬け込みすぎてしまうと、しょっぱくなったり、逆にぱさついてしまったりすることです。
これらを防ぐには、食材や大きさによって漬け込む時間を変える事です。他にも、一度使用したブライン液は繰り返し使うことができません。毎回作るので、少し手間がかかってしまうのもデメリットと言えます。
しかし、安価なお肉や、パサつきが気になる鶏胸肉を格段に美味しく仕上げてくれるのは最大のメリットです。ぜひ、ブライン液を活用して料理のスキルアップをしてみましょう!