部屋に間仕切りをつくるリフォームでお部屋を快適空間に。費用目安や工事の種類を紹介


この人に聞きましたHarmony Life

英国認定(ARB)建築士 インテリア、建築、都市デザインを学びながら現地企業で10年修行し、培った主婦目線のきめ細やかな提案を心がけています。自身のYouTubeチャンネル 「London Harmony Life」では、古い佇まいのある建物やアンティークマーケット、英国のガーデンショー、手作りで楽しむ暮らしといったワクワクする情報を配信中。

ライフステージの変化によって、お部屋の使い方も変わりますよね。このような場合に便利なのが間仕切りリフォームです。当記事では、間仕切りリフォームの種類や費用目安をご紹介します。今の暮らしに合わせて上手に部屋を仕切りたいと考えている方は、参考にしてみてください!

間仕切りって何?

間仕切りの目的

「内部空間を区切る」目的をもつ間仕切りは、1つの空間を異なる用途で使いたい場合に有効です。間仕切りの方法は、自分でできる手軽なものからプロにお願いして設置するリフォームまで、さまざまな種類があります。

どのようなときに空間を間仕切るの?

ライフスタイルの変化により、1つの空間でもフレキシブルに使いたい場合がありますよね。例えば、在宅ワークに専念できるように、リビングの一角を仕切りたい方もいらっしゃると思います。

この場合、空間を間仕切りリフォームすることによって、在宅ならではの生活感を隠せて集中力も高められます。また、子どもが成長して1つの部屋を2つに分けたい場合も、間仕切りリフォームはおすすめです。

空間の自由度を残して家具やカーテンなどで手軽に仕切るのか、しっかりと壁を設置して仕切るのか、空間の使い方によって間仕切りリフォームの方法や費用も変わってきます。


間仕切りリフォームの種類

ここからは、間仕切りの方法でよく使われている6種類をご紹介します。それぞれ「メリット・デメリット」「おすすめの使い方」「費用の目安」を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


おすすめの間仕切り方法

  1. 置き家具や造作家具
  2. カーテン
  3. アコーディオンドア
  4. スライドパーテーション
  5. ガラスのハイドア
  6. 新設の壁

① 置き家具や造作家具で間仕切りリフォーム

置き家具や造作家具で空間を間仕切る方法は、お手軽でありながら収納も確保できるため、モノが多い家庭にはおすすめです。造作家具にするとお部屋にぴったり合わせられて、既成の家具を使えばいつでも模様替えができます。

メリット

・間仕切りと同時に収納ができて一石二鳥

・可動性の家具であれば安くて手軽に設置でき、模様替えも簡単にできるので便利

デメリット

・個室のようなプライベート感は低い

・防音性は低い

おすすめの使い方

・リビングや寝室に付随する書斎や子ども部屋

・壁にビスが打てない賃貸マンションなど

費用の目安

・置き家具:5~10万円程度

・造作家具:20~50万円程度

※家具の大きさや材質により費用は変動します

② カーテンで間仕切りリフォーム

投稿者:chie_iga

カーテンも手軽にできる間仕切り方法です。天井にカーテンレールを取り付けると、お好きなカーテンで空間を仕切れます。また、収納の目隠しとして物置スペースを作ったり、突っ張り棒とカーテンで洗面所に脱衣コーナーを作ったりすることも可能です。

メリット

・間仕切りリフォームの中では低予算でできる

・DIYで手軽に取り付けが可能

・風通しがよくなり圧迫感もない

・冷暖房効率UPが期待できる

・好みの布を使用でき、汚れたら簡単に洗濯ができる

デメリット

・防音性は低い

・個室としてのプライベート感は低い

おすすめの使い方

・洗面所に脱衣コーナーを作る

・収納や物置スペースの確保

・音が漏れても良いリモートワークスペース

・介護用の部屋

費用の目安

・1〜3万円前後

※カーテンの大きさや材質によって費用は変動します

③ アコーディオンドアで間仕切りリフォーム

蛇腹状になったアコーディオンドアは、開けているときは壁側にコンパクトにまとめられます。こちらの間仕切りはぴったりと閉まるため、個室としてのプライベート感も得られますよ。また、閉めたときに採光を確保したい場合は、スケルトンタイプを選ぶとよいでしょう。

メリット

・天井から吊るため、床はそのままでお掃除に支障がでない

・デザインのバリエーションが豊富にある

・オプションで鍵が付けられる

・開口部があればどこでも設置可能

デメリット

・通常のドアと比べると防音性

・防寒性が低い

おすすめの使い方

・寝室とウォークインクローゼットの間

・子ども部屋

・介護用の部屋

費用の目安

・5~20万円程度

※アコーディオンドアの大きさや材質により費用は変動します

④ スライドパーテーション で間仕切りリフォーム

大空間を仕切りたい場合、スライド式のパーテーションがおすすめです。パーテーションには厚みがあるため、閉めたときにある程度の防音効果が期待できます。静かに集中したい書斎コーナーや、リモートワークが多い家庭は特におすすめですよ。

メリット

・個室のプライベート感がある

・防音効果がある

・壁と同じ材料にできたり、仕上げのバリエーションを自由に選べたりする

デメリット

・取り付けをDIYでするのは難しい

・パーティションを設置する床のレールにほこりが溜まりやすい

おすすめの使い方

・書斎コーナーやリモートワーク用スペース

・趣味の部屋

・子ども部屋

費用の相場

・10〜20万円前後

※スライドパーテーションの大きさや材質によって費用は変動します

⑤ ガラスのハイドアで間仕切りリフォーム

間仕切りリフォームの中でも、お部屋を明るく保てるのがガラスのハイドアです。こちらは、引き戸にガラスを入れたもので、音もある程度遮断でき、なおかつ家族の存在を感じられる空間を作れます。中のガラスは、各部屋のプライバシーを尊重できるすりガラスがおすすめです。

メリット

・窓がない場合でも明るい空間にリフォームできる

・防音効果あり

・家の中で家族の存在を感じられる

デメリット

・取り付けをDIYでするのは難しい

・パーティションを設置する床のレールにほこりが溜まりやすい

おすすめの使い方

・リモートワーク用スペース、自宅サロン教室など

・音楽を聴いたり、モノづくりをしたりなど趣味の空間

費用の目安

・15~25万円前後

※取り付ける間口のサイズやフレームの種類によって費用は変動します

⑥ 新設の壁による間仕切りリフォーム

壁の新設は、子ども部屋などを完全に2つに分けたい場合によく使われるリフォーム方法です。空間を行き来できなくてもよい場合、壁を新設するのも一つの手段ですね。壁の新設は遮音性があってプライベート空間を作れますが、採光や風通しに影響が出るため注意が必要です。

メリット

・完全なプライベート空間を作れる

・採光の窓を作るなど造作が可能

・遮音性がある

デメリット

・壁新設工事をDIYで行うのは難しい

・空調設備や収納、コンセントなどを新たに設置する必要がある

おすすめの使い方

・子ども部屋

・リモートワーク用スペースや寝室、自宅サロン教室など

費用の目安

・20〜30万円前後

※新設壁の大きさや仕上げ材、電源の有無によって費用は変動します。事前に業者見積もりを取っておくとよいでしょう。



間仕切りリフォームのメリットとデメリット

間仕切りリフォームのメリット

①プライベート空間を確保できる

共同の空間を間仕切りリフォームすると、プライベートな空間を作れるメリットがあります。特に、お子さんは個室であれば勉強にも集中できますよ。

住宅メーカーでも、将来仕切ることを視野に入れた広い子ども部屋をおすすめするケースはよく見られます。間仕切ることによって個室を確保できるのは、大きなメリットです。

②生活スタイルが違う家族との関わりが快適になる

家族の生活スタイルや活動時間の違いで、音や視線に気を遣ってしまうことはよくあります。そこで、お部屋に間仕切りを設置すると、家での過ごし方が違ってもお互いが快適に暮らせます。

例えば、テレワークやサロン教室を運営している場合は、防音性のある間仕切りを設置して公私を分けると、他の家族が気を遣わずに普段の生活ができますよ。また、パーテーションや遮光性のあるカーテンで間仕切りをすると、就寝時間の違う家族とも快適に過ごせます。

③見せたくないものは目隠しできる

「収納を増やしたいけれど、ごちゃごちゃに見えるのは嫌だ…」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。この場合、空間を収納棚で間仕切りリフォームしたり、パーテーションで間仕切りして納戸のように使ったりするとよいです。

間仕切りリフォームでは、見せたくないものを隠せるというメリットもあります。

④冷暖房効率をアップできる

お部屋に間仕切りを設置すると、空間が小さくなる分冷暖房効率がアップします。例えば、広い居間や居間の中にある階段は、階段の手前に間仕切りを設置することによって空気が2階に逃げにくくなり、冷暖房効率がアップします。

間仕切りリフォームのデメリット

間仕切りリフォームは、簡易なカーテンから新たに壁を建てるリフォームまでさまざまですが、デメリットは壁を新たに設置する場合に考えられるものがほとんどです。

①空間が狭くなり、動線が悪くなる場合がある

間仕切りリフォームをすると、当然お部屋が狭くなります。狭くなることで家具の置き場が制限され、動線まで悪くなってしまう場合があるでしょう。

②採光や通風が悪くなる場合がある

間仕切りリフォームによって仕切られた空間に窓がない場合、採光や通風に問題が出るのはデメリットです。個室として居住空間になるのであれば、窓のない部屋は避けましょう。

③電源が無くなる場合がある

壁を新たに設置して個室としてリフォームする場合は、電源の問題も出てきます。新しく設置する壁に電源を引き込み、コンセントを取り付ける工事も視野に入れなければならないのはデメリットです。

④収納を考える必要がある

壁を新たに設置する場合、新しい部屋に収納が必要となることも経費がかかりデメリットです。


間仕切りリフォームのポイント

先述したデメリットを改善するために、ここからは間仕切りリフォームのポイントをご紹介します。以下のことに気をつけて、間仕切りリフォームを成功させましょう。

必要に応じて間仕切るのか完全に間仕切るのかを考える

間仕切りリフォームを行う前に、自分の生活スタイルをよく考えてみましょう。例えば、リビングにリモートワークスペースを作りたい場合、リモートワーク時のみパーテーションなどで間仕切りすれば十分です。そのため、普段は広々と開放しておける可動式の間仕切りがおすすめですよ。

一方、子どもが成長して個室を作る場合は、それぞれ6畳程度のスペースが確保できるのかどうかを考えましょう。間仕切りによって広い空間から個室になるため、当然狭く感じます。1部屋が6畳以下になる場合は、個室よりも引き戸などの可動式間仕切りでのリフォームがよいでしょう。

採光や通風について考える

個室として居住空間になる場合、窓のない部屋は避けましょう。間仕切りリフォームにより、採光や通風に影響が出る場合、間仕切りは可動式の引き戸などで考えましょう。先述したガラスのハイドアであれば明るさを確保でき、開けておくと風通しもよいのでおすすめです。

電源について考える

壁を新設して個室にリフォームすることにより、電源が新たに必要になる場合もあります。新設の壁に電源を設けてもらうか、それが難しいのであれば可動式の間仕切りで考えた方が無難です。

収納について考える

新しく作る個室に、収納が必要かどうかも考えておきましょう。必要となる場合、造り付けの収納にするのか置き家具でよいのかも視野にいれて計画するのがおすすめです。

例えば、リモートワークスペースなどで、お部屋は完全に仕切らなくてもよいけれど本を多く収納したい場合、収納家具で間仕切りリフォームするという方法もあります。


間仕切りリフォーム事例

【事例1】ガラスドアから朝日が差し込む開放的な寝室

After

施工会社:ナサホーム

事例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_private/20220410garasuo

こちらは、北側の暗い寝室をガラスのハイドアで間仕切りリフォームし、朝日を取り入れた成功事例です。昼間はハイドアを開放し、風通しのよい明るいワンルームとなっています。ガラスのハイドアとモノトーンでまとめたインテリアは、ホテルのような非日常感がありますね。

【事例2】ステンドグラスがアクセント、唯一無二の書斎スペース

Before

After

施工会社:ナサホーム

事例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_other/20220321pck

こちらは、間仕切りリフォームでリビングの一角に書斎を造った事例です。人の気配が感じられるガラスのハイドアとしたことにより、圧迫感が抑えられています。

ステンドグラスが、リビングと書斎におしゃれなアクセントとなっていますね。また、こちらのスペースは、子ども家族が帰省したときにベッドルームとして使用できます。使い勝手もよく考えられた、オリジナリティのあるリフォーム成功事例です。

間仕切りリフォームで快適な空間を手に入れよう

今回は、スペースを多目的に使用できる間仕切りリフォームについてご紹介しました。間仕切りリフォームにはさまざまな種類があるため、当記事の費用相場や事例を参考にライフスタイルに合ったリフォーム方法を見つけてくださいね。

信頼できるプロの意見も参考にしながら、ご家族が快適に過ごせる空間にリフォームしましょう。 


 

 

 

 

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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