電球の「ワット数」とは?選ぶ時に知っておきたい単位の見方や明るさを把握しておこう


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インテリアコーディネーター インテリア商社勤務中にインテリアコーディネーター、カラーコーディネーター3級、福祉住環境コーディネーター2級を取得し、ショールームでの接客やセミナー講師などを経験。主婦の立場から、簡単に取り入れやすいインテリアのコツをご提案していきます。

電球を購入するときに、ひとつの指標となるワット数。電球を購入する際に、「この部屋の電球は、どのワット数が最適なのかな…」と思いながら、なんとなく選んでいませんか?そこでこの記事では、電球を選ぶときに知っておきたい単位の見方や明るさについてご紹介します。

電球のワット数とは?

電球の選び方は、「何を基準に選べばいいのか」「自分の部屋にこのワット数の電球は付けられるのか」「機能は付けるべきか」など、意外とわからない方も多いのではないでしょうか。

また、実際に購入して取り付けてみると「少し暗いな…」という思いをした方もいるでしょう。電球を購入するときは、パッケージに記載してある4つの数値(ワット数・ボルト数・ルーメン・口金のサイズ)と電球の種類、光の色温度の6項目を確認することが大切です。

当記事では、電球の選び方やワット数など電球のパッケージに書かれている数値の単位の意味、部屋の大きさに対する数値(ワット数・ルーメン)の簡単な目安を紹介していきます。また、電球を購入する際に注意すべきポイントもまとめていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

電球に書かれている単位:ワット数とは?

電球本体やパッケージなどに記載されているワット数は、「W」という単位で表記されます。これは、消費電力(エネルギー)を示す単位です。ワット数が大きいほど消費電力が高くなり、電力消費している分だけ電気代も高くなります。

電気代は、「1時間あたりの消費電力(kW(キロワット))×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」の計算式で求められます。ワット数が大きければ電気代が高くなり、ワット数の小さいものを選ぶと当然電気代も安くなりますよ。

電気代の値上げが続く中、このように消費電力に意識を向けることは大切です。特に、毎日長時間使うようなリビング照明の電球を消費電力の少ないLED電球などに変更すると、電気代節約につながるでしょう。

ワット数を確認するには?

消費電力であるワット数は、電球本体の電球部分や口金部分(照明器具のソケット部分と接続する部位)、パッケージなどに記載されています。そのため電球を買い替える際は、、自宅の照明器具と電球にワット数の違いがないかをしっかりと確認しましょう。

また、電気代節約や消費電力の低いものを購入したい場合には、記載されているワット数よりも低いワット数に変更可能です。反対に今取り付けてあるワット数よりも大きいワット数への変更は大変危険なので注意してください。

たとえば、ワット数60Wのものをワット数100Wに変更した場合、基準の60Wの規格で作られた照明器具本体の部品が溶けだしたり事故につながったりする可能性があります。そのため、電球選びの際にはきちんとワット数を確認することが大切です。

ワット数と明るさの関係

白熱電球が主に使われていた時代は、ワット数が大きくなればなるほど明るくなります。そのため、ワット数の単位は明るさを確認するための目安として使われていました。その名残から、ワット数を電球の明るさの単位だと誤解されている方も多いのです。

しかし、LED電球など電球の種類が増えた現代で、ワット数は単純に消費エネルギーの数値を指しています。そのため、電球の種類が異なると「ワット数が大きい=明るい」という公式は成り立ちません。

特に、LED電球を購入する際の明るさの目安となる単位は、後述する「lm(ルーメン)」という単位がパッケージに書かれています。このように、電球によって単位が異なるのでパッケージをしっかりと確認しましょう。

部屋の大きさに対して必要なワット数の目安とは?

部屋の使用目的や好み、年齢にもよりますが、一般的に部屋の大きさに対する必要なワット数の目安は以下のようになります。勉強や読書をする場合などは目への負担も考慮し、必要なワット数を確保する必要があります。ただし、寝室などは低いワット数でもよいでしょう。

部屋の大きさに対する必要なワット数の目安

部屋の広さ 4.5~6畳 6~8畳 8~10畳 10~12畳 12~14畳
必要ワット数 180~240W 240~320W 320~400W 400~500W 500~600W

また、年齢による明るさの感じ方に違いがあることも考慮しましょう。明るさの感じ方は個人差もありますが、一般的に20歳の成人を基準とすると60代以上では2~3倍の明るさを必要としているといわれています。

そのため、高齢者の部屋であれば規定の数値よりも少しワット数の大きいものがおすすめです。さまざまな年齢の方が利用する部屋の照明であれば、用途や使用する人に合わせて調光できる機能のついた電球を選ぶとよいでしょう。


電球選びで確認すべきこと

電球を選ぶ際に、ワット数以外にも気をつけて確認したいことが4点あります。ここからは、「①口金のサイズ」「②電球の種類」「③電球の色」「④電球のボルト数」について詳しく解説していきます。

電球選びで確認すべきこと①口金のサイズとは?

口金とは、電球の根本にある金属の部分です。この口金を、ソケット(電線の先に取り付け、そこに電球や蛍光灯をねじこむための器具)にねじ込んで電球を取り付けます。

一般家庭で使われる口金のサイズは主にE12・E17・E26があり、パッケージには「E+数字」で記載されています。

家庭用の口金サイズとその用途

口金サイズ E12 E17 E26
主な種類 ナツメ球 ミニクリプトン球 通常サイズの電球
用途 常夜灯など シャンデリア球など お風呂・トイレなどのお部屋用

口金のサイズに表記されている数字は口金の直径サイズを表し、この数値を間違えて購入すると電球を取り付けられません。電球の交換であれば、古い電球や照明器具本体などの単位を確認したうえで、パッケージをよく見てサイズの合ったものを購入しましょう。

電球選びで確認すべきこと②電球の種類とは?

電球の種類は、大きく分けると「白熱電球」「電球型蛍光灯」「LED電球」の3種類に分かれます。以前は白熱電球が主流でしたが、消費電力の低さや寿命に優れたLED電球が主流になりつつあります。ここでは、人気のある白熱電球とLED電球の特徴をみていきましょう。

白熱電球

白熱電球は、昔からある旧来の電球でフィラメント電球とも呼ばれています。電球本体の価格が安いことがメリットですが、LED電球に比べてランニングコストが高いです。また、LED電球に比べて寿命が短いため、電球交換の手間がかかります。

しかし、白熱電球はLED電球では表現できないような温かみのあるオレンジ色が特徴です。照明にこだわる方の中では、寿命の長さや消費電力の低さが売りのLED電球を抑えて依然人気のある電球ですよ。

LED電球

LED電球は、発光ダイオードを使用した電球です。消費電力の低さ(電気代節約)、寿命の長さから現在の主流になりつつある電球です。また、白熱電球に比べて販売価格の高さがデメリットですが、消費電力の低さ(ワット数の低さ)や取り換え頻度の低さから人気を集めています。

さらに、LED電球は白熱電球と比べると電気代の安さが数分の1で、寿命は10~40倍もあります。このことから、地球にも優しくてトータルで考えるとお財布にも優しい電球でしょう。

また、スマートフォンを使用し、タイマー機能や調光機能を簡単にできるスマート電球もあります。これらの機能性から、LED電球はますます人気が高まっていますよ。

電球選びで確認すべきこと③電球の色温度とは?

電球の色温度とは、太陽光・自然光・人工的な照明などの光源が発する光の色を表すための尺度です。色温度の単位はケルビン(K)という単位で表され、ケルビンが低いと赤みが強い色合いとなり、高いと青色に近くなります。

また、電球の色は大きく分けると昼光色・昼白色・電球色の3色になります。昼光色は一番明るくて青白いクールな光で、勉強などをする部屋におすすめの色です。ただし、光の強さから細部まではっきりと見えて目が疲れやすくなるので、長時間利用する部屋であれば昼白色がおすすめですよ。

昼白色は昼間の自然光に近い色で、最もよく使われているクセのない色です。そのため、色選びに迷った場合は昼光色がおすすめでしょう。また、電球色は温かみのあるオレンジっぽい光の色で、雰囲気のあるカフェなどによく使われており、寝室や浴室などくつろぐ部屋におすすめです。

電球の色の選び方は部屋の用途や雰囲気、好みに合わせて自由に選べます。同じ部屋の中で複数照明がある場合は、光の色を統一することで部屋全体の雰囲気がまとまりますよ。

また、最近のLED電球ではリモコンなどで昼光色と電球色を切り替えられるものも販売されています。勉強のときには昼光色ではっきりとした明るさに、食事のときには電球色で温かみのある雰囲気にするなど調節できるのでおすすめです。


電球の「ワット数」を選ぶときの注意点とは?

白熱電球とLED電球のワット数が同じなら同じ明るさ?

電気代節約(低い消費電力)の観点や省エネを意識する中で、今まで白熱電球や電球型蛍光灯を使っていた照明をLED電球に変更したいという方も増えてきています。その際に、電球選びで注意したい点は明るさの問題です。

LED電球のパッケージには、白熱電球のワット数に相当する「100W相当」と記載されているものがあります。しかし、白熱電球のワット数とLED電球の目安となるワット数相当を揃えるだけでは、部屋が暗く見えてしまうかもしれません。

暗く見えてしまう原因は、LED電球の特性によるものです。LED電球は特定方向だけに光が送られるものが主流のため、白熱電球や電球型蛍光灯に比べると部屋全体を明るくする力が弱くなってしまいます。

このようなトラブルを避けるためにも、ワット数相当ではなくLED電球には明るさの目安を確認するための単位として、新たに「lm(ルーメン)」という単位をパッケージに記載するようになりました。


電球の単位「lm(ルーメン)」とは?

LED電球のパッケージなどに記載された「lm(ルーメン)」とは、LED電球の明るさの単位を指します。「lm(ルーメン)」は、電球やランプなどの光を発する物体、つまり光源から放出される全ての光の量を表す単位で、数値が大きければ大きいほど明るくなります。

白熱電球からLED電球への変更時に暗く感じるというトラブルや混乱を避けるため、一般社団法人 日本照明工業会が「電球型LEDランプ性能表示などのガイドライン」を作成し、下記のような基準を設けました。


E26口金(一般電球)の場合:ワット数に対応するルーメンの値

  1. ワット数100W形:1520lm(ルーメン)以上
  2. ワット数60W形:810lm(ルーメン)以上
  3. ワット数40W形:485lm(ルーメン)以上など

たとえば、ワット数100Wの白熱電球からLED電球に取り換える場合は、1520lm以上のLED電球を選ぶことで同じくらいの明るさを保つ目安となります。

また、部屋の大きさに対する明るさの目安として、LED電球を購入する場合は以下の数値を目安にしてパッケージを確認しましょう。

部屋の大きさに対する必要なワット数とルーメンの目安

部屋の大きさ 4.5~6畳 6~8畳 8~10畳 10~12畳 12~14畳
必要ワット数 180~240W 240~320W 320~400W 400~500W 500~600W
必要ルーメン数 約2280~
3040lm
約3040~4050lm 約4050~5070lm 約5070~6330lm 約6330~7600lm



それでも電球選びに失敗してしまったときの対処法

ワット数やルーメンなどの数値を考慮して照明・電球選びをしても、部屋がなんとなく暗いという場合もあるでしょう。この際に、電球を買い直す方法もありますが、簡単に置けるフロアランプやデスクライトをプラスする方法も簡単にできておすすめです。

また、白などの明るいインテリアはランプの光や自然光を受けてより部屋全体を明るくする効果がありますが、ダークトーンのインテリアは部屋全体が暗くなるケースもあります。

落ち着いた雰囲気の寝室などであれば、暗めの照明でも十分です。しかし、勉強や読書、色を正確に把握しておきたいクローゼットの中などは、明るめの照明やインテリアでしっかりと明るさを保つとより快適に過ごせますよ。

さらに、部屋に大きめの鏡を設置する方法もおすすめです。鏡を設置することで照明の光や自然光を反射させ、より部屋を広く明るく見せられます。「なんとなく暗いかな」という程度の不便さであれば、照明以外のアイテムで簡単に快適な部屋へと近づけられるのです。

電球のワット数や明るさの選び方を学んで、快適な環境作りをしよう!

電球をより安全に快適に選ぶためには、知識を得たうえでパッケージをよく確認し、購入する必要があります。住宅環境は陽当たりや部屋の用途、使用する人の年齢などさまざまな条件を考慮して選択すると、ベストな明るさの部屋になりますよ。

電球は取り付けてみないと実際の様子がわからないので、照明選びの悩みはつきものです。そのため、現状の問題点などがあれば、必要となる数値を記載したうえで販売店などに相談してみることもおすすめです。

当記事で紹介したワット数や基準となる数値を理解し、快適な環境作りをしてくださいね。 



※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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