一級建築士 住まいや暮らしをもっと楽しく快適に!アイデアや情報をお届けする建築ライター。建築業界で意匠設計を担当し、アメリカではジュエリー制作やグラフィックデザインなどを学びました。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛け、現在は執筆中心に活動しています。
「玄関アプローチをもっとおしゃれに見せたい」「家の防犯性を高めたい」と考えていませんか?このような場合、外構リフォームをすることで理想の屋外空間をつくれますよ。そこで今回は、外構リフォームのメリットや費用相場、成功するポイントについてご紹介していきます。
外構リフォームとは
外構リフォームは、家の外まわりに関するリフォーム工事のことを指します。しかし、具体的に住宅のどの部分なのかわからない方も多いでしょう。そこでまずは、外構や同じような意味で使われるエクステリアについてご紹介します。
外構とはどの部分?
外構とは、門扉やフェンス、玄関アプローチやカーポートなど住宅の外まわりを構成する構造物全体を指します。外構は、住宅の外観の見栄えや快適性、防犯性に影響する大事な部分です。
エクステリアとの違い
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外構デザインの種類
外構デザインは大きくわけて3種類あります。外構リフォームを施工業者に依頼する前にデザインの種類を知っておくと、全体のイメージがつかめて相談しやすくなるのでチェックしておきましょう。
クローズ外構
エクステリアにフェンスや塀などを設置し、近隣や道路からの視線を遮るスタイルをクローズ外構といいます。
こちらは、家の外まわり全体を外部から閉ざすため不審者が侵入しにくくなりますが、閉鎖的な印象を与えてしまう場合もあります。そのため、圧迫感のないようにプランニングすることが大切です。
オープン外構
門扉やフェンスなどを設置せず、開放的なエクステリアを実現するのがオープン外構です。高さの低い植栽などで敷地の境界線をつくる場合もありますが、建材をあまり使用しないため外構リフォームの工事費用を抑えられます。
ただし、こちらは敷地内に侵入しやすい点や外から住宅が丸見えになってしまうことがデメリットです。プライバシーの確保がしにくくなるため、防犯面などで工夫が必要になります。
セミクローズ外構
セミクローズ外構は、クローズ外構とオープン外構を合わせたスタイルです。「エクステリアの開放感も残しつつ、隠したい部分はフェンスを設けたい」という方におすすめで、自由な表現ができます。
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外構リフォームの種類別メリットと費用相場
外構リフォームにはさまざまな種類があります。ここからは、外構の種類別のメリットや費用相場についてご紹介していきます。費用は施工業者によって異なるので、実際に外構リフォームをする場合はしっかりと調べておきましょう。
門扉のリフォームとは
門扉のリフォーム工事では、古い門を撤去して新しい門との交換や再塗装などの工事を行います。「門扉が古くなって見栄えが悪い」「鍵が壊れて閉まらなくなった」という場合におすすめのリフォームです。
また、最近は門扉を設けない住宅も多くなりましたが、設置すると防犯性やエクステリアの雰囲気が高まるため、メリットの多い外構リフォーム工事の一つといえるでしょう。
門扉リフォームのメリット
門扉をリフォーム工事して鍵をしっかりとかけられるようにすると、意識的に人が侵入しにくくなり防犯性が高まります。
特に、人通りの少ない場所に玄関がある住宅の場合、門扉を設置すると安心して過ごせるようになるでしょう。また、扉があることで子どもやペットがいきなり道路へ飛び出すことを防ぐ効果もあります。
さらに、門扉のデザインは、洋風・和風・両開き・片開き・アルミ製・樹脂製・鉄製など、幅広いデザインから選べるため、住宅の雰囲気に合わせて選ぶことでエクステリアの印象を高められますよ。
門扉のリフォーム費用相場
門扉リフォームの工事費用相場は、素材やデザインによって変わります。一般的なタイプの本体価格は片開きタイプ約4〜25万円、両開きタイプ約20〜53万円です。また、門扉設置の施工費用は約3〜5万円ほどみておきましょう。
フェンスのリフォームとは
フェンスのリフォーム工事では、敷地のまわりに柵や囲いなどを設置します。こちらは、外からの視線を遮れるのでプライベート感の高いエクステリアを演出できますよ。
また、フェンスの素材にはアルミや木製、樹脂製などがありデザインの種類も豊富です。住宅のデザインや、目隠ししたい高さに合わせて選ぶとよいでしょう。
フェンスリフォームのメリット
フェンスを設置すると、隣家や通行人から簡単に家の中を直接覗かれる心配がなくなることが大きなメリットです。さらに、洗濯物が干しやすくなったり庭でくつろげたりプライバシーを守ることができるのも嬉しいポイントです。
こちらの外構は、「プライバシーをしっかり確保したい」「防犯性を高めたエクステリアにしたい」という方におすすめのリフォーム工事です。
フェンスのリフォーム費用相場
フェンスのリフォーム費用相場は、素材や設置する高さなどにより異なります。一般的に、スチール製などの低価格な素材であれば、1mあたりの本体価格は5千円ほどでリフォーム工事できますよ。
費用相場の目安としては、1mあたり本体は約1〜10万円、施工費用は幅20mで20〜60万円ほどみておきましょう。
玄関アプローチや庭のリフォームとは
玄関アプローチや庭のリフォームでは、タイルや石張り、ウッドデッキ、植栽スペースを取り入れて豊かなエクステリアをつくります。こちらは、「住宅の見栄えをよくしたい」「外構の雰囲気を高めたい」「屋外空間を有効活用したい」という場合に効果的なリフォームです。
玄関アプローチや庭のリフォームメリット
玄関アプローチや庭をリフォーム工事すると、デザイン次第でカフェのような雰囲気を演出できたり、ガーデンファニチャーを置いてくつろいだりとさまざまな活用方法があります。
さらに、外構の中心となる部分に手を加えることで、エクステリアの雰囲気が高まるだけでなく暮らしをより豊かにしてくれる効果もあります。
玄関アプローチや庭のリフォーム費用相場
玄関アプローチのリフォーム工事にかかる費用相場は、アプローチの広さや使用する素材によって変わりますが、30〜60万円程度みておきましょう。
庭にテラスやウッドデッキを設ける工事も、広さや使用する素材によって費用相場は変わりますが、本体価格込みの施工費用として約25〜45万円ほどになります。
また、比較的低価格なタイルや石材を使う場合は20万円ほどですが、高額な天然石などを使用すると50万円を超える場合もあります。
そのため、業者に施工を依頼する際は必ず見積もりで金額を確かめて相場と照らし合わせましょう。また、屋根を設置する場合は15万円ほどの追加費用をみておくと安心です。
カーポートのリフォームとは
カーポートのリフォームでは、屋根と支柱を設置してシンプルな車庫をつくります。そのため、デザイン性だけでなく、車の出し入れのしやすさや安全性に配慮して適切な場所に設置することが大切です。
カーポートリフォームのメリット
カーポートを設置して屋根をつくることで、直射日光や雪、雨などから車を守れます。例えば、車の乗り降りをする際に「雨に濡れたくない」「車内の温度が上がるのを少しでも抑えたい」という場合にも、カーポートのリフォームは有効です。
このように、よりカーライフを快適にしたいという方にカーポートリフォームはおすすめですよ。
カーポートのリフォーム費用相場
カーポートのリフォーム価格は、素材やデザイン、メーカーなどによって変わります。一般的に、施工費用は1台分で約20〜30万円、2台分で約40〜50万円ほどみておきましょう。
サンルームのリフォームとは
サンルームのリフォームは全面をガラスでつくるため、日光を室内に取り入れられる空間になります。そのため、「室内を明るくしたい」「家の面積を広げたい」という方に効果的なリフォームです。
サンルームリフォームのメリット
サンルームを設置すると室内に多くの光が射し込むため、部屋が明るくなって開放的に感じられます。また、雨の日でも洗濯物を干せたり子どもの遊び場やペットスペースにしたりと、多目的使用できる点がメリットです。
さらに、リビングの延長上に設置することで広々とした空間づくりができますよ。このように、デザインによって外構の雰囲気も高められます。
サンルームのリフォーム費用相場
サンルームの増改築にかかる費用相場は、広さや素材、グレード、設置個所などによって大きく異なります。施工費用の相場は、1階に設置する場合は約40〜180万円、2階のベランダやバルコニーに設置する場合は約50〜90万円程度みておきましょう。
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外構リフォームを成功させるポイント
「外構リフォームやリノベーションを成功させたいけれど、どのようなことに気をつけたらよいかわからない…」という方も多いでしょう。そこでここからは、外構リフォームを成功させるためのポイントを4つご紹介します。
現状の外構で不満な部分をピックアップする
外構のリフォーム工事を施工会社に依頼する前に、今住んでいる住宅で抱えている不満点をピックアップしてみましょう。
例えば、「外構に植栽がなく殺風景に見える」「庭の前の道路に通行人が多いので快適に過ごせない」というように、問題点を明確にしておくことが大切です。これらのポイントをあらかじめおさえて施工業者に要望を伝えると、より理想的な外構に仕上げられます。
優先順位と予算を決める
外構のリフォーム工事は、使用する素材や施工する面積によって金額が大きく変わります。あれもこれもと希望を詰め込むと、あっという間に予算オーバーしてしまうでしょう。
そのため、リフォームを予算内におさめるために優先順位を決めておくとよいです。例えば、「見栄えを重視して天然石を使用したい」「素材にはこだわらず価格を優先させたい」「この部分だけは目隠しをしたい」というように、こだわりたい部分を絞りましょう。
住宅の間取りと合わせて考える
外構のデザインを考える際は、住宅の間取りや外構全体の動線を考えて計画することが大切です。例えば、「室内からテラスに出やすいか」「門扉を設置しても車庫入れしにくくならないか」というように、日常の動線を考えましょう。
家族が日頃どのように過ごしているか、これからどのような動線で使用していきたいかを考えることで、使いやすい外構空間に仕上がりますよ。
デザインだけでなく防犯性にも配慮する
外構リフォームをする際は、デザインにばかり目が向いてしまいます。しかし、デザイン性を重視しすぎると、「見栄えはいいけれどしっかりと防犯ができていない…」というようにリフォーム後の満足度が下がってしまいます。デザイン性と防犯性のどちらにも配慮して計画することが大切です。
複数のリフォーム業者から見積もりをとる
外構リフォームを依頼する際は、複数のリフォーム業者から見積もりをとって内容を比較しましょう。見積もりの形式は業者によって異なりますが、ほとんどの場合見積もりは無料で依頼できます。
見積もりを出してもらったら使用する材料の種類や使用量、施工内容などを確認し、不明な点があれば業者に確認しましょう。細かなことも事前に確認しておくことで、後から追加で施工費用を請求されるといったトラブルを未然に防げます。
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外構リフォームの参考にしたいおしゃれな事例
最後に、おしゃれな外構リフォーム事例をご紹介します。住まいの外構リフォームのアイデアとして、ぜひ役立ててみましょう。
【事例1】フレンチカントリー調の門扉でオリジナリティの高い外構を実現
Before
After
施工会社:ナサホーム
実例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_exterior/16110wooddoorm.html
こちらは、ファーム風のおしゃれな門扉を設置してフレンチカントリー調のエクステリアを実現したリフォーム事例です。
お施主様がイメージされたイングリッシュガーデンの庭に合うように、木製調の門扉をセレクト。アプローチは乱形石張りで雰囲気を高めています。通りすがりに思わず足を止めてしまうほど素敵な外構ですね。
しっかりとした門扉の作りとなっているためセキュリティ面でも安心です。
【事例2】特徴的な乱型石張りで庭をおしゃれに大変身
Before
After
施工会社:ナサホーム
実例URL:https://nasahome.co.jp/works/w_exterior/exterior-simple-natural.html
こちらは、バイクを置くスペースをつくるために、庭の一部をきれいなイエローの乱形石張りにした実例です。壁には左官のコテ跡でムラ感をつくり、小窓も設けて軽やかに演出されています。門扉はアイアン調にリフォームして、全体的におしゃれ度の高い外構に仕上がっているのが特徴です。
【事例3】庭への通路をつくり、快適に歩ける外構空間に
Before
After
施工会社:アートリフォーム
実例URL:https://www.artreform.com/example/645/
こちらは、土で歩きにくかった庭の通路にインターロッキング(色の付いたコンクリートブロック)を敷いた事例です。外構の一部に、東西南北を示すサークル状のデザインを入れています。遊び心をプラスしたアイデアを取り入れやすいのも外構リフォームの魅力と言えるかもしれません。
外構リフォームで住宅の満足度を上げよう
外構空間は家の印象を左右し、暮らしやすさにも影響する大事な部分です。今回ご紹介した外構リフォームのポイントやメリットを参考に、住宅の満足度を高めてみてはいかがですか。
また、外構リフォームをする際は信頼できるリフォーム会社を選び、リフォーム後も安心して住める住宅を手に入れましょう。
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