昔は包丁といえば鋼素材のものが主流でしたが、昨今ではステンレス製も主流になっています。ステンレス包丁の魅力は何といっても手入れが楽なことです。日常使いに便利なおすすめのステンレス包丁や、選び方を紹介します!
目次
ステンレス包丁のメリット・デメリット
ステンレス包丁は手入れの楽さなどの利便性から、鋼包丁やセラミック包丁と並んで人気の高い種類です。ステンレス包丁のメリット・デメリットなどをチェックし、自分のニーズに合っているか確認しましょう。
ステンレス包丁のメリット
ステンレス包丁の最大のメリットは手入れが楽なことです。その理由としては、ステンレスがさびにくい素材であることが挙げられます。
鋼素材の包丁だと定期的に手入れをしなかったり、長時間ぬれたまま置いておいたりするとさびが発生してしまいますが、ステンレス包丁ならそんな心配もありません。
手入れは月に1、2回程度とたまに行うくらいで十分で、さびの発生を気にすることなく使い続けられます。
また、ステンレスが非常に硬い金属で刃こぼれしにくいことも手入れ頻度が少なくて済む理由です。少々硬いものを切ったくらいでは切れ味が落ちることはなく、快適に使い続けられるでしょう。
ステンレス包丁のデメリット
ステンレス包丁のデメリットとしては鋼素材の包丁と比べると、切れ味が落ちることが挙げられます。
ステンレスも硬い素材ではありますが、鋼と比べると硬さはやや劣ります。そのため、切れ味のよさを比べるなら鋼には勝てないのです。
しかし、最近ではさまざまなグレードのステンレス包丁が登場し、中にはプロも使うほど高品質で鋼に負けない切れ味のものもあります。
品質がよい分価格も上がりますが、一生使い続けられる包丁として持っておくのもよいかもしれません。
まずはどの種類を買うべき?
(出典) photo-ac.com
包丁にはたくさんの種類があり、それぞれ用途があります。しかしいきなり多くの種類をそろえるのはなかなか難しいものでしょう。
お料理初心者がまず買うべきは三徳包丁とペティナイフの2種類です。そこから必要に応じて買いそろえていくとよいでしょう。
包丁の種類は用途によってさまざま
包丁にはたくさんの種類があります。大きくは和包丁と洋包丁とに分類されますが、家庭で使われるのは洋包丁が多いでしょう。
洋包丁には三徳包丁・牛刀包丁・出刃包丁・パン切り包丁・ペティナイフなどがあります。
三徳包丁は肉・魚・野菜などどんな食材を切るのにも向く包丁です。牛刀包丁は分厚い肉や魚を切るのに向きますが、野菜などそのほかの食材も切ることができ、三徳包丁と同様に万能な包丁といえます。
魚をさばくなら出刃包丁が向きますし、パンを切るならパン切り用の包丁が切りやすくできています。刃渡りが9~15cmと小さなペティナイフは『くだものナイフ』とも呼ばれ、果物や野菜の皮むき、飾り切りなどをするのに便利でしょう。
ほかにも、野菜を切るために作られた菜切り包丁や中華料理を作るときに使われる中華包丁などもあり、料理や食材によって使い分けることもできるのです。
まずは三徳包丁とペティナイフがあればOK
包丁には用途に応じてさまざまな種類のものがあり、食材や料理に応じて使い分けるのがベストです。しかし、一般家庭で使用するにあたって、用途別に何種類もそろえるのは難しいものでしょう。
初めて包丁を買うなら、まずはどんな食材でも切れる三徳包丁と小回りが利いて便利なペティナイフの2種類さえあれば十分対応できます。
肉や魚を切ることが多い人は、三徳包丁の代わりに牛刀包丁を選ぶのもおすすめです。牛刀包丁も三徳包丁と同様にどんな食材でも対応できるのでメイン包丁として十分使えます。
自分にあったステンレス包丁を選ぶには
(出典) photo-ac.com
毎日のように使う包丁は、自分にとって使いやすいものを選びたいものです。そのためにも、サイズや重さのほか、持ち手の握りやすさなどをしっかりチェックしましょう。
また、包丁には左利き用、子ども用などもあります。使う人に合わせて最適なものを選びましょう。
サイズや重さをチェック
包丁の刃渡りの長さや重量は使いやすさに影響します。
三徳包丁の場合、長さについては16~18cmが一般的で使いやすいでしょう。大きな肉や魚を切ることが多く、キッチンも広い場合は少し長めの18cm以上のものを選ぶと便利です。
また、キッチンが狭い場合や手の小さい人は刃渡りが15cm以下の小三徳包丁と呼ばれるタイプを選ぶのもよいでしょう。
重量については重すぎず軽すぎない150g程度のものを選ぶのが無難です。200g以上の重いものを選ぶと手が疲れやすく、使いにくく感じるでしょう。
一方、130g以下のあまりに軽いものは安定感に欠け、切りにくいものです。使い心地のよい適当な重さのものを選ぶようにしましょう。
持ち手は握りやすいかをチェック
持ち手の握りやすさも使いやすさに大きく影響します。自分の手になじむ形のものであれば、あまり力を入れなくても食材を切りやすく、使いやすいと感じるはずです。自分にとって握りやすい素材や形を探してみるとよいでしょう。
また、ステンレス包丁の場合、刃の部分と持ち手部分が一体となったオールステンレスタイプと、持ち手部分が木やポリプロピレンなど違う材質でできた分離型タイプがあります。
持ちやすさで選ぶなら分離型がおすすめですが、持ち手と刃の継ぎ目部分に汚れがたまりやすかったり、長く使うとぐらついたりすることがデメリットです。
一方、オールステンレスタイプなら握りやすさでは分離型タイプには劣りますが、継ぎ目のない分汚れがたまりにくく、手入れは簡単に済みます。スタイリッシュでおしゃれに見えるのも魅力でしょう。
包丁選びで失敗しないためにも、できることなら一度握ってみて、使いやすいものを選ぶのがおすすめです。
左利き用や子ども用もある
特に片面にしか刃の付いていない和包丁を選ぶ場合、左利きの人が一般的な右利き用の包丁を使うと切れません。そのため、和包丁には左利きの人用の包丁もあります。
しかし、左利き用の包丁の場合、価格がかなり高くなってしまうのがネックです。和包丁にこだわらないなら、両刃である洋包丁を探すのも一つの方法でしょう。
また、子ども用の包丁も販売されています。子ども用の包丁なら先が尖っていないので大人用の包丁よりもけがをしにくく、持ち手も小さいので子どもでも使いやすいでしょう。
ほとんどの商品で対象年齢も記載されているので、子どもの年齢に合ったものを選べば安全にお手伝いしてもらえます。
食洗機が使えるかもチェック
包丁は基本的に食洗機で洗うのには向きません。鋼製のものだとさびる可能性がありますし、持ち手部分が木やシリコン製だと高温によって割れたり変形したりすることがあるからです。
しかしオールステンレスの包丁なら、さびにも高温にも強いので食洗機が使えるものもあります。
またオールステンレス以外の包丁でも、持ち手部分に耐熱樹脂が使われたステンレス包丁なら食洗機でも洗えるでしょう。パッケージに食洗機対応かどうかの記載があることが多いので、パッケージをよく確認の上、食洗機を使用するようにしましょう。
切れ味がよく使いやすい三徳包丁
(出典) photo-ac.com
メイン包丁として持っておきたい三徳包丁は、切れ味のよさや使い心地を重視して選びたいものです。力を入れなくても食材を気持ちよく切れる包丁なら、いつも以上に料理を楽しめるかもしれません。
ニトリ オールステン 三徳包丁(ダマスカス)
多積層鋼材を使って付けられたという模様が特徴であるダマスカスシリーズの包丁です。古くからさびにくさ、切れ味のよさなどから重宝されてきたダマスカス鋼でステンレスを覆って作られており切りやすいでしょう。
オールステンレスタイプなので汚れがたまりやすい部分もなく、手入れに手間がかかりません。
約160gとしっかりした重さがありますが、持ち手に模様が入っていることですべりにくくもなっており、安定して使えるでしょう。
ニトリ オールステン 三徳包丁(ダマスカス)
貝印 関孫六 わかたけ
独自の刃付け技術を施すことで、切れ味のよさが持続しにくいというステンレスのデメリットを補った包丁です。
さらに『特殊スキ加工』を施すことで、食材の水分によって刃が進みにくくなる吸盤効果を避けることができ、力を入れなくてもスパッと切れるでしょう。
持ち手部分には耐熱性にも耐久性にも優れた樹脂を使用しているので、食洗機で洗うこともできます。
貝印 関孫六 わかたけ
柳宗理 キッチンナイフ
シンプルながら使いやすさを追求したデザインの包丁です。刃渡りは19cm、重さは170gと少々大きめではありますが、長時間使用しても疲れにくいようにバランスを計算して作れています。
刃部分には最高級のステンレスであり、切れ味の鋭さや折れにくさ、さびにくさが特徴のモリブデン・バナジウム鋼が使用されています。
オールステンレスタイプなので清潔を保ちやすく、食洗機に対応しているのも使いやすいポイントです。
柳宗理 キッチンナイフ
1本あると便利!おすすめのペティナイフ
(出典) photo-ac.com
ちょっと果物の皮をむきたいときや、野菜を飾り切りしたいときにあると便利なのがペティナイフです。切れ味が鋭く、握りやすいものなら細かい作業も美しく仕上げられるでしょう。
三星刃物 和 NAGOMI ペティ
刃物の産地である岐阜県関市に本社をかまえ、140年以上の歴史を持つ老舗刃物メーカー、三星刃物のペティナイフです。
刃渡りは155mmと一般的なペティナイフよりは少し大きめに作ってあるので、さまざまな食材を切るのにも使えます。
持ち手部分は天然木を材料としており、丸みのある形状をしているので握りやすいのが特徴です。さらに、刀身を留める部品のリベットを職人の手作業によって磨き消すことで、持ち手部分をさらに握りやすくしています。
手入れも非常に簡単で、月に1~2度新聞紙で研ぐだけで切れ味が長持ちする点も魅力です。
三星刃物 和 NAGOMI ペティ
ミソノ刃物 UX10 ペティサーモン
刃物の産地、岐阜県関市に本社のあるミソノ刃物のペティナイフです。
ミソノ刃物の登録商標でもある『UX10』はEU製の高純度ピュアステンレス鋼を使用し、ミソノ刃物の伝統技術と新しい技術を融合して作った最高峰のステンレスシリーズになっています。
その切れ味は鋼製に劣らず、プロの調理師が目指す理想の切れ味に限りなく近づけるように作られており、食材をスパッと切ることができるでしょう。持ち手部分も品質の高い黒強化木製で、手にフィットしやすく握りやすくなっています。
ミソノ刃物 UX10 ペティサーモン
包丁工房タダフサ 万能125mmペティ HK-3
ボディ部分はステンレス鋼、刃の部分はSLD鋼を採用しており、さびにくい上に切れ味のよいペティナイフです。
刃渡りは12.1cmと小さめで、果物の皮むきや野菜の飾り切りはもちろん、手の小さな人はメイン包丁として使用するのもよいでしょう。持ち手は抗菌炭化木が使用されており、握りやすいのも魅力です。
刃部分に使用されているSLD鋼の切れ味を長持ちさせるために、使用後はお湯で汚れを洗い落とした後、十分に水気を拭き取って保管するようにしましょう。
包丁工房タダフサ 万能125mmペティ HK-3
長く使える高級なステンレス包丁
(出典) photo-ac.com
同じ買うなら長く使える三徳包丁を選んでおくのもおすすめです。グレードの高い包丁なら鋼素材に劣らない切れ味を持ちながら、さびにくく手入れも楽なので重宝するでしょう。
TOJIRO PRO DPコバルト合金鋼割込 三徳 170mm
芯材に硬さ、切れ味、耐摩耗性に優れたコバルト合金鋼、側材に13クロームステンレス鋼を複合することで、業務用並みの切れやすさと手入れの手軽さを実現した包丁です。
持ち手部分にはトルネード模様が刻まれており、水や油の付いた手で握ってもすべりにくいでしょう。
オールステンレスタイプなので手入れに気を使わなくても清潔に使えるのも魅力です。
TOJIRO PRO DPコバルト合金鋼割込 三徳 170mm
ツヴィリング ツイン プロ HB三徳包丁 180 mm 30647-180-0
ドイツの刃物メーカーツヴィリングの三徳包丁です。業務用品ではありますが、刃渡りは18cmでベーシックな設計になっているので誰でも使いやすいでしょう。
素材には独自に配合したスペシャルフォーミュラスチールを採用し、さびにくく切れ味のよさも持続しやすくなっています。
重量は280gと重めですが、持ち手部分が人間工学に基づいてデザインされたエルゴノミック設計になっているので、長く握っていても疲れにくいでしょう。
ツヴィリング ツイン プロ HB三徳包丁 180 mm 30647-180-0
吉田金属工業 GLOBAL グローバル 三徳 刃渡り 18cm G-46
素材には手術用のメスと同じ硬化ステンレスを採用している上、焼き入れ・急冷・焼き戻しをすることでさらに鋭い切れ味を実現した三徳包丁です。
オールステンレスタイプなので頑張って手入れをしなくても、衛生的に使い続けられるでしょう。
持ち手部分のおしゃれなドット柄も特徴で、これまでにグッドデザイン賞など数々のデザイン賞を受賞した包丁です。
吉田金属工業 GLOBAL グローバル 三徳 刃渡り 18cm G-46
ステンレス包丁で快適に料理をしよう
(出典) photo-ac.com
ステンレス包丁の魅力はさびにくく刃こぼれしにくいので、頑張って手入れをする必要がないことです。切れ味を維持できるように工夫された商品も多く、ストレスなく食材を切れます。
長さや重さ、持ち手の握りやすさをチェックしながら選ぶことで、より自分にぴったりのステンレス包丁が見つかるはずです。
ぜひお気に入りのステンレス包丁を見つけて、もっと快適に料理を楽しみましょう。