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リフォームしたら確定申告が必要?必要なケースや申請方法をFPがポイント解説

この人に聞きました大野翠

芙蓉宅建FPオフィス代表。金融業界歴10年目(2020年現在)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

確定申告とは?

 確定申告とは、一般的には自営業者などが自分の所得を正しく申告することです。これ以外にも、払いすぎた税金の還付を受ける目的や、医療費控除の申請をする際にも確定申告を行います。

確定申告のポイント「所得控除」

主な所得控除

  • 基礎控除
  • 医療費控除
  • 配偶者控除・配偶者特別項控除
  • 扶養控除
  • 寡婦控除
  • 生命保険料控除・地震保険料控除
  • 寄付金控除(いわゆるふるさと納税)

税額控除とは?

控除の種類には、所得控除のほかに税額控除もあります。所得から所得控除を差し引いた後、残った金額に所定の税率を掛けます。そこで算出された税額から直接控除するものを「税額控除」といいます。主な税額控除は以下の通りです。

税額控除の例

  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税・住宅ローン控除)
  • 住宅耐震改修特別控除
  • 住宅特定改修特別税額控除
  • 認定住宅新築等特別税額控除
  • 政党等寄附金特別控除

確定申告の期限・提出先

確定申告の対象期間は、1月1日から12月31日までです。この期間に発生した所得などを翌年2月16日から3月15日の間に申告します。ただし、2020年(令和2年)および2021年(令和3年)に実施された確定申告に関しては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で提出期限が延長されました。提出先は納税義務者の居住地を管轄する税務署です。

会社員の確定申告について

会社員や公務員などの給与所得者では、毎年勤務先がまとめて年末調整をしてくれることで確定申告をしなくて良いことになっています。そのため、給与所得者が確定申告をする機会はあまりないかもしれません。会社員でも確定申告が必要となる代表例は以下の通りです。

会社員等で確定申告が必要な例

  • 住宅購入後最初の住宅ローン控除の適用を受ける場合
  • 医療費控除の適用を受ける場合
  • 副収入が年間20万円を超える場合
  • 給与が2,000万円を超えた場合
  • 転職や退職で会社に所属しなくなった場合
  • ふるさと納税を年間で6自治体以上に行った場合

リフォームしたら確定申告が必要?

自宅を新たに購入した場合は、前述した「住宅ローン控除」の対象になることから確定申告が必要になることは広く知られています。実は、自宅をリフォームをした場合でも「住宅ローン控除」の対象となる場合があるのです。

リフォーム後の確定申告は義務ではない

リフォーム後の確定申告は、義務ではありません。しかし、リフォームをすることで税制面の優遇を受けられるような場合には、多少手間がかかっても確定申告をした方がメリットが大きいのです。この後の項目では、確定申告をした方が良いケースについて解説していきます。

 

リフォーム時に受けられる税制優遇措置とは?

自宅のリフォームをした場合、一定の基準を満たし各種減税制度などの優遇を受けられる場合があります。リフォーム時に優遇される税制面のメリットは以下の通りです。

リフォームで受けられる税制面のメリット

  • 住宅ローン減税(所得税軽減)
  • 投資型減税(所得税軽減)
  • ローン型減税(所得税減税)
  • 固定資産税の軽減
  • リフォーム資金に対する贈与税の非課税制度(住宅購入等資金)

住宅ローン減税(所得税軽減)

住宅ローン減税は、新築住宅の購入で適用される減税ですが実は、リフォームでも要件を満たせば適用される場合があります。住宅ローン減税は、10年(あるいは13年)に渡り、毎年末の住宅ローン残高の1%相当分を所得から控除する仕組みです。この他の減税制度に比べて適用期間が長く、期間中の最大控除額が400万円に及ぶことから税制面のメリットはかなり大きいと言えます。住宅ローン減税が適用になる要件は以下の通りです。

住宅ローン減税・適用要件

  • 10年以上のリフォームローンを契約していること
  • 増築・省エネ・バリアフリー化など所定のリフォーム工事が対象
  • リフォーム費用が100万円を超えること
  • リフォーム工事完了後6カ月以内に控除を受ける本人が入居すること
  • リフォーム後の床面積が50㎡以上であること

投資型減税(所得税軽減)

投資型減税は対象となるケースが多く、利用しやすい減税制度です。住宅のリフォームに際し、ローンを組むことが前提条件ではないため現金で支払ったリフォーム費用でも対象となります。投資型減税は、リフォームが完了した翌年分の税軽減です。控除額は、リフォームの内容に応じて最大控除額が定められており、その控除額を上限としてリフォーム工事費の10%までとされています。また、投資型減税のリフォーム控除額は併用できる場合もあります。

投資型減税・リフォーム別最大控除額

  • バリアフリーリフォーム(20万円)
  • 耐震・省エネ・同居対応(各25万円)

ローン型減税(所得税軽減)

ローン型減税は、住宅ローン減税と名称が似ており間違いやすい制度です。しかし、このふたつは対象となる要件がまったく違います。ローン型減税は、返済期間が5年以上のリフォームローンを契約した人が対象となります。適用期間は5年間で、年末時点のローン残高の1~2%が控除額となります。年間の控除上限額は12.5万円で、5年間の合計控除額の上限は62.5万円です。

リフォーム資金に対する贈与税非課税制度

リフォーム時の贈与税非課税制度は、両親や祖父母など直系尊属から受ける一定金額までの住宅取得等資金が該当します。住宅取得等資金の非課税制度では、新築住宅の購入資金だけでなくリフォーム費用も対象となる場合があります。リフォーム費用が100万円以上であることなど、この非課税制度を適用するためのいくつかの要件があります。これらを満たし、贈与された翌年に確定申告を行うことで非課税措置の対象となるのです。

固定資産税の軽減

上記3つの減税制度は所得税軽減の目的でしたが、このほかにも固定資産税の軽減になる制度もあります。固定資産税の軽減に関する手続きや相談は、土地や建物の存在する地域の自治体が窓口です。

リフォームによる固定資産税減税制度

  • 耐震リフォーム
  • バリアフリーリフォーム
  • 省エネリフォーム

耐震リフォーム

耐震リフォームでは、工事費用が50万円を超えていること等の要件を満たした場合、翌年分の固定資産税が半分に軽減されます。

バリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームでは、賃貸ではなく自己の居住用の建物をリフォームする場合に対象となります。この他、65歳以上の人や障害のある人、要介護や要支援の認定を受けている人が同居していることなどの要件を満たすと、翌年の固定資産税が1/3に軽減されます。

省エネリフォーム

省エネリフォームは、平成20年1月1日以降に建てられた自己の居住用建物で、省エネ改修工事の要件を満たしていることなどが対象となる要件です。また、補助金等を除いた実際のリフォーム費用が50万円を超えていることなども必要な条件となります。これらを満たした場合、翌年の固定資産税が1/3になります。

減税制度の併用について

これらの減税制度は、ひとつだけでなく複数の組み合わせで併用できるものがあります。基本的に、所得税の3つの減税と固定資産税の軽減は併用可能です。注意したいのは、所得税の3つの減税のうちの「耐震」「省エネ」「バリアフリー」「同居対応」などの組み合わせによって、併用可能なものとそうでないものにわかれる点です。リフォームの内容が複数の項目に渡る場合は、併用できない項目が含まれていないかリフォーム業者と事前に相談しておくことをおすすめします。

所得税減税・併用一覧

投資型・耐震

投資型・バリアフリー

投資型・省エネ

投資型・同居対応

投資型・長期優良住宅化

ローン型・バリアフリー

ローン型・省エネ

ローン型・同居対応

ローン型・長期優良住宅化

住宅ローン減税

投資型・耐震

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投資型・バリアフリー

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投資型・省エネ

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投資型・同居対応

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投資型・長期優良住宅化

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ローン型・バリアフリー

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ローン型・省エネ

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ローン型・同居対応

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ローン型・長期優良住宅化

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住宅ローン減税

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リフォーム時に確定申告が必要なケース

ここまでに紹介してきたリフォームをすることで受けられる税制優遇措置の中で、確定申告が必要となるケースは以下の通りです。

リフォーム時に確定申告が必要なケース

  • 住宅ローン減税の適用を受ける場合
  • 投資型減税の適用を受ける場合
  • ローン型減税の適用を受ける場合
  • 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の適用を受ける場合

いつ・どこで・だれが確定申告をするのか

リフォーム後に実際に確定申告の手続きをするのは、減税措置などを受けようとする住宅の所有者になります。リフォーム完了後、実際に居住を開始した日の翌年の2月16日から3月15日の間に税務署または確定申告会場で行うのです。近年は会場に出向かなくても、郵送やe-Taxを用いてオンラインで完結する方法も推奨されています。

リフォーム時の確定申告に必要な書類

確定申告をする際には、さまざまな書類をそろえる必要があります。適用する制度によっても違いますが、基本的に必要となる書類は以下の通りです。

リフォーム後の確定申告・必要書類

  • 確定申告書(税務署でもらえる)
  • 建物登記事項証明書の原本(法務局で請求)
  • 増改築等工事証明書(リフォーム業者に依頼)
  • 本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)
  • 会社員の場合は源泉徴収票

増改築等工事証明書とは

増改築等工事証明書とは、建築確認が必要とならない規模のリフォームを行った際の証明書です。建築確認が必要な大規模リフォームであれば、建築確認自体がリフォーム実施の証明となります。しかし、小規模なリフォームなどではリフォーム実施の証明がありません。そこで、建築士や指定確認検査機関などのプロに依頼し、リフォームの概要について工事の証明をするのが増改築等工事証明書です。リフォーム業者が無料で発行してくれることが多いですが、独自で作成ができない場合などは外部に委託することになり、その際は数万円程度の費用が発生することもあります。

個別で必要となる書類

この他、適用する税制措置によって追加で必要となる書類は以下の通りです。実際に何が必要となるかは事前にリフォーム業者へ尋ねておき、確定申告の時期に急いで書類を集めることが無いよう準備しておくことをおすすめします。

個別で必要となる書類の例

  • 住宅の工事請負契約書
  • 増改築等にかかるローンの年末残高証明書
  • 介護保険の被保険者証
  • 長期優良住宅建築等計画の認定通知書
  • 住宅耐震改修証明書
  • 住宅耐震改修特別控除額・住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
  • 特定借入金等特別控除額の計算明細書

確定申告をしたらどうなる?

リフォーム後、書類もそろえて確定申告を無事に済ませたら、次は還付金の振り込みを待つだけです。確定申告書には、還付金の振込先を記入する欄があります。指定した振込先に、確定申告を済ませてからおおむね1から2ヶ月までの間に還付金が振り込まれます。還付金がなく、税負担の軽減のみが対象となる確定申告を済ませた場合、その年の住民税から減額されます。

リフォーム後の確定申告を忘れていた場合

冒頭の確定申告の解説の箇所内に「医療費控除の還付申告は5年以内ならさかのぼって可能である」と紹介しました。実は、リフォーム後の減税制度にかかる手続きのうち「住宅ローン減税」など還付申告に該当するものに関しては5年以内の手続きをいつでも行うことが可能です。ただし、1年ごとに確定申告書を作成することになり、かなりの労力を使うことになります。しかし、少々手間がかかっても確実にお金が戻ってくる作業ですので、万が一確定申告をわすれてしまった場合でもさかのぼって申告しましょう。

不明点はリフォーム業者に相談しよう

リフォーム後に行う確定申告に関して、不明点や必要書類に関する相談は担当のリフォーム業者に行うと良いでしょう。前述した確定申告の必要書類である「増改築等工事証明書」は、リフォーム業者など建築士事務所に属する建築士等が発行できます。また国土交通省のHPよりダウンロードできます。。知識や経験も豊富なため、不明点は専門知識を持ったリフォーム業者に尋ねるのがベストといえます。 もし確定申告をし忘れた場合、早急にさかのぼって確定申告をする必要がありますので、一度リフォーム業者に相談し解決のサポートを依頼してみましょう。

まとめ

毎年確定申告が必要な自営業者でも、確定申告の時期になるとバタバタするものです。会社員の人では、確定申告の経験が無く不安に感じる人も少なくないでしょう。しかし、リフォーム実施後に適用となる減税制度を利用し、確定申告をすることでメリットを得られます。そもそも適用となるかどうかも含めて、担当のリフォーム業者にあらかじめ相談し、確定申告に必要な書類も早めに準備しておくなど備えておきましょう。万が一期間内に確定申告が間に合わない場合でも、住宅ローン減税など還付申告では5年前までさかのぼって申告可能になります。確実に戻ってくるお金は貴重です。あきらめずにチャレンジしてみましょう。 

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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