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【FPが解説】年収ごとに覚えておきたい住宅ローンの減税額とポイントや方法

この人に聞きましたもろふし ゆうこ

FP技能士2級、証券外務員会員一種 大手証券会社、銀行の個人営業職を経験した後、26歳で独立系ファイナンシャルプランナーとして独立。個人を対象にした相談業務やセミナー・講演会の講師業、各種メディア出演を通じてライフプランやマネープランに関する情報提供を行ってきた。現在はFPの知識を活かした執筆活動を中心に活動している。

住宅ローン減税は年収と住宅ローン残高によって受けられる税額控除額に差が出ます。そのためボーナスの繰り上げ返済時期など、減税効果を最大限活かす工夫が必要です。本記事では住宅ローン減税の仕組みと年収別の控除額、住宅ローン減税を活用するためのポイントについて解説します(2021年10月現在)。

住宅ローン減税の仕組みと要件を解説

住宅ローン減税とは、条件を満たす新築住宅や中古住宅の購入、住宅の増築リフォームのために組まれた住宅ローンを対象にした減税制度です。住宅ローン返済時の金利負担を軽くすることを目的としています。

住宅ローン減税の概要

住宅ローンを借り入れて住宅を購入すると、年末の住宅ローン残高または住宅取得対価のいずれか少ない金額の1%分を最大13年間、所得税から控除できます。これが住宅ローン減税の大きな魅力です。

まずは減税を受けられる条件や1年あたりの控除限度額についてみていきましょう。

住宅ローン減税の対象

住宅ローン減税の対象になるもの

  • 新築住宅購入(注文・建売・マンション)
  • 中古住宅購入(戸建て・マンション)
  • 増改築・リフォーム(省エネ住宅やバリアフリー住宅への改修も含む)
  • 上記に係る土地購入(土地購入のみの場合は対象外)

新築・中古の住宅購入だけでなく、増改築やリフォームも住宅ローン減税の対象になります。ただしリフォームは、100万円以上の工事費がかかることが条件となっています。また、土地については、土地単体での購入は住宅ローン控除の対象にはなりません。

住宅ローン減税が適用される要件

上記に加えて、住宅ローン減税には以下の要件があります。

  • 減税を受ける人自身が居住する住宅であること
  • 住宅ローンを借り入れる期間が10年以上であること
  • 借り入れる年の収入として合計所得金額が3,000万円以下であること

中古住宅の場合は、築年数が一定年数以下または耐震性能があるものに限られています。耐火建築物か否かで築年数の基準が決まり、木造などは築20年以内、鉄筋コンクリートなどは築25年以内となっています。

また、住宅ローン減税の対象となる建物として、床面積は40平米以上あることと定められています。ただ、40平米以上あっても、50平米未満の場合は1,000万円の所得制限が設けられているので注意が必要です。なおこの要件は2021年度のみ適用される予定です。

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住宅ローン減税のメリット

税額控除とは、確定申告時に所得税から一定の金額を控除することです。たとえば会社員の場合、基礎控除や社会保険料控除などが給与から差し引かれ、最終的な所得税額が決まります。住宅ローン減税も、所得税から控除される税額控除の一種です。

住宅の種類に応じて税額控除の限度額が決まる

住宅ローン減税では新築・未使用物件の場合、税額控除の限度額は1年あたり最大40万円です。認定住宅(国が定める基準に適合した長期優良住宅・低炭素住宅)の控除限度額は最大50万円となっています。

なお中古物件(消費税が非課税のもの)では、年間最大20万円の控除限度額となります。住宅ローン減税はもともと、消費税が5%から8%、10%に上がる際に増税分に応じた条件の見直しを行っています。消費税がかからない中古物件においては税額控除額が低くなっています。

住宅ローン残高の1%を税額控除

住宅ローンの年末残高の1%が税額控除額になります。ただし、住宅ローン減税には年間40万円(認定住宅は50万円)の控除限度額があり、控除額を算出するのは確定申告のときです。

例)新築・一般住宅に住むAさんの場合→控除限度額は40万円 ●1年目:年末の住宅ローン残高4,500万円、所得税50万円 住宅ローン減税額:4,500万円×1%=45万円となるが、限度額40万円が控除額となる 所得税額:50万円ー40万円=10万円 ●4年目:年末の住宅ローン残高3,900万円、所得税50万円 住宅ローン減税額:3,900万円×1%=39万円が控除額となる 所得税額:50万円ー39万円=11万円

1年目

  • 年末の住宅ローン残高:4,500万円、所得税50万円
  • 住宅ローン減税額:4,500万円×1%=45万円となるが、限度額40万円が控除額となる
  • 所得税額:50万円ー40万円=10万円

4年目

  • 年末の住宅ローン残高:3,900万円、所得税50万円
  • 住宅ローン減税額:3,900万円×1%=39万円が控除額となる
  • 所得税額:50万円ー39万円=11万円

【年収別】住宅ローン減税で受けられる税額控除シミュレーション

ここまでご紹介した条件を踏まえて、年収別に税額控除を最大いくら受けられるのか試算してみましょう。30歳の会社員が住宅ローンを35年・固定金利で借り入れた場合のシミュレーションです。

年収別住宅ローン減税の税額控除シミュレーション 前提条件

住宅取得時の消費税率

10%

所有権

1人で所有

契約の種類

不動産売買契約(一般分譲住宅)

扶養家族

1人(会社員・専業主婦・16歳以下の子供2人)

住宅ローン年利(※)

1.560%

住宅ローン借入期間

35年

ボーナスでの繰り上げ返済

なし

※フラット35の金利水準を元に設定(固定金利)

2021年12月以降に契約・入居する場合

年収別 住宅ローン減税 税額控除総額シミュレーション(10年間)

3,000万円を借入

4,000万円を借入

5,000万円を借入

年収300万円

103.2万円

103.2万円

103.2万円

年収400万円

180万円

180万円

180万円

年収500万円

254.6万円

259万円

259万円

年収600万円

268.9万円

327.4万円

329万円

年収700万円

268.9万円

358.5万円

399.5万円

年収800万円

268.9万円

358.5万円

399.5万円

年収900万円

268.9万円

358.5万円

399.5万円

年収1,000万円

268.9万円

358.5万円

399.5万円

※100円以下は四捨五入。

※国土交通省「すまい給付金シミュレーション」にて試算

年収が多いほど税額控除額が増える理由

試算を見てみると、たとえば同じ3,000万円の借入でも年収が多い方が税金の控除額は高くなっています。これは所得税の金額と関係しています。

年収が多ければ、所得税として引かれる税金額も高くなります。住宅ローン減税では所得税として支払うはずだった税金のうち年間最大40万円(認定住宅は50万円)を控除するものです。したがって、年収に比例して税額控除額も上がります。

年収700万円以降は大差なし

税額控除は1年あたり最大40万円(認定住宅は50万円)が限度額となっているため、ある一定の住宅ローン借入額・年収になるとそれ以上は控除額が同じ金額になります。目安として、年収700万円以上になると税額控除を最大限活かせる計算になります。

一方、年収600万円以下の場合、年間の控除額に限度額があるため住宅ローン減税の控除分を最大限活かすことが難しくなります。所得税から住宅ローン減税分を差し引いても、控除額に余りが生じてしまうためです。とはいえ税金の負担が軽減されるメリット自体は存在します。

住宅ローン返済期間に年収が変われば税額控除額も変わる

住宅ローン減税を受けている間に年収が変わった場合、所得税額も変わるため、住宅ローン減税による税額控除額も変わります。たとえば年収500万円から700万円に増えれば税額控除額も増えます。逆に年収700万円から500万円に減れば税額控除額も減ります。

よくある疑問と解決方法

住宅購入者にとって住宅ローン減税は心強い制度です。ただ、適用される条件や限度額、税金の控除方法などが細かく設定されています。その中で特に多い疑問点についてピックアップしてみました。

Q.確定申告時、所得税から税額控除しきれない時はどうなるの?

「住宅ローン×1%」の住宅ローン減税額が所得税の金額よりも大きい場合の控除方法があります。所得税は0円、控除しきれない金額分を住民税から控除します。

例:一般注文住宅を購入、所得税が35万円・住宅ローン残高4,000万円のBさん

1年あたりの住宅ローン減税額は40万円になります。しかし、Bさんの所得税額は35万円ですので、35万円ー40万円=5万円が控除しきれません。この5万円は住民税から控除されることになります。

住民税の税額控除には限度額がある

ただし、住民税の税額控除には限度額が定められています。住宅ローン減税における住民税控除額は1年あたり13.65万円です。この額を住民税から差し引いても住宅ローン減税控除額が余る場合、以降の控除額は無効になります。

Q.消費税率によっては住宅ローン減税の対象外になるの?

中古物件を購入する際、個人間での売買では消費税がかからないケースがほとんどです。その場合でも住宅ローン減税の対象となりますが、控除限度額は1年あたり最大20万円となります。40万円ではないので注意が必要です。

例:消費税率ゼロの中古物件を購入、所得税額40万円・住宅ローン残高2,500万円のCさん

単純計算すると1年あたりの住宅ローン控除額は2,500万円×1%=25万円となりますが、消費税率ゼロの中古物件については限度額が20万円となっています。そのため所得税40万円ー住宅ローン減税限度額20万円=20万円がCさんが支払う所得税額となります。

住宅ローン減税の上手な活用方法と確定申告のコツ

ここからは、住宅ローン減税の特徴を活かす方法と確定申告の進め方についてご紹介します。

税額控除を最大限活かす方法とは?

ポイントは「契約時期」と「ボーナスなどの繰り上げ返済方法」です。

入居時期から逆算して計画を立てる

住宅ローン減税の控除期間を最大限使いたいという方は、先ほどご紹介した期限までの契約を目指しましょう。マンション・注文住宅は2021年11月末が13年控除の対象となるための契約期限となっています。

ボーナスなどの繰り上げ返済タイミングに気を付ける

住宅ローンを少しでも早く返済したい、利息の支払いを最小限に抑えたい、という想いからボーナスでの繰り上げ返済を検討している方もいらっしゃることでしょう。住宅ローン減税の効果を高めるためには、繰り上げ返済の時期・方法に工夫が必要です。

住宅ローンの借入残高の1%分を控除する、というのが住宅ローン減税の仕組みです。つまり住宅ローン減税を受けている期間中は、住宅ローン残高を残しておいた方が減税効果を最大限受けられることになります。

ボーナスなどは銀行口座に貯めておいて、住宅ローン減税が終了した翌月にまとめて繰り上げ返済するというのが最も効果的な方法です。

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住宅ローン減税を受けるために確定申告をしよう

実際に住宅ローン減税を受けるためには、自分で確定申告をすることが必要です。

住宅ローン減税1年目の確定申告方法

住宅を購入した翌年の1月から3月15日の間に確定申告を行います。手続き終了後、1〜2ヶ月で還付金が指定した銀行口座に振り込まれます。

確定申告時に提出する書類については、国税庁のホームページでも確認・印刷できます。最寄りの税務署はもちろん、インターネットでの確定申告も可能です。確定申告書類を作成する際には年収や住宅購入額、ローン残高などの情報が必要です。

参照:国税庁「マイホームの取得や増改築などしたとき」

住宅ローン減税2年目以降の確定申告方法

給与所得を受けている会社員などの場合、2年目以降は勤務先での年末調整により手続きを完了できます。自営業者・フリーランスの場合は引き続き、確定申告時に必要書類を添付し税務署に提出します。

まとめ

家を購入する時はとても大きなお金が動きます。そのため、住宅ローン減税で得られるメリットは非常にあるといえます。住居の契約時期や繰り上げ返済方法、年収額(所得税額)、確定申告について留意しながら、住宅ローン減税の仕組みを活かせる方法を検討してみましょう。 

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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