【2022年最新版】リフォームするならまず知りたい補助金や制度対象を知って賢く申請しよう

この人に聞きました夏目あやこ

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住宅のリフォーム工事の際、補助金をもらえる制度や減税制度があるのをご存じですか。お得な制度なら申請してみたい、でもどんな工事が対象なのか?ここではリフォーム工事に関する補助金の内容、制度の対象となる工事の内容についてご説明します。(2022年6月時点での情報になります。)

リフォームに関する補助金とは

リフォームをする際には補助金がもらえたり、減税制度などがあります。せっかくなら補助金や減税を正しく知って、利用をした上でリフォームしたいですよね。

本記事ではリフォームに関する補助金や助成金について、申請方法や制度の対象工事を紹介していきます。

 

リフォーム補助金や優遇制度の種類

住宅のリフォーム工事で請けられる優遇制度には大きく分けて、補助金をもらえる制度と所得税や固定資産税減税など税制優遇を受けられる制度の2つがあります。

国が設けている制度、各自治体が設けている制度でさまざまな内容があり、対象の工事もさまざまですが、ここでは国が推進する代表的な補助金制度と減税制度について説明していきましょう。

 

主に国が実施するリフォームに関する補助金

補助金を受けられる対象の工事内容として、代表的なものはバリアフリー・介護リフォーム、省エネリフォーム、耐震リフォーム、長期的な住宅へのリフォームなどがあります。


介護保険を使った補助金

介護しやすい環境つくりを目的としたリフォーム内容です。要支援または要介護者と自治体から認定された方の住宅の工事に対して介護保険から補助金が支払われます。

 

補助金を受けられる条件や申請時期など

対象工事の金額は20万円までで、そのうちの7~9割(最大18万円)の補助金が支払われます。申請時期は随時で、自治体のケアマネジャーに理由書を記入してもらう必要があります。

受給要件は、要支援1~2,要介護1~5と自治体から認定を受けた方の住居であること、介護保険認定証の住所と同一であること、福祉施設への入居や入院をしていないことなどです。

 

対象となるリフォーム工事内容

対象となるリフォーム工事は、主に手すりの取り付け、段差の解消、床材・通路面の材料変更、引き戸などへの扉の取替、洋式便器などへの便器の取替となります。これら5つの工事に付随する壁・床補修といった改修工事も該当範囲です。

手すり設置などの簡易な工事であれば数万円からが費用相場です。18万円までの補助金があればさまざまな工事ができますので、介護保険の補助金制度も検討してみましょう。

 

省エネ・断熱性能にかかわる補助金

住宅の断熱性能をあげ、省エネを促進するための国の支援事業です。断熱材とは、熱をなるべく伝えにくくするものです。築年数の古い住宅にはこの断熱材が入っていないことが多く、冷房や暖房をつけても外へ暖気や冷気が逃げることでエネルギーが無駄になってしまいます。

リフォーム工事を行うことで住宅の断熱性能を向上させ国全体の省エネルギー化を推進するために積極的に支援制度が設けられています。断熱や省エネに特化した補助金2種類を紹介します。

 

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

断熱性能をあげて省エネを図る事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、戸建て住宅や集合住宅で、高性能な断熱材や断熱窓、断熱用ガラスを使用したリフォームを行うことで国から補助金を受けられる制度です。

戸建て住宅の場合は、家庭用蓄熱システム(エコキュートなど)や家庭用蓄熱設備の設置工事なども対象になります。

 

補助金の金額と申請時期

補助金の金額は戸建て住宅で120万円/戸、マンションで15万円/戸が上限です。それぞれ対象工事費用の3分の1以内と決まっています。戸建て住宅の場合は家庭用蓄熱システムなどは別途20万円、家庭用蓄熱設備では5万円の追加補助があります。(指定の機器に限る)

申請は所有者、または所有予定者です。予め公募期間がありますので申請前には必ず確認しましょう。

 

次世代省エネ建材実証支援事業

次世代省エネ建材実証支援事業では、2つの方法で国の補助金適用が可能です。1つ目は外壁側から断熱材を貼る外張り断熱工法により、家全体を断熱リフォームする「外張り断熱」という方法です。窓もすべて断熱工事を行い、家全体をまるごと断熱することで省エネ住宅にリフォームします。

2つ目は、断熱パネルや潜熱蓄熱建材とよばれる次世代材料で内側からリフォームを行う「内張り断熱」という方法です。リビングだけ断熱したいといった部分的なリフォームに向いています。

 

補助金の金額と申請時期

補助金の金額は、外張り断熱だと戸建住宅のみ利用でき300万円/戸が上限です。内張り断熱は戸建、マンションどちらも利用することができ戸建住宅は200万円/戸、マンションは125万円/戸が上限になります。それぞれ対象費用の2分の1以内と決まっています。

こちらも申請は予め公募期間がありますので申請を検討する場合は早めに確認しましょう。工事は補助金支給決定後に着工することが条件です。

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業

住宅を長く大事に使うためのリフォーム

住宅を長く大切に使うためのリフォームについて国が補助金を支給する制度です。地震に強い、断熱性能が高い、耐久性がある住宅は長く使うことができ、省エネにも繋がります。

国から補助金を受給するためには、リフォーム後に長期優良住宅に準ずる基準(省エネ・耐震・劣化)を満たすこと、インスペクション(有資格者による建物調査)を行うこと、リフォーム履歴・維持保全計画書を作成する必要があります。

補助金のタイプは、金額の小さい順から①評価基準型(100万円)②認定長期優良住宅型(200万円)③高度省エネルギー型(250万円)の3種類あります。

このほか、三世代同居のためのリフォームや(キッチンや風呂の増設など)若者や子育て世代もしくは既存住宅の購入者がリフォーム工事をする場合、さらに最大50万円/戸の補助金が追加されます。

 

補助金のタイプ

評価基準型は、長期優良住宅の条件には満たないものの、性能向上リフォームを行い一定の評価基準を満たした住宅です。インスペクションで指摘された劣化個所などをリフォームし、一定の断熱性能、耐震性能等を確保します。

認定長期優良住宅型は、劣化対策・耐震性能・省エネ性・維持管理において評価基準よりさらに上の認定基準を満たした高性能な住宅を目指します。

高度省エネルギー型は、認定長期優良型の性能に加え、さらに省エネルギー化を図った光熱費がかからない住宅を目指す住宅です。

 

対象となる工事内容や申請時期など

対象となるのは、性能向上リフォーム工事、子育て世帯向け改修工事、三世代同居対応改修工事 、自然災害に対する性能向上リフォーム工事、インスペクション実施の費用です。

申請は通年タイプと事前採択タイプ(予め公募期間を設けるタイプ)があります。2022年の通年申請タイプの事業者登録の受付期間は4月8日から11月30日、2022年の事前採択タイプは公募期間が4月8日から5月27日です。申請はリフォーム事業者が行いますが、申請を検討する場合は時期等を事前に調べておきましょう。

 

戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化支援事業

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH、通称ゼッチ)とは、作ったエネルギーと消費するエネルギーがおおむねゼロになる住宅という意味で、国が推進している省エネ住宅のひとつです。ZEHにはこれより高性能住宅のZEH+(ゼッチプラス)や次世代ZEH+も存在します。より省エネ効果が高い機器などを設置することなどが条件です。

暖房・冷房・給湯などはなるべくエネルギーを抑える設備を使い、太陽光パネルなどでエネルギーを創り出すことができる住宅です。この制度はZEHへリフォームする際に補助金を受給できる制度になります。

リフォーム工事によりZEHロードマップにおける「ZEHの定義」に適合する住宅にすると、60万円の補助金が受けられます。(ZEHロードマップとは国が示すZEH普及のための目達達成への課題や定義を記したもの。その中にZEHの定義(ZEH住宅の評価基準)がある。)

 

施工業者の指定と申請時期

工事は「ZEHビルダー・プランナー」に登録されている施工業者に設計改修してもらう必要があります。

申請は事前採択タイプで、申請者はを対象住宅の所有者、または所有予定者です。一次公募から三次公募まであります。公募期間をよく確認して申請しましょう。

 

グリーン住宅エコポイント事業

 2021年にはじまったこのグリーン住宅エコポイント事業は、感染症で落ち込んだ経済の回復を図るために創設された補助金制度です。厳密にいえば補助金ではなくポイントが発行され、家電や日用品、食品など様々な品物と交換できる制度です。

2020年12月15日~2021年10月30日までにリフォーム請負契約を締結し、指定の省エネ・断熱工事を行うことが要件です。耐震・省エネ・断熱等の工事内容に応じてポイントが発行されます。この際の申請は所有者本人から行うことができます。

最低5万ポイントから申請が可能で、最大30万ポイントまで。若者・子育て世代では45~60万ポイントまで上限が引き上げられます。

2022年4月11日時点でグリーン住宅エコポイント事業を利用していて、本来の完了報告が2022年5月31日までだった人を対象に申請期間が延長されています。延長後の完了報告の期限は8月31日までです。この背景として、資材や設備の供給遅延や労務の遅れ等の影響により、期限までの完了報告が難しい場合があることが挙げられています。なお、今回の延長措置について、他の完了報告の提出期限に変更はありません。


各自治体が用意するリフォーム補助金

自治体独自の補助金制度は多数ある

各自治体が実施しているリフォーム補助金や支援制度もさまざまあります。自分の住む地域でどんな補助金制度が実施されているかは以下のサイトで検索することができます。

地方公共団体が実施している住宅リフォーム支援事業について検索できる一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のサイトはこちら。

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和3年度版)

また、補助金や支援の制度によっては、国の補助金制度と一緒に使えるものもあります。お住まいの自治体の対象工事を検索してみましょう。

 

リフォーム工事に対する税制優遇制度

リフォーム工事の際は補助金制度のほか、税金の減額やローンでの優遇制度があります。補助金と同様にバリアフリーや省エネ、耐震リフォームは優遇されやすくなりますが、住宅ローン・リフォームローンの有無でも異なるため、解説していきましょう。

 

所得税の減税制度

一定の工事内容を満たすと、所得税を減税できる制度です。住宅ローン、リフォームローン、ローンの有無にかかわらない3タイプがあります。

 

住宅ローン減税

住宅借入金等特別控除といわれるもので通常のリフォームではあまりありませんが、大規模なリフォーム(工事金額約500万円~)などで住宅ローンを組むことで利用が可能です。返済期間が10年以上の住宅ローン契約を結んだリフォームをする場合で、各種補助金を差し引いた実際の工事費用が100万円を超える場合などに適用されます。また住宅ローン減税は、2022年より控除率が従前の1%から0.7%へ引き下げになりました。あわせて、これまでは控除対象の借入限度額が4,000万円でしたが、2022年の改正により省エネ性能の高い認定住宅等で3,000万円、その他一般住宅で2,000万円に変更されました。

 

リフォームローン減税

リフォームローン減税は特定増改築等住宅借入金等特別控除といい、ローン期間5年以上が要件です。また、リフォーム内容にも指定があり、バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化の4項目に合致した場合、指定された工事費用の2%、最大25万円の控除が受けられます。

上記4項目の工事を行った場合、それ以外の工事も年末ローン残高の1%で控除額が加算されるため、合わせて年間最大12.5万円の控除を受けることができます。5年間で最大62.5万円まで可能です。

 

投資型減税

ローンのありなしにかかわらず、利用可能な減税制度です。耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化の5種類の工事が控除対象となります。控除期間は1年、10%までで最大控除金額は工事の種類により異なり、20~50万円です。

 

固定資産税の減税制度

一定のリフォーム工事をした場合には、固定資産税を1年分減額できる制度があります。耐震改修では税額の1/2、バリアフリー・省エネリフォームでは税額の1/3、長期優良住宅化は2/3が減額となります。

 

贈与税の非課税措置

リフォームの際、直系親族からの資金提供を受けた場合、贈与税を非課税にできる場合があります。非課税金額は500万円~1500万円程度で取得した際の消費税率や質の高い住宅かどうかによっても変わります。

 

リフォーム補助金で気を付けたいこと

リフォーム補助金のご紹介をする前に、まずは申請の上でいくつか気を付けたいことをご説明します。

 

着工前の申請

どのリフォーム工事でも、補助金をもらうためには着工前の申請が必須です。工事内容が適合していても、申請前に着工した場合は支給の対象外になってしまうので注意しましょう。

 

国の補助金は1種類しか申請できない

国の補助金は、二重で受給することはできません。対象の補助金の中で、条件の良い方を選択して申請しましょう。国と自治体、自治体と自治体の補助金はどちらも受給できる場合もあります。制度によりますので、受給できる助成金の種類はリフォーム会社に相談してみましょう。

 

申請には期限がある

どの補助金制度にも規定の申請期間があり、その期間内の申請以外は対象外になります。申請期間をきちんと把握して余裕をもって準備を行いましょう。

 

予算に達すると早く締め切られることもある

リフォーム補助金には、その年度の予算が設定されており、上限に達すると申請期間内であっても締め切られてしまう場合があります。

また夏や秋には公募を終了してしまう補助金制度もあります。リフォームしたい時期にはもう申請できなかったということがないように早めにリフォーム会社に相談しましょう。


リフォーム補助金や税制優遇を活用するために

暮らしやすくするためのリフォームは大きな決断といえ、金額も少なくありません。その際、補助金の制度や減税制度は可能であれば利用したいですよね。

補助金制度は毎年更新されるため、最新の情報を得る必要があります。その際はぜひ詳細を把握しているリフォーム会社に相談し、適切な補助金の利用を検討しましょう!


※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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