結婚指輪や婚約指輪のサイズが合わなくなってしまったら、プロに依頼してサイズ直しをすることができます。指輪のサイズ直しにかかる料金や方法、かかる時間や注意点を把握しておき、確実にサイズ調整を行いましょう。
目次
指輪のサイズ直しをしてくれる場所
サイズが合わなくなった指輪は、プロに依頼してお直しすることが可能です。指輪のサイズ直しができる場所を把握しておきましょう。
購入店舗や加工修理専門店に持ち込む
指輪のサイズ直しは、指輪を購入した店舗やアクセサリーの加工修理専門店に持ち込んで依頼できます。
指輪を購入した店舗での修理なら、アフターサービスとしてサイズ直しをしてもらえる場合があります。ショップによってアフターサービスの対応期間や費用が異なるため、購入時に確認しておいたり、指輪に付いている証明書などを見てみるとよいでしょう。
店舗での修理が難しい場合には、加工修理専門店への依頼も可能です。持ち込んで指輪を直接見てもらい、サイズ直しができるかどうかの判断や見積もりを提示してもらえます。
ネットで依頼・受け取りも可能
店舗によっては、ネット上で指輪のサイズ直しを依頼し、郵送で指輪の送付・受け取りをすることも可能です。
メールやオンラインフォームなどで依頼し、指定の配送先へ指輪を送付します。到着後見積もりを提示してもらい、指定の方法で支払いをすると、サイズ直しをしてもらえます。宅配便の貴重品扱いなどでやりとりすれば、大切な指輪でも安心でしょう。
送料は自己負担になることがほとんどですが、遠方で直接依頼に出向けない人や、多忙で依頼・受け取りの時間がない人におすすめです。
指輪のサイズ直しにかかる料金と時間
(出典) photo-ac.com
指輪のサイズ直しにかかる料金・時間は、サイズを小さくするか・大きくするかによっても異なります。料金と時間の目安を確認しましょう。
小さくサイズ直しする料金
指輪のサイズを小さくする場合、2000~1万円ほどでサイズ直しできます。指輪のブランドや使われている金属の種類などによって、金額が変動します。
小さくサイズ直しする場合には、地金代と呼ばれる材料費がかからないため、費用はあまり高額にならないことがほとんどです。
指輪を小さくするサイズ直しは、指輪の金属部分の中でデザインの影響が少ないところを切断し、小さくしたい分だけ金属をカットします。最後に、溶接した部分が目立たなくなるように磨き上げて完成です。
大きくサイズ直しする料金
指輪のサイズを大きくする場合の料金の目安は、5000~1万円ほどです。指輪の素材や、何号分サイズ調整するかによって金額が変動します。
特に、サイズを大きくする場合には加工代に加えて、追加する金属分の地金代がかかるため、小さくするときよりも費用が高くなる傾向があります。
地金代の目安は、1号上げるごとに1000〜2000円ほどです。依頼の際には見積もりを提示してもらい、金額を了承してから進めましょう。
指輪を大きくするサイズ直しは、指輪の金属部分の中でデザインの影響が少ないところを切断し、地金を足してならします。最後に、溶接した部分が目立たなくなるように磨き上げて完成です。
指輪のサイズ直しにかかる時間
指輪のサイズ直しにかかる時間は、約3~6週間です。かかる期間は、店舗や時期によって異なります。
ゴールデンウィーク・年末年始・クリスマス前などは、ジュエリーショップの繁忙期に当たるため、目安以上の時間がかかることがほとんどです。
店舗によってはスピード対応してもらえることがありますが、1点につき1000~5000円ほどの追加料金がかかります。
指輪のサイズ調整は、友人の結婚式などドレスアップする機会で、久しぶりに結婚指輪を身に付けたい場合などのタイミングが多いものです。早めにサイズ確認をしておき、合わない場合にはすぐサイズ直しに出すようにしましょう。
指輪のサイズ直しの方法は?
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指輪のサイズ直しの方法は、小さくする場合と大きくする場合で異なります。依頼する前に、どのようにサイズ直しされるのかを理解しておきましょう。
小さくサイズ直しする場合
指輪を小さくサイズ直しする方法には、大きく3種類あります。
一つ目は、切断して一部を切り取る方法です。指輪を切断していらない部分をカットすることで、サイズを小さくします。溶接が可能なプラチナ・ゴールドなどの素材の指輪に多く採用されます。ただし、つなぎ目が目立ってしまうことが多いのが欠点です。
二つ目は、指輪の内側にパーツを付加する方法です。内側に突起やパーツを組み合わせることで、内径が小さくなります。
切断・溶接が難しい金属が使われている指輪に使われる方法ですが、内側の刻印が見えなくなったり、指輪の厚みが変わることで装着感が変化してしまうこともあるため、注意が必要です。
三つ目は、全体を均等に圧縮する方法です。指輪のデザイン・ボリュームが均一で外側に細工がない場合に使われます。
すり鉢状の穴に指輪を叩き込むことで、全体的に圧縮します。大幅にサイズ変更するのには不向きですが、内側の刻印を残すことが可能です。
大きくサイズ直しする場合
指輪を大きくサイズ直しする方法は、次の3種類があります。
一つ目は、切れ目を入れて素材を足す方法です。指輪に切れ目を入れて希望の大きさまで広げてから、切れ目に同じ素材の金属を足して溶接します。
通常は刻印の場所を避けて切れ目を入れてもらえますが、刻印の字数が多い場合などは消えてしまうこともあるため、事前に確認しましょう。
二つ目は、金属を伸ばして指輪を広げる方法です。希望のサイズまで金属を伸ばした後で、きれいに磨き上げます。切るほどではないようなサイズの微調整に、おすすめの方法です。
ただし、内側の刻印が消える場合があるため、再び刻印を入れることが可能かを事前に問い合わせておくと無難でしょう。
三つ目は、指輪の内側を削る方法です。内側の全体や部分を削ることで、内径を広げます。削った後は鏡面仕上げできれいにしてもらえますが、刻印は消えてしまうため注意が必要です。
切らずにサイズ直しできるのはわずかな号数
切らずにサイズ直しができるのは、わずかな号数のみの調整の場合です。
溶接が不可能な素材に使われる方法として、圧縮する・伸ばす・削るなどの方法があります。ただし、これらの方法ではサイズを大きく調整することができません。
それでも切らずに大きくサイズ直ししたいと依頼してしまうと、指輪の耐久性が落ちてしまったり、元の美しい真円の形が崩れてしまうことがあります。
特に結婚指輪・婚約指輪などの大切な指輪は、カットして金属の調整をしっかり行うサイズ直しの方がおすすめです。
サイズ直しをするメリットとデメリット
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指輪のサイズ直しをすることには、メリット・デメリットがあります。リスクも理解した上で、サイズ直しをするかどうか検討しましょう。
大切な指輪を再びはめることができる
指輪のサイズ直しを依頼することで、大切な指輪をもう一度はめることが可能です。
例えば、婚約指輪や結婚指輪は、プロポーズやハネムーンなどの思い出が詰まったかけがえのない宝物です。形見などで受け継いだ指輪も、サイズを調整して身に付けることで、故人との思い出を身近に感じられるでしょう。
保管しておくだけではもったいない指輪も、プロに依頼してサイズ調整することで、再度はめることができます。
サイズ直しのついでにプロに磨いてもらえる
サイズ直しを店舗に依頼することで、プロの手で指輪をきれいに磨いてもらうことができます。
一般的に、サイズ直しに出した指輪は最後の仕上げできれいに磨かれます。素人ではきれいに磨くことはなかなか難しいものですが、プロに磨かれた後の指輪はまるで新品のようにピカピカです。同じ指輪でも新鮮な気持ちではめることができるでしょう。
また、店舗によっては石揺れチェックなども一緒に行ってくれるところもあります。婚約指輪のダイヤモンドなど、大切なパーツがいつの間にか取れてしまうことのないよう、メンテナンスの機会としてもおすすめです。
接着した部分が変色する可能性がある
指輪のサイズ直しのデメリットとして、接着した部分が変色することがあります。サイズ直しの際、金属を足したり減らしたりしたつなぎ目は、ロウと呼ばれる貴金属で接着されることがほとんどです。
サイズ直しの直後は、磨かれて光沢が出ることでなじんで見えますが、ロウの素材によっては後で変色してしまい、目立ってしまうことがあります。特に銀のロウは、時間がたつと酸化して黒く見えてしまうことがあるでしょう。
刻印が消える
指輪のサイズ直しをすると、内側の刻印が消えてしまうことがあります。指輪の刻印には、ブランドごとの金属の種類や、宝石の種類を表す記号が記されていることがあります。また、思い出の品としてイニシャルや日付を入れることもあるでしょう。
ブランドの刻印が消えてしまうと、修理が必要になったときに対応してもらえなくなったり、ブランド品として高値で売れなくなる可能性があります。思い出の刻印が消えてしまうのも、残念に感じる人が多いはずです。
指輪のサイズ直しをする場合は、刻印が消えてしまうリスクを了承し、再度刻印してもらえるかどうかを確認するとよいでしょう。
指輪をサイズ直しに出すときの注意点
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指輪のサイズ直しを依頼する際には、いくつか気を付けるべきことがあります。指輪のサイズ直しに出すときの注意点を把握しましょう。
サイズを測るタイミング
指輪のサイズを測るときは、午前中・お昼ごろ・夕方と3回の時間帯で測定し、比較するようにしましょう。
特に夕方から夜にかけての時間帯はむくみやすく、指輪のサイズが変わってしまうものです。人によっては、午前中と夕方で2号ほどサイズが変わってしまうこともあります。
また、お酒を飲んだ次の日や、1日中冷房に当たっていた日などはむくみやすくなることもあるでしょう。サイズの希望を伝える際には、1日に何回か測定したり、念のため違う日にも測定したりして、正確なサイズを確認することが大切になります。
サイズ直しが不可能な場合もある
指輪の素材やデザインによっては、サイズ直し不可の場合もあります。
<サイズ直し不可の素材の例>
- ステンレス
- チタン
- 真鍮(しんちゅう)
- 合金素材
- イリジウム
- ジルコニウム
一般的に、プラチナ・金・シルバー素材の指輪は問題なくサイズ直しができます。しかし、上記のような金属はレーザー溶接ができず、サイズ直しを受け付けてもらえないことがほとんどです。
また、彫りが入っていたり、メレダイヤが敷き詰められていたりする複雑なデザインの指輪も、サイズ直しが難しいことがあります。まずは店舗に持っていき、サイズ直しが可能かを確認してみましょう。
大切な指輪のサイズ直しをしよう
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結婚指輪や婚約指輪には、持ち主の大切な思い出が詰まっているものです。サイズが合わなくなってしまい保管しているだけでは、せっかくの指輪としての魅力を生かしきれません。
サイズ直しのさまざまな注意点やリスクを把握した上で、プロに依頼して確実にサイズ直しを完了させ、大切な指輪を再び愛用できるようにしましょう。