一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」
台風は強い風や激しい雨による建物の破損だけでなく、飛散物の被害や停電・断水などの生活トラブルも引き起こします。
この記事では、家の内外でできる事前の点検やメンテナンス、浸水を防ぐ工夫、ライフラインの備えなど、台風から家族を守るために必要な対策を詳しく解説します。
台風で被災する前に万全の備えをしましょう。
台風に備えて家でできること
台風に備えるには家の内外を点検し、飛ばされそうな物や壊れやすい場所を整えることが大切です。ここでは、家の中でできる備えと、家の外で点検すべきポイントを解説します。暴風、豪雨、飛散物、停電・断水時の対策については、それぞれの章で詳しく紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
家の中でできること
家の中では、停電や断水が起きても困らないような準備と、窓ガラスが割れた時の備えをします。
懐中電灯や電池を早めに用意し、スマートフォンなどの充電を満タンにしておくと安心です。冷蔵庫の中身を整理して、停電しても食べられる缶詰やレトルト食品を揃えておくと心強いでしょう。
窓ガラスが割れたときに備え、カーテンやブラインドを閉めておくと破片の飛散を抑えられます。重要な書類や貴重品は高い場所にまとめ、防水袋に入れておくと水害対策にもなります。
飲み水を確保するため、ペットボトルやポリタンクに水を貯めておくのもおすすめです。暗闇でケガをしないように、寝る前や外出前に避難経路を確認しておくと、いざというとき慌てずに動けます。
家の外でできること
屋外は強い風雨の影響を受けやすいため、飛ばされそうなものを片付けること、多くの雨を排水する準備が重要です。
ベランダや庭に置いてある植木鉢、自転車、物干し竿などは強風で飛んでいく危険があります。必要ならロープや重りで固定するか、家の中にしまいましょう。
雨樋や排水溝が詰まっていると雨水があふれて浸水することがあるので、事前に掃除しておくと安心です。
屋根や外壁にひび割れがないか目で確認し、見つけた場合は早めに補修することをおすすめします。古いフェンスや塀があるなら、グラつきがないか揺らして確かめることも大切です。ガレージやカーポートが風にあおられて壊れるケースもあるので、支柱がしっかり固定されているかもチェックしておきます。
台風から家を守る暴風対策
暴風に備えるには、飛ばされやすい場所やものを事前に点検し、安全を確保する必要があります。ここでは暴風で壊れやすい屋根や窓、庭のものの点検や、飛散防止・補強について紹介します。
アンテナが風で飛ばされないか確認
屋根に設置されたテレビアンテナやパラボラアンテナは、台風の強風による被害を最も受けやすい設備のひとつです。
アンテナは高い場所にあるため、普段は問題なく見えていても、金具やワイヤーが少し緩んでいるだけで強風の影響を受けやすい状況です。長年メンテナンスをしていない場合、固定金具がサビて腐食していたり、支柱が曲がっていたりするケースも珍しくありません。
こうした状態で台風が来ると、わずかな揺れが積み重なって倒壊や折損の原因になります。倒れたアンテナは屋根や外壁に穴を開けたり、屋根材を壊したりするだけでなく、落下して隣家や通行人、車に被害を与える恐れもあるため、早めの点検が欠かせません。
点検では、アンテナの根元部分や固定金具のサビ、ぐらつきの有無を確認します。支柱を軽く揺らしてみて不安定に感じるなら、すぐ補強や交換を検討しましょう。ワイヤーが張ってある場合は、緩みや切れかけている部分がないかもチェックが必要です。
アンテナの暴風対策として、アンテナが古いままだと風を受ける面積が大きく、強風で倒れやすいので、耐風性の高い新しいタイプに交換するのも有効です。最近では屋根ではなく壁に取り付ける壁面設置型アンテナもあり、風の影響を大幅に減らせます。
ただし、屋根に上がる作業は滑落の危険があるため、自分で無理をするのは危険です。目視で確認できない場合や劣化が気になる場合は、専門業者に点検を依頼する方が安全です。台風が接近してからでは点検や交換作業が難しくなるため、シーズン前に余裕を持って対応すると安心できます。定期的なメンテナンスや補強は、アンテナだけでなく屋根全体の安全にもつながります。
JR神戸駅前のHDC神戸には台風対策で各所の点検をしたい場合に相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。台風対策をしたいけど自分で点検するのは難しそうと感じた方は、点検事例などの話を聞くとどんな点検や台風対策が必要か想像できるのでおすすめです。
庭の植木、物干し竿など風で飛ばされないように固定
庭やベランダに置かれた植木鉢やプランター、ガーデニング用品、自転車、物干し竿などは、台風の強風で簡単に飛ばされてしまいます。小さな植木鉢でも風の力を受けると凶器のようになり、窓ガラスを割ったり車のボディをへこませたりする恐れがあります。
風に乗った軽いプラスチック製品やゴミ箱は、飛んでいった先で近所の家や歩行者に危害を及ぼす可能性もあるため、放置するのは非常に危険です。庭やベランダに物が多いと、飛散するだけでなく排水溝が詰まり浸水の原因にもなるので、事前の整理が大切です。
移動できるものは基本的に家の中や倉庫に片付けると安心できます。どうしても動かせない大型の植木鉢やガーデンテーブルなどは、ロープやベルトでしっかり固定する必要があります。
風の通り道になりやすいベランダの柵やフェンス付近に置いたものは特に飛ばされやすいので、優先的に撤去すると安全です。物干し竿は風にあおられて外れてしまい、落下や飛散の危険があるため、竿受けから外して室内にしまうかロープなどで固定するのが確実です。洗濯物を干したままにするのも危険ですので、台風接近前には必ず取り込む習慣をつけましょう。
屋外に置きっぱなしのガーデンチェアや子どもの遊具、アウトドア用品なども同様に対策が必要です。飛びそうにない重いものでも、強風が続けば移動する可能性があります。片付けが間に合わない場合は、重しを乗せる、複数をまとめて縛るなど、できる限り風の影響を受けにくい形にしておくと被害を減らせます。台風が近づいてからでは慌ただしくなり、作業中に風が強くなると危険なので、余裕を持った早めの準備が重要です。
屋根瓦やトタンなどがめくれて飛ばされないか点検
屋根は台風の風を最も強く受ける場所で、瓦やトタンが緩んでいると一気に飛ばされる危険があります。
屋根材が飛ぶと、そこから雨水が入り込み雨漏りを引き起こすだけでなく、飛んだ瓦やトタンが隣家や通行人、車に直撃して大きな被害を与えるリスクもあります。特に屋根の端や屋根の一番高い部分は風圧が集中するため、浮いたり外れたりしやすいポイントです。経年劣化している屋根は見た目ではわかりにくいひび割れや変形が隠れている場合があるので、台風シーズン前に点検するのが理想的です。
屋根の点検では、瓦がズレていないか、ひびが入っていないか、トタンの端が浮いていないかを確認します。屋根材を固定する釘や金具が錆びていないかも重要なチェックポイントです。
もし瓦が1枚でも外れかけていると、その部分から風が入り込み、連鎖的に周囲の瓦が剥がれやすくなります。トタン屋根の場合も同様に、めくれ始めると一気に広範囲がはがれる危険があります。
ただし、屋根に自分で上るのは非常に危険です。屋根の上は滑りやすく、ちょっとした足の踏み外しで転落事故になる危険性もあります。目視で異常が見つかったり、築年数が長い家の場合は、専門業者に点検を依頼するのが安全です。
必要に応じて部分的な補修や補強、古い屋根材の交換を行えば、台風による被害を大幅に減らせます。台風接近直前は業者の依頼が集中して対応できないケースが多いので、早めの準備が大切です。
窓がガタついてないか確認
窓は強風と飛来物が直接当たるため、台風で最も破損しやすい部分のひとつです。
窓枠がガタついていると、強い風圧で押し開けられたり、わずかな隙間から風が入り込み室内の気圧が変化して屋根が持ち上がるように壊れる可能性もあります。サッシの鍵がしっかり閉まるかどうか、レール部分にゴミや砂が詰まっていないかを確認し、動きが悪い場合は掃除や調整をしましょう。
窓のパッキンやゴム部分が劣化していると、風雨が侵入しやすくなります。築年数が経っている家ではゴムが硬化してひび割れている場合も多いので、交換すると風雨の侵入を防ぎやすくなります。
窓ガラスが割れたときに破片が飛び散るとケガの危険があるため、飛散防止フィルムを貼っておくのも有効です。特に大きな掃き出し窓やベランダに面した窓は被害を受けやすいため、早めの対策が必要です。
雨戸やシャッターがある場合は、台風前に開閉がスムーズか必ず動作確認しておきます。普段あまり使っていない雨戸は、いざというとき動かない可能性もあります。シャッターが途中で止まると意味がないので、油を差したり掃除をしておくと安心です。
雨戸やシャッターがない家では、簡易的に板を打ち付ける方法や補強パネルを設置する方法もあります。窓は家の中と外を隔てる最も弱い部分のため、暴風対策では優先順位が高い箇所です。
車庫が風で破損しないか点検
車庫やカーポート、物置などは台風の強風で壊れやすい設備です。車庫は壁やシャッターなどと屋根で三方を囲まれたものを指し、カーポートは屋根を柱で支える簡易的な構造になります。特に簡易タイプや古いものは支柱が緩んでいたり、屋根のパネルが風にあおられたりして飛ばされるケースが多いです。
車庫の屋根材は樹脂や薄い金属板が使われている場合が多く、経年劣化すると固定部分が外れやすくなります。飛ばされたパネルが近所に被害を与えるリスクもあるため、早めの点検が必要です。
点検では、支柱がしっかり固定されているか、ボルトやナットが緩んでいないか、屋根材が浮いていないかを確認します。劣化したパネルは台風の風圧に耐えられない場合があるので、割れや欠けがあるなら交換しておくと安心です。車庫の周辺に飛ばされやすい物が置かれていると、車や建物に二次的な被害を与える危険性があるため、周囲の整理も大切です。
車を避難させられる場合は、台風前に頑丈な建物の中や屋内駐車場に移動させるのが理想です。移動できない場合は、カーカバーをかけて飛来物から傷を防ぐ方法もありますが、根本的な対策は車庫そのものの補強です。風の影響を受けやすい構造物は、追加の支柱や補強金具を設置することで耐久性が上がります。
プロパンガスなど倒れると危険なものの固定状況をチェック
プロパンガスのボンベや大型の燃料タンクなど、重量がある設備でも台風の強風を受けると倒れてしまうリスクがあります。
ボンベが倒れると接続しているホースが引きちぎられてガス漏れが起こり、大きな火災や爆発につながる危険があるため、事前の点検が必要です。特に古い住宅では固定チェーンが緩んでいたり、金具がサビついて強度が落ちている場合も多く、普段問題なく見えていても台風時には危険度が増します。
点検では、ボンベがしっかり固定されているか、チェーンが外れそうになっていないか、金属部分が腐食していないかを確認します。台風が接近する前にボンベの周囲を整理し、風で飛んできたものがぶつかって倒れないように周囲の環境を整えることも大切です。ボンベの上部に覆いがある場合、風が抜けにくくてあおられる可能性もあるので、余計なカバーを外す方が安全な場合もあります。
台風が来る前にガスの元栓を閉める準備も重要です。万が一倒れてもガスが漏れなければ重大な事故にはつながりにくくなります。家族全員で元栓の場所や閉め方を確認し、緊急時に誰でも対応できるようにしておくと安心です。
ガス会社や専門業者に依頼し、ボンベの固定を強化する専用の金具を設置してもらうことも可能です。台風シーズン前に強風地域向けの補強工事をしておくと、心配が減ります。
屋外に設置された給湯器や灯油タンク、物置なども風で倒れやすいものに含まれます。ガス以外でも倒れたら危険なもの、移動して困るものは、固定金具やチェーンの緩みを事前にチェックしましょう。こうした大型設備が倒れると修理費用が高額になるだけでなく、周囲に大きな被害を与える可能性があるため、優先的に対策すべき重要ポイントです。
フェンスや塀が風で転倒しないか確認
フェンスやブロック塀などは、見た目以上に台風の風圧を強く受ける部分です。古くなったフェンスや塀は経年劣化で強度が落ちており、台風の強風で倒れる場合があります。特にブロック塀は内部の鉄筋が錆びていると一気に崩れやすく、倒壊すると人や車を巻き込む重大事故につながる危険性もあります。
点検の際は、フェンスや塀にひび割れがないか、基礎部分がぐらついていないか、支柱がしっかり固定されているかを確認します。軽く揺らして不安定な場合や、表面に大きなヒビや欠けがある場合は補修が必要です。
フェンスや塀は普段あまり意識されない部分ですが、台風の被害では意外と多くの事故が報告されているため、点検を怠らないことが重要です。
フェンスの板や網が部分的に外れかかっている場合も、強風で飛ばされる危険が高いです。飛んだ部材が窓や車にぶつかると大きな被害になるため、早めに修理しましょう。簡易的な木製フェンスやDIYで設置した軽い柵は風で簡単に倒れやすいので、台風前に撤去するかロープなどで補強しておくと安心です。
ブロック塀の場合、表面に白い粉のようなものが出ている場合は内部の鉄筋が腐食している可能性があります。また、茶色いものが出ている場合は鉄筋が腐食している可能性がさらに高く、強度が落ちているかもしれません。
ブロック塀が古い場合は、自治体の補助金制度を利用して耐震性や耐風性の高い塀に建て替える方法もあります。倒壊すると責任を問われる可能性もあるため、危険があるなら早めに専門業者に相談したほうが安全かつ経済的です。
台風から家を守る豪雨対策
台風では豪雨も問題です。雨樋や排水溝を掃除し、土のうや止水板で浸水を防ぎ、排水環境を整えておきましょう。ここでは豪雨から家を守る対策を説明します。
雨樋に枯れ葉や砂がつまっていないか確認して掃除
雨樋は屋根に降った雨水を効率よく地面に流す役割を持っています。しかし、長期間掃除をしていないと、落ち葉や砂、ほこりが溜まって詰まり、台風の豪雨の際に正常に排水できなくなります。雨樋が詰まったままだと雨水が溢れて外壁や窓に大量の水が流れ込み、雨漏りやシミ、カビの原因になります。庭や周囲に大きな木がある家は落ち葉が溜まりやすいため、定期的な点検が重要です。
掃除の際は、まず樋の中に溜まったゴミや枯れ葉を取り除きます。樋の出口部分が詰まると水が流れにくくなるので、集水器や縦樋の入り口も確認しましょう。詰まりがひどい場合は水を流して詰まった箇所を見つけ、高圧洗浄機で清掃すると効果的です。
雨樋自体が外れていたり、傾きがズレていたりすると排水がスムーズにできなくなります。台風の時は樋が水の重みで破損する可能性もあるため、金具や固定部の状態も一緒に確認すると安心です。
自分で掃除するのが難しい場合は、専門業者に依頼する方法もあります。台風シーズンの前に掃除を済ませておくと、豪雨のときも排水をスムーズに行え浸水被害を減らせます。雨樋は普段あまり気にしない部分ですが、排水機能が正常かどうかで台風の被害の大きさが大きく変わるため、豪雨対策では見落とせないポイントです。
排水溝や側溝は泥などが詰まっていないか点検して清掃
庭や駐車場、家の周囲にある排水溝や側溝が泥やゴミで詰まると、台風の豪雨で一気に水が溜まり、家の敷地が冠水する危険があります。アスファルト舗装の駐車場やコンクリートの通路は水が地面に染み込まないため、排水が詰まるとすぐに玄関や勝手口から室内に水が入り込む場合もあります。道路脇の側溝が詰まっている場合も同様に、水があふれて自宅の敷地に流れ込む危険性があるので注意が必要です。
台風前には必ず、排水溝や側溝にゴミや落ち葉、土砂が溜まっていないか点検しましょう。泥や砂が堆積している場合はスコップなどで取り除き、水を流して排水の確認をしてください。排水溝に網状の蓋がある場合は、蓋を外して掃除すると効果的です。側溝の水の流れが悪い場合は途中の詰まりが原因になっているケースがあるため、状況に応じて長い棒やホースを使って確認しましょう。
もし近隣の排水路や側溝が詰まっている場合は、自治体や管理者に早めに相談しましょう。台風接近直前では作業が難しくなるため、余裕を持った掃除が重要です。土地が低い場所にある家では、排水溝や側溝のメンテナンス次第で被害の大きさが大きく変わるため、必ず台風シーズン前に点検しましょう。
浸水から家を守る土のうや止水板を準備する
台風の豪雨では、排水が追いつかなくなり道路や庭が冠水する可能性があります。家の周囲が浸水すると、玄関や勝手口、ガレージの入り口などから水が家の中に流れ込み、床下浸水や家財の被害が発生します。こうした被害を防ぐには、浸水しやすい場所を把握して、事前に土のうや止水板を準備しておくことも重要です。
土のうはホームセンターや自治体で配布される場合もあり、玄関やガレージ前に積むことで水の侵入を遅らせることができます。最近では、重い土の代わりに水を入れるタイプや、使わないときは折りたためる簡易止水板も市販されています。これらは素人でも扱いやすく、台風直前でも比較的簡単に設置できます。
排水溝や側溝の水が逆流しそうな場合は、排水溝に防水シートをかぶせて重りで固定する方法もあります。長時間の豪雨では完全に水を防ぐことは難しいですが、できる限り被害を減らせます。浸水しやすいエリアに住んでいる場合は止水板を常備し、設置方法を家族で確認しておくと安心です。
床下浸水が心配な場合は、床下換気口を塞ぐ補助パネルなども有効です。大きな台風では一度に大量の雨が降るため、短時間でも対策が遅れると被害が広がります。普段から玄関やガレージ前など、水が入り込みやすい場所を確認し、どこに土のうや止水板を置くか決めておくことが、豪雨対策では非常に重要です。
台風時の飛散物対策
台風では風によって様々なものが飛ばされ、ガラスや外壁などに被害がおよびます。窓ガラスの飛散を防ぐフィルムや雨戸の点検で、割れやケガのリスクを減らすと安心です。ここでは、飛散物対策をご紹介します。
窓ガラスの飛散防止フィルムを貼る
台風の暴風は、屋外の飛来物を窓に叩きつけるため、ガラスが割れて室内に破片が飛び散る危険があります。このリスクを減らすために効果的なのが、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る対策です。フィルムは割れたガラスをその場で固定する役割があり、ガラス片が周囲に飛び散るのを防ぐことができます。
飛散防止フィルムはホームセンターやインターネットで購入でき、DIYで貼ることも可能です。透明タイプなら普段の景色や採光に大きな影響がなく、貼ったことが目立たないのが特徴です。貼るときはガラス面の汚れをしっかり落とし、空気が入らないように貼り付ける必要があります。施工に不安がある場合は、専門業者に依頼するとムラなく綺麗に貼れるため安心です。
フィルムの種類によっては紫外線カット機能や断熱効果があるものもあり、台風対策だけでなく普段の生活にもメリットがあります。特にリビングの大きな掃き出し窓やベランダに面した窓は、風圧や飛来物の影響を受けやすいため優先的に貼ると良いでしょう。
ただし、飛散防止フィルムはガラスそのものが割れるのを防ぐわけではなく、あくまで割れた後の飛散を抑えるものです。強風で飛来物が直撃すればガラスは割れる可能性があるため、雨戸やシャッターなどの物理的な防御と併用すると効果が高まります。コストも比較的安く、施工も簡単なので、台風前の備えとしては導入しやすい対策のひとつです。
窓ガラスが割れないように強化ガラスなどに変えておく
窓ガラスを根本的に強くするには、通常のフロートガラスではなく、耐風圧や耐衝撃性に優れた強化ガラスや合わせガラスに交換する方法があります。強化ガラスは普通のガラスの約3〜5倍の強度があり、飛来物がぶつかっても割れにくいのが特徴です。万が一割れた場合でも細かい粒状に砕けるため、鋭利な破片が飛び散りにくく安全性が高いです。
合わせガラスは2枚のガラスの間に樹脂フィルムを挟んだ構造で、割れてもフィルムが破片を保持するため、穴が開きにくくなります。このタイプは防犯ガラスとしても利用されており、台風時の飛散防止にも非常に有効です。台風の被害が多い地域ではリフォーム時にこうした耐風ガラスへ交換すると、窓周りの防災力が大幅に向上します。
ただし、強化ガラスや合わせガラスは普通のガラスよりコストが高く、施工には専門業者の対応が必要です。全面を交換するのが難しい場合は、リビングや寝室など重要な部屋や風が当たりやすい面だけを優先的に強化する方法もあります。また、飛散防止フィルムと組み合わせると、さらに安全性が高まります。新築やリフォームのタイミングで導入すれば、長期的に見ても安全性と耐久性の面でメリットが大きい対策です。
窓の雨戸やシャッターが動くか確認
雨戸やシャッターは、飛来物から窓を守る最も確実な方法です。しかし、普段あまり使っていないと、いざ台風が来たときに動かなくなっているケースがよくあります。台風が接近する前に、必ず開閉がスムーズにできるか確認しておきましょう。
動きが悪い場合はレールを掃除し、必要に応じて潤滑油を差すと改善することがあります。それでも動かない場合や途中で引っかかる場合は、無理に動かさず専門業者に点検を依頼するのが安全です。シャッターのモーターが故障していると、電動タイプの場合は全く閉まらない場合もあるため、停電を想定して手動で閉める方法も確認しておくと安心です。
雨戸やシャッターがない窓は、飛散防止フィルムだけでは十分に暴風の被害を防げないこともあるため、簡易的な補助板を外側に設置する方法もあります。ベニヤ板やポリカーボネート板を窓枠に固定する簡易的な対策でも、直接的な飛来物の衝撃を和らげる効果があります。
また、雨戸やシャッターは老朽化していると風で外れたり破損する可能性もあります。部材が飛ぶと逆に危険になるため、古い場合は早めの補修や交換が必要です。台風前日の慌ただしいタイミングでは対策が難しくなるので、シーズン前に余裕を持って点検することが大切です。
JR神戸駅前のHDC神戸には、台風の飛散物対策について相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。現在の住まいの状況や、今後の暮らし方に応じて、それぞれの会社が提案する台風対策を検討できます。
また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、台風対策のリフォームと同時に浴室や洗面所といった設備を含めたリフォームを検討してみるのも、安心安全な生活がイメージできるのでおすすめです。
停電・断水などのライフライン対策
台風の被害で停電や断水が起きると、事前に備えておかなければ普段に近い生活は送れません。非常用発電機や蓄電池、水の確保で台風後も生活への影響を減らせます。この章ではライフラインに被害が起きた場合の対策について紹介します。
【停電対策】非常用発電機を設置する
台風の際は、強風で電線が切れたり設備が故障したりして、長時間の停電が発生する可能性があります。停電すると照明や冷蔵庫が使えなくなり、夜間の生活が不便になるだけでなく、冷蔵・冷凍食品が傷む、スマートフォンが充電できないなど二次的な問題も起こります。オール電化住宅では調理や給湯もできなくなるため、非常用電源の確保は重要です。
非常用発電機を用意しておけば、停電中でも最低限の電力を確保できます。ガソリン式やカセットガス式、小型インバータータイプなど家庭用でも使いやすい発電機が販売されています。容量によりますが、冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電程度なら家庭用発電機でも十分対応可能です。燃料の保管や換気などの安全面に注意する必要がありますが、非常時の安心感は大きいです。
非常用発電機を導入している場合は定期的に動作確認を行い、燃料も古くならないよう管理することが大切です。台風直前に慌てて準備すると燃料が入手できない可能性もあるため、シーズン前に整備をしておくのが理想です。集合住宅の場合は排気の問題があるため、使用できる場所が限られることもあり、事前に使用条件を確認しておく必要があります。
最近では、太陽光発電と蓄電池を併用する家庭も増えており、日常的に電気を自家消費できるだけでなく、停電時にも一定時間電力を確保できます。発電機は即効性が高い備えであり、冷蔵庫の食材を守ったり、最低限の生活を維持するためには非常に役立つ設備です。
【停電対策】非常用のバッテリーや蓄電池を準備する
停電が発生すると、スマートフォンやタブレット、照明機器などの小型家電の電源確保が課題になります。この場合、家庭用の大容量モバイルバッテリーやポータブル蓄電池があると便利です。ポータブル蓄電池はコンセントから充電しておけば、停電時でもUSB機器や小型家電に電力を供給できるため、発電機よりも静かで扱いやすいのが特徴です。
容量が大きいタイプなら、スマートフォンの充電を数十回行えたり、小型の扇風機やLEDランタン、Wi-Fiルーター程度なら数時間から数十時間程度動かせます。発電機と違い燃料を使わないため、屋内でも安全に使用できます。ソーラーパネルと組み合わせると、日中に充電して長期間の停電にも対応できるモデルもあります。
日常的にも防災用としてだけでなく、アウトドアやキャンプで活用できるため、無駄になりにくい備えです。ただし、バッテリーは定期的に充電しておかないと性能が落ちるため、台風シーズン前にフル充電しておくのが理想です。
停電時は、冷蔵庫や洗濯機など大型家電を動かすのは難しいですが、情報収集や照明、最低限の生活を維持するためには十分役立ちます。特にスマートフォンが使えないと情報が遮断されるため、ポータブル蓄電池は停電対策の必需品といえます。
【断水対策】貯水タンクを設置するなどで飲水を確保する
台風で停電すると、水道のポンプが止まることで断水が発生する可能性があります。特にマンションなどの高層階では給水ポンプが動かなくなると、蛇口をひねっても水が出なくなります。飲料水が確保できないと、短期間の断水でも大きなストレスとなり、料理や手洗いもできなくなります。
断水に備えるには、あらかじめペットボトルの水やウォーターサーバー用のボトルを多めに用意しておくのが基本です。さらに、長期的な備えとして家庭用の簡易貯水タンクを用意する方法もあります。タンクは折りたたみ式やローリータンクなど種類があり、普段は収納できるタイプなら場所を取らずに保管できます。
台風が近づく前には、お風呂の浴槽に水を張っておくのも一時的な備えとして有効です。飲み水には適さなくても、トイレの流し水や簡単な掃除に使えます。また、マンションの場合は共有の受水槽がある場合も多いため、管理組合に事前に給水の仕組みを確認しておくと安心です。
飲料水は最低でも1人あたり1日3リットル、3日分以上が目安とされています。家族の人数に合わせてどのくらい必要かを計算し、台風シーズン前に余裕を持って備蓄することが重要です。ペットがいる家庭や乳幼児がいる場合は、専用の水やミルクも忘れずに準備しましょう。
【断水対策】井戸を設置するなどして生活用水を確保する
長期的な断水に備える方法として、井戸を設置する選択肢もあります。井戸があれば水道が止まっても生活用水を確保できるため、トイレや洗濯、掃除など最低限の生活は維持できます。最近では浅井戸ポンプや簡易型の井戸設備があり、住宅地でも比較的簡単に設置できるケースがあります。
ただし、井戸水は飲用として利用するには水質検査が必要であり、基本的には生活用水として活用する場合が多いです。飲み水としてはペットボトルやタンクの備蓄を用意し、井戸水はトイレや洗い物などに使い分けると効率的です。
雨水タンクを併用する方法もあり、屋根に降った雨を集めて簡易的な生活用水として利用できます。雨水タンクは比較的安価で設置でき、庭の植物への水やりなど普段の生活にも役立つため、断水対策の補助として活用できます。
井戸や雨水タンクの設置は初期費用がかかりますが、一度設置すれば長期的に利用できるのが利点です。台風や地震など複合的な災害でも水が確保できる環境は、非常時の安心感が大きく変わります。地域の災害リスクや家の立地条件を考慮し、長期的な備えとして検討すると良いでしょう。
台風被害を防ぐポイントを総復習!安全に乗り切るためのまとめ
台風は暴風・豪雨・飛散物・停電や断水といった複数のリスクを同時にもたらすため、家を守るには幅広い対策が必要です。
暴風対策では、屋根やアンテナ、フェンスなど建物の弱い部分を点検し、飛ばされそうなものは早めに固定・撤去することが基本です。豪雨対策では、雨樋や排水溝の掃除を行い、土のうや止水板で浸水を防ぐ準備を整えておくと安心です。
飛散物対策としては、窓ガラスへの飛散防止フィルムや雨戸の点検を行い、必要に応じて強化ガラスへ交換するなど、物理的に衝撃を抑える工夫が有効です。停電や断水にも備え、非常用発電機や蓄電池、飲料水の備蓄を確保しておくことも欠かせません。
どの対策も台風接近直前では間に合わない場合が多いため、シーズン前から余裕を持って準備することが重要です。普段の点検とメンテナンスが被害を最小限に抑える最大のポイントになります。家の安全を守るため、できることから一つずつ備えを進めていきましょう。
JR神戸駅前のHDC神戸には、台風対策について相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。
また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新のユニットバスの他にシステムキッチンなどを見て、台風対策のリフォームと同時に浴室や洗面所といった設備を含めたリフォームを検討してみるのも、災害時だけでなく普段の快適さも考えた空間が想像できるのでおすすめです。
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