遮熱塗料は効果なし?理由とメリット・デメリットを解説して効果を高める方法を提案

この人に聞きました菊地重信

一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」

遮熱塗料を塗れば「家が涼しくなる」「電気代が下がる」と聞いたけれど、いざ調べてみると「思ったほど効果がない」という声も。いったいどちらが本当なのでしょうか?

この記事では、遮熱塗料が効かないと感じられる理由を詳しく解説したうえで、実際のメリット・デメリットをやさしく紹介します。さらに、遮熱効果をしっかり引き出すための方法や、効果が出やすい建物の条件についても具体的にお伝えします。

「塗るだけで涼しくなる」は本当か?その疑問に、建築の専門家がわかりやすく答えます。

遮熱塗料は効果が無い?その理由とは

遮熱塗料は効果がないと言われる背景には、使い方や条件による違いが影響しています。

期待と実際の効果にギャップがある

遮熱塗料は太陽の光のうち「赤外線」と呼ばれる熱エネルギーを反射することで、屋根や外壁が熱くなりにくくする塗料です。

理論的には屋根の表面温度が10〜20℃ほど下がる場合もありますが、建物内部の温度にどれだけ影響を与えるかは、住宅の断熱性能や間取り、外気温など多くの条件に左右されます。

遮熱塗料を塗ったからといって、エアコンを一切使わなくてよくなるほど涼しくなるわけではありません。外気温が40℃近い猛暑日には、遮熱していても屋根や壁はある程度熱を持ってしまいます。

「効果が無い」「期待していたほどではない」という声が出るのは、遮熱塗料の効果に対する理解不足が関係しているのです。

特に、新築の高断熱住宅や天井裏にしっかりと断熱材が入っている家では、すでに屋根からの熱が室内に入りにくくなっているため、遮熱塗料の効果を実感しにくい場合もあります

経年劣化で塗料の性能が低下する

遮熱塗料は、太陽光を反射する顔料や中空セラミックビーズといった特殊な成分を使っています。これらの成分は年月とともに劣化していくのです。特に紫外線を浴び続ける屋根や外壁では、3〜5年も経つと光沢が落ち、反射性能が目に見えない形で低下していきます。

劣化だけでなく、汚れも性能低下の一因です。大気中のホコリや排ガス、鳥のフンなどが屋根の表面にたまると、遮熱塗料の表面を汚し、熱の反射を妨げてしまいます。

仮に遮熱塗料の寿命が10年と書かれていても、その間ずっと最大の効果を保てるわけではありません。

施工方法の選定と周辺環境のバランス

遮熱塗料は正しい方法で施工しないと、その性能を十分に発揮できません。

まず、塗る前に古い塗膜や汚れを丁寧に落とす下地処理が必要です。この工程が不十分だと新しい遮熱塗料がしっかりと密着せず、はがれやすくなったり、均一に塗れず効果が弱まったりします。

塗る回数や塗料の厚みも重要です。製品によっては下塗り・中塗り・上塗りと3回以上の重ね塗りが推奨されており、どの工程も省略せずに丁寧に施工する必要があります。素人施工やコストを抑えすぎた工事では、こうした手順が省略されてしまうことがあり、「効果が出なかった」という結果になりがちです。

遮熱効果は建物の立地にも影響を受けます。周囲に高い建物や木があり屋根にほとんど日が当たらない場合、そもそも遮熱の必要性が低いため違いが実感しづらいです。逆に、強い日差しが毎日当たる屋根や壁では、施工方法が正しければかなりの効果が期待できます。

メンテナンスをしていない

どれほど高性能な遮熱塗料を使っても、塗ったまま何年も放置していては、効果が薄れてしまいます。

特に屋根は、砂ぼこり、排気ガス、コケなどの汚れが付きやすい場所です。それらがたまると太陽光をきれいに反射できなくなり、遮熱の機能が落ちてしまいます。

小さな傷やはがれができてしまうと、そこから雨水が入り込んで塗膜がはがれる可能性も。そうなると、熱が建物内部に伝わりやすくなってしまいます。

性能の低下を防ぐためには、数年ごとに高圧洗浄などで表面をきれいに保つか、再塗装を計画的に行うことが必要です。

こうしたメンテナンスの手間を知らずに「すぐ効果がなくなった」と判断してしまうことが、「効果なし」と言われる一因となっています。

定期的な点検や洗浄、必要に応じた補修を行っていれば、遮熱効果はより長く保たれます。メンテナンスを面倒に感じて放置してしまうと、せっかくの高機能塗料でもその性能を十分に活かせないのです。

JR神戸駅前のHDC神戸には遮熱塗料を塗りたい場合に相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。遮熱塗料のメンテナンスや再塗装をしたいとお考えの方は、施工事例などの話を聞くとどんな工事が必要か想像できるのでおすすめです。

遮熱塗料のメリット・デメリット

遮熱塗料には良いところもあれば、気をつけたいポイントもあります。塗る前にしっかり知っておくことが大切です。

メリット1:屋根や壁の表面の温度を下げて室内温度を下げる

遮熱塗料のいちばんのメリットは、屋根や壁が熱くなりにくくなることです。

屋根の表面は夏の晴れた日だと60度を超える場合もあります。しかし、遮熱塗料を使うと日差しを反射して熱が屋根にたまりにくくなります。これによって、屋根の表面温度が10度〜20度も下がるケースがあるのです。

屋根が熱くならないということは、室内にも熱が伝わりにくくなります。とくに、屋根のすぐ下にある2階の部屋では、「前より暑く感じない!」という変化が分かりやすくなるでしょう。

環境省の実験では、真夏に遮熱塗料を塗った屋根とそうでない屋根を比べたところ、室内の温度が約1.7℃も低くなった例があります。これはエアコンの設定温度を1〜2度下げたときと同じような効果です。小さな違いに見えますが、体にはずいぶんやさしくなります。

メリット2:ヒートアイランドを抑制できて環境に優しい

都会では、夏になると地面や建物がたくさんの熱をためこんで、夜になってもなかなか気温が下がらないヒートアイランド現象が発生します。アスファルトやコンクリートが太陽の熱を吸い込んでしまうことが原因です。

遮熱塗料はこのヒートアイランド現象の対策にも役立ちます。屋根や壁が熱を反射すると、街の中にたまる熱を減らすことができるのです。実際に環境省の研究では、遮熱塗装をした屋根が熱を反射すると、建物のまわりの空気の温度が下がったという結果も出ています。

建物が熱くならなければエアコンを使う時間も減ります。エアコンを使えば使うほど、たくさんの電気を必要とし、そのぶん二酸化炭素も出てしまいます。遮熱塗料のおかげで冷房の使用が減れば、地球温暖化の原因となるガスの排出も少し減らすことができるのです。

メリット3:空調費が抑制できて省エネ

室内の温度が下がれば、当然エアコンの設定温度も高めでよくなります。今まで「26度にしないと暑かった部屋」が、「28度でも大丈夫」と感じられるようになるかもしれません。

これによって、エアコンを使う時間が短くなったり、風量を抑えられたりするため、電気代の節約につながります。ある実験では、遮熱塗料を使ったことで、夏の間の電気代が1か月あたり2,500円〜3,000円くらい安くなったという報告もあります。仮に6月〜9月の4ヶ月間冷房を使用することを想定すると1万円以上の節約になります。

広い倉庫や工場のような建物では、もっと大きな効果があります。あるケースでは、遮熱塗料を屋根に塗ったことで、1シーズンで電気の使用量が7万kWhも減ったというデータもありました。これは家庭で使う電気の約17年分にあたります。

デメリット1:耐用年数と性能にばらつきがある

遮熱塗料といっても、すべての製品が同じというわけではありません。塗料にはいろいろな種類があり、塗ってからどのくらい効果が保てるかにも差があります。

安いアクリル系の塗料は5〜8年くらいで効果が弱くなる場合が多いです。高価なフッ素系や無機系の塗料だと、15年くらいもつ可能性もあります。ただし、価格も2倍以上になるケースがあります。

色によっても効果が変わります。白っぽい色は光をよく反射するため遮熱効果が高いですが、黒やこげ茶のような濃い色だとあまり効果が出ません。つまり、「どの塗料を選ぶか」「どんな色を使うか」で、効果の出方が大きく変わるのです。

デメリット2:単体では遮熱効果が低い

遮熱塗料はあくまで太陽の熱を反射するための塗料です。つまり、屋根の温度上昇をある程度は防げますが、それだけですべての熱を防げるわけではありません。

真夏の炎天下では、太陽光のうち2〜4割くらいの熱は遮熱塗料が反射しきれず、屋根に伝わってしまいます。すると、屋根が熱くなり、その熱が室内にも少しずつ伝わってくるのです。

屋根裏の断熱が弱かったり通気が悪かったりすると、遮熱塗料だけでは涼しくなりません。より効果を出すには、遮熱塗料にくわえて断熱材や暑い空気を外に逃がす通気層などと一緒に使うことが大切です。

デメリット3:断熱効果がほとんどない

遮熱塗料は「反射」は得意ですが、「断熱」はできません。断熱というのは、冬の寒さから家の中を守ったり、夏に屋内の冷気を外に逃がさないようにする性質です。遮熱塗料はとても薄く塗るものなので、断熱材のように熱を通しにくくする力はありません。

冬の寒い日に家の中をあたためても、遮熱塗料ではその熱を保つことはできないのです。むしろ、太陽の熱を反射してしまうので、冬の日差しで部屋が暖まる日だまり効果も減ってしまいます。

そのため、遮熱塗料は夏の暑さ対策には良いですが、冬の寒さ対策にはあまり向いていません。

デメリット4:塗料の性質上、色や素材による制約がある

遮熱塗料は、「太陽の熱を反射する力=日射反射率」が高いほど、より高い効果を発揮します。

この反射率は、塗料の色によって大きく変わります。一般的に、白やクリーム、淡いグレーなどの明るい色は、太陽の光をよくはね返すため遮熱性能が高いです。

一方で、黒や濃紺、こげ茶などの暗い色は、光を吸収しやすく、遮熱効果が下がってしまいます。白系の塗料では屋根表面の温度が20℃下がるのに対して、濃色ではわずか数℃しか下がらないという実験結果もあります。

そのため、「遮熱効果を最大限に引き出したい」と思うと、色の選択肢がある程度限られてしまうのが現実です。

遮熱塗料はどんな素材にも万能に使えるわけではありません。屋根や壁の素材によっては、塗料の密着性が悪かったり、塗膜がはがれやすかったりする場合があります。

金属屋根の表面が劣化していたり、セメント瓦に劣化防止処理がされていたりすると、塗装前に専用の下地処理をしないと塗料がうまくのらない可能性もあります。

このように、遮熱塗料は機能性が高い反面、色や素材に対する相性や制限が多く、「好きな色を自由に選びたい」「細部までデザインにこだわりたい」という人にとっては悩ましいポイントとなるかもしれません。

納得のいく仕上がりにするためには、専門家と相談しながら、性能とデザインのバランスを見極めることが重要です。

JR神戸駅前のHDC神戸には、遮熱塗料の遮熱効果について相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。現在の住まいの状況や、今後の暮らし方に応じた提案を受けながら、それぞれの会社の遮熱プランを検討できます。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、遮熱塗料の塗装工事と同時にキッチンや洗面所といった設備を含めたリフォームを検討してみるのも、リフォーム後が想像できるのでおすすめです。

デメリット5:一般塗料より高価

遮熱塗料は普通の外壁塗料よりも値段が高いです。なぜかというと、特別な材料を使っていたり、作るのに手間がかかっていたりするからです。

実際、一般的な塗料の1.5倍〜2倍の値段になる場合もあります。屋根や壁の面積が広ければ広いほど、工事の費用も高くなってしまいます。

もちろん、電気代が安くなるぶん、長い目で見れば元が取れるかもしれません。しかし、最初にかかるお金が大きいので、予算にゆとりがないと導入しにくいのも事実です。

遮熱塗料が効果を発揮しやすいケース

遮熱塗料は、使う場所や建物の条件によって効果の出方が大きく変わります。特に次のようなケースでは、遮熱の力がしっかり発揮されやすくなります。

日当たりの良い立地

遮熱塗料は太陽の光、特に赤外線のエネルギーを反射することで、屋根や壁が熱くなりすぎるのを防ぎます。だからこそ、日光をたくさん浴びる場所にある建物では、その遮熱効果が最大限に発揮されます。

田んぼや空き地に囲まれた一戸建て、周囲に高い建物がなく日中ずっと日差しが当たる平屋、南向きの斜面に立っている住宅などは、直射日光が屋根や外壁にダイレクトに届きます。

こうした条件のもとでは、遮熱塗料を使うと屋根の表面温度が明らかに下がり、その効果を実感しやすくなります。

逆に言えば、日陰になっている時間が長い建物では、そもそも太陽熱の影響が少ないため、遮熱塗料の出番は少なくなるのです。

よく過ごす部屋の日当たりが良い

建物全体ではなく部屋単位で考えたときにも、遮熱塗料が効果を発揮しやすい条件があります。特にリビングや寝室、子ども部屋など、日中に長くいる部屋が南向きや西向きに配置されている場合は、太陽からの熱の影響を受けやすくなります

西日が強く差し込む午後など、窓や外壁が熱を持ちやすい時間帯に、屋根や壁の温度を下げると部屋全体の空気がほんのり和らぐでしょう。これは空調の省エネだけでなく、空調が届きにくい隅の部屋でも過ごしやすくなるため、居住性の向上にもつながります。

こうした室内環境の変化は、温度計だけでは測れない体感の変化として、家族の暮らしに直接影響してくるのです。

吹き抜けがある

吹き抜けは、空間がつながっていて開放感がある一方で、上下に熱が移動しやすいという特徴があります。特に夏場は、屋根から伝わった熱が上部にこもり、それがじわじわと1階のリビングまで降りてくることで、冷房をかけても暑さが抜けないという状況になりがちです。

こうした家では、屋根でしっかりと熱の侵入を食い止めることが非常に重要です。遮熱塗料によって屋根からの熱を軽減すれば、空気の対流で起こる室内温度のムラを減らしやすくなり、吹き抜け空間全体を快適に保ちやすくなります。

空調効率の観点でも、吹き抜けのある家は遮熱対策の恩恵を受けやすいと言えるでしょう。

金属屋根を使用している

金属屋根は、瓦やスレートなどと比べて熱を通しやすく、また表面温度が非常に高くなりやすい素材です。太陽光を受けたときの温度の上がり方が激しく、日中は屋根の内側まで熱くなってしまう場合が多いです。

こういった屋根に遮熱塗料を塗ると、金属の熱の吸収を大きく減らすことができ、効果が分かりやすくなります。特にプレハブ住宅、倉庫、ガレージなど、金属屋根を使っている建物では、屋内温度が5℃以上下がる例もあり、「塗ったら作業がしやすくなった」「空気がこもらなくなった」といった声も聞かれます。

つまり、素材の特性によって遮熱が必要な屋根かどうかが決まるため、金属屋根のような熱伝導の大きい素材では、遮熱塗料の効果をダイレクトに体感しやすいのです。

遮熱塗料の効果をより高める方法

遮熱塗料は塗っただけで最大の効果が出るわけではありません。性能を十分に引き出すには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。

ここでは、より効率よく遮熱効果を高めるための具体的な工夫をご紹介します。

反射率の高い遮熱塗料を選ぶ

遮熱塗料の性能は、使われている「顔料」や「粒子の構造」によって決まります。なかでも「日射反射率」という数値が高い塗料を選ぶと、太陽の熱エネルギーをより多くはね返すことが可能です。

一般的な塗料の反射率が30〜50%程度であるのに対し、性能の良い遮熱塗料では70〜90%に達するものもあります。数値が大きいほど、太陽の熱を跳ね返しやすいということです。

ただし、反射率が高いからといって、どんな場所でも必ず涼しくなるとは限りません。建物の構造や屋根の素材にも左右されるため、塗料選びは家の条件に合ったものを選ぶのがポイントです。

カタログやメーカーの資料を見る際には、「日射反射率」の項目をしっかりチェックしてみましょう。

JISのランクが高い遮熱塗料を選ぶ

遮熱塗料には、日本工業規格(JIS)によって定められた性能基準があります。JISでは、「高日射反射率塗料」としての要件をクリアしているかどうかを判断し、「JIS K 5675」などの番号で分類されています。Kは化学分野の場合に使います。

このJISに適合している塗料は一定の性能試験をクリアしているため、信頼性が高いといえます。塗料の中には、遮熱と書かれていても実際には数値が明示されていなかったり、条件付きの性能であったりするものもあるため注意が必要です。

特に、JISで「日射反射率80%以上」や「近赤外領域の反射率が高い」といった数値を持つ製品であれば、安心して選ぶことができます。性能のばらつきが心配な場合は、JIS認定マークや製品データシートを確認すると良いでしょう。

明るい色を選ぶ

遮熱塗料の性能は、塗料の色によっても大きく変わります。一般的に、白やベージュ、薄いグレーなどの明るい色は光を反射しやすく、遮熱効果が高くなります

同じ塗料でも白に近い色と黒っぽい色では、屋根の温度が10℃以上も差が出ることがあります。暗い色はかっこよく見える場合もありますが、遮熱を重視するなら明るい色の方が断然有利です。

外観のデザインにも配慮しながら、できるだけ反射しやすい明るめの色を選ぶと、塗料の持つ性能を最大限に活かすことができます。遮熱効果を重視するか、デザインを重視するか、そのバランスを取るのも重要な選択のひとつです。

遮熱シートと併用する

遮熱塗料の効果をもっと高めたいときには、遮熱シートとの併用もおすすめです。遮熱シートは、屋根や天井裏などに貼って使うアルミ素材のシートで、こちらも太陽の熱を反射する機能があります。

このシートを屋根裏に設置すると、遮熱塗料とダブルで熱を跳ね返すことができ、室内に伝わる熱をさらに抑えることができます。特に、屋根裏の空間が広い家や、通気層のある構造の建物では、効果が出やすい組み合わせです。

塗料とシートを組み合わせることで、それぞれ単体で使うよりも相乗効果が生まれ、より快適な室内環境が実現できます

断熱材と併用する

遮熱塗料は「熱を反射するもの」で、断熱材は「熱を伝えにくくするもの」です。つまり、性質が違うため、うまく組み合わせると効果が倍増します。

屋根や壁の内側にしっかり断熱材が入っていれば、外側に遮熱塗料を塗ることで外からの熱の侵入を減らし、室内の冷気や暖気が外に逃げにくくなります。これは「夏は涼しく、冬はあたたかい」空間づくりの基本的な考え方でもあります。

断熱材の種類や厚み、配置の仕方によっても効果が変わるため、メンテナンスをする場合は塗装工事を行うタイミングで一緒に断熱材の点検・補強するのがおすすめです。

メンテナンスを適切に行う

遮熱塗料の性能を長く保つには、塗ったあともきちんと手入れをすることが大切です。屋根や外壁は、風に飛ばされたホコリや砂、雨で流れてきた汚れなどがつきやすく、放っておくと表面に膜のようにたまってしまいます。

汚れがひどくなると、せっかくの反射機能が発揮されなくなり、遮熱効果もどんどん落ちていきます。とくに白やベージュなどの明るい色は、見た目にも汚れが目立ちやすいため、定期的な点検と洗浄が重要です。

5年〜10年を目安に塗り替えや補修を行うと、遮熱塗料の性能を長く保つことができます。塗って終わりではなく、塗ったあとも気にかけてあげることが、遮熱塗料の効果を最大限に活かすポイントです。

遮熱塗料を使った塗装工事の事例

この章では遮熱塗料を実際に使ったリフォーム事例をご紹介します。

遮熱を考慮した屋根塗装の事例

ビフォー

アフター

施工会社 ナサホーム
費用 170万円

施主が紫外線を気にされていたので、外壁は紫外線に強い塗料、屋根は断熱遮熱塗料を塗装した事例です。

施主は派手過ぎないおしゃれな色味に家にしたいとのこだわりがあったため、色を何度も確認して納得のいく仕上がりとなりました。

遮熱塗料+断熱の屋根にふき替えた事例

ビフォー

アフター

施工会社 ナサホーム
費用 226万円
築年数 20年

夏場に2階がとても暑くなるとの課題があったため、もともとは遮熱塗料を使った屋根塗装を検討していました。

敷地の状況と施主が求める性能を考慮したところ、遮熱+断熱が適切であると判断してリフォーム会社が提案。特殊な遮熱顔料と瓦裏面の硬質ウレタンフォームとの断熱効果で、夏の暑さと冬の寒さの両方に対応できるようになりました。

外壁補修とともに屋根の遮熱塗装をした事例

ビフォー

アフター

施工会社 ナサホーム
費用 外壁130万円、屋根20万円
築年数 20年

外壁の浮きや目地の劣化が気になっていた施主。下地補修とともに外壁と屋根の塗装を実施した事例です。

イメージを変えたいとのことから屋根の色を施主が決め、外壁は経験のあるリフォーム会社が屋根に合う色を数種類提案し、その中から施主に決めていただきました。明るく温かみのあるイメージへと変貌しました。

遮熱塗料を正しく知れば、きちんと効果は得られる

遮熱塗料は、ただ塗るだけで劇的に涼しくなる魔法の塗料ではありません。しかし、建物の条件や使い方をしっかり考えて取り入れれば、夏の暑さ対策としてとても役に立つアイテムです。

効果がないと言われる背景には、期待とのズレやメンテナンスの不足といった、使い方の問題がある場合が多いのです。実際には、屋根や壁の温度を下げたり、エアコンの効きがよくなったりと、日々の暮らしの中でじわじわと効いてくる効果がたくさんあります

もちろん、遮熱塗料にも短所や限界はあります。色の選び方、コスト、長持ちさせるための手入れなど、気をつけるべき点もあるのは事実です。こうしたメリットとデメリットをきちんと理解し、効果が出やすい条件や組み合わせを意識して使えば、無理なく住まいの快適さを高めることができます。

もしあなたが、夏の暑さに悩んでいたり、電気代を少しでも減らしたいと思っているなら、遮熱塗料は一つの選択肢になるかもしれません。まずは「どこに塗るのか」「どんな環境か」「どう組み合わせるか」を考えることから始めてみましょう。

正しく知って、正しく選べば遮熱塗料はきっとあなたの家を少し過ごしやすくしてくれます。

JR神戸駅前のHDC神戸には、遮熱塗料の塗装工事について相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新のユニットバスの他にシステムキッチンなどを見て、屋根や外壁の遮熱塗装と同時に、キッチンや洗面所といった設備を含めたリフォームを検討してみるのも、リフォーム後が想像できるのでおすすめです。

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