一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」
理想の住まいを手に入れるために中古戸建てを購入し、リノベーションを計画する人にとって失敗は絶対に避けたいものです。しかし、実際には後悔してしまうケースも多く存在します。
この記事では、中古戸建てリノベーションで後悔した原因をいくつか紹介し、その対策について解説します。
この記事を読むことで、以下のことがわかります。
- 中古戸建てリノベーションで後悔しやすいポイント
- 後悔を防ぐための具体的な対策
- 後悔しないリノベーションを実現するための心得
後悔しないリノベーションを実現するために、ぜひ参考にしてください。
目次
中古の戸建てをリノベーションして後悔した原因
中古戸建てのリノベーションは、理想の住まいを実現できる魅力的な選択肢です。しかし、計画が不十分だと思わぬ後悔に繋がる可能性もあります。
ここでは、中古戸建てリノベーションで後悔しやすいポイントと、後悔を防ぐための対策について詳しく解説します。
構造体が劣化していた
築年数が古い物件の場合、構造体が劣化している可能性があります。たとえば、基礎や柱、梁などの主要な構造部が腐食やシロアリ被害などで損傷していると、安全性に重大な問題が生じるでしょう。
古い物件の場合は専門家による調査を行い、構造体の状態を把握することが重要です。調査の結果、修復が必要な場合は、リノベーションを行うのかどうかを費用と工期を考慮して慎重に判断する必要があります。
耐震基準が古かった
1981年以前の建築基準法は、現在の基準よりも耐震性が低い基準でした。古い耐震基準で建てられた建物は、地震発生時の倒壊リスクが高いため、耐震補強工事が必要です。
購入前に何年に竣工したか確認をして、建物の耐震性を確認する必要があります。耐震診断の結果、耐震性が不足している場合は耐震補強工事を実施すると良いでしょう。
間取り変更が自由にできなかった
構造体の制約や建物の形状によっては、希望通りの間取り変更ができない場合があります。特に、築年数が古い物件は、壁や柱の位置を変更することが難しい場合が多いです。
リノベーション会社と相談しながら、構造体に影響を与えない範囲で間取り変更できるかどうかを事前に確認しましょう。希望通りの間取り変更が難しい場合は、プランを調整したり、別の物件を検討したりする必要があります。
性能基準が低く住み心地が悪かった
築年数が古い物件は、断熱性能や気密性能が低い場合があります。夏は暑く冬は寒いなど住み心地が悪くなると、見た目だけリノベーションしてきれいにしても長く住みたいとは思えないでしょう。
中古の戸建をリノベーションする場合は、断熱性能や気密性を事前に確認しておきましょう。断熱材の追加や窓の交換など性能向上のためのリノベーションを行うことで、住み心地を大幅に向上させられます。
使えると思った設備がすぐに壊れた
中古物件で使用されていた設備がすぐに壊れてしまう場合があります。特に、築年数が古い家の設備は故障リスクが高くなります。
設備の状態を調査し、必要に応じて更新をおすすめします。また、リノベーション会社によっては、中古設備を保証付きで提供している場合もあるので、狙っている物件がある場合には確認してみてください。
入居までに想定より時間がかかった
中古戸建てのリノベーションは、物件探しから設計、施工、入居まで時間がかかります。想定以上に時間がかかってしまうと、仮住まいの費用がかさむなど、トラブルに繋がる可能性があります。
リノベーション会社と綿密にスケジュールを調整し、余裕を持った計画を立てることが重要です。リノベーションの途中で工期が伸びることもあります。工期が確定するまでは現在の家を退去しないほうが良いでしょう。また、仮住まいが必要になる場合も想定しておいてください。
中古戸建て住宅は買わないほうがいいのか?
中古戸建て住宅は新築住宅に比べて価格が安く、広々とした空間を手に入れられるというメリットがあります。しかし、購入前に注意すべき点もいくつかあります。
メンテナンスがされていないなら買わない方が良い
メンテナンスがされておらず、雨漏りやシロアリ被害などの問題がある物件は、購入後に多額の修繕費用がかかる可能性があります。購入前に必ず建物の状態を調査し、修繕費用を考慮して慎重に判断してください。
メンテナンスがされていない中古戸建て住宅を購入するリスク
- 雨漏りやシロアリ被害などの建物の構造体に深刻な影響を与える問題が発生する可能性がある
- 修繕費用が数十万円から数百万円に及ぶ可能性がある
- 住み心地が悪くなる
- 建物の寿命が短くなる
メンテナンスがされていない中古戸建て住宅を見抜くポイント
- 外壁や屋根のひび割れ、塗装の剥がれ
- 雨漏りの跡
- シロアリ被害の跡
- 設備の老朽化
- 建物の傾き
これらのポイントに当てはまる物件は、メンテナンスがされていない可能性が高いです。購入前に専門家による調査を行い、建物の状態を把握することが重要です。
状態が良ければ買うのはアリ
築年数が浅く、適切なメンテナンスが行われてきた中古戸建て住宅であれば、新築住宅と遜色ない住み心地を期待できます。
状態の良い中古戸建て住宅を見つけてリノベーションすれば、新築に比べて1000万円ほどコストを抑えることもできるでしょう。
状態が良ければ買うべき中古戸建て住宅の条件
- 築年数が10年程度
- 雨漏り、シロアリ被害などの問題がない
- 主要な設備が比較的新しい
- 周辺環境が良い
- 将来性がある土地
これらの条件を満たす中古戸建て住宅であれば、購入を検討する価値があります。
中古戸建て住宅を購入するメリット
- 新築住宅よりも価格が安い
- 広々とした空間を手に入れられる
- リノベーションをすれば気に入らない部分も改善される
- 駅近など利便性の高い立地を見つけられる
中古戸建て住宅を購入するデメリット
- 新築住宅よりも修繕費用がかかる可能性がある
- 思い通りの間取りに変更できない可能性がある
- 建物の構造体などに問題がある可能性がある
リノベーション済みを買うなら注意が必要
リノベーション済みの物件は、すぐに住み始められるというメリットがあります。しかし、リノベーションの内容によっては、構造体の安全性や住み心地に問題が生じる可能性もあります。リノベーション会社の実績や施工内容をしっかりと確認することが重要です。
購入前に以下の点に注意してください。
リノベーション会社の実績を確認
リノベーション会社によって、施工技術やデザインセンス、アフターサービスの質が大きく異なります。実績豊富な会社を選び、施工事例などを確認しましょう。
施工内容を詳細に確認
どのような工事が行われたのか、使用された材料は何かなどを詳細に確認しましょう。特に、構造体の補強や耐震性能の向上に関する情報は重要です。断熱性能に関する情報も確認してください。
瑕疵担保責任の確認
リノベーション済み物件にも瑕疵担保責任が適用されます。内容をしっかりと確認してください。購入後、保証期間内に問題が発生した場合は、速やかに業者に連絡しましょう。
専門家による調査
購入前に専門家による調査を行い、建物の状態を把握することが重要です。リノベーションによって隠蔽された問題がないかを確認する必要があります。
修繕費用
リノベーション済み物件は、購入価格に加えて修繕費用がかかる場合があります。希望通りにするためにはどれくらいかかるのか、修繕費用を見積もり、予算に合うかどうかを確認しましょう。
周辺環境
リノベーションの内容によっては、周辺環境との調和が損なわれる場合があります。好みによるところが大きいので、周辺環境をよく確認してから購入しましょう。
将来性
将来的に売却する場合のことを考えて、購入する物件の将来性も確認しましょう。終の棲家とするつもりであれば、売却の検討は不要です。
契約内容
契約内容はしっかりと確認し、不明点は必ず解消してから契約しましょう。免責事項がある場合や現況優先である場合は特に注意して確認してください。
ローン
リノベーション済み物件を購入する場合、住宅ローンを利用できる場合があります。金利や返済条件などを比較検討しましょう。
中古戸建てをリノベーションするのにかかる費用
中古戸建てをリノベーションするのにかかる費用は、大きく分けて以下の3つです。
- 中古戸建の購入費用
- 中古戸建のリノベーション費用
- 引越代、印紙代などの雑費
中古戸建の購入費用
中古戸建の購入費用は、物件の立地条件、築年数、広さ、状態などによって大きく異なります。目安としては、2,000万円~4,000万円程度です。費用は、以下の要素によって大きく異なります。
- 立地条件:駅からの距離、周辺環境、商業施設の充実度など、利便性の高い場所は価格が高くなります。
- 築年数:築年数が古くなるほど価格は下がりますが、修繕費用などの将来的な出費を考慮する必要があります。
- 広さ:広い家は価格が高くなりますが、家族人数やライフスタイルに合わせて適切な広さを選びましょう。
- 状態:雨漏りやシロアリ被害などの問題がある物件は、修繕費用がかかるため、価格が低くなります。
中古戸建の購入費用に含まれるもの
- 物件価格:売買契約で定められた物件の購入費用です。
- 不動産取得税:土地や建物の取得に対して課税される税金です。
- 登記費用:所有権などの権利関係を登記するための費用です。
- 仲介手数料:不動産会社に物件の売買を仲介してもらった場合に支払う手数料です。
中古戸建のリノベーション費用
リノベーション費用は、規模や内容によって大きく異なります。中古戸建てをリノベーションするのにかかる費用は、大きく分けて以下の3つです。
- 設計費用
- 施工費用
- 諸費用
設計費用
設計費用は、リノベーションのプランニングや図面作成にかかる費用です。費用は、リノベーションの規模や内容によって異なりますが、一般的には50万円~100万円程度です。工事にかかる費用の10〜15%ほどか、施工面積(㎡)×2.5〜3万円程度が設計費用の相場です。
施工費用
施工費用は、実際にリノベーション工事を施工する費用です。費用は、リノベーションの規模や内容、使用する材料によって大きく異なります。
- スケルトンリフォーム:1,000万円~2,000万円程度
- フルリノベーション:1,500万円~3,000万円程度
- 部分リフォーム:500万円~1,000万円程度
諸費用
諸費用には、建築確認申請費用、工事保険料、仮設工事費用、清掃費用などがあります。費用はリノベーションの内容によって異なりますが、一般的には数十万円程度です。
- 建築確認申請費用:増築や改築を行う場合に必要です。数万円程度かかります。
- 工事保険料:リノベーション工事中の事故や損害に備える保険です。
- 仮設工事費用: 工事期間中に必要な仮設トイレや仮設囲いの設置費用です。
- 清掃費用: リノベーション後の清掃費用です。
- その他: 地盤調査費用、測量費用、コンサルティング費用など、リノベーションの内容によって必要な費用があります。
引越代、印紙代などの雑費
中古戸建てをリノベーションする際、物件購入費用やリノベーション費用以外にも引越代や印紙代などの雑費がかかります。これらの雑費は、計画に含まれていないと思わぬ出費となり、予算をオーバーしてしまう可能性があります。
主な雑費
- 引越代:家族構成や荷物の量、移動距離によって異なりますが、10万円~30万円程度が目安です。
- 印紙代:売買契約書や登記申請書などに必要な印紙代です。数万円程度かかります。
- 登記費用:所有権移転登記や抵当権設定登記などの費用です。数万円程度かかります。
- 火災保険料:リノベーション後の建物の火災保険に加入する必要があります。
- 各種手数料:ローン借り入れ手数料、都市ガス開栓手数料、水道加入手数料など、各種手続きに必要な手数料がかかります。
- 仮住まい費用:リノベーション期間中に仮住まいが必要な場合は、その費用がかかります。
雑費を抑える方法
- 引越業者を比較検討する:複数の引越業者から見積もりを取ることで、費用を抑えることができます。
- 荷物を減らす:荷物を減らすことで、引越費用を抑えることができます。
- 行政手続きをまとめて行う:行政手続きをまとめて行うことで、手数料を節約することができます。
- リノベーション業者に相談する:リノベーション業者によっては、各種手続きを代行してくれる場合があります。雑費を抑える方法を提案してくれる場合もあるでしょう。
中古戸建てのリノベーションで失敗しないためのコツ
中古戸建てのリノベーションは理想の住まいを実現できる一方で、失敗のリスクも伴います。後悔しないリノベーションをするために、以下の点に注意しましょう。
専門家に戸建ての状態を見てもらう
購入前に必ず専門家に建物の状態を見てもらいましょう。構造体や設備の劣化状況、シロアリ被害などを調査し、修繕が必要な箇所を把握します。
専門家に依頼するメリット
専門家に依頼することで、一般の人では気付かない建物の問題点を発見できます。事前に問題点を把握できるので、リノベーション後のトラブルを防ぐことができるでしょう。
専門家の選び方
専門家には住宅診断士、一級建築士、建築設備士、二級建築士など、様々な資格を持つ専門家がいます。資格を持った専門家で、調査経験のある人や会社を選びましょう。調査内容や費用は専門家によって異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
購入前に確認すべきポイント
- 建物の構造体:基礎、柱、梁などの主要な構造部に異常がないか
- 外壁:ひび割れや塗装の剥がれなどがないか
- 屋根:雨漏りの跡などがないか
- 水回りの設備:水漏れや故障していないか
- 電気設備:老朽化していないか
- 周辺環境:騒音や振動などの問題がないか
- 将来性:周辺の開発計画など
これらのポイントを専門家と一緒に確認することで、後悔のない中古戸建て住宅の購入につながります。
専門家に依頼する際の具体的なポイント
- 複数の業者から見積もりを取る
- 調査内容を明確にする
- 調査費用を確認する
- 報告書の内容をしっかりと確認する
築年数を見て耐震基準を確認する
築年数が古い物件は、耐震基準が現在の基準を満たしていない可能性があります。耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を行いましょう。
築年数と耐震基準
- 1981年(昭和56年)6月1日以前:現在の耐震基準よりも低い基準で建てられているため、耐震診断を受けることが推奨されています。
- 1981年(昭和56年)6月1日~2000年(平成12年)6月1日:現在の耐震基準を満たしていますが、震度6弱~7程度の地震に対して倒壊する可能性があります。
- 2000年(平成12年)6月1日以降:現在の耐震基準を満たしており、震度6強~7程度の地震に対しても倒壊する可能性は低いと考えられています。
耐震基準を確認する方法
- 建築確認済証を確認する
- 図面を確認する
- 竣工日、着工日から確認する
- 専門家に調査を依頼する
耐震基準を満たしていない場合
耐震基準を満たしていない場合は耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を行いましょう。
間取り変更をするなら戸建ての構造にも注目する
中古戸建てのリノベーションで間取り変更を行う場合、建物の構造にも注目する必要があります。構造を理解せずに間取り変更を行うと、建物の強度が低下したり、思わぬ費用が発生したりする可能性があります。
建物の構造
戸建ての構造は、大きく分けて「在来工法」と「ツーバイフォー工法」の2種類があります。
- 在来工法:柱や梁で建物を支える工法です。間取り変更の自由度が高いのが特徴です。
- ツーバイフォー工法:2×4インチの木材を骨組みとして使う工法です。耐震性や耐火性に優れていますが、間取り変更の自由度は在来工法より低くなります。
部材による間取り変更の制限
構造部材は基本的に撤去したり、位置を変えたりできません。構造計算をして大きな費用をかければ間取り変更もできる可能性もありますが、現実的ではないでしょう。
撤去したり位置を変えたりするのが難しい構造部材は以下の通りです。
- 耐力壁:地震や台風などの横方向の力を負担する壁です。耐力壁を撤去したり、開口部を設けたりするには、構造計算が必要になる場合があります。原則撤去できないと考えておいたほうがわかりやすいでしょう。
- 梁:建物を支える重要な構造部です。梁の位置を変えることはできません。
- 柱:建物を支える重要な構造部です。柱を撤去することはできません。
入居日が決まってから退去する
リノベーションする住宅に住んでいる場合、リノベーション期間中は仮住まいが必要になります。仮住まいでは入居日が決まってから退去するように計画しましょう。リノベーションをして中古住宅に移り住む場合も、基本的には入居日が決まってから退去してください。
リノベーション工事には、解体工事、内装工事、設備工事など、様々な工程があり、工期は数ヶ月から半年程度かかることもあります。
入居日が決まっていない状態で退去してしまうと、仮住まいの費用がかさんだり引っ越しが何度も必要になったりして、思わぬ出費が発生する可能性があります。
入居日を決めるポイント
入居日を決めるときは、リノベーション業者と工期をしっかりと打ち合わせ、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。また、不測の事態が発生することを想定しておくと、慌てずに対応することができます。
退去時のポイント
退去するときは、リノベーション業者と退去日を調整し、荷造りを早めに始める必要があります。また、転居届を提出することを忘れずにしましょう。リノベーション前後で引っ越しが必要になるので、引っ越し業者は早めに予約しておきましょう。
スケジュール管理
リノベーション工事は、スケジュール通りに進まない場合があります。内装を解体しないとわからないことがあるからです。余裕を持ったスケジュールを立て、不測の事態が発生しても対応できるようにすることが重要です。
設備の修繕もリノベーション費用に入れておく
キッチンや浴室などの設備は、築年数によって劣化している場合があります。リノベーション費用に設備の修繕費用も計上しておきましょう。
築年数の長い戸建ての場合、キッチン、浴室、トイレなどの設備が老朽化している可能性があり、リノベーション後にすぐに故障してしまう可能性があります。設備の修繕を後回しにすると思わぬ出費が発生し、せっかくのリノベーションが台無しになることもありえます。
リノベーション費用に設備修繕費用を含めるメリットは、以下のとおりです。
- リノベーション後にすぐに設備故障が発生するリスクを減らせる
- 予算を立てやすくなる
- 思わぬ出費を抑えられる
デメリットとしては、リノベーション費用が高くなることが挙げられます。また、すべての設備を修繕する必要がない場合もあります。
設備修繕が必要かどうか判断する基準としては、以下のとおりです。
- 設備の使用年数
- 設備の状態
- 予算
設備の使用年数が長く、設備の状態が悪くて予算がある場合は、修繕を検討してください。
時間帯や曜日を変えて何度も現地を確認する
周辺環境は住み心地に大きく影響します。時間帯や曜日を変えて何度も現地を確認し、騒音や日当たりなどをチェックしましょう。
現地確認では周辺環境、日当たり、騒音、交通アクセスなどをチェックする必要があります。これらの要素は、住み心地を大きく左右する重要なポイントです。
時間帯や曜日を変えて現地を確認する理由は、それぞれの時間帯や曜日によって、周辺環境や日当たり、騒音などが大きく変わる可能性があるからです。
たとえば、朝はゴミ収集車の音や車の排気ガスなど、騒音が気になるかもしれません。昼は日当たりや周辺環境を確認できます。夜は街灯の明るさや防犯性を確認できるでしょう。平日は周辺住民の生活習慣や交通量を確認できますし、休日は周辺施設の混雑状況を確認できます。
現地確認は最低でも3回は訪問することをおすすめします。1回目は全体の雰囲気を把握するために。2回目は気になる点を中心にチェックするために訪問します。3回目は、最終確認です。
現地確認をする際は、周辺住民に迷惑をかけないように注意してください。また、写真やメモを取っておくと、後で振り返りやすくなります。
業者選びを慎重に行う
リノベーション業者は実績や施工事例などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
リノベーションは高額な費用がかかる工事です。業者選びを間違えると、希望通りの仕上がりにならない、予算がオーバーしてしまう、工事中にトラブルが発生するなどのリスクがあります。
信頼できる業者を選ぶポイント
信頼できる業者を選ぶポイントは3つあります。
- 複数業者から見積もりを取る
- 業者の実績を確認する
- 担当者との相性をみる
複数業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることで相場を知ることができ、比較検討しやすくなります。見積もりを取る際には、以下の内容を必ず確認しましょう。
- 工事内容:具体的な工事内容が記載されているか
- 費用:内訳が明示されているか、追加費用が発生する可能性があるか
- 工期:スケジュールが明確に示されているか
- 保証内容:どのような保証が提供されるか
なお、HDC神戸のようなリフォーム会社が複数入った施設だと一気に比較検討、相見積もりも取れるので便利です。ぜひ活用してください。
業者の実績を確認する
業者の実績を確認することで、その業者の施工技術やデザインセンスを判断することができます。ホームページや口コミサイトなどで、過去のリノベーション事例を必ずチェックしましょう。
- 実績数:豊富な経験があるか
- 施工事例:希望に合致するデザインや間取りの実績があるか
- 顧客満足度:良い評価が多いか
担当者との相性をみる
担当者との相性も重要です。担当者とのコミュニケーションがうまく取れないと、希望通りの仕上がりにならない可能性があります。実際に会って話を聞いて、信頼できるかどうか判断しましょう。
- 誠実さ:丁寧に説明してくれるか、質問に真摯に答えてくれるか
- コミュニケーション能力:要望を理解し、的確な提案をしてくれるか
- 対応力:問題発生時に迅速に対応してくれるか
その他の選び方
- 資格の有無:施工管理技士などの資格を持っているか
- アフターサービス:充実した内容の保証やメンテナンスを提供しているか
- 費用以外の付加価値:設計提案力、顧客対応の丁寧さなど
契約内容をしっかりと確認する
契約内容には、工期、費用、支払い方法、保証内容などが記載されています。内容をしっかりと確認してから契約しましょう。契約内容を誤ると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
工事内容
具体的にどのような工事が行われるのか、詳細を確認する必要があります。使用する材料や設備のメーカー、型番も明記されているか確認しましょう。変更や追加工事の可能性についても確認し、条件を明確にしておくことが重要です。
完成イメージと実際の仕上がりとの差異が発生した場合の対応についても確認しておきましょう。
費用
工事費用の内訳が詳細に記載されているか確認しましょう。契約書には支払い方法や支払い時期も明確に示されています。追加費用が発生する可能性がある場合は、その場合の算定方法についても確認してください。諸費用(見積書作成費用、建築確認申請費用など)の負担についても確認が必要です。
工期
工期が明確に示されているか確認しましょう。工期遅延が発生した場合の責任の所在と対応についても確認しておくことが重要です。延滞違約金の有無、金額についても確認しておきましょう。
保証内容
工事完了後の保証期間、保証内容(雨漏り、構造体、設備など)を確認しましょう。保証期間中に不具合が発生した場合の対応についても確認しておきましょう。
その他
解約条件、解約違約金、契約書の内容変更手続きなども確認が必要です。紛争解決手続についても確認しておきましょう。
契約前に確認すべきこと
見積書の内容と契約書の内容が一致しているかを確認してください。コミュニケーションのすれ違いで、重要だと考えていた点が契約に反映されていない可能性もあります。自分の目で確認をしましょう。
中古戸建てをリノベーションした事例
事例1:全面改装で暮らしやすく
施工会社 | ナサホーム |
費用 | 1830万円 |
築年数 | 35年 |
築35年の老朽化が気になる戸建てを全面改装した事例です。古くなった設備も一新し、ハイセンスな水回りを実現しました。
和室を解体してLDKとすることで、広々としたキッチンとリビング空間を確保しています。間取りを変更することで無駄を省き、収納をより充実させることができました。
事例2:古い間取りを開放的な間取りに
施工会社 | 住友不動産 |
費用 | 2000万円以上 |
築年数 | 40年 |
空き家になっていた住まいをリノベーションした事例です。建て替えも検討したそうですが、リノベーションを選ぶことで費用を軽減できるため、リノベーションをすることに。
1階部分は大きく間取り変更をして開放的なLDKを作りました。開放感があっておしゃれなアイランドキッチンを取り入れることで、コミュニケーションを取りやすい間取りへと変貌しています。
事例3:平屋をより広々と使う
施工会社 | 住友不動産 |
費用 | 2000万円以上 |
築年数 | 41年 |
平屋を新築しようとすると、広い土地が必要なって価格がネックに。今回は中古住宅をリノベーションすることで費用を抑えることに成功しました。
物件の購入前に調査を行い、リノベーションをしています。断熱性能も低かったことからサッシを交換して断熱工事も施し、性能をアップさせています。
平屋ならではの広々としたLDKは30畳の大空間を実現しました。将来性も考えてバリアフリーにも配慮しています。
後悔しないリノベーションをしよう!
中古戸建てのリノベーションは、理想の住まいを実現できる一方、後悔してしまうケースも少なくありません。後悔しないリノベーションを実現するためには、以下の5つのポイントを意識することが重要です。
事前調査をしっかり行う
周辺環境や建物の状態を十分に調査せずに購入・リノベーションを始めてしまうと、後から後悔する可能性があります。周辺環境は実際に見て回り、建物の状態は専門家に調査してもらいましょう。リノベーション後の生活を具体的にイメージしておくことも重要です。
複数業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることで、費用相場を知ることができ、比較検討しやすくなります。見積もりを取る際には、工事内容、費用、工期、保証内容などを必ず確認しましょう。
予算をしっかり立てる
リノベーションには、工事費用だけでなく、諸費用や引っ越し費用などが必要です。予算をしっかり立てることで、予算オーバーを防ぐことができます。
業者とのコミュニケーションを密に取る
業者とのコミュニケーション不足は、希望通りの仕上がりにならない原因となります。希望を具体的に伝え、業者側の提案をよく理解しましょう。工事中の進捗状況を確認し、トラブル発生時には迅速な対応を求めることも重要です。
契約前にトラブル発生時の対応について確認しておく
工事中に思わぬトラブルが発生する可能性があります。契約前にトラブル発生時の対応について確認しておくことで、トラブル発生時に迅速な対応を受けることができます。
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