「たけのこのあく抜きは、米ぬかなしではできない」と思っている人は多いでしょう。実は米ぬかは、重曹や米のとぎ汁で代用できます。
今回は、米ぬかがない場合の、たけのこのあく抜き方法や注意点などを紹介します。たけのこの保存方法やレシピも紹介するので、たけのこのあく抜き方法や保存方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
たけのこはなぜあく抜きしないとダメなの?生のまま食べられる?
たけのこは、収穫された直後からあくが増していく食材です。あくは渋みや苦みの原因で、あくが残ったまま調理するとたけのこの美味しさが半減してしまいます。
たけのこを美味しく食べるためにも、購入したらすぐにあく抜きをしましょう。
また、たけのこは生の状態で食べることができます。ただ、たけのこは収穫してから時間が経つとあくが強くなっていくため、生のまま食べる場合は採れたてで新鮮なたけのこを選ぶ必要があります。新鮮なたけのこでない限り、生のまま食べるのは控えましょう。
米ぬかがないときは重曹や米のとぎ汁を使ってあく抜きしよう!
米ぬかがないときは、重曹や米のとぎ汁で代用できます。これらを使ってたけのこのあく抜きをすれば、米ぬかと同じようにあくやえぐみを抜くことができます。
重曹と米のとぎ汁の効果
- あく(シュウ酸):重曹や米の研ぎ汁がたけのこを柔らかくすることで、シュウ酸が溶けやすくなる
- えぐみ(ホモゲンチジン酸):アルカリ性の重曹と米の研ぎ汁が、酸性であるホモゲンチジン酸を取り除く
あく抜きに失敗して少しえぐみが残ってしまっても、心配ありません。もう一度あく抜きをすれば、残っているあくを抜くことができます。
もう一度あく抜きをするのが面倒な場合は、濃い味付けでたけのこを調理するのも良いでしょう。えぐみが気にならなくなりますよ。
米ぬかの代用として酢を使う方法もありますが、酢のニオイが残ったり、たけのこが柔らかくなりすぎたりするためおすすめしません。
たけのこのあく抜きをする際のポイント4つ!
「たけのこのあく抜きは難しい…」と思っていませんか?たけのこの特徴やあく抜きポイントを押さえれば、簡単にあくを抜くことができます。
- 手に入れたらすぐにあく抜きをする
- 皮付きのまま茹でる
- 茹で終わったらそのまま冷ます
- 事前に道具を揃えておく
たけのこのあく抜きのやり方は、後ほど紹介します。あく抜きに失敗しないためにも、上記のポイント4つにまずは目を通してくださいね。
手に入れたらすぐにあく抜きをする
えぐみの原因であるあくは、時間が経つごとに増えていきます。たけのこを手に入れたら、すぐにあく抜きをしましょう。
たけのこを手に入れた当日にあく抜きをするのがベストで、遅くとも翌日にはあく抜きをしてくださいね。
皮付きのまま茹でる
たけのこは皮付きのまま茹でましょう。皮がついたままじっくり時間をかけて茹でれば、うまみを逃すことなく、あくだけを抜くことができます。
外側の泥が付いた2〜3枚の皮だけ剥ぎ、残りの皮は残したまま茹でてくださいね。
茹で終わったらそのまま冷ます
たけのこは、茹で終わったらすぐに取り出さず、茹で汁が入った鍋に入れたまま冷やしましょう。火を止めた後も鍋の中に入れておくことで、たけのこに残っているあくをしっかりと出し切ることができます。
粗熱が取れた程度ではあくが残ってしまうため、最低でも8時間つけて、しっかりと冷ましてください。
夏場のキッチンや暖房が効いた部屋に長時間置くと、茹で汁の中で菌が繁殖してたけのこが腐ってしまうおそれがあります。冷蔵庫に入れておくと安心ですよ。
事前に道具を揃えておく
たけのこのあく抜きには、以下の道具を揃えておく必要があります。
- 落とし蓋
- 竹串
- 深い鍋
煮立てているときはたけのこが浮いたり飛び出したりしやすいので、必ず落としぶたをしましょう。
以下の商品は、鍋のサイズに合わせて大きさを調整できる落し蓋です。木製の落し蓋と違い、カビが生えにくく洗いやすい点が魅力です。
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たけのこが水にしっかりと浸かる深めの鍋を用意しましょう。深い鍋を使用すれば、吹きこぼれを防ぐこともできます。
竹串は、たけのこが柔らかくなったかどうか確認するための道具です。つまようじでも代用できますが、中心部まで突き刺すには、長さのある竹串のほうが使いやすいですよ。
重曹・米のとぎ汁を使ったあく抜きのやり方!圧力鍋の使用はOK?
重曹と米のとぎ汁を使ったあく抜きのやり方をそれぞれ紹介します。
圧力鍋には、短時間でたけのこが柔らかくなるメリットがありますが、茹で時間が短すぎるゆえにしっかりとあくを抜くことができません。圧力鍋ではなく、一般的な深めの鍋を使用することをおすすめします。
- 【重曹】あく抜きのやり方と茹で時間
- 【米のとぎ汁】あく抜きのやり方と茹で時間
あく抜きのやり方を順にみていきましょう。
【重曹】あく抜きのやり方と茹で時間
重曹であく抜きをする場合、重曹の入れすぎに注意しましょう。重曹の量が多いとニオイが残ってしまうことがあるため、水1Lに対し小さじ1を目安に入れてください。
必ず食用重曹を使用しましょう。
用意するもの
- たけのこ
- 重曹(水1Lに対し小さじ1)
- 鷹の爪
- 鍋
- 落し蓋
- 竹串
あく抜きのやり方
- たけのこに付いている泥をきれいに洗い流す
- 外側の固い皮を2~3枚剥く
- 根元の汚れた硬い部分を切り落とす
- 根元のブツブツしている部分を削ぎ落とす
- 穂先を斜めに切り落とす
- 実の部分に達するまで縦に切り込みを入れる
- たけのこがかぶる程度の水を鍋に入れる
- 鍋に重曹・鷹の爪を入れて落し蓋をする
- 中火で加熱する
- 沸騰したら火を弱める
- 竹串が通る程度まで柔らかくなったら火を止める
- 煮汁に浸けたまま常温か冷蔵庫で冷ます
- 流水で洗う
- 皮を剥いてあく抜き完了
最初は中火で茹で、沸騰したら火を弱めましょう。茹で時間は、中サイズのたけのこ(600〜800g)で約1時間です。たけのこのサイズや個数によって茹で時間が異なるので、竹串で硬さを確認しながらあく抜きをしてください。
また、あく抜きの途中で2〜3回ほどたけのこを回転させると、火が均一に通ります。お湯が減ってきたら、たけのこがかぶる程度まで水を足しましょう。
皮の剥き方は、以下の方法を参考にしてくださいね。
皮の剥き方
- 外側の硬い皮を剥く
- 皮の部分を片手で握り、もう片方の手で底の部分を握る
- 小刻みにひねって、皮をスポッと剥く
- 先端の色が濃い部分を切り落とす
- 根元のギザギザした部分の表面を、りんごの皮剥きのようにして剥く
- 根元の断面を5mmほど切り落とす
【米のとぎ汁】あく抜きのやり方と茹で時間
米のとぎ汁を使う場合は、1回目のとぎ汁を使用しましょう。2〜3合分のとぎ汁で、中サイズのたけのこ1本のあく抜きができます。できるだけ濃度の濃いとぎ汁を使うと、あくが抜けやすくなりますよ。
重曹を使ったあく抜きと同様、茹で時間は中サイズのたけのこ(600〜800g)で約1時間です。無洗米ではない米のとぎ汁を使用してくださいね。
用意するもの
- たけのこ
- 米のとぎ汁(中サイズのたけのこ1本に対して2〜3合分)
- 鷹の爪
- 鍋
- 落し蓋
- 竹串
あく抜きのやり方
- たけのこに付いている泥をきれいに洗い流す
- 外側の固い皮を2~3枚剥く
- 根元の汚れた硬い部分を切り落とす
- 根元のブツブツしている部分を削ぎ落とす
- 穂先を斜めに切り落とす
- 実の部分に達するまで縦に切り込みを入れる
- 米のとぎ汁を用意する
- たけのこがかぶる程度までとぎ汁を鍋に入れる
- 鍋に鷹の爪を入れて落し蓋をする
- 中火で加熱する
- 沸騰したら火を弱める
- 竹串が通る程度まで柔らかくなったら火を止める
- 煮汁に浸けたまま常温か冷蔵庫で冷ます
- 流水で洗う
- 皮を剥いてあく抜き完了
皮の剥き方は、先述した方法を参考にしてくださいね。
たけのこのあく抜きを短時間でできる方法はある?
あくを抜く時間が短いと十分なあく抜きができず、たけのこにえぐみが残ってしまいます。なるべく時間をかけてたけのこのあくを抜きましょう。
どうしてもあく抜きに時間をかけられない場合は、電子レンジを使ってみましょう。
電子レンジを使ったあく抜き
- 皮を全て剥く
- たけのこの根元と先端を切り落とす
- 調理しやすい大きさにカットする
- 大きめの耐熱ボールにたけのこ、重曹、水(または米のとぎ汁)を入れる
- 600Wの電子レンジで10分ほど温める
- 水で洗ったら完成
あく抜きしたたけのこの保存方法と日持ち
たけのこを1回で使い切れない場合は、冷蔵または冷凍保存しましょう。すぐに使い切る予定なら冷蔵保存、直近でたけのこを使う予定がない場合は冷凍保存すると良いですよ。
保存期間
- 冷蔵保存:4~5日
- 冷凍保存:約1ヶ月
冷蔵保存する場合は、深めのタッパーにたけのこが隠れる程度まで水を入れて保存します。水は1日おきに変えましょう。
冷蔵庫で保存すると、白いカビのようなものがたけのこに付着することがありますが、これはたけのこの成分であるアミノ酸が結晶化したものです。食べても問題ありませんが、気になるようであれば調理前に洗い流しましょう。
冷凍保存する場合は、解凍してすぐ使えるように、調理しやすい大きさにカットしましょう。以下の方法を取り入れれば、たけのこから水分が逃げるのを防ぐことができます。
冷凍保存する際のポイント
- たけのことだし汁を保存袋に入れる
- たけのこに少量の砂糖をまぶしてから保存袋に入れる
本来の風味が損なわれないよう、冷凍前にひと手間かけるのがポイントですよ。
煮物以外を作ってみよう!たけのこを使ったレシピを5つ紹介!
「たけのこ料理といえば土佐煮や青椒肉絲(チンジャオロース)しか思い浮かばない」という人は多いでしょう。料理のレパートリーが少ないと、たけのこが手に入った際に何を作ればいいのか悩んでしまいますよね。
今回は、味付けや調理方法が異なる5つのたけのこ料理を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 揚げ出したけのこ
- たけのことタコの炊き込みご飯
- たけのこと菜の花のスパゲッティ
- たけのこのきんぴら
- メンマ
今回紹介するレシピは、全てあく抜きが終わったたけのこを使用してください。
揚げ出したけのこ
揚げ物が好きな人におすすめなのが、揚げ出したけのこです。大根おろしを添えることで、油っぽくならずにさっぱりと食べられます。
たけのこだけでなく、さまざまな野菜を一緒に揚げて食べるのもおすすめです。
材料(2人分)
- たけのこ(中サイズ):半分
- 大根:60g
- 片栗粉:適量
- みりん:25ml…☆
- しょうゆ:25ml…☆
- だし汁:130ml…☆
- 揚げ油:適量
作り方
- たけのこはくし形にカットする
- 大根をすりおろす
- 鍋に☆を全て入れて煮立てる
- カットしたたけのこに片栗粉をまぶす
- フライパンに油を入れる(深さ2〜3cm)
- 180度の油できつね色になるまでたけのこを揚げる
- 器にたけのこを盛り、出汁をかける
- すりおろした大根を添えて完成
たけのことタコの炊き込みご飯
ちょっぴり豪華な炊き込みご飯が食べたいときは、たけのことタコを使って作ってみましょう。炊飯する前に一度鍋で煮ることで、具材に味がしみ込みやすくなります。
さっぱりとした味が好みの人は、バターなしで作ってみてください。
材料(3~4人分)
- たけのこ(中サイズ):1/3~1/4
- 米:3合
- タコ (ゆで):150g
- 水:470ml…☆
- 白だし:大さじ3…☆
- 酒:大さじ3…☆
- みりん:大さじ3…☆
- しょうゆ:大さじ2…☆
- オイスターソース:大さじ1…☆
- 有塩バター:30g
作り方
- 米を30分以上浸水させる
- たけのこを5mm幅のいちょう切りにする
- タコは5mm幅にカットする
- 鍋に☆・たけのこ・タコを入れて中火で煮る
- ひと煮立ちしたら、火を止めて粗熱を取る
- 具材と煮汁を分ける
- 炊飯器に米を入れ、3合の目盛りまで一度取り出した煮汁を入れる
- 一度取り出したたけのこ・タコと、有塩バターを炊飯器に入れる
- 普通炊きする
- 炊き終わったら具材と米をしっかり混ぜて完成
たけのこと菜の花のスパゲッティ
春の野菜である菜の花とたけのこを合わせて、スパゲッティを作ってみましょう。豚肉の油が溶け出すまでしっかり炒めて、たけのこと菜の花に豚バラの油を絡ませるのがポイントです。
菜の花の茹ですぎには注意しましょう。穂先からお湯に入れて30秒ほど茹でることで、シャキシャキ感が残り、美味しく仕上げることができますよ。
材料(2人分)
- たけのこ(中サイズ):1/3~1/4
- 豚バラ肉:60g
- 菜の花:6本
- スパゲッティ:140g
- にんにく:1かけ
- 赤とうがらし:1/2本
- エクストラバージンオリーブ油:小さじ4
- パルメザンチーズ :適量
- イタリアンパセリ (みじん切り):適量
- 塩(スパゲッティを茹でる用):3g
- オリーブ油:大さじ4
- 塩:適量
- 黒こしょう:適量
作り方
- たけのこは食べやすい大きさにカットする
- 豚バラ肉は1cm幅にカットする
- 菜の花は熱湯で約30秒茹で、冷水にとる
- 菜の花の水気を絞り、食べやすい長さにカットする
- 深めの鍋に水と塩を入れ、火にかける
- 包丁の腹を使ってにんにくを潰す
- フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかける
- 油ににんにくの香りが移ったら、赤とうがらしを加える
- フライパンに豚バラ肉を加え、中火でしっかり炒める
- 鍋のお湯が沸騰したらスパゲッティを入れ、袋の表示どおりに茹でる
- たけのこをフライパンに加え、じっくり炒める
- フライパンに塩・黒こしょうを加えて味を整える
- フライパンに菜の花を加える
- ゆで上がったスパゲッティをフライパンに入れ、全体を混ぜる
- 器に盛り、パルメザンチーズとイタリアンパセリをかけて完成
たけのこのきんぴら
「しょうゆと砂糖、みりんを使ったきんぴらに飽きたな…」と思ったら、豆板醬を加えて中華風きんぴらを作ってみましょう。たけのこを炒める前に豆板醬を入れて油と合わせることで、香りが立ちやすくなりますよ。
材料(2~3人分)
- たけのこ(中サイズ):1/2
- 豆板醤:小さじ1
- だし汁:100ml…☆
- しょうゆ:大さじ2…☆
- 酒:大さじ2…☆
- 砂糖:小さじ1…☆
- サラダ油:小さじ2
- みりん:大さじ1
作り方
- ボウルに☆をすべて入れて合わせる
- たけのこは一口大にカットする
- フライパンにサラダ油を入れ、熱する
- 豆板醤を入れる
- たけのこを加えてサッと炒める
- ☆を入れ、強火で炒め煮にする
- 汁けがほとんどなくなったら、仕上げにみりんを加えて完成
メンマ
お酒のつまみが欲しいときにおすすめなのが、メンマです。保存瓶に入って販売されていることが多いですが、実は自宅で簡単に作れます。ごま油は惜しみなくたっぷりとかけましょう。
ビールのつまみはもちろんのこと、ラーメンや白ご飯との相性も抜群ですよ。
材料(3~4人分)
- たけのこ(中サイズ):1/4
- しょうゆ:大さじ2
- みりん:大さじ1と1/2
- 砂糖:小さじ1
- 塩:小さじ1/3
- ごま油(炒め用):大さじ1
- ごま油(仕上げ用):大さじ1/2
作り方
- たけのこを縦に薄切りにする
- しょうゆ・みりん・砂糖・塩を混ぜてたれを作る
- フライパンにごま油を入れ、中火で熱する
- たけのこを入れて炒める
- 油が回ったらたれを加え、汁気がなくなるまで炒める
- ごま油を加え、さっと混ぜて完成
【まとめ】米ぬかがないときは重曹や米のとぎ汁を使ってあく抜きしよう
たけのこのあく抜きといえば米ぬかを使うのが一般的ですが、重曹や米のとぎ汁でもあく抜きできます。
重曹を入れすぎると重曹のニオイがたけのこに残ってしまうため、水1Lに対し重曹小さじ1を目安に入れましょう。
また、米のとぎ汁の濃度が薄いとあくがしっかり抜けません。1回目のとぎ汁を使用し、中サイズのたけのこ1本に対して2〜3合分のとぎ汁を使用しましょう。
米ぬかがないときは、今回紹介したたけのこのあく抜きのやり方をぜひ参考にしてくださいね。