優しい甘さと、むいてすぐ食べられる手軽さが人気のバナナ。栄養価も高いので、朝食や子どものおやつによく買っているという家庭も多いのでは?
一方で、バナナは賞味期限が短い食べ物なので、「バナナが腐っているかどうやって見分ける?」「腐ったバナナを食べたらどうなる?」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、腐ったバナナの見分け方や食中毒症状、バナナが黒くなる理由について解説します。美味しいバナナの選び方についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
バナナが腐るとどうなる?臭いや味の変化を知ろう!
バナナは、皮が緑色の状態から追熟させることで食べ頃になります。しかし、熟れ過ぎると食べ頃を過ぎて腐ってしまうことも。
ここでは、明らかに腐ってしまったバナナの特徴を3点紹介します。
- 見た目
- 中身
- 臭い・味
バナナが腐るまでの期間は常温だと3〜4日ほど
バナナの保存期間は常温で3〜4日程度です。夏はさらに短くなり、冬は7日〜10日程度まで伸びます。また、保存する場所や方法によっても保存できる期間は変わります。冷凍庫で保存すれば、最大1ヶ月程度は長持ちするでしょう。
保存期間を過ぎて成熟しきったバナナは、少しずつ見た目や味、臭いに変化がでます。
見た目:皮にカビが生えて柔らかい
バナナの皮の一部や全体が黒くなると腐ってしまったと勘違いする人がいますが、一概には言えません。詳しくは後述しますが、バナナが黒くなるのは別の理由があることが多いので、色だけで判断しないようにしましょう。
バナナが腐ると、皮や軸の部分に白っぽいカビが生えます。カビが生えていると、腐っている可能性が高いです。ただし、軸の部分が少しカビている程度なら食べられることもあります。中身を見て判断しましょう。
また、バナナは完熟すると柔らかくなるものですが、ぶよぶよしていて皮がむけないほど柔らかいものは腐敗が進んでいる可能性があります。
中身:黒くて液体が出てきている
バナナの果肉が茶色〜黒に変色しているときは注意が必要です。一部分だけが黒くなっている場合、その他の部分の匂いや味に異常がなければ、食べても問題ありません。
しかし、全体が黒く変色していてドロドロになり汁が出ている、または一部が液体状になっているなら腐っているので食べるのはやめましょう。
臭い・味:酸っぱい臭いがして苦い
腐ったバナナからは、生ゴミのような臭いや酸っぱい臭いがします。また、食べたときに舌がピリピリしたり、苦味を感じるときは腐っている証拠です。
バナナ特有のほどよい香りやコクのある甘みが感じられないなど、違和感があるときは食べないほうが良いでしょう。
バナナが腐る原因!腐ったバナナを食べたら食中毒になる?症状は?
バナナが腐る原因は、主に以下の2つがあります。
- エチレンガス
- 腐敗菌
また、腐ったバナナを食べたときの食中毒症状についても解説します。
バナナが腐る原因①エチレンガス
バナナが腐る原因の一つとして、エチレンガスがあります。エチレンガスとは、果物や野菜の熟成を促す働きがある植物ホルモンの一種です。収穫後もエチレンガスによって追熟し、緑色のバナナから黄色の美味しいバナナになります。
しかし、完熟後もエチレンガスの分泌が続くとバナナは熟しすぎてしまい、最終的に腐ってしまいます。バナナを長持ちさせるためには、成熟した後にエチレンガスの分泌を抑えることが大切です。
バナナが腐る原因②腐敗菌
バナナが腐るスピードが予想以上に早いなら、腐敗菌が原因かもしれません。バナナには元々大腸菌や枯草菌などの腐敗菌が存在しています。保存環境が悪いと腐敗菌が増殖し、腐りやすくなります。
腐敗菌自体は元々バナナに存在しているものなので食べても問題ありませんが、腐敗が進んで見た目や味に変化が出たバナナは食べないほうが良いでしょう。
腐ったバナナによる食中毒症状
腐ったバナナには食中毒の原因になる細菌が付着している可能性があり、食べると以下のような症状が現れることがあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 頭痛
- 発熱
特に、下痢や嘔吐の症状が出ると、体から急激に水分が無くなり脱水症状になりやすいです。バナナにあたってしまったときは、まずは水分をしっかり補給しましょう。症状は時間が経つと自然に治ることもありますが、長引くようであれば早めに医療機関を受診しましょう。
バナナが黒くなる理由は?モキリオ病の見分け方を解説
バナナは収穫から時間が経つにつれ皮も果肉も黒くなりますが、箇所や黒ずみ方によって原因が異なります。
- 皮に黒い斑点ができるのは追熟の証
- 皮の一部が変色しているのは重みや衝撃によるもの
- 皮全体が真っ黒になったときは低温障害が原因
- 果肉が黒いのは腐敗か「モキリオ病」の可能性あり
上記を順にみていきましょう。
皮に黒い斑点ができるのは追熟の証
バナナの皮に小さく黒い斑点が現れると、熟しているサインです。黒い斑点は「シュガースポット」と呼ばれ、黄色の時よりも甘みがグッと増しておいしくなっています。
さらに栄養価も豊富なので、シュガースポットが出ているバナナは食べるのに一番適している状態といえるでしょう。
皮の一部が変色しているのは重みや衝撃によるもの
バナナはデリケートな果物なので、衝撃やバナナ自身の重みによって黒く変色することがあります。皮の一部が黒くなっている場合は、衝撃が加わった部分だけ酸化が進んだことが原因でしょう。
黒くなった部分から傷みが広がりやすいため、中身の状態をしっかり確認してから食べましょう。
皮全体が真っ黒になったときは低温障害が原因
バナナは熱帯の植物なので冷気に弱く、冷蔵庫などの温度が低い場所に保存すると低温障害が起こり、皮全体が黒くなります。
低温障害によって皮の細胞が壊れ、ポリフェノールが生成されやすくなることが黒ずみの原因です。しかし皮が変色しても中身に異変がなければ食べることができます。夏場の暑いときは冷して食べるのも良いでしょう。
果肉が黒いのは腐敗か「モキリオ病」の可能性あり
バナナの果肉が黒いときは、腐敗しているか、「モキリオ病」になっていることが考えられます。モキリオ病とは、バナナを栽培する過程で雑菌が入り、果肉の中心が黒くなったり筋ができたりする病気です。
腐敗とモキリオ病を見分けるには、果肉のどの部分が黒くなっているかが重要です。果肉の中心だけが黒いなら、モキリオ病の可能性が高いでしょう。モキリオ病にかかったバナナは食感や風味は落ちますが、食べて健康を害することはありません。
美味しいバナナの選び方
バナナはまだ熟していない緑色のうちに収穫され、日本に運ばれてくる間に追熟して黄色くなります。ここからは、店に並んでいるバナナの中から美味しいものを見分ける方法を紹介します。
主に以下のようなポイントがあります。
- 全体がキレイな黄色のもの
- 房の付け根が太くてずんぐりした形のもの
- 房の真ん中にあるもの
それぞれみていきましょう。
全体がキレイな黄色のもの
痛みがなく、きれいな黄色のものを選びましょう。全体的に黄色くなっているのは、完熟して食べごろになっている証拠です。
シュガースポットが出ているバナナのほうが柔らかく甘みが強いですが、腐るまでが早く長持ちしません。黄色い状態で購入して、家で自分好みの甘さまで追熟させてから食べるのがおすすめです。
少しでも日持ちさせたい人は、まだ青みが残るバナナを選ぶと良いでしょう。
房の付け根が太くてずんぐりした形のもの
全体的にずんぐりした形のバナナは甘みが強い傾向にあります。また、房をチェックして、太くてしっかりしているものを選ぶと良いでしょう。房が太くてハリがあるものは生育環境が良く、栄養がしっかり行き届いたバナナです。
果物は小ぶりのほうが甘みが凝縮されて美味しいと言われますが、バナナは例外で、大きいものほど甘いので、売り場にある中でも大きさで選べば間違いありません。
房の真ん中にあるもの
バナナは一房に15本程度連なった状態で木になっています。店頭に並ぶ時は5本くらいずつに分けられますが、房の真ん中にあるバナナが一番甘いとされています。
見分けるときは、切り口をチェックしましょう。両方に切り口があるものが房の真ん中のバナナです。片方に切り口があっても、もう片方が横に飛び出しているような形のものは端のバナナということになります。
冷蔵庫?常温?バナナが腐るのを防ぐための保存方法
バナナは腐るのが早い果物なので、保存方法で悩む人は多いでしょう。バナナの保存方法は、以下の3種類があります。
- 常温
- 冷蔵
- 冷凍
順番に見ていきましょう。
常温:吊るして風通しの良いところに保存
バナナは常温での保存が基本ですが、棚などに直接置くと、バナナ全体の重みで下の部分から傷んで長持ちしません。
バナナスタンドやフックに吊るして、風通しの良いところで保存するのがおすすめです。バナナスタンドがない場合は、バナナのアーチ部分を上にして、床との設置面をなるべく少なくするのが良いでしょう。
冷蔵:1本ずつ包んでから野菜室で保存
バナナにとって適した温度は15〜20℃です。エチレンガスによる追熟が進みやすく、食べごろのバナナを楽しむことができます。しかし、熟し切った後も同じ環境に置いておくと、腐るのも早くなってしまいます。
バナナが熟した後は、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。13℃以下で保存するとバナナの追熟が止まり、常温保存より日持ちしやすくなります。
冷蔵庫で保存するときは、1本ずつ切り離してからビニール袋または新聞紙で包んでから野菜室に入れましょう。低温障害の影響で見た目は悪くなりますが、果肉はきれいなままなので食べても問題ありません。
冷凍:皮をむいた状態でラップや保存袋で保存
よりバナナを長持ちさせたいなら、冷凍保存もおすすめです。バナナは冷凍することで長期的な保存ができる上に、常温保存よりもポリフェノールが増えるといわれています。
保存するときは丸ごと、または一口大に切ってラップに包んでから保存袋に入れましょう。保存袋内の空気をなるべく抜いてから密封することで、変色を防げます。
また、冷凍バナナは凍らせた状態でそのまま調理に使えるのも魅力です。ミキサーでスムージーにしたり、牛乳と混ぜてアイスにしたりと、使い道はさまざま。そのまま食べても美味しいので、手軽に食べられるおやつとして重宝するでしょう。
完熟と腐敗は紙一重!正しく見分けて美味しいバナナを食べよう
購入時の状態や季節にもよりますが、バナナは常温で3〜4日置くと腐敗が始まります。腐ったバナナは見た目や臭いに変化があるので、特徴を知っておくと便利でしょう。
腐ったバナナを食べると下痢や嘔吐などの食中毒症状が出る可能性があるため、よく見極めて口にしないようにしてください。
一方で、バナナは追熟する果物なので、腐る前の完熟した状態が一番甘みが強く美味しいです。特に「シュガースポット」と呼ばれる茶色や黒の斑点が出たら、食べごろのサインです。
バナナの見分け方を参考にして、美味しいバナナを選んでみてくださいね。