財布を長年使っていると、徐々に色落ちや破れが目立ってきますよね。「自分では修理できない」と思って、すぐ財布修理屋に修理を依頼していませんか?
スレや汚れの程度にもよりますが、正しい方法で順番通りにおこなえば、自分で財布を修理することができます。
今回は、財布の破れやスレの原因と、自分で財布を修理する方法などを紹介します。自分で修理できる財布とできない財布の違いについても解説するので、自分で財布を修理してみたい人や、財布修理屋で修理するか悩んでいる人は、この記事をぜひ参考にしてくださいね。
目次
財布の破れ・スレ・色落ちの原因
財布の破れ・スレ・色落ちの原因として、主に以下の3つが挙げられます。
- 摩擦が原因
- 湿気や酸化による痛みが原因
- メンテナンス不足が原因
上記を順に紹介します。
摩擦が原因
財布を普段から乱暴に使用していると、すぐに色落ちして見た目が悪くなったり、破れて使えなくなったりしてしまいます。バッグから取り出す動作1つにしても、日々の積み重ねによって財布の見た目や使い勝手に影響するので、扱い方には十分注意しましょう。
財布の状態が悪くなるスピードは、財布の種類によって異なります。たとえば、折り目がつく「2つ折り財布」や、開け閉めによる負荷がかかりやすい「ファスナータイプ」は破れやスレが生じやすい財布といえます。
できるだけ財布を長持ちさせたいなら、使い始める財布を慎重に選ぶと良いでしょう。
湿気や酸化による痛みが原因
皮財布に限定されますが、湿気や酸化で財布の表面が剥がれてしまうことがあります。水濡れを避けながら使っている財布であればそれほど気にする必要はありませんが、棚の中に眠っている皮財布には注意が必要です。
棚やクローゼットの中は湿気が溜まりやすく、カビが増殖しやすい場所です。保管するにしても、定期的に棚から取り出し風通しの良い場所に置くなどして、財布が傷まないように心がけましょう。
メンテナンス不足が原因
どんなに丁寧に扱っていても、財布は徐々にスレたり汚れたりするものです。定期的に財布をメンテナンスすれば、きれいな状態をキープすることができるでしょう。
皮素材なら、レザークリーナーやブラッシングなどを使ってケアをするのがおすすめです。ナイロン素材なら、水に濡らして固く絞ったタオルを使って拭きあげると良いでしょう。
後ほどメンテナンス方法について詳しく紹介するので、記事の後半もぜひチェックしてくださいね。
自分で修理できる財布とできない財布とは!素材や加工方法をチェックしよう
皮素材の財布はさまざまな加工方法がありますが、基本的にどの皮素材でも自分で修理することができます。
自分で修理できる財布の素材
- 牛
- 馬
- ワニ
自分で修理できる財布の加工方法
- オイルレザー
- ヌメ革
- 起毛の革
ただ自分で修理する場合、できる修理方法が限られるため元通りに直すのは難しいでしょう。新品状態のような仕上がりを求めるなら、財布修理屋で修理をするか、新しく買い替えることをおすすめします。
自分でできる修理内容
- スナップの取り付け
- 色落ちの補修
- キズの補修
皮素材の他に、ナイロン素材でできた財布があります。角のスレ程度であれば接着剤を使って直せますが、見た目が悪くなってしまうのが難点です。
破れたり汚れが目立ってきたりしたら財布修理屋に修理を依頼する方法もありますが、修理費を考慮すると、ナイロン素材の財布は新しく買い替えたほうが良いでしょう。
オイルレザー・ヌメ革・起毛の革の修理方法は、後ほど紹介するので、記事の後半もぜひチェックしてくださいね。
財布は自分で修理できる!必要なアイテムと修理方法を紹介
財布を自分で修理する方法を解説します。「スナップが取れた」「財布の色落ち汚れが目立つ」「キズが付いた」場合は、ぜひ参考にしてくださいね。
- スナップボタンが取れた場合の修理方法
- 色落ち・表面やコバが剥がれた場合の修理方法
- キズが付いた場合の修理方法
上記の内容を順に紹介します。
スナップボタンが取れた場合の修理方法
「スタップボタンが取れてしまった」「凸部分がスレてパチンとはまらないない」ときは、新しいスナップボタンを購入して付け替えましょう。
上からかぶさるほうに凹部分、受けるほうに凸部分を取り付けるのが基本です。
必要なもの
- スナップボタン
- 打ち具
- 金づち
- 目打ち
- 台座(厚みのある木の板などでも可)
凹部分の取り付け方法
- 足が長いほうの金具を財布の内側から穴に通す
- もうひとつの金具でふたをする
- 台座の上に凹部分を上向きにして置く
- 穴に先が尖ったほうの打ち具を差し込む
- 金づちを使って真上から約10回強く叩く
凸部分の取り付け方法
- 足が長いほうのパーツを財布の内側から穴に通す
- 差し込みづらい場合は目打ちを使って穴の通り道を作ると良い
- 上にポッチのついたパーツをかぶせる
- 台座の上に凸部分を上向きにして置く
- へこんだほうの打ち具を凸部分にセットする
- 金づちを使って真上から約10回強く叩く
スナップボタンが取れた際にやってはいけないのが、接着剤で修理する方法です。そもそも接着剤で固定するのは難しく、接着剤を付けた周囲の生地が白くなり硬くなってしまうデメリットがあります。接着剤の使用は控えてくださいね。
色落ち・表面やコバが剥がれた場合の修理方法
財布の色落ちや剥がれがみられたら、数種類のレザーマニキュアを使って色を作る「調色」と、できあがった色で財布を補修していく「補色」をおこないます。
財布と同じ色を作るには数種類のレザーマニキュアを混ぜて調色しますが、色や量を少しでも間違えてしまうと、全く異なる色ができあがってしまうことも。慎重に調色をするのはもちろんのこと、補色する際は極少量を少しずつ塗り、色を確かめながら修理しましょう。少しずつであれば、色の違いに気づいた際にやり直しがきくので安心ですよ。
また、起毛の革にレザーマニキュアや補修クリームなどを塗ってしまうと、毛が固まって起毛の良さが失われてしまいます。今回紹介する修理方法は、オイルレザーとヌメ革に試してくださいね。
必要なもの
- クロス(2~3枚)
- 馬毛ブラシ
- 補修クリーム
- レザーマニキュア
- ペネトレイトブラシ
修理方法
- クロスや馬毛ブラシを使って財布の汚れを払う
- クロスを使って補修クリームを少しずつつけ、財布に馴染ませる
- 数種類のレザーマニキュアを使って財布と同じ色をつくる
- クロスやペネトレイトブラシを使って、極少量を何度も重ねて補色する
- 完全に乾いたらクロスで乾拭きする
レザーマニキュアと補修クリームがあれば、皮用ニスを使わずに自然な仕上がりになるでしょう。レザーマニキュアはハケが付いているので、コバなどの細かい箇所を修理するのにも便利ですよ。
キズが付いた場合の修理方法
皮の加工の違いによって、修理方法を変える必要があります。
- オイルレザーとヌメ革の修理方法
- 起毛の革(スエード)の修理方法
順に紹介します。
オイルレザーとヌメ革の修理方法
オイルレザーとヌメ革に付いたキズは、同じ方法で補修することができます。
オイルレザーの財布とは、革にオイルをたっぷりしみ込ませてつくられたものを指します。オイル特有のツヤツヤとした光沢が特徴です。
一方ヌメ革とは、型押しなどの表面加工をほとんど施さずに仕上げた革のことです。植物に含まれるタンニンという成分を使って革を鞣します。
オイルレザーやヌメ革に付いたキズは比較的簡単に補修できます。キズが浅い場合は馬毛ブラシとクロスを使い、キズが深い場合は補修クリームを使ってみてくださいね。
必要なもの
- 馬毛ブラシ
- クロス(2~3枚)
- 補修クリーム
修理方法
- 馬毛ブラシを使って、キズの上から丁寧にブラッシングする
- クロスを財布のキズに当て、優しくこする
- 1.2.を試してみてまだキズが気になるなら、補修クリームを使う
- クロスで補修クリームを少しずつすり込むようにして塗っていく
- 塗り終わったらきれいなクロスで乾拭きする
起毛の革(スエード)の修理方法
皮の繊維をかき出し毛羽立たせたものを、起毛の革といいます。
起毛の革にクリームやオイルを塗ってしまうと毛が固まり、起毛のしっとりとした手触りや温かみが失われてしまいます。豚毛ブラシやクロスを使って補修しましょう。
毛流れを整えるだけで、キズが目立たなくなりますよ。
必要なもの
- 豚毛ブラシ
- クロス
修理方法
- 豚毛ブラシで財布のほこりや汚れを落とす
- さまざまな角度から丁寧にブラッシングをする
- 柔らかいクロスを財布のキズに当て、優しくこするようになじませる
破れやファスナー交換は財布修理屋で修理してもらうのがおすすめ!
財布の状態が悪くなってきた際、全てのキズや汚れを自分で修理するのは難しいといえます。以下のような状態になったら、財布修理屋に修理を依頼すると良いですよ。
財布修理屋で修理を依頼すべき内容
- 破れ
- ファスナーの故障
- 広範囲の色落ち
ハイブランドの場合は、使用している財布のブランドの正規店に修理を依頼するのも1つの手です。ただ、海外の工場でしか対応できないこともあり、その場合は修理費とは別で送料などが発生することがあります。
修理費と商品価格があまり変わらないなら、思い切って新しい財布に買い換えることを検討してみると良いですよ。
定期的なメンテナンスで破れやスレを防ごう!
革の財布は使うほどに味が出る一方で、水などのダメージを受けやすい素材でもあります。雑な扱いをすると状態が少しずつ悪くなっていくため、定期的なメンテナンスをして破れやスレを防ぎましょう。
オイルやクリームを使ったメンテナンス方法もありますが、ブラシを使うだけでツヤが出てきれいになります。オイルレザーとヌメ革は馬毛ブラシ、起毛の革は豚毛ブラシを使って財布に付いている汚れやほこりを落としましょう。
財布の表面だけでなく、見落としやすい以下のような箇所もメンテナンスしてくださいね。
重要なメンテナンス箇所
- 汚れが溜まりやすい箇所:ステッチの隙間・両側面のマチ・カード入れ・小銭入れ
- 破れやすい箇所:折れ曲がっている部分
水濡れが気になる場合は、プロテクトスプレーを使ってメンテナンスしてみてはいかがでしょうか。防水効果や発色を良くする効果があり、屋外で財布を取り出すことが多い人におすすめです。
ブラッシング後、財布から30cmほど離して全体的にスプレーをかけたら、5分ほど乾かしてくださいね。
メンテナンスが面倒な場合はキズが付きにくい財布に買い替えよう
定期的にメンテナンスをするのが面倒なら、キズが付きにくい財布に買い替えてみてはいかがでしょうか。
2つ折り財布を使用している人におすすめなのが、長財布です。2つ折り財布は小銭や紙幣を取り出すときに開閉を繰り返すため、財布が変形しやすいデメリットがあります。その点長財布は、ワンアクションで現金やカード、小銭などを取り出せるタイプであれば財布の負担が減り、長持ちしやすくなりますよ。
その他、シュリンクレザーやエイ革素材の財布もおすすめです。シュリンクレザーとは表面にシワが出る加工を施した革のことで、キズが目立ちにくい特徴があります。
エイ革の財布とは、その名の通りエイの皮を加工して作られた財布のことです。牛革や馬革よりも硬く、ガラスビーズを敷き詰めたような光沢感があります。水に強い特徴もあり、メンテナンスが必要ないといわれています。
お使いの財布がボロボロになって買い替えを検討しているなら、キズが目立たない、またはキズが付きにくい財布をチョイスしてみてくださいね。
まとめ|キズが深く破れがひどい場合は財布修理屋で修理しよう
財布の浅いキズや色落ちは、革の財布であれば自分で修理することができます。革の加工方法によって修理方法も異なるので、今回紹介した修理方法を参考にしてみてくださいね。
ただ、キズが深い、または広範囲の色落ちがみられるなら、自分で修理するのは難しいでしょう。財布修理屋での修理をおすすめします。
修理代が高くつきそうな場合は、新しい財布に買い換えることも検討してみてくださいね。