ベーキングパウダーがなかったら「お菓子もパンも作れない」と思っている人は多いのではないでしょうか。実は、ベーキングパウダーは家にあるもので代用できます。
今回は、ベーキングパウダーの代わりになるものと反対に代用できないものを紹介します。普段からお菓子を作る機会が少ない人ほどベーキングパウダーを常備していないことが多いでしょう。ベーキングパウダーがないことに気づいたときは、この記事をぜひ参考にしてくださいね。
目次
ベーキングパウダーとは!どんな役割があるの?
ベーキングパウダーとはお菓子やパン作りに使われる膨張剤のことで、「膨張剤」「ふくらし粉」とも呼ばれています。水分に反応して発生する炭酸ガスによって生地を膨らませるため、パンやマフィン、パウンドケーキなどを作るのに欠かせない材料です。
また、ベーキングパウダーはお菓子にきれいな焼き色をつける効果もあります。ベーキングパウダーを入れるのと入れないのとでは、食感と見た目が大きく変わります。
家にあるものでOK!ベーキングパウダーの代用6選!
ベーキングパウダーが家にない、または賞味期限が切れてしまっているときは、家にあるもので代用しましょう。生地を膨らませる働きを持つ6つの代用品を紹介します。
- 重曹
- 重曹+酸性のもの
- ドライイースト
- ホットケーキミックス
- 天ぷら粉
- お好み焼き粉
順にみていきましょう。
重曹
ベーキングパウダーには数種類の成分が含まれており、そのうちの1つが重曹です。ベーキングパウダーより膨張力が強いため、重曹を使って生地を膨らませることができます。
ただ、重曹には独特の苦みやニオイがあり、さらにベーキングパウダーを使用した場合に比べて、焼き色が濃く出る場合があります。レシピに記載されているベーキングパウダーの量の半分を目安に、重曹を使用しましょう。
重曹+酸性のもの
重曹に酸性のものを合わせて使うと、重曹の独特のニオイや苦味を抑えることができます。酸性のものと重曹を2:1の割合で入れてください。
重曹と合わせて使うと良いもの
- ヨーグルト
- レモン
- マヨネーズ
- クエン酸
また、重曹とクエン酸は食用と掃除用があります。食用も掃除用もそれぞれ主成分は同じですが、品質・製造工程・管理方法などが異なるため、必ず食用を使ってくださいね。
ドライイースト
酵母の力によって生地を膨らませることができるドライイースト。ベーキングパウダーがすぐに炭酸ガスを発生させるのに対し、ドライイーストは酵母が発酵するまでに時間がかかるのが難点です。
しかし、ドライイーストはパンを作る際に使用することが多いため、お菓子に入れればふんわりとした食感に仕上がるメリットがありますよ。
ホットケーキミックス
ベーキングパウダーが含まれている粉類はいくつかあり、その中の1つがホットケーキミックスです。
ホットケーキミックスには砂糖などの甘味料が含まれているため、甘い味付けのお菓子やパンを作る際に使用することをおすすめします。小麦粉の分量に置き換えて使ってくださいね。
天ぷら粉
天ぷら粉もベーキングパウダーの代用として使えます。
天ぷら粉には砂糖が含まれていないため、レシピに記載されている通りに甘味料を入れてお菓子やパンを作りましょう。小麦粉やでん粉、卵黄と卵白を粉末化した卵粉などが配合されているので、中はふんわり外側はサクッとした食感に仕上がりますよ。
お好み焼き粉
塩気のあるお菓子やパンを作るなら、ベーキングパウダーの代わりにお好み焼き粉を使うのがおすすめです。お好み焼き粉には塩やだしなどが含まれているので、甘みのあるお菓子には不向きといえます。
メーカーによって塩やだしの配合量は異なるため、商品パッケージを確認して調味料の量を調整してくださいね。
これはNG!ベーキングパウダーの代用には不向きなもの!
ベーキングパウダーの代用に不向きなものを5つ紹介します。これらを入れてお菓子やパンを作ると膨らまずベタっとしたり重たい食感になったりしてしまいます。
- 片栗粉
- 小麦粉(薄力粉・強力粉)
- コーンスターチ
- 炭酸水
- マヨネーズ
特徴や膨らまない理由についてみていきましょう。
片栗粉
片栗粉とは、じゃがいものでんぷんを乾燥させて粉状にしたものを指します。料理にとろみをつけたり揚げ物の衣として使ったりするため、生地を膨らませることはできません。
小麦粉(薄力粉・強力粉)
小麦粉には生地を膨らませる効果がないため、ベーキングパウダーの代用はできません。スポンジ生地のお菓子の多くは小麦粉が使われますが、ベーキングパウダーがないとべチャっとした食感になってしまいます。
小麦粉の代わりに、膨張剤としての役割を持つホットケーキミックスや天ぷら粉を使うのがおすすめです。
コーンスターチ
コーンスターチはとうもろこしを原料とするでん粉で、片栗粉と比べて粘度が低いのが特徴です。
とろみを出すためにソースやスープに入れて使うことが多いため、ベーキングパウダーの代わりにはなりません。
炭酸水
ベーキングパウダーは発生した炭酸ガスによって生地を膨らませるため、同じような原理でいえば炭酸水はベーキングパウダーの代用として使用できます。
しかし、炭酸水を足すことで水分量が多くなり、うまく膨らまないことがあります。ベーキングパウダーの代わりに炭酸を入れると失敗しやすいため、不向きといえるでしょう。
マヨネーズ
マヨネーズには膨張力がないので、ベーキングパウダーの代用品にはなりません。ただしマヨネーズには、重曹と合わせることで、生地が美味しく仕上がる効果があります。ベーキングパウダーの代わりに重曹を使うときには、マヨネーズを少し混ぜてみると良いですよ。
家にあるベーキングパウダーが使えるかチェックしてみよう!
ベーキングパウダーを使ったのに生地が膨らまなかった場合は、ベーキングパウダーの品質が落ちているおそれがあります。
古いベーキングパウダーを見つけた場合は、少量のお湯で溶き、泡が発生するか確認しましょう。泡が発生しなかった場合は、買い替えるか、今回紹介した代用品を使ってお菓子やパンを作ってくださいね。
ベーキングパウダーは少量で使うことが多いため、使い切れず何年も放置してしまうこともしばしば。商品パッケージに記載されている賞味期限は開封前の期限なので、開封後は早めに使いましょう。
ベーキングパウダーの代用品を使ったお菓子を3つ紹介!
ベーキングパウダーの代用品を使ったパウンドケーキとマドレーヌ、蒸しパンの作り方を紹介します。簡単に作れるレシピなどで、子供と一緒に作ってみてはいかがでしょうか。
- 【重曹使用】バナナとくるみのパウンドケーキ
- 【重曹+酸性のもの使用】ショコラマドレーヌ
- 【ホットケーキミックス使用】かぼちゃの蒸しパン
順に作り方を紹介します。
【重曹使用】バナナとくるみのパウンドケーキ
バナナをたっぷり使ったこちらのパウンドケーキは、くるみの歯ごたえがアクセントになっています。くるみを炒ることで、香ばしい風味がアップ。朝食やおやつにおすすめのお菓子ですよ。
材料( 型18cm)
- バター(食塩不使用):100g
- 上白糖:100g
- 卵(Mサイズ):2個
- 薄力粉:100g
- 重曹(食用):小さじ1/2
- バナナ:2本(約300g)
- くるみ:30g
作り方
- 冷蔵庫からバターと卵を取り出し常温に戻す
- フライパンにくるみを入れ、中火で3〜4分炒る
- くるみを粗みじん切りにする
- 型にオーブン用シートを敷く
- バナナは厚さ1cmで10枚輪切りにする(飾り用)
- 残りのバナナはフォークで粗くつぶす
- オーブンを170度に予熱する
- ボウルにバターを入れ、なめらかなクリーム状になるまで泡立て器で混ぜる
- バターが入ったボウルに砂糖を5回に分けて加えながら泡立て器で混ぜる
- 白っぽくふわっとした状態になったら、溶き卵を6回に分けて加えながらさらに泡立て器で混ぜる
- 薄力粉と重曹をふるいにかけながらボウルに入れる
- ゴムべらを使って粉っぽさがなくなるまで混ぜる
- つぶしたバナナとくるみを入れてさっと混ぜる
- 型に生地を入れる
- 台にかるく打ちつけて空気を抜き、ゴムべらで表面を平らにする
- オーブンで15分焼いたら飾り用バナナをパウンドケーキの上に並べる
- 再度25~30分焼く
- パウンドケーキの真ん中に竹串を刺して何もつかなければ完成
- 粗熱が取れたら型から外す
【重曹+酸性のもの使用】ショコラマドレーヌ
ブラックチョコレートと純ココアを使用した濃厚ショコラマドレーヌ。甘みの強いお菓子が苦手な人は、グラニュー糖を少なめにして作るのがおすすめです。
材料(口径6cmのアルミケース6個)
- ブラックチョコレート:45g
- 溶かしバター(無塩):45g
- 卵(Mサイズ):1個
- グラニュー糖:40g
- 薄力粉:40g
- 純ココア:大さじ1
- 重曹:小さじ1/2
- 酸性のもの※:小さじ1/4
※ヨーグルト・レモン・マヨネーズ・クエン酸
作り方
- 冷蔵庫からバターと卵を取り出し常温に戻す
- ボウルにバターを入れ、600Wの電子レンジで30秒加熱して溶かす
- 別のボウルにブラックチョコレートを入れ、600Wの電子レンジで1分加熱して溶かす
- オーブンを180度に予熱する
- ブラックチョコレートとバターを合わせ、ゴムべらで混ぜる
- 同じボウルにグラニュー糖を入れ、泡立て器でしっかり混ぜる
- 同じボウルに薄力粉・純ココア・重曹をふるいにかけながら加える
- 最後に酸性のものを足してゴムべらでしっかり混ぜる
- アルミケースの八分目まで生地をスプーンで入れ、天板に並べる
- 温めたオーブンで10~12分焼く
- マドレーヌの真ん中に竹串を刺して何もつかなければ完成
【ホットケーキミックス使用】かぼちゃの蒸しパン
ホットケーキミックスを使ったかぼちゃの蒸しパンは、材料が少ないのでお菓子作りが苦手な人でも簡単に作ることができます。
また、ふわっとした食感が特徴のかぼちゃの蒸しパンは、消化吸収の良さもポイントです。生地にかぼちゃを練り込んでいるので、野菜不足の小さなお子さんにもおすすめですよ。
材料(口径7×高さ6cmのマフィンカップ10個)
- かぼちゃ:1/6個(約200g)
- ホットケーキミックス:150g
- 砂糖:30g
- 熱湯:50cc
- 卵(Mサイズ):1個分
- サラダ油:適量
作り方
- 種と皮を除いたかぼちゃを500Wの電子レンジで2~3分温める
- 温めたかぼちゃの1/5を1cm幅でカットし、残りはフォークで粗くつぶす
- 砂糖を熱湯で溶かし、シロップを作る
- ホットケーキミックスをふるいにかけてボウルに入れる
- 同じボウルに粗熱が取れたシロップと卵を入れ、泡立て器でしっかり混ぜる
- 粗くつぶしたかぼちゃを同じボウルに入れ、ゴムべらで混ぜる
- 型の約半分まで生地を入れる
- 1cm幅でカットしたかぼちゃをマフィンの上にのせる
- 蒸し器に入れて強火で7~8分蒸す
- 蒸しパンの真ん中に竹串を刺して何もつかなければ完成
まとめ|ベーキングパウダーがなくても重曹やホットケーキミックスで代用できる
ベーキングパウダーを切らしていた場合は、家にある重曹やドライイーストで代用することができます。ホットケーキミックスで代用すると甘みが加わり、お好み焼き粉で代用するとしょっぱさや出汁の風味が生地に加わります。作りたいお菓子やパンの味付けに合わせて代用品を選びましょう。
また、生地を膨らませる効果がないものは、ベーキングパウダーの代わりにはなりません。ベーキングパウダーの代わりに何を使えばいいのか迷った際は、この記事で紹介した内容を参考にしてくださいね。