【今年の十五夜はいつ?何をする?】お月見の日程・由来・風習・お供え物レシピを徹底解説!

秋の風物詩である「お月見」。心地の良い風がそよぐテラスや縁側で月を見上げれば、日本ならではの美しい風情や非日常感を味わえます。

今回は、お月見におすすめの日程と、家族や友人と楽しめるお月見の過ごし方について解説します。歴史やプチ雑学も紹介しますので、お月見会で披露してみてくださいね♪

今秋のベスト「お月見」日和はいつ?秋の十五夜と満月の日程をチェック

お月見日和といえば「十五夜」ですが、「十五夜」の日付は毎年変わります。また「十五夜」の日が必ず満月になるとは限りません。まずは、ここ数年の「十五夜」と「満月の日」を確認しておきましょう。

2023〜2027年の「十五夜」と「満月の日」一覧表

十五夜 満月の日
2023年 9月29日(金) 9月29日(金)
2024年 9月17日(火) 9月18日(水)
2025年 10月6日(月) 10月7日(火)
2026年 9月25日(金) 9月27日(日)
2027年 9月15日(水) 9月16日(木)

暦における「十五夜」は、実際の「満月の日」と数日のズレがあります。「十五夜」に強いこだわりがなければ、「満月の日」を選んだほうが月が綺麗に見えますよ

「十五夜」は何故9月15日や10月15日じゃないの?

「十五夜なのに、なぜ15日にならないの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。「十五夜」という言葉は旧暦が元になっていて、現代で使われている新暦とは年月の考え方が異なります。そのため、旧暦の15日が新暦の15日と一致することはほとんどありません。

旧暦は、「月の満ち欠けの周期」を1ヶ月として考えます。しています。月が全く見えなくなる新月の日を一夜(1日)として、次の新月が来るまでの期間を1ヶ月とします。月の満ち欠けの周期は約29.5日なので、新月から数えて十五夜目(15日目)が満月になる場合が多くなります。そのため、お月見日和は「十五夜」という考え方が浸透していきました。

新暦(グレゴリオ暦)は、「地球が太陽の周りを一周する周期」を1年として考えます。太陽が地球を一周する期間は約365.2日なので、これを12月分に振り分けると1ヶ月が約30日〜31日となります。

1ヶ月を29日〜30日で考える旧暦と、1ヶ月を30日〜31日と考える新暦では、対応する日付が月ごとに少しずつズレていきます。そのため、旧暦の「十五夜」と、新暦の15日が重なることは珍しいです。現代では、お月見行事や慣習として旧暦の日付を採用し、新暦に直して「十五夜」の日付を定めています。

「十五夜」と実際の「満月の日」がズレるのはなぜ?

旧暦での「十五夜」は新月から数えて15日目であり、新暦に置き換えるときも新月のタイミングから15日目を十五夜の日として定めています。しかし、実際の月の満ち欠けの周期は約29.5日であり、1日ずつきれいに割り切れるわけではありません。そのため、十五夜と実際の満月の日には1〜2日ほどズレが生じることが多いです。

日本での「十五夜」はもともと、きれいな月を愛でることを目的に始まり、その後に豊作や一年の健康を感謝する風習として普及しました。”15”という数字そのものに意味があるわけではないので、純粋にお月見を楽しむのであれば満月の日がおすすめです。

お月見に関連する時柄として耳にする「中秋節」「仲秋の名月」とは?

「中秋節」とは、お月見の由来となる中国でのお祭りのことです。「中秋」とは旧暦における8月の名称です。7月は「初秋」、8月は「仲秋」、9月は「晩秋」と呼ばれていました。

よく耳にする「中秋の名月」は中秋の十五夜に見える月とされ、旧暦における8月15日にあたります。現代の新暦に直すと、9月中旬〜10月上旬ごろになります。

お月見が始まったのはいつ?目的は?お月見の由来や歴史

親しい人と穏やかに過ごすイベントとして人気のお月見ですが、歴史上ではどのような行事として扱われてきたのでしょうか?ここからは、お月見の由来や歴史について詳しく解説します。

お月見の文化は古代中国で始まった

お月見の歴史は古く、約3000年前の古代中国まで遡ります。丸い月に見立てた食材を備えて、秋の実りを祈念していたとされています。唐の時代に「中秋節」として形式化され、月を愛でながら宴を楽しむ行事として定着していきました。

現代の中国では「中秋節」は正式な祝日として定められています。月餅(げっぺい)というお菓子を食べながら、親しい人とお月見を楽しむ日として親しまれています。月餅は日本でも手にすることができるので、どこかで見かけたら是非食べてみてくださいね。

日本では平安時代に貴族の宴として大流行

中国での「中秋節」が日本に広まったのは、今から約1000年前の平安時代と言われています。「月を愛でながら宴をする」という雅な行事は、当時の貴族たちの間で瞬く間に広がりました。賑やかな宴を催し、水面に映る月を眺めながら歌詠みや管弦を楽しんだとされています。

かの有名な『源氏物語』(須磨の章)の中でも、お月見の宴を恋しく思う一節が描かれています。平安貴族たちの中でお月見が愛されていた様子がうかがえますね。

江戸時代に豊作を祈る風習として庶民にも広まった

貴族の間のたわむれとして始まったお月見ですが、庶民たちの間で流行したのは江戸時代だと言われています。「五穀豊穣を願いお供え物をする」といった、古代中国の風習に近い形式で広まっていきました。月見団子やススキを飾るようになったのもこの頃からです。

裕福な庶民の間では、貴族たちと同じように宴としてのお月見も楽しまれていたようです。人々は食事や飲酒をしながら、外の大きな月を見上げました。当時の浮世絵にも、華やかに着飾った女性たちがお月見を楽しむ様子が描かれています。

現代でも楽しもう!各地のお月見イベント

現代でのお月見は、月を見ながら親しい人たちと家や出先の宿でゆっくり過ごすイベントとして知られています。しかしたまには、神社やお寺で催されているお月見イベントに出かけてみるのはいかがでしょうか。風情のある神秘的なお月見を楽しめますよ♪

【京都】八坂神社・祇園社観月祭/2023年9月29日

多くの神社が集まる京都エリアの月見祭です。多くの提灯に取り囲まれた舞殿での、舞楽、管弦、筝曲、太鼓などの奉納を鑑賞することができます。

公式ホームページ:京都祇園八坂神社

【名古屋】徳川園・観月会/2023年9月29日~30日

夜間に境内が開放され、ライトアップされた日本庭園の中を歩いてまわることができます。家族はもちろん、恋人同士でも楽しめるロマンチックな雰囲気です。年によりますが、日中には親子で楽しめるイベントも企画されることが多いようです。

公式ホームページ:徳川園

【滋賀】石山寺・秋月祭/2023年9月29日~30日

紫式部が『源氏物語』を起筆したことで有名な石山寺でのお祭りです。須磨の章の出だしは、石山寺で十五夜の月を眺めたときに着想を得たと言われています。お祭りでは源氏物語にちなんだ催しが毎年企画されています。

公式ホームページ:大本山石山寺

注意点

イベントの詳細については、それぞれの公式情報を必ずチェックしてください。

  • 日程は現時点での情報です。日時が変更になったり、中止になったりする可能性があります。
  • 会場への入場やイベントへの参加には、事前予約や費用が必要な場合があります。
  • 夜間のイベントに子供を連れて行くときは、周囲に気を配り、目を離さないようにしましょう。

お月見のお供え物に使う食べ物は?何をすればいい?お月見の風習について

家でのんびりお月見を楽しむときに用意するお供え物についてご紹介します。それぞれの意味合いについても詳しく解説しますので、1年間の感謝や祈りを込めつつ、きれいな飾りけにチャレンジしてみましょう!

今年の豊穣に感謝!月見団子をお供えする

お月見の代名詞である「月見団子」。小粒なお団子をピラミッド上に積み上げれば、お月見イラストでよく見るお供え物の出来上がりです。

江戸時代には収穫したばかりの芋が使われていましたが、一般化するにつれてどの家庭でも用意しやすいお団子に変化していきました。何個も団子を積み上げるのは、月に願いを届けようとする想いに由来します。

お供えをしつつ、食べても楽しみたいところ。美味しいお団子を購入しても良いですが、家族でお団子作りにチャレンジしてみるのもおすすめです。記事の後半でレシピをご紹介しますので、是非試してみてくださいね。

魔除けの効果も!?ススキを飾る

「ススキ」は稲(米)を模したものと言われています。十五夜は稲穂が実る前の時期なので、稲が豊作になるようススキに願いが込められました。

また、ススキの鋭い穂先は、魔除けとしての効果があると考えられてきました。お供え物の近くだけでなく玄関先や軒先に飾って、病気や事故から身を守ってもらいましょう。

芋類、栗、秋のフルーツを備えてもOK

昔ながらの風習を考慮すると、お供え物のポイントは以下の2点が共通点として挙げられます。

  • 旬のものを備えて、自然に対しての祈りや感謝を込める
  • 丸い食材を月に見立てて願いを込める

お月見は厳格な神事ではなく、人々の間の風習です。現代では「月見団子」や「ススキ」のイメージが強いお供え物ですが、そこに決まり事やルールは存在しません。

ポイントさえおさえておけば、地域差や時代差はもちろん、人や家庭によって形が変わってしまっても構いません。昔の風習に倣って芋類を使ってもいいですし、栗や柿など秋ならではの旬の味覚をお供えするのもOKです。せっかくなので、家族みんなが楽しめる食材を使ってみてくださいね。

みんなで作ろう!お月見にちなんだアレンジレシピ4選

用意するところからお月見を楽しみたいときは、手作りのお供え物や晩ごはん作りがおすすめです。ここからは、家族で楽しめるお月見レシピをご紹介します!

うさぎ型が可愛い♪お月見団子レシピ

月見団子の基本的なレシピと、みたらし団子のタレの作り方をご紹介します。手作り団子は好きなように成形できる点がポイント。お月見にちなんでだうさぎ型や、子供の好きな形にして楽しみましょう。

材料

  • 白玉粉:70g
  • 上新粉:30g
  • 砂糖:大さじ1
  • 水:100ml
  • ☆砂糖:大さじ3
  • ☆醤油:大さじ1
  • ☆片栗粉:小さじ1
  • ☆水:大さじ3

作り方

  1. ☆の材料を鍋でよく混ぜてから、弱火にかける。
  2. 火にかけている間はかき混ぜ続け、とろみがついたら火を止める。
  3. ボウルに白玉粉、上新粉、砂糖を入れ、よく混ぜ合わせる。
  4. 2〜3回に分けてボウルに水を注ぎ、つやが出るまでこねる。
  5. ④の生地をうさぎの形に成形する。(顔の部分と耳を別々に作り、後からくっつけるのがおすすめ。)
  6. 鍋で十分な量のお湯を沸かし、うさぎ型にした生地を鍋に入れる。
  7. 生地が浮き上がってきたら、さらに2分ほど茹でる。
  8. 水を切ってトレーに上げ、冷蔵庫でよく冷やす。(氷水で冷やしてもOK。)
  9. お供え用のお皿に盛り付ける。
  10. 食べるときは☆のタレをたっぷりつけて召し上がれ。

旬を楽しもう♪里芋の煮っ転がしレシピ

里芋もちょうど旬の時期。豊穣を祈る意味合いからも、晩御飯のおかずには里芋レシピがおすすめです。ほくほくの煮っ転がしを堪能しましょう。

材料

  • 里芋:約300g
  • 鶏むね肉:150g
  • 片栗粉:小さじ1
  • ごま油:適量
  • ☆めんつゆ(3倍濃縮):小さじ2
  • ☆本みりん:小さじ1
  • ★めんつゆ(3倍濃縮):大さじ3
  • ★本みりん:大さじ3
  • ★水:150ml

作り方

  1. ポリ袋などにカットした鶏むね肉と☆の材料を入れ、下味をつける。
  2. 里芋の皮をむき、食べやすいサイズにカットする。
  3. 鍋にごま油を入れて火にかける。
  4. ごま油の匂いが広がってきたら、鶏むね肉を入れて中火で炒める。
  5. ひき肉に火が通ったら、里芋と★の材料を入れ、落とし蓋をしてから弱火で10分煮る。
  6. 里芋に竹串がスッと通るようになったら、落とし蓋を取って中火にする。
  7. 水分が飛んだら、片栗粉を入れて、とろみがつくまで1分ほど煮る。

やさしい甘さ♪栗きんとんレシピ

「お団子ばかりはちょっと重いかも?」というときは、旬の栗を使ったレシピがおすすめ。柔らかい栗きんとんなら、子供からお年寄りまで楽しめます。前菜としても、スイーツとしても役立つ一品です。

材料

  • 栗の甘露煮:1瓶
  • さつまいも:1本
  • 塩:小さじ2
  • 砂糖:大さじ1
  • みりん:小さじ2

作り方

  1. さつまいもの皮をむき、薄切りにする。10分ほど水にさらしておく。
  2. 沸騰したお湯にさつまいもと塩を入れ、中火で5〜6分ほど茹でる。
  3. さつまいもを裏ごしし、鍋に戻す。
  4. 砂糖とみりんを加え、弱火で温めながら混ぜる。*砂糖の量はお好みで調整してください。
  5. 栗の甘露煮に④を和える。

〆にピッタリ♪お月見うどんレシピ

お月見ではお芋や米を使ったレシピが多いので、〆は麺でちゅるっと軽くいきましょう。簡単うどんレシピに卵黄を乗っければ立派なお月見レシピの出来上がり。お腹を存分に満たしましょう。

材料

  • 袋うどん:2人前
  • めんつゆ(4倍濃縮):大さじ3
  • 酒:少々
  • 卵黄:4つ
  • しょうが:適量
  • ねぎ:適量

作り方

  1. 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、うどんを茹でる。
  2. ボウルで酒とめんつゆを混ぜ合わせ、それぞれの器に分けておく。
  3. 茹で上がったうどんを器に盛る。
  4. 器にお湯を注ぎ(茹で汁でもOK)、②とよく混ぜ合わせる。
  5. うどんの上に卵黄を乗せる。
  6. お好みでしょうがやねぎを加える。

子どもに教えてあげたいお月見雑学

最後に、お月見に関する意外と知られていないプチ雑学をご紹介します。まん丸な月を見上げながら、子供や友人にお話ししてみましょう!

「月にうさぎ」の由来は?今昔物語集からうさぎの逸話を紹介

月の模様がうさぎに見えることから「月にはうさぎが住んでいる」という小話は有名ですよね。実はこのお話には、ちゃんとした逸話が存在していることをご存知でしたか?日本最大の説話集として有名な『今昔物語集』には、月とうさぎに関する説話が収められています。

あらすじ

むかしむかし、うさぎ、きつね、さるの3匹が、天竺(インド)で菩薩になるための修行をしていました。彼らは家族のように親しく、お互いのことをとても大切にしていました。帝釈天は、3匹の他者を想い合う気持ちを試すために、老人の姿に変装して彼らの前に現れました。

「老いぼれた私には、家族もなく、家もなく、食べるものもありません。私を養ってくれませんか?」と帝釈天は3匹に言いました。さるは食材を集める能力に長けていて、森や里で食材を集めて帝釈天に与えました。きつねは自身の社に供えられていた魚を分け与えました。しかし、うさぎには施せるものがありませんでした。

ある日うさぎは「美味しいものを持ってくるので、火を起こして待っていてください」と帝釈天に言いました。うさぎの望み通り、さるは薪を集め、きつねは火をつけました。うさぎは焚き火に飛び込み、自分の体を食糧として帝釈天に捧げました。

うさぎの行動に感銘を受けた帝釈天は、火に飛び込んだうさぎの姿を月に写しました。こうして、人々は月を見上げるたび、うさぎの献身的な姿を思い起こすようになりました。

伝統的な行事をきっかけに、親子で古典を楽しもう

「月にうさぎ」がしたためられている『今昔物語集』は、現代語訳や子供向けの絵本も出版されています。子供はもちろん、大人も知らなかったアレコレの由来が詰まっています。四季を通じた伝統行事を楽しみながら、古典への理解を深めて日々に彩りをプラスしましょう。

「お月見」は英語で何という?お月見を説明するためのフレーズまとめ

お月見は、中国を起源とするアジア圏の風習です。それ以外の地域の人々に説明するときに参考になる、お月見フレーズ集をご紹介します。

  • お月見→moon viewing
  • 月見団子→Moon-viewing dumplings
  • ススキ→pampas grass
  • 月のうさぎ→a rabbit that lives on the moon

フレーズ例:お月見は秋の風物詩として親しまれています。

Otsukimi, moon viewing, is one of the most popular events in Autumn.

フレーズ例:満月を眺めながら、団子やススキを供えて豊穣や安寧への祈りを捧げます。

We pray harvest and peace with food offerings, for example dumplings and pampas grasses, viewing the full moon.

フレーズ例:仏教の説話では、月にはうさぎが住んでいると言われています。

In the Buddhist anecdotes, people believe a rabbit lives on the moon.

フレーズ例:日本の有名な文豪は、”I love you.”を「月が綺麗ですね。」と訳しました。月を褒めるときは気をつけてくださいね。

The Japanese great writer translated “I love you.” to “Today’s moon is beautiful.” Be careful if you praise the moon.

月の美しさは万国共通です。他の国の人たちともお月見を楽しみたいですね。

まとめ

2023年の十五夜は9月29日(金)です。今年は十五夜と満月になるタイミングが同じなので、家族や友人と素敵なお月見を過ごしてみてはいかがでしょうか。週末ということもあり、近くのお月見イベントを探して出掛けてみるのも良いですね。

ゆったりと家でお月見を楽しむときには、美味しいお供え物の準備もぬかりなく。今回ご紹介したお供え物の考え方やレシピを参考に、お月見を堪能してくださいね♪

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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