家を購入する人の平均年齢は?タイミングやシミュレーションも紹介!

この人に聞きました高槻翔太

宅地建物取引士、FP2級保有 不動産・建設会社の土地有効活用のコンサルティング営業を6年担当。現在は不動産や建設業界の知見を活かした不動産や金融ジャンルのライターとして活動しています。

「家を購入している人の平均年齢は?」「どんなタイミングで家を購入している?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、家を購入する年齢やタイミングについて

  • 家を購入する年齢やタイミング
  • 家を購入する際の年代別シミュレーション
  • 家を購入する際のポイント
  • 家を購入する際の注意点

を網羅的に紹介します。

家を購入するのはどのような年齢・タイミングが良い?

どのタイミングで家を購入すれば良いか悩みますよね。

そこで、家を購入する際の年齢やタイミングについて、以下の4つの観点から解説します。

  • 契約者の年齢は若い方が良い
  • 子どもが進学や独立したタイミング
  • 年収と住宅ローンのバランス
  • 家族構成の変化

順番に見ていきましょう。

契約者の年齢は若い方が良い

家を購入する際は年齢が若い方がさまざまな観点からメリットが得られます。

まずは国土交通省の調査が発表している家を購入する人の平均年齢を見てみましょう。

世帯主の平均年齢
注文住宅 44.0歳
分譲戸建住宅 38.4歳
分譲マンション 44.3歳
中古戸建住宅 46.9歳
中古マンション 46.4歳

参照:国土交通省

上記のデータからも、家を購入する世帯主の年齢は40歳前後であることがわかります。

金融機関で家ローンを組む際に年齢は重要なポイントですが、その理由を3つに分けて紹介します。

完済の年齢

完済時の年齢が80歳未満であることが住宅ローンを組む条件となっている金融機関が多いです。

金融機関によっても異なりますが、住宅ローンの最長期間は35年のため、35年の住宅ローンは45歳になるまでに組む必要があります

また、定年退職後は給与所得がなく年金生活をしながら住宅ローンの返済をすることになるため、家を購入する際は若いうちに検討しておきましょう。

返済額

先述したように、住宅ローンの最長期間は35年です。

住宅ローンを35年間で組むと、月々の返済額の負担が小さくなります。

一例として、借入金額が4,000万円で金利1.5%の場合に、返済期間30年と35年で比較してみましょう。

返済期間30年 返済期間35年 差額
月々の返済額 138,048円 122,473円 15,575円
総返済額 49,697,092円 51,438,816円 ▲1,741,724円

つまり、返済期間が長ければ月々の返済額が減り、総返済額が増えることになります。

年齢を重ねれば給与所得は上がることがほとんどなので、収入が少ないうちは月々の負担が軽くなる長期間の住宅ローンを組むのがおすすめです。

長期間で住宅ローンを組むためにも、若いうちから家の購入を検討しましょう。

団体信用生命保険

団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中に契約者が死亡した場合に住宅ローンを完済する保険の制度です。

民間の金融機関で住宅ローンを組む場合は、基本的に団体信用生命保険への加入が義務付けられていますが、あくまで生命保険の一種であるため、購入者の年齢や健康状態によって加入できない可能性もあります。

つまり、年齢が若いうちから家の購入を検討することで、団体信用生命保険に加入できて住宅ローンを組める可能性が高くなります。

子どもが進学や独立したタイミング

子どもが進学や独立したタイミングで家を購入する人も多いでしょう。

有名な小学校がある学区では、治安が良く女性や子どもも住みやすい環境が整っており、将来的に資産価値が下落しにくい特徴があります。

そのため、子どもが進学するタイミングで、暮らしやすい地域に家を購入することを検討している家庭が多いです。

また、子どもが独立したタイミングで、老後の生活を見据えて家を購入するケースもあります。

この場合は、老後資金と住宅ローンのバランスを考えながら家を購入する必要があるため、注意しましょう。

年収と住宅ローンのバランス

住宅ローンを組む際に年収とのバランスを考慮することも大切です。

国土交通省が発表している家を購入する人の世帯年収の平均値を見てみましょう。

平均世帯年収
注文住宅(全国平均) 779万円
注文住宅(三大都市圏) 909万円
分譲戸建住宅 719万円
分譲マンション 912万円
中古戸建住宅 687万円
中古マンション 745万円

参照:国土交通省

上記のデータからも、家を購入する世帯の年収は800万円前後であることがわかります。

近年不動産の価格が高騰し続けているため、必要とされる年収も上がっているのでしょう。

また、住宅ローンを組んで家を購入する場合、借入金額の目安は一般的には「年収の5倍~6倍」と言われています。

2022年8月に住宅金融支援機構が発表した「フラット35利用者調査」で確認してみましょう。

所要資金 世帯年収 年収倍率
マンション 4,528万円 788万円 5.74倍
土地付注文住宅 4,455万円 639万円 6.97倍
建売住宅 3,605万円 563万円 6.40倍
注文住宅 3,572万円 602万円 5.93倍
中古マンション 3,026万円 608万円 4.97倍
中古戸建 2,614万円 508万円 5.14倍

参照:住宅金融支援機構

上記の表からも、家を購入する際にかかるお金は世帯年収の5倍~7倍程度であることがわかります。

家族構成の変化

家族構成の変化のタイミングで家を購入する人も多いでしょう。

家族の人数や年齢に応じて必要な部屋の数や広さが異なります。

具体的には、以下のようなタイミングが挙げられます。

  • 結婚した時
  • 出産をした時
  • 親と同居する時

結婚

1つ目は結婚です。

結婚をしたパートナーと生涯にわたって生活をする「理想のマイホーム」を思い描いている人も多いのではないでしょうか。

結婚式や新婚旅行を終えてひと段落ついた時に、出産のことも見据えながらパートナーと暮らしていく家のことを考える人も多いです。

ペアローンを利用することで、若いうちから理想の家を購入できる可能性が高くなります。

ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンの契約者となる方法です。

例えば、夫が3,000万円、妻が1,000万円の住宅ローンを組むこともできます。

ペアローンのメリットは、一人よりも多額の融資を受けられるだけではなく、金利タイプや返済期間を自由にカスタマイズできることが挙げられます。

出産

2つ目は出産です。

子どもが生まれてから家を購入する人も多く、子どもが進学した時のことを考慮しながら立地を選びますよね。

具体的には、周辺の公園や病院、通学の距離などが挙げられます。

ただし、子どもが未就学児であれば子ども部屋は不要かもしれませんが、小学校や中学校に進学すれば子ども部屋が必要になるため、家の間取りを検討する際には注意が必要です。

親との同居

3つ目は親との同居です。

家を購入する時点では親と同居するつもりがなくても、年齢を重ねることでご自身もしくはパートナーの親と同居する可能性もあります。

国交省の調査によれば、親との同居率は全体の約23%です。

親との同居を見据えて家を購入する場合には、バリアフリーである必要があります。

自治体によっては、一定の年齢以上の両親と同居する際やバリアフリー工事を実施する際に補助金を受け取れる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

家を購入する際の年代別シミュレーションを紹介

家を購入する際のシミュレーションを以下の年代別に紹介します。

  • 20代
  • 30代
  • 40代
  • 50代

65歳までに完済するシミュレーションを行うので、ご自身の年代に合わせて参考にしてみてくださいね。

20代

25歳が以下の条件で住宅ローンを組んだとします。

  • 借入期間:35年
  • 借入金利:1.54%(2023年5月16日時点の三菱UFJ銀行の金利を参照
  • 頭金:なし
借入金額 月々の返済額 総返済額
2,000万円 61,629円 25,884,187円
3,000万円 92,444円 38,826,354円
4,000万円 123,259円 51,768,532円

20代で住宅ローンを組んで家を購入することで、65歳までに余裕を持って住宅ローンを完済できるのはメリットです。

退職金や年金を住宅ローンに充当する必要がなくなるため、老後資金にゆとりが生まれます。

ただし、給与所得が低い中で住宅ローンの返済をしなければならない点はデメリットと言えます。

30代

35歳が以下の条件で住宅ローンを組んだとします。

  • 借入期間:30年
  • 借入金利:1.50%(2023年5月16日時点の三菱UFJ銀行の金利を参照
  • 頭金:なし
借入金額 月々の返済額 総返済額
2,000万円 69,024円 24,848,426円
3,000万円 103,536円 37,272,768円
4,000万円 138,048円 49,697,092円

30代になれば結婚や出産を終え、勤務地も固定されてくる人も多いのではないでしょうか。

その点では、家を購入する地域や間取りなどを選びやすくなると言えます。

ただし、20代と比べると月々の返済額が増えるため、35年ローンを組んで月々の負担を減らしつつ、まとまった資金を貯められたら繰り上げ返済を検討しましょう。

40代

45歳が以下の条件で住宅ローンを組んだとします。

  • 借入期間:20年
  • 借入金利:1.69%(2023年5月16日時点の三菱UFJ銀行の金利を参照
  • 頭金:なし
借入金額 月々の返済額 総返済額
2,000万円 98,266円 23,583,885円
3,000万円 147,399円 35,375,886円
4,000万円 196,533円 47,167,853円

40代になると老後の生活を見据えた間取りにすることで、引越しやリフォームの手間がなくなります。

また、住宅ローンを組む際に頭金を用意できるため、返済額の負担を軽くできるのもメリットと言えます。

比較をするために、同じ借入期間と借入金利だった場合に、500万円の頭金を用意できた場合の返済額を確認してみましょう。

借入金額 月々の返済額 頭金なしとの
月々の返済額の差額
総返済額 頭金なしとの
総返済額の差額
1,500万円 73,699円 24,567円 17,687,887円 5,895,998円
2,500万円 122,833円 24,566円 29,479,857円 5,896,029円
3,500万円 171,966円 24,567円 41,271,883円 5,895,970円

頭金を500万円用意することで、総返済額が500万円以上軽減されることになるため、収入が増える40代以降にとってはメリットです。

ただし、40代では子どもの教育費や老後資金を考慮する必要があるため、頭金の入れすぎには注意が必要です。

50代

55歳が以下の条件で住宅ローンを組んだとします。

  • 借入期間:10年
  • 借入金利:0.88%(2023年5月16日時点の三菱UFJ銀行の金利を参照
  • 頭金:なし
借入金額 月々の返済額 総返済額
2,000万円 174,168円 20,900,175円
3,000万円 261,252円 31,350,291円
4,000万円 348,337円 41,800,405円

50代になると、定年までに住宅ローンの完済を目指す場合は月々の負担が大きくなります。

40代と同様に収入が増えてくるため、教育費や老後資金のことを考慮しながら頭金を準備したり、繰り上げ返済を検討したりすることが大切です。

ただし、50代になると健康状態が良好ではなくなるケースも多く、金融機関によっては団体信用生命保険の加入が難しくなるため、注意が必要です。

家を購入する際の4つのポイント

家を購入する際のポイントは以下の4つです。

  • 返済負担率
  • 自己資金の割合
  • 立地やエリア
  • 必要な間取り

ポイントを抑えておくことで、失敗しない家の購入ができるでしょう。

返済負担率

1つ目のポイントは、返済負担率です。

返済負担率とは、年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合を指します。

フラット35では年収が400万円以上の人は返済負担率を35%以下にすることが条件とされています。

先ほど紹介した家を購入する世帯の平均年収約800万円の場合は、年間の返済額は280万円以下です。

ただし、これはあくまで目安であり金融機関によっても異なるため、自分の年収やライフプランに合わせた資金計画を立てましょう。

自己資金の割合

2つ目のポイントは、自己資金の割合です。

自己資金を用意することで月々の返済額を減らしたり、返済期間を短縮できたりします。

また、金融機関によっては自己資金を1~2割準備することで優遇金利を受けられるケースもあります。

ただし、自己資金を使いすぎることで生活費を圧迫してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

立地やエリア

3つ目のポイントは、立地やエリアです。

立地やエリアは以下の視点で検討しましょう。

  • 都心か郊外か
  • 通勤時間や通学時間
  • 周辺施設
  • ハザードマップ

都心は交通の利便性が良く、仕事や娯楽、買い物などに困ることが少ないですが、自然豊かな環境を好む場合には郊外の方が優れていると言えます。

また、周辺にスーパーやコンビニ、薬局だけではなく病院など、日常の生活をする際に必要不可欠な施設があることが望ましいです。

このように、ご自身がどのような暮らしをしたいかによって立地やエリアが異なるため、具体的に生活をイメージしておくことが大切です。

必要な間取り

4つ目のポイントは、必要な間取りです。

家族構成の変化によって必要な部屋の数や広さが異なります。

子どもが増えたり成長したりすれば、それぞれに子ども部屋が必要になるでしょう。

また、老後のことも考慮する場合にはバリアフリーにするなどの工夫が必要になるため、現在だけではなく将来のことも見据えた家の購入が必要です。

さらには、生活の利便性を意識するうえでは3つの動線について考えましょう。

家事の動線

1つ目は家事の動線です。

家事の動線とは、洗濯や掃除などの家事を行う際に意識するべき動線のことです。

家事の動線を考えて家を購入することで、日常生活の家事の負担が軽減されます。

具体的には、1階に洗濯機置場、2階に洗濯物を干すサンルームやバルコニーがある場合、洗濯物を持って階段を上がることになります。

洗濯機置場と洗濯物の位置を考慮して家の購入をするだけで、家事を時短にすることができ毎日の負担が軽減されるのがメリットです。

生活の動線

2つ目は生活の動線です。

生活の動線とは、日常生活の中で意識するべき動線のことです。

生活の動線を考えて家を購入することで、日常生活をより快適に過ごせます。

具体的には、リビングからトイレの距離やトイレから洗面所の距離、浴室と冷蔵庫の位置などが挙げられます。

どのような日々を過ごすかによって部屋の配置が変わるため、まずは快適な暮らしについて考えてみるのがおすすめです。

来客の動線

3つ目は来客の動線です。

来客の動線とは、家族以外の人が家に来た時のことを意識するべき動線のことです。

来客の動線を考えて家を購入することで、来客時に見られたくないものなどを見られずに済みます。

具体的には、玄関から客間に行くまでにキッチンのプライベートな空間が見える、洗面所から室内干しが見えるなどが挙げられます。

頻繁に来客がなければ考えすぎる必要はありませんが、来客が多い場合には気を付けましょう。

家を購入する際の4つの注意点

家を購入する際の注意点は以下の4つです。

  • 購入時には諸費用が発生する
  • 複数の会社を比較検討する
  • 将来性まで考えて選ぶ
  • メンテナンス費用を把握する

注意点を把握しておくことで、家を購入する際にリスクを最小限に抑えられるでしょう。

購入時には諸費用が発生する

1つ目の注意点は、購入時には諸費用が発生することです。

家を購入する時は、土地や建物以外にも諸費用が発生します。

具体的には以下のような諸費用がかかります。

  • 仲介手数料
  • 住宅ローン手数料
  • 印紙代
  • 登記費用
  • 司法書士への報酬
  • 不動産取得税
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険料

建物や土地の費用は住宅ローンを組むことができますが、上記のような諸費用は自己資金で支払うことがほとんどです。

そのため、支払うタイミングで金額については、事前に不動産会社や金融機関に確認しておきましょう。

複数の会社を比較検討する

2つ目の注意点は、複数の会社を比較検討することです。

家の購入は人生で何度もあるものではありません。

間取りは理想的だけどコストが高い、コストは安いけど間取りが納得いかないなど、人によって感じるポイントはさまざまです。

1社から提示されたプランや見積もりだけでは、良い点と悪い点を比較できないため、理想の家を購入するためにも、複数の会社を比較検討することがおすすめです。

将来性まで考えて選ぶ

3つ目の注意点は、将来性まで考えて選ぶことです。

家を購入する時点で周辺環境が整っていても、将来的に過疎化して生活が不便になる可能性があります。

各自治体のホームページに掲載されている人口推移や、家を購入する時点での周辺環境の充実さに加えて再開発などが計画されていないかを確認しましょう。

また、将来性を考えて立地を選ぶことで、売却する際に不動産の価格が下落しづらいメリットもあります。

住む場所や生活スタイルなどを考慮して家を購入しましょう。

メンテナンス費用を把握する

4つ目の注意点は、メンテナンス費用を把握することです。

家は購入後もメンテナンス費用が発生します。

レインズが発表している「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金」によれば、修繕積立金の平均額は1戸あたり11,164円で、管理費の平均額は1戸あたり12,321円です。

つまり、毎月約23,000円がかかっていることになります。

マンションの場合は毎月徴収された費用が大規模修繕の工事費用に充当されますが、戸建ての場合は自分で大規模修繕に向けて積み立てをしておく必要があります。

定期的なメンテナンスを行わないと建物の老朽化が進み、多額のリフォームや修繕費用が発生する可能性もあるでしょう。

ご自身の家では何年に1度、どの程度の修繕が必要になるのか、ハウスメーカーや建築会社に確認しておきましょう。

まとめ|家を購入する際は将来のことも視野に入れよう!

今回の記事では、家を購入する年齢やタイミングについて紹介しました。

家を購入する際は、それぞれの年代においてさまざまなメリットやデメリットがあると言えます。

また、家を購入するのは人生で何度もあるわけではないため、後悔のないように将来のことまで視野に入れて、立地や間取りを検討しましょう!

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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