子どもから大人まで、どなたにも大人気のさつまいも!
「さつまいも」という名前で一括りにしがちですが、ブランドによって味や食感に異なり、向いている調理法もそれぞれです。そこで今回は、食材売り場で迷ったときに役立つ、定番&人気さつまいもの特徴と見分け方をご紹介します♪
目次
さつまいもの「味」「食感」「色」などの特徴は<糖度>で決まる!
まずは、さつまいものカテゴリがどのように分かれているのか、ざっくりと把握しておきましょう。さつまいもの特徴は「味」「食感」「色」の3つで決まります。その中でも「味」の方向を決定づける<糖度>が重要です。糖度が高いかどうかで「食感」や「色」の傾向が見えてきます。
糖度が高いと「しっとり」、低いと「ほくほく」に
糖度が高い品種は、食感が「しっとり」系になります。特に糖度が高いものは「ねっとり」と感じるようなものもあり、蒸してそのまま食べるにはくどい場合も。
糖度が低い品種は、食感が「ほくほく」系になります。調理法によっては「パサパサ」してしまうので、それぞれに合った食べ方を意識する必要があります。
糖度が高いと「濃いオレンジ」に、低いと「濃い紫」や「うっすらした黄色」に
糖度が高い品種は、断面の色が「濃いオレンジ」になります。糖度が低い品種は、断面の色が「濃い紫」や「うっすらした黄色」に色づきます。これらは同じ品種の中でも、糖度の濃淡をチェックするポイントになります。
色素がほとんどない白色の品種もありますが、それらは食用には不向きです。食用以外のさつまいもの用途については、記事の最後で解説します。気になる方は合わせて読んでみてくださいね。
糖度が高いと「カロリーも高め」に
糖度が高い品種は、カロリーも高いと言われています。さつまいもを食べすぎるケースはあまりないと思いますが、ダイエット中の方はご注意を。カロリーが気になるなら、糖度が低い品種をあっさりいただくほうがおすすめです。
糖度が高いさつまいもは高級品?
一般的に、糖度が高いさつまいものほうが価格が高い傾向があります。環境づくりが大変だったり、収穫後に寝かせておく必要があったりするためです。他の品種に比べて価格が一回り高い場合は、糖度が高めのものと考えられます。
【定番&人気】さつまいも6種類の特徴と見分け方
ここからは、具体的な品種別の特徴と見分け方について解説します。定番かつ人気な6種類の品種を集めてみました。
紅はるか
熱を加えるとどんどん甘味が増していく、最上級の糖度を含んだ品種です。ねっとりを通り越して蜜のようなベタっとした食感になることも。形が良く使いやすい大きさなので、甘い味付けをしたい料理やお菓子の材料として人気を博しています。もちろん、蒸しや焼きでそのままいただいても美味しく召し上がれます。
味:かなり甘い/食感:ねっとり
外見:赤紫色/加熱後の断面:オレンジ
おすすめ調理法:蒸し芋、焼き芋、お菓子系
安納芋
紅はるかより控えめなものの、こちらもかなりの糖度を含んだ品種です。お菓子のパッケージで「安納芋使用!」というキャッチコピーを見かけたことのある方も多いはず。味付けをしなくても十分な甘味があるため、素材勝負のレシピに適しています。程よい甘さの干し芋に加工されることも多いです。
味:かなり甘い/食感:ねっとり
外見:赤茶色/加熱後の断面:濃いオレンジ
おすすめ調理法:蒸し芋、焼き芋、干し芋、お菓子系全般
シルクスイート
しっかりとした甘味と、くどすぎない食感が特徴の品種です。紅はるかや安納芋に比べると甘味は控えめですが、芋の筋(繊維)が少ないので、上の二つより舌触りの良い食感を楽しめます。蒸し芋にすると、スプーンですくえるほどの滑らかさに。素材そのまま、シンプルにいただくのがおすすめです。
味:甘め/食感:しっとり
外見:赤紫色/加熱後の断面:オレンジ
おすすめ調理法:蒸し芋、焼き芋
紅まさり
こってりした甘さより、自然な甘味を感じたいときには紅まさりがおすすめです。程よい糖度としっとり食感で食べやすい口当たりです。塩茹でにすると、さつまいもらしい甘さが口いっぱいに広がります。大学いものような食感を楽しむ料理にも適しています。
味:自然な甘さ/食感:しっとり
外見:赤茶色/加熱後の断面:濃い黄色
おすすめ調理法:大学いも、天ぷら、塩茹で
パープルスイートロード
しつこくない甘さとほくほく食感が楽しめる品種です。加熱後も鮮やかな紫色がはっきりと出るので、スイートポテトやケーキなどに使用するとスイーツの見栄えが良くなります。
味:自然な甘さ/食感:ほくほく
外見:赤紫色/加熱後の断面:紫色
おすすめ調理法:ケーキ、スイートポテト
アヤムラサキ
甘さ控えめの品種です。甘さが必要ない調理にはこの品種がおすすめです。パープルスイートロード同様、はっきりとした紫色をしているので、料理やお菓子の色付けに活用できます。
味:甘さ控えめ/食感:ほくほく
外見:茶色/加熱後の断面:濃い紫色
おすすめ調理法:天ぷら、ポタージュ、チップス
さつまいもの種類別!オススメの調理方法とレシピはこれ
各ブランドの特徴をおさえたところで、実際の調理に使うときのおすすめ調理法やレシピをご紹介します。美味しいさつまいもレシピをご家庭でお楽しみください。
糖度が高い品種は「干し芋」「スイートポテト」で素材勝負
甘味たっぷり、食感しっとりのさつまいもは「何もしなくても美味しい!」ことが最大の強みです。より甘味を引き立てる干し芋への加工や、砂糖を使わなくても美味しいスイートポテトなどに活用するのがおすすめです。
干し芋のレシピ
<材料>
- 「紅はるか」「安納芋」などの甘さたっぷりなさつまいも:本数はお好みで
<作り方>
- 鍋にさつまいもと水を入れ、中火にかける。沸騰後さらに25〜40分程度ゆでる。
- 竹串がスッと入るほどの柔らかさになったら、火を止めて水を切る。
- 軍手やふきんで片手にさつまいもを持ち、繊維の多い先端を切り落とす。その後、バターナイフなどで皮を剥く。熱いので火傷に注意。
- 素手で持てるようになるまで冷ました後、1cm程度の斜め切りにする。
- さつまいも同士が重ならないように、ザルやネット等に並べる。
- 2日〜1週間ほど天日干しにする。タイミングはお好みで。夜間は風通しの良い涼しい場所に移しましょう。
秋の収穫期に購入した場合は、調理前に新聞紙にくるんで1ヶ月ほど暗所で寝かせておくと、さらに甘味が増します。
スイートポテトのレシピ(砂糖不使用)
<材料>
- 「紅はるか」「安納芋」などの甘さたっぷりなさつまいも:500g
- バター:50g
- 生クリーム:50ml
- 卵:1/2個
- 牛乳:小さじ1/8
<作り方>
- さつまいもの皮を剥き、輪切りにして弱火でじっくりゆでる。
- 竹串がスッと入るほどの柔らかさになったら、火を止めて水を切る。
- ボウルにさつまいも、バター、生クリームを入れて、ハンドミキサー等でよく混ぜる。
- 手でまとめられるかたさになったら、1つずつ成形しながらオーブンの天板に並べる。
- 照り出し用の卵と牛乳を混ぜ、生地の表面にサッと塗る。
- 200度のオーブンで約15分焼く。
糖度がそこそこな品種は「大学いも」にぴったり
糖度がそこそこな品種は、温めるとお芋らしいほくほく感がより引き立ちます。外はカリカリ、中はほくほくな大学いもなど、食感を楽しむ料理にうってつけです。
大学いものレシピ
<材料>
- 「紅まさり」などの自然な甘さのさつまいも:500g
- 砂糖:大さじ2
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ2
- 塩:ひとつまみ
- 黒ごま:少々
<作り方>
- 先端が細くなるよう、さつまいもを乱切りにする。
- ラップをかけて5分間レンジで加熱する。
- 水分を拭き取り、160度の揚げ油で5分揚げ、冷ましておく。
- 鍋に調味料を入れ、ブクブクと泡が立ってきたらさつまいもを加えて調味料と良く混ぜ合わせる。
- 照りが出たら火からおろし、お好みで黒ごまをふりかける。
糖度がひかえめな品種は「天ぷら」であっさりと
甘さ控えめな品種は、薄く揚げる調理法や、塩味の効いたレシピに良く合います。サクサク、パリパリといった食感を楽しみたいときは天ぷらレシピをお試しあれ。
天ぷらのレシピ
<材料>
- 「紅まさり」などの自然な甘さのさつまいも/「アヤムラサキ」など甘さの少ないさつまいも:200g
- 薄力粉:50g
- 片栗粉:大さじ3
- 卵黄:1個
- 水:80ml
<作り方>
- さつまいもを、1cm幅の斜め切りにして、水気を切っておく。
- それ以外の材料をボウルに入れ、粉っぽさが無くなるまで混ぜ合わせる。少しダマが残る程度の混ぜ具合にしておきます。
- さつまいもを衣に潜らせ、160度の揚げ油の中で4分揚げる。
- 油を切って、お好みで塩やめんつゆを添える。
衣の材料には余裕を持たせてあります。余った分は、他の具材に活用してください。
「蒸し芋」「焼き芋」には何を使ってもOK!好みやその日の気分に合わせよう
蒸し芋や焼き芋に適した品種というものは特になく、個人の好みによってどれも美味しく召し上がることができます。甘さたっぷりのさつまいもは、しっとりに仕上がります。対して、甘さ控えめのさつまいもは、ほくほくな仕上がりに。これを機に、色々な品種を試してみてはいかがでしょうか。
蒸し芋のレシピ
<作り方>
- 鍋にさつまいもと水を入れ、中火にかける。沸騰後さらに25〜40分程度ゆでる。
- 竹串がスッと入るほどの柔らかさになったら、火を止めて水を切る。皮を剥けばそのまま召し上がれますが、熱いので火傷に注意してください。
焼き芋のレシピ
<作り方>
- さつまいもの先端を切り落とす。
- さつまいもをアルミホイルでくるむ。
- 160度のオーブンで80分焼く。竹串がスッと入る程度の柔らかさになったら食べごろです。
ワンポイント雑学♪食用以外のさつまいもの用途とは?
甘みのあるお芋として親しまれているさつまいもですが、食用以外の用途があることをご存知でしたか?たまに耳にする「白色のさつまいもって食べられるの?」といった疑問もこれで解決!食用以外のさつまいもの用途について簡単にご紹介します。
紫色の品種は、ジュース・ペースト・パウダー・布の染料に
さつまいもの強みは、何といっても「触れても食べても害がないこと」。この長所を生かして、人が触れるものや、口にするものの染料として使用されることが多いです。
紫色の品種は、ぶどう系のジュース、スイーツを染色するペーストやパウダーなどに活用されています。そのほかにも、布の染料として使われるケースもあります。
オレンジ色の品種は、ジュース・パウダー・布の染料に
用途は紫の品種とほぼ同じく、食材や布の染料になることがほとんどです。意外なところではプリンタのインクとして使用されているような例も。オレンジ色の品種は、布染めに使うと淡いピンク色になります。
白色の品種は、芋焼酎や春雨の原料に
白色の品種は、芋焼酎の原料やでんぷん加工食材に使用されます。流通している芋焼酎の9割はさつまいもが原料になっています。でんぶん加工の例としては春雨が挙げられます。白いさつまいもは味が淡白なので、他の食材を邪魔しない名脇役として活躍しています。
まとめ
今回は、さつまいもの定番どころの6品種の特徴をご紹介しました!さつまいもにはこれ以外にもたくさんの品種があり、紹介しきれないものも多々あります。
さつまいもの嬉しいところは、簡単なレシピでさっと味わえるところです。知らない品種を見つけたら、今回ご紹介したレシピを参考にして味見をしてみてください。きっと新たな出会いや発見がありますよ♪