タルト作りは一見難しそうですが、近年は扱いやすい型が増えています。初心者でも適切な型を選べば、華やかでおいしいタルトを作れるでしょう。タルト型を選ぶときにチェックしたいポイントや型の特徴、さらにはおすすめの型をタイプ別に紹介します。
目次
タルト型を選ぶときのポイント
タルト型は、タルトの見栄え・焼き上がりを大きく左右します。サイズ・素材はさまざまあるため、「何人分を作るのか」「中身には何を入れるか」などを考慮しなければなりません。
理想の型を選ぶとき、チェックしたいポイントを紹介します。
「サイズ」便利な大きさは12~18cm
タルト型は3cm刻みでサイズがそろっており、cmまたは号数で表わされるのが一般的です。家庭用としてタルトを作るなら、12~18cm(4~6号)サイズの型が最も使いやすいでしょう。
12cm(4号)は2~4人分・15cm(5号)は4~6人分・18cm(6号)は6~8人分で、一般的なタルトのレシピはいずれかのサイズに該当することがほとんどです。これらのサイズなら汎用性が高く、日常使いから持ち寄りパーティーにまで幅広く対応できます。
また「もっと大人数をもてなしたい」という場合は、6~10人分に対応する21cm(7号)サイズ・24cm(8号)サイズもあります。反対に「1人向けの小さい型が欲しい」という人は、10cm以下の小型サイズを選びましょう。
「深さ」基準にするのは3cm
ごく一般的なスイーツ系のタルトを作るなら、深さ3cm以下の浅型がおすすめです。焼き上がった後にクリームやフルーツでデコレーションしやすく、見栄えのよいタルトが完成します。
例えば、エッグタルトやチーズタルトなど、飾りの少ないシンプルなタルトには浅型がおすすめです。
一方、ボリューミーな食事系のタルト・パイ・キッシュなどを作るなら、3cm以上厚みのある深型がベターです。
浅型よりも容量が大きく、具材を豊富に入れられます。高さがある分、重厚感もあって切り分けたときに見栄えがよいのも魅力です。
「素材」で仕上がりと難易度が変わる
タルト型は、金属素材とシリコン素材に大別されます。
熱伝導性が高く焼きムラが出にくいのは、アルミニウム製・ブリキ製・ステンレス製などの金属素材です。アルミニウム製・ブリキ製は熱伝導性が高い、ステンレス製は強度があってお手入れが簡単などのメリットがあります。
ただし金属素材は、焼き上がり後の型離れが悪いことがしばしばです。タルト焼成後のストレスを軽減するなら、素材表面にフッ素加工などが施してあるものが望ましいでしょう。
一方、シリコン素材はやわらかく、型から外すときに失敗しにくい素材です。
お手入れも簡単で気軽に使えますが、熱伝導性は高くありません。きれいに焼き目を付けたいときは、金属製を選びましょう。
「形」初心者は波型底抜けタイプが簡単
初心者なら、縁が波型になっていて、底が抜ける形状がおすすめです。
縁がフラットなものは香ばしく焼き上がりますが、生地を敷き込むときの難易度が高くなります。初心者は敷き込みが簡単な波型を選んだ方が、見栄えのよいタルトができるでしょう。
また、底が取れるタルト型なら、生地を下から押し上げて外せます。生地を外すのに特別なスキルは必要なく、「最後の最後で崩れてしまった…」というショックを味わわずに済むでしょう。
なお、タルト型の形状は丸型・四角型・ハート型などがあります。
日常使い用には汎用性が高い丸型・四角型、見栄え重視のプレゼント用や特別な日用にはハート型、と複数そろえておくのもおすすめです。
「波型・底抜け」でおすすめのタルト型
(出典) photo-ac.com
扱いやすく汎用性の高いタルト型を探している人は、波型で底が抜けるタイプがおすすめです。きれいに仕上がる型が手に入れば、タルトを作るときのハードルも下がるのではないでしょうか?
気軽にタルトを作りたくなる、おすすめの波型・底抜けタイプを紹介します。
貝印 KAI タルト型 COOKPAD 底取式 15cm レシピ付
質の高い調理用品や製菓用品の取り扱いで知られる、『貝印』のタルト型です。型の素材として熱伝導性の高い鉄が使われており、表面にはフッ素加工も施してあります。焼成後のタルト生地がこびり付きにくく、お手入れも簡単です。
またこちらの商品は、人気の高いレシピ投稿サイト・クックパッドとのコラボ商品です。タルト型にはクックパッドおすすめのスイーツレシピが付いており、購入したその日からお菓子作りを楽しめます。一つの型でガトーショコラやショートケーキも作れるので、あれこれ作ってみたい人におすすめです。
サイズは5~6人向けの15cmのほか、より小ぶりな12cmもあります。高さは約2.8cmの浅型で、スイーツ系タルトを作るのにちょうどよい厚みです。
貝印 ちょうどいい食べきりサイズのタルト型 底取れ式15cmレシピ付
霜鳥製作所 ブラック・フィギュア タルト型 底取 18cm
霜鳥製作所は、『ものづくりの町』として知られる新潟県燕三条にあるメーカーです。製菓器具のバリエーションは多く、タルト型もさまざまなサイズ・タイプがそろいます。
こちらのタルト型は、直径約19cm・高さ約2.3cmの浅型です。素材にはティンフリースチール(鉄)が使われており、表面にはテフロン加工も施してあります。焼成後の生地がきれいに離れやすく、ストレスを感じずに使えます。
型の表面は汚れが付きにくい仕様ではあるものの、鉄素材は水気が苦手です。水分が残るとさびる恐れがあるため、洗浄後はしっかりと乾かして収納しましょう。
霜鳥製作所 ブラック・フィギュア タルト型 底取 18cm
タイガークラウン セパトタルト型 21cm
タイガークラウンも、新潟県燕市に拠点を置く製菓用品・調理用品・収納用品のメーカーです。タルト型のバリエーションは豊富にそろっており、さまざまな形状・サイズ・高さの型があります。
21cmのタルト型は、スチール素材にクロムメッキ塗装を施した仕様です。傷や汚れに強く、さびへの耐性もあります。表面にはきれいな光沢もあって、見た目もスタイリッシュです。
本体サイズは、直径22.5×高さ2.7cm(外寸)です。容量は900mlあり、初心者から上級者まで使えます。
タイガークラウン セパトタルト型 21cm
「ミニサイズ」でおすすめのタルト型
(出典) photo-ac.com
ミニサイズのタルトは、ちょっとしたプレゼントやばらまき用にぴったりです。小ぶりなタルト型をそろえておけば、いざというとき役に立つでしょう。
ミニサイズのタルトが焼ける、おすすめのタルト型を紹介します。
Culturaltu ミニタルト型 6.5cm 12個セット
スチールの一種『炭素鋼』を素材としたタルト型です。熱伝導性が高い上耐熱性もあり、オーブンの温度は230度まで対応できます。焦げ付き防止用のコーティングも施してあり、タルトを外したり汚れを落としたりするのも苦になりません。
本体サイズは直径6.5×高さ2.3×底径約4.5cmです。型は12個で1セットなので、1度にたくさんのタルトを焼き上げたいときにおすすめできます。
ミニサイズでタルトやカップケーキ・プリン・ビスケットなども作りやすいため、さまざまなシーンで重宝するでしょう。
Culturaltu ミニタルト型 6.5cm 12個セット
cotta 和泉光一シェフ監修 シルフォーム タルト型 8個取
シルフォームとは、グラスファイバーとシリコンを使ったタルト型です。一つの型で8個のタルトを作れます。
シリコン加工を施したグラスファイバーはメッシュ状に編まれており、素材に含まれた余分な油脂分や水分が残りません。重石を使わなくても生地を均一に焼ける上、焼き色もきれいです。
また敷き込みをするときは、型で抜いた生地をくぼみに入れていくだけです。型にバターを塗ったり生地に穴を開けたりする必要がなく、作業の手間・時間を減らせます。焼成後の取り出しも簡単で、タルト作りがより一層楽しくなるでしょう。
なお本体は裏表使える上、パンやガレットなども焼けます。本体サイズは30×20×2.35cmで、1個あたりの直径は約6cmです。-60度から230度まで対応できます。
cotta 和泉光一シェフ監修 シルフォーム タルト型 8個取
「円形」でおすすめのタルト型
(出典) photo-ac.com
すっきりした見た目のタルトを作りたい場合は、縁がフラットになっている円形タイプがおすすめです。タルト作りに自信が出てきた人は、ぜひいつもと違う型にもチャレンジしてみましょう。
サンクラフト パティシエール タルト型 底取 18cm
プロの調理師が使う、業務用のタルト型です。ステンレス製で強度があってさびにくく、見た目もすっきりしています。底が取り外せる仕様のため、タルトを型から外すときも簡単です。
タルト型はメイドインジャパンのプロ仕様で、スイーツ系タルトのほか、食事系のタルトやキッシュを作るのにも向いています。お手入れの手間も少なく、タルト型を頻繁に使う人もストレスを感じずに済むでしょう。
本体サイズは内寸直径18×底径17×高さ2.8cmです。
サンクラフト パティシエール タルト型 底取 18cm
GOBEL(ゴーベル) 18-10 タルトリング 20cm
本場フランスのメーカー『GOBEL』が作ったタルト型です。ステンレス製で見た目もすっきりしており、おしゃれなタルト型を探している人におすすめできます。
ただし本体はリング状で、底がありません。タルトを作る際はシルパンやクッキングシートの準備や、タルト生地をきれいに敷き込むスキル・知識も必要となります。
初心者が使いこなすにはややハードルが高く、どちらかというと中・上級者向きのタルト型といえるでしょう。
本体サイズは内径20×高さ2cmと浅型です。
GOBEL(ゴーベル))18-10 タルトリング 20cm
「四角」でおすすめのタルト型
(出典) photo-ac.com
パイやキッシュを作ることが多いなら、四角型があると便利です。焼成後に切り分けしやすく、人数が多いときなどに重宝します。
四角のタルト型から、特におすすめの商品を見ていきましょう。
貝印 KAI タルト型 Kai House Select 長方形 底取式 20cm
縁は波型で、底が外せるタルト型です。素材には熱伝導性の高い鉄が使われており、タルト生地をムラなくしっかりと焼き上げられます。
また、鉄の表面には『シリコーンポリエステル樹脂焼付塗装』が施されており、型から外すときもスムーズです。汚れ落ちもよいため、お手入れが楽なのもうれしいポイントといえるでしょう。
本体サイズは20×8cmで、厚みは3.1cmあります。タルト・パウンドケーキのほか、食事系のパイやキッシュなどを作るのにも適しています。
貝印 KAI タルト型 Kai House Select 長方形 底取式 20cm
GrandChef(グランシェフ) アルブリッド・正角 セパトタルト型 16cm
熱伝導性の高いアルミニウム製のタルト型です。本体は15.8×15.8cmの正方形で、高さは約2.3cmあります。タルト焼成後は、一般的な丸型とはまた違った趣を楽しめるでしょう。
表面にはフッ素加工が施してあり、底が抜ける仕様です。生地を敷き込むときはバターを塗る必要はなく、下から押し上げるだけでタルト生地が外れます。使用後の汚れ落としも簡単で、タルト初心者も使いやすいでしょう。
なお、こちらのタルト型もものづくりの町・新潟県燕市で作られました。メイドインジャパンの製品にこだわりたい人におすすめです。
GrandChef(グランシェフ)アルブリッド・正角 セパトタルト型 16cm
富士ホーロー ベイクウェア フッ素 角型 デコレーション 底取型 18cm
琺瑯製品の老舗メーカー『富士ホーロー』のタルト型です。材質はスチールで、表面にはフッ素樹脂加工が施されています。耐熱温度は279度と高く、タルトにきれいな焼き色を付けられるでしょう。
本体サイズは18×18×5.6cmの正方形です。深型なので、ボリューミーなタルトやキッシュ・パン・ケーキなどを焼きたいときに向いています。底が外せるため、型外しのストレスがないのもメリットです。
なお、18cmサイズ以外にも12・15・21cmサイズも展開しています。家族の人数やシーンに合わせて、使い勝手のよいサイズを選びましょう。
富士ホーロー ベイクウェア フッ素 角型 デコレーション 底取型 18cm
「深型・浅型」でおすすめのタルト型
(出典) photo-ac.com
家庭によっては、タルトのサイズよりも厚みが気になることもあるでしょう。「さくっと薄型を作りたい」「具材をしっかりと入れたい」、そんなニーズに応える深型・浅型のタルト型を紹介します。
タイガークラウン アルブリット セパトタルト型(深)18cm
新潟県燕三条に本拠地を置く『タイガークラウン』のタルト型です。約4cmの厚みがあり、高さのあるどっしりしたタルトを焼き上げたいときにおすすめです。
本体素材は熱伝導性の高いアルミ製で、表面にはフッ素加工が施されています。縁は波型で敷き込みもしやすい上、底が取り外せる仕様です。型外しのときに手間が掛からず、きれいに抜けるでしょう。
ただしアルミ製は強度が低く、衝撃への耐性があまりありません。ぶつけると変形する恐れがあるため、丁寧に扱いましょう。
また、型の縁は調理のしやすさを考慮して、あえて切りっぱなしに作られています。使用中や使用後のお手入れ中に、手を切らないよう注意しましょう。
タイガークラウン アルブリット セパトタルト型(深)18cm
サンクラフト パティシエール タルト型 底取 18cm
家庭用刃物・調理用品・製菓用品を扱う岐阜県のメーカー『サンクラフト』のタルト型です。本場フランスのパティシエのノウハウが生かされており、おしゃれで薄いタルト型が欲しい人におすすめできます。
型の素材には鉄が使われており、熱伝導性は良好です。型の内側にはフッ素樹脂加工、外側には250度まで耐えられる耐熱塗装が施されており、機能性にも満足できるでしょう。
底抜けタイプなので、簡単にタルトを型から外せます。本体サイズは、内径18×高さ2.5cmです。
サンクラフト パティシエール タルト型 底取 18cm
浅井商店 ギルア セパトハート型17.5cm
バレンタインや特別な日にぴったりなハート型のタルト型です。高さは約2.5cmと浅型なので、シンプルなケーキ・タルト作りに向いています。
本体は鉄の上にクロムメッキ塗装が施してある『ギルア型』です。熱伝導性が高く、熱を均一に伝えます。ハートの型に敷き込んだ生地に熱がしっかり伝わり、焼きムラなく仕上がるでしょう。
ただし、鉄製のタルト型は、水分にはあまり耐性がありません。水洗いした後はしっかり乾かさないとさびる恐れがあります。
本体サイズは、16.2×16.2cmです。
浅井商店 ギルア セパトハート型17.5cm
時短に完成品を使うのもアリ!
(出典) photo-ac.com
タルト型を使って焼き上げる時間がないときは、焼成済みの完成品を使うのもおすすめです。中にクリームやフルーツを詰めるだけで、見栄えのよいタルトが完成します。
時短に使える完成品のタルト型から、おすすめの商品を紹介します。
リボン食品 クッキートルテ6号
縁が波型の、一般的なタルト型です。6号サイズで使い勝手がよく、フィリングを作って流し込むだけでおいしいタルトを作れます。
サクサクした食感とほどよい甘さがあり、クリームやフルーツとの相性もよいでしょう。火も使わないので、子どもとのスイーツ作りにも使えます。
ただし、タルト型には、液体は入れられません。プリン・エッグタルト・キッシュなどの卵液を入れると型が壊れる恐れがあります。型を使うときは、そのまま食べられるクリームやフルーツ・チョコレートなどを入れましょう。
サイズは18.5×17.5×2.3cmです。
パイオニア企画 特用 クッキートルテ6号
共立食品 ホームメイド プチタルト 9個入
製菓・製パンの材料を扱う、共立食品のタルト型です。サイズは直径4.7×高さ1.8cmで、1袋に9個入っています。一口スイーツにぴったりなサイズ感で、数をたくさん作りたいときに重宝するでしょう。
タルト生地はクッキータイプで、スイーツ系タルト向きです。レンジで溶かしたチョコレートを流し込んで生チョコタルトを作ったり、生クリームを乗せたりと多彩なアレンジを楽しめます。
同じタルト生地のバリエーションとして、タルト生地にココアを練り込んだ『プチタルトショコラ』や、より大きめサイズの『タルトレット』もあります。
いろいろな種類をそろえて、サイズ違い・味違いのタルトを作るのもおすすめです。
共立食品 ホームメイド プチタルト 9個入
目的に合ったタルト型を見つけよう!
(出典) photo-ac.com
タルト型はサイズ・形・素材のバリエーションが豊富です。使い勝手のよい型を見つけたいなら、まずは「どんなタルトを作りたいか」「何人分必要か」「何のために作るのか」を明確にしておきましょう。
また、底が抜けて取り出しやすいタルト型がある一方で、型にバターを塗ったり粉をはたいたりしなければならないものもあります。タルト型を選ぶときは製品の仕様をよく確認して、扱いやすいかどうかも検討しましょう。
タルト型があれば、食事系からスイーツまで幅広いメニューを作れます。このたび紹介したタルト型の中から、気になるものをチェックしてみてはいかがでしょうか。