テープを剥がすと、粘着部分の跡がベタベタと残ってしまうことがあります。剥がし跡を正しく取り除く方法を知っておけば、跡を残さずキレイに除去することが可能です。自宅で簡単にできる、おすすめのテープ剥がしの方法を紹介します。
剥がしにくいテープの基礎知識
テープが剥がれにくい理由は、テープの成分や仕組みにあります。剥がしにくさの原因を理解しましょう。
テープの仕組みと成分
テープは、粘着剤によって固体間の隙間を埋めて、固定させるものです。
固体の表面には、目には見えない大きさの凹凸があります。この凹凸同士がある状態では、固体同士が分子レベルでくっつくことはできません。
テープの粘着剤は、固体の表面にある凹凸に入り込み隙間を埋めます。隙間が埋まることで、結果として固体同士が貼り付くのです。
粘着剤は、基本的にゴムと樹脂でできています。表面同士で引き合い、粘りのある特性でくっつく仕組みです。粘着剤の種類は、ゴム系・アクリル系・シリコーン系に分類されます。
セロハンテープや梱包用の比較的安価なテープにはゴム系粘着剤が多く使われていますが、近年ではアクリル系の粘着剤が一般的になりつつあります。
シールやテープが剥がれにくくなるワケ
シールやテープが剥がれにくくなるのは、粘着剤の特性によるものです。
シールの裏面やテープに塗られる粘着剤には、粘度・弾性があります。徐々に乾燥することで、粘着の強度が増すような仕組みです。
特に、安くて質の悪いものや、元々強い粘着力のあるシールやテープは剥がれにくい傾向にあります。また、経年劣化によって粘着剤が溶け、素材にへばり付いてしまうこともあります。
例えば、商品に貼ってあった値札や注意事項の書いてあるシールを、購入して少し時間がたってから剥がそうとしたとき、キレイに剥がれなかった経験のある人も多いでしょう。
熱を加えて剥がす方法
(出典) photo-ac.com
剥がしにくいテープやシールは、熱を加えることでキレイに剥がせることがあります。熱の力を使って、テープやシールを上手に剥がす方法を紹介します。
ドライヤーで剥がし方の手順
ドライヤーの熱を利用すれば、シールがキレイに剥がれます。テープ跡が付いてしまったものが、プラスチックなど熱に弱い素材でない場合に、試してみましょう。
<準備するもの>
- テープ・シール跡の付いたもの
- ドライヤー
- ヘラ、もしくは定規
<ドライヤーを使ってテープ跡を剥がす方法>
- テープ・シールの端がめくれそうなら、少しめくっておく
- 20cmほど離し、ドライヤーの温風を10〜20秒ほど当てる
- 粘着剤が少し緩んだら、端をめくる
- 接着している面に温風を当てて、冷めないうちにヘラでゆっくりと剥がす
- 粘着部分が残っていたら、再び温めて、少しずつヘラで剥がす
粘着剤の熱が冷めると、再び剥がしにくくなってしまうことがあります。ドライヤーを当ててからは、なるべく早く剥がしましょう。
また、ドライヤーの熱風を当てすぎると、熱に弱い素材以外でも変形したり、粘着剤が溶け出して剥がしにくくなってしまったりする恐れがあります。
ドライヤーの風を当てる際には、テープやシールからは20cmほど離して、やけどなどにも注意しながら行いましょう。
お湯を使って剥がす方法
テープ跡を剥がしたいものが水や熱に強い素材なら、お湯を使って剥がすことも可能です。
<準備するもの>
- テープ・シール跡の付いたもの
- お湯
- バケツか洗面器などの容器
- ヘラ、もしくは定規
<お湯を使ってテープ跡を剥がす方法>
- 容器にお湯をためる
- テープ・シール跡の付いたものをお湯に浸す(浸すのが難しいものは、霧吹きなどで吹きかける)
- テープ・シールがふやけたら、ヘラで剥がす
テープやシールの粘着剤は水溶性のものが多く、水によって粘着力が落ちます。水で分子間に働く力を弱めて、剥がしやすくなるのです。熱による効果も加わるため、お湯を使用するのがおすすめです。
テープ跡、ベタベタの剥がし方
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すでにテープやシールを剥がした箇所でも、剥がし方や粘着剤によっては、跡やベタつきが残ってしまうことがあります。身近なものを活用して、テープ跡やベタベタを剥がしましょう。
中性洗剤やハンドクリームを使用する
中性洗剤やハンドクリームを使用することで、テープ跡のベタベタを剥がせます。
<準備するもの>
- テープ・シール跡の付いたもの
- 台所中性洗剤かハンドクリーム
- ラップ
- 布巾
<中性洗剤・ハンドクリームを使ってテープ跡を剥がす方法>
- テープ・シール跡に、洗剤かハンドクリームを塗る
- 塗った上からラップをかけて、パックする
- 10分ほど放置する
- ラップを取り、テープ跡などを剥がす
- 布巾で油分を拭き取る
ラップでパックをすることで、中性洗剤やハンドクリームの成分が粘着部分に浸透します。10分ほど浸透させると、スムーズにシールやテープ跡のベタベタを剥がせるでしょう。
また、剥がした後には、洗剤やハンドクリームの油分や臭いが残ってしまうことがあります。テープ剥がしが完了したら、必ず水拭きしておきましょう。
メラミンスポンジや消しゴム
メラミンスポンジや消しゴムを使えば、残ったテープ跡のベタベタを落とせます。
<準備するもの>
- テープ・シール跡の付いたもの
- メラミンスポンジ
- ヘラ、もしくは定規
- ガムテープやセロハンテープ
- ぬるま湯
- セスキ炭酸ソーダ
- 台所用中性洗剤
- 布巾
<メラミンスポンジを使ってテープ跡を剥がす方法>
- テープやシールがまだ付いている箇所は、指やヘラなどを使って剥がしておく
- テープ・シールの粘着剤の残っている部分は、テープでぺたぺたと取り除く
- ぬるま湯に、セスキ炭酸ソーダと台所用中性洗剤を溶かす
- メラミンスポンジに、3のぬるま湯を含ませる
- ベタベタの残っている部分をやさしくこする(円を描くようなイメージでくるくるとこする)
- メラミンスポンジに水分が足りなくなったら、適宜足す
- ベタベタが取れたら、布巾などで拭き取る
消しゴムを使用する場合は、ベタついている箇所をくるくると回しながらこするだけです。摩擦力を使ってキレイに剥がすことができます。
ただし、強くこすって剥がすため、ものによっては傷ついてしまうこともあるので、注意が必要です。
お酢やみかん、レモンも試してみよう
キッチンにあるお酢やみかん・レモンの皮なども、テープ剥がしに役立ちます。
<準備するもの>
- テープ・シール跡の付いたもの
- お酢
- ラップ
- キッチンペーパーやティッシュ
<お酢を使ってテープ跡を剥がす方法>
- キッチンペーパーやティッシュにお酢を含ませる
- テープ・シール跡に、1を貼り付ける
- 塗った上からラップをかけて、パックする
- 10〜20分ほど放置する
- ラップを取り、テープ跡などを剥がす
大理石など石素材のものは、お酢を使用すると劣化させてしまうことがあるため注意しましょう。
また、みかんやレモンを使う場合は、直接ベタついた箇所にこすりつけるだけです。みかんやレモンに含まれるリモネンという成分は、洗剤やシール剥がし剤などにも含まれるものです。粘着剤を溶かす効果があるため、ベタベタを取り除いてくれます。
アルコールスプレーや除光液
消毒用のアルコールスプレーやマニキュアなどを落とす除光液にも、テープやシールを剥がす効果があります。
<準備するもの>
- テープ・シール跡の付いたもの
- アルコールスプレーか除光液
- ティッシュやコットン
- ヘラ、もしくは定規
- 手袋
<アルコールスプレー・除光液を使ってテープ跡を剥がす方法>
- 手荒れしないよう、手袋をする
- 除光液を、ティッシュやコットンに含ませる
- テープ・シール跡に塗る(アルコールスプレーなら直接吹きかける)
- 10分ほど放置する
- ヘラなどでテープ跡を剥がす
アセトンなどを含む油性の除光液は、プラスチックや塗装を溶かしてしまうことがあるため、水性の除光液を選びましょう。
また、アルコールスプレーは、消毒用のものよりも無水エタノールを使用すると、より強力です。自宅にあるものを使用するとよいでしょう。
テープ剥がしにあると便利なアイテム
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テープ剥がしをより簡単・手軽にしてくれるアイテムがあります。常備しておくと心強い、便利なアイテムを見ていきましょう。
シール剥がし液
シール剥がし剤は、スプレーなどでシールやラベル跡を剥がす専用の商品です。
何カ所も一気にシールを剥がしたいときや、ベタつきが広範囲に及ぶ場合には、自宅にあるものを使っても手間が掛かってしまうものです。また、ガラス・タイル・鏡などは表面に凹凸がなく、キレイに落ちないことがあります。
専用のシール剥がし剤を使用することで、落としにくい場所や広い範囲に及ぶベタつきも、スピーディかつしっかりと落とせます。
ただし、シール剥がし剤は、CDのケースなどに使われているスチレン系のプラスチックは表面が溶けてしまうことがあるので、気を付けましょう。
テープ剥がし用のヘラやカッター
テープやシールを剥がす際には、専用のヘラやカッターを使用するのもおすすめです。
ヘラはスクレーパーとも呼ばれ、フィルムやカッティングシートなどの粘着力が強いシートを剥がすときに使われます。
素材は金属やプラスチックなどで作られており、サイズも豊富です。テープやシールを剥がしたい箇所に合う、素材・サイズのヘラを選びましょう。
また、市販のシール剥がし剤の中には、小さなヘラが付属しているものもあります。道具をいくつも準備するのが面倒な人は、ヘラがセットになっている商品を選ぶのもよいでしょう。
テープ剥がしに役立つ便利アイテム
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テープ剥がし用のアイテムには、たくさんの商品があります。実際にテープ剥がしをする際に、おすすめのお役立ち商品を紹介します。
3M シールはがし クリーナー30 強力タイプ 100ml CLEANER30 MINI
ポストイットなどで有名な3Mより、シール剥がし専用のスプレータイプクリーナーです。
スプレータイプなので、キレイにテープやシールを剥がしたい箇所に吹きかけて放置するだけで、簡単にキレイになります。
テープやシールの跡にはもちろん、油性マーカーで書いた落書きなども、簡単に落とせます。柑橘系の香りで、使用後の臭いも気になりにくいでしょう。
3M シールはがし クリーナー30 強力タイプ 100ml CLEANER30 MINI
ヘンケル LOCTITE シールはがし プレミアム 220ml DSP-220
ヘンケルのシール剥がし専用スプレーは、スプレーを吹きかけると、テープやシールに素早く浸透します。
大きな特製ヘラ付きで、力をかけることなくキレイに剥がせます。下地を傷めにくいので、さまざまな場所のテープ剥がしに使えるでしょう。
スプレータイプで気になりやすい独特な臭いを抑えており、子どもやペットのいる家庭でも使いやすい商品です。
ヘンケル LOCTITE シールはがし プレミアム 220ml DSP-220
ニトムズ テープはがしカッター T0860
テープを剥がすことに特化した、ニトムズの専用カッターです。
特殊な加工が施されており、カッターの先端が五角形になっています。テープやシール剥がしを始め、壁紙やポスターの張り替え、包装紙・手紙を開ける際のカッターとしても使用可能です。
3Dプリンターで作った樹脂製造形物を剥がすときにも使えるほど、剥がしに特化した実力派製品です。
ニトムズ テープはがしカッター T0860
正しく剥がせばテープの剥がし跡は残らない
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何も知らずにテープやシールを剥がすと、どうしても粘着部分が残ってしまうものです。
正しい剥がし方や、剥がし跡の除去方法を知っておけば、跡を残さずキレイに剥がすことができます。身近にあるものでも実践できるので、テープ・シールの剥がし跡が気になるものがある場合は試してみましょう。
便利なアイテムを活用して、簡単かつキレイにテープ剥がしをしてみてはいかがでしょうか。