築50年はリフォームか建て替えか?費用・後悔しない判断基準を徹底比較

この人に聞きました菊地重信

一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログを運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。サッカーとお笑いが好き。フットサルとギターを嗜む。著書「学び直しの一級建築士」

築50年の家に住んでいると、「このまま直して住み続けるべきか、それとも思い切って建て替えるべきか」と悩む場面が必ず訪れます。

費用だけを見るとリフォームが安く感じられますが、性能や将来の修繕費まで含めると答えを出すことは簡単ではありません。

本記事では、具体的な金額目安と判断基準をもとに、後悔しない選び方をわかりやすく解説します。

築50年でリフォーム・建て替えを選ぶそれぞれのメリット・デメリット

築50年の住宅は、老朽化だけでなく耐震基準や断熱性能の違いも関わる重要な分岐点にあります。感覚や金額だけで決めるのではなく、それぞれのメリットとデメリットを理解することが後悔を防ぐ近道です。ここでは、リフォームと建て直しの特徴を丁寧に整理します。

リフォームのメリット

リフォームは既存住宅を活かしながら費用や税負担を抑え、思い出を残せる点が魅力です。具体的には、以下の3点がわかりやすいメリットです。

  • 建て替えより費用を抑えやすい
  • 固定資産税が上がりにくい
  • 思い出を残せる

それぞれのメリットについて、解説します。

建て替えより費用を抑えやすい

リフォームは基礎や柱など使える構造体を活用するため、全面解体を伴う建て替えより工事範囲が限定されます。解体費や新規材料費が抑えられることから、総額は比較的低くなる傾向があります。

木造住宅30坪前後の場合、フルリフォームの目安はおよそ1000万円から2000万円程度になります。間取り変更や耐震補強、断熱リフォームの範囲によって金額は変動しますが、新築より費用が低くなるケースが一般的です。

リフォームは工事内容を段階的に分けることも可能です。水まわりを先に更新し、外壁や屋根は数年後に実施するなど、現在の予算に余裕がなくても資金状況に合わせた計画が立てられます。予算の柔軟性を持たせやすい点は大きな特徴になります。

ただし、解体後に劣化が発覚した場合は追加費用が発生する可能性があります。そのため、事前調査と予備費の確保が重要です。

固定資産税が上がりにくい

建て替えを行うと建物は新築扱いになり、固定資産税評価額が高くなります。その結果、毎年の税負担が増える可能性があります。

一方で、リフォームは建物評価額が急激に上昇することは一般的に少なく、税額が大きく変わらないケースが多いです。築50年の住宅はすでに評価額が下がっているため、その状態を維持しながら住環境を改善できます。

固定資産税は毎年支払う費用です。仮に年間10万円の差が生じた場合、30年で300万円の違いになります。長期的な家計への影響を考えると、税負担の差は無視できません

思い出を残せる

築50年の住宅には家族の歴史が刻まれています。柱の傷や庭の風景は、時間の積み重ねを感じさせる要素です。リフォームは建物を壊さずに活かすため、その記憶を引き継ぐことができます

梁を見せる設計や既存の建具を再利用する方法もあります。古い素材を活かすことで、独特の風合いを残せます。

心理的な安心感は住み心地に大きく影響します。住まいを単なる箱ではなく、家族の歴史として大切にしたい場合、リフォームという選択は意味を持ちます。空間の記憶を受け継ぎながら、新しい暮らしに合わせて整えることができる点は、金額では測れない価値です。

リフォームのデメリット

築50年という年数は、見えない部分で劣化が進んでいる可能性があります。また、建物の構造や築年数によっては、リフォーム工事だけでは完全に解決できない部分が見つかることもあります。こうしたデメリットを理解せずにリフォームを進めると、思わぬ問題に直面するかもしれません。

以下が代表的なデメリットです。

  • 構造上の制約がある
  • 断熱性能の改善に限界がある場合がある
  • 想定外の追加費用リスクがある

それぞれのデメリットについて、解説します。

構造上の制約がある

既存の柱や耐力壁を残す以上、間取り変更には制限があります。壁を撤去できない位置もあります。広いワンルームを希望しても、構造上実現できない場合もあるでしょう。

1981年以前に建てられた住宅は旧耐震基準で設計されている可能性が高いです。現在の耐震基準と考え方が異なるため、補強が必要になるケースがあります。補強工事は費用と工期の増加につながります。

断熱性能の改善に限界がある場合がある

1980年以前の旧省エネ基準で建てられた住宅は、現在の基準と比べると断熱材がほとんど入っていないため、壁や天井を解体して断熱材を入れ直す必要があります。

床下や基礎の断熱改善は条件によっては難しい場合があります。新築に近い性能にまで高めることは可能でも、構造体の制約により完全に同じ断熱性能までは到達できない可能性があります。

想定外の追加費用リスクがある

リフォームのために壁や床を解体してはじめて、腐朽やシロアリ被害が見つかるケースや、給排水管の劣化が判明する場合もあります。その都度補修が必要になり、当初の見積もりを上回る可能性があります。

古い住宅のリフォームでは予備費を確保することが重要です。

JR神戸駅前のHDC神戸には建て替えやリフォームをしたい場合に相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。建て替えとリフォームでどちらが良いかわからない方は、実際の工事実例や構造の制約で実現できなかった事例などの話を聞くと、リフォームがより具体的に想像できるのでおすすめです。

建て替えのメリット

既存住宅を解体して新しく建て直すことで、性能や間取りを一から計画できます。安全性と快適性を根本から高めたい場合に有効な選択肢です。以下が代表的な建て替えのメリットです。

  • 耐震・断熱性能を最新基準にできる
  • 間取りの自由度が高い
  • 資産価値が上がりやすい

それぞれのメリットについて解説します。

耐震・断熱性能を最新基準にできる

建て替えを行う最大の利点は、構造と性能を現行基準に合わせて設計できる点にあります。築50年の住宅は1981年以前の旧耐震基準で建てられている可能性があります。旧耐震基準は、大地震時に倒壊しないという考え方が現在ほど厳密ではありませんでした。建て替えを行えば、現行の建築基準法に基づく新耐震基準で設計でき、地震に対する安全性を根本から見直せます。

断熱性能も大きく改善できます。壁や床、天井に高性能断熱材を施工し、気密性の高いサッシを採用することで、外気の影響を受けにくい室内環境をつくれます。冬の寒さや夏の暑さを軽減できれば冷暖房効率が向上し、光熱費を抑えられる可能性があります。

換気計画も現代基準で整えられます。計画換気により空気の流れを管理でき、結露やカビの発生リスクを抑えやすくなります。建物全体の性能を総合的に高められる点は、長期的な安心につながります。

間取りの自由度が高い

建て替えでは既存の柱や壁に制約されません。構造計画を一から行えるため、広いリビングや吹き抜け空間なども検討できます。現在の生活スタイルに合わせて、動線を整理することも可能です。

玄関から洗面室へ直接移動できる配置や、家事動線を短縮する回遊型プランなど、機能的な間取りを実現できます。将来子どもが独立した後に部屋を分割できるよう、可変性を持たせる設計も可能です。バリアフリー計画も柔軟に行えます。段差をなくし、廊下幅を広く確保することで、高齢期にも対応しやすくなります。

資産価値が上がりやすい

新築住宅は市場評価が高くなります。築年数がリセットされるため、売却時の査定額が高くなる可能性があります。住宅ローンを利用する場合も、新築の方が条件が有利となる傾向があります。

築50年の住宅の建物価値はほとんど評価されないことが一般的です。建て替えによって建物評価が回復し、資産としての位置づけが明確になります。将来的に住み替えを検討する場合、選択肢が広がります。

建て替えのデメリット

全面的に新築できる反面、費用や手間は大きくなります。資金計画と生活計画を慎重に立てる必要があります。建て替えのデメリットは以下です。

  • 費用が高額になる
  • 仮住まい費用が必要になる
  • 解体費用が発生する

それぞれのメリットについて解説します。

費用が高額になる

建て替えでは解体工事、新築工事、設計費、確認申請費など多くの費用が発生します。木造住宅30坪前後の場合、総額で2500万円から4000万円程度が目安で建て替え費用がかかります。仕様や地域によってはさらに高くなるかもしれません。地盤改良が必要になった場合や、外構工事を含める場合はより費用が増えます。

支払いには住宅ローンを利用するケースも多く、返済計画を慎重に検討する必要があります。初期費用の負担は大きいですが、最初の金額だけで判断するのではなく、長期的な光熱費や修繕費とのバランスを考えることが重要です。

仮住まい費用が必要になる

建て替え工事中は既存住宅を解体するため、住み続けることができません。工事期間は一般的に4か月から6か月程度であり、その間の賃貸住宅費用や引越し費用が発生します。家具の一時保管費用が必要になるケースもあります。

仮住まい期間中は生活環境が変わるため、精神的な負担も考慮する必要があります。子どもの通学や通勤への影響も事前に確認が必要です。生活全体を見渡した計画が求められます。

解体費用が発生する

既存住宅を取り壊すための費用が必要になります。木造住宅の場合でも数百万円程度かかるケースも少なくありません。建物規模や立地条件によって変動します。

また、解体前にはアスベストの有無を調査する必要があります。築50年前後の建物では、建材に含まれている可能性があります。含有が確認された場合、適切な処理が必要になり、費用が増加します。

解体工事は近隣への配慮も重要です。騒音や振動が発生するため、事前説明や工程管理が求められます。準備段階から慎重な対応が必要です。

費用比較|築50年リフォーム・建て替えそれぞれいくらかかる?

築50年の住宅をリフォームするか建て替えするかは、初期費用だけでなく、30年間の総支出で比較することが重要です。見た目の金額差だけでは本当の負担は見えてきません。ここでは、それぞれの費用を実際に比較してみます。

フルリフォームの相場

費用が変動する主な要因は、建物の劣化状況による耐震補強、間取り変更の規模、断熱リフォームの範囲です。

築50年・木造30坪前後の住宅を想定すると、フルリフォームの費用はおよそ1000万円から2000万円程度が一つの目安です。工事範囲が限定的であれば1000万円前後に収まることもありますが、耐震補強や断熱リフォームを含めると上限に近づきます。

水まわり設備の交換だけであれば数百万円で済む場合もあります。しかし、壁や床を解体して構造補強を行う場合は費用が増えます。解体後に腐朽やシロアリ被害が見つかると追加工事が必要になります。特に1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅では、耐震補強工事が必要になる可能性が高いです。

屋根や外壁の更新も同時に行うと、さらに数百万円が加算されます。築50年の住宅では配管や電気配線も劣化しているケースが多いため、更新工事を含めると総額が上がります。

予備費として総額の1割程度を見込む計画が安心です。

建て替えの相場

同じく30坪前後の木造住宅を想定すると、建て替え費用はおよそ2500万円から4000万円程度が目安になります。地域や仕様によってはさらに高くなる場合があります。総額は高額になりますが、建物性能は大きく向上します。資金計画を慎重に立てることが不可欠です。

建て替えには既存住宅の解体費用が必要です。木造住宅であれば100万円から300万円程度が一般的な目安です。敷地条件や建物規模によって変動します。

建て替え工事費用の内訳は新築工事費のほかに、設計費、確認申請費、地盤調査費などの諸経費もかかります。地盤改良が必要と判断された場合は、さらに数十万円から数百万円の費用が追加されます。

仮住まい費用も見逃せません。工事期間中の賃料や引越し費用が必要です。4か月から6か月程度の賃貸費用を想定する必要があります。

トータルコスト比較(30年スパン)

30年間住み続けた場合の総支出で比較すると、本当の差が見えてきます。ここでは100㎡ほどの築50年2階建て戸建てを想定して、具体的な金額を入れて考えてみます。

初期費用

建て替えとフルリフォームの初期費用の合計を比較すると以下のような目安になります。いずれも現在の相場をもとにした一般的な平均金額です。

費目 金額
リフォーム 耐震補強 200万円程度
雨漏り防止リフォーム 350万円程度
断熱リフォーム 200万円程度
バリアフリー等内装リフォーム 300万円程度
水回り更新 300万円程度
外構リフォームその他 150万円程度
【リフォーム費用合計】 1500万円程度
建て替え 解体費 200万円程度
新築本体工事 3000万円程度
設計・申請・諸経費 300万円程度
【建て替え費用合計】 3500万円程度

初期費用だけで比較すると、約2000万円の差が生まれます。

光熱費

築50年住宅を断熱リフォームせずに部分リフォームした場合、年間光熱費はおよそ25万円前後になることが多いです。一方、高断熱仕様で建て替えた住宅では、年間光熱費が15万円前後まで下がる例もあります。

費目 金額
フルリフォーム 年間光熱費 15万円程度
部分リフォーム(断熱リフォームなし) 25万円程度
建て替え 15万円程度

フルリフォーム・建て替えの場合と、部分リフォーム(断熱リフォームなし)の場合を比較すると、光熱費の年間差額は約10万円です。30年間では約300万円の差になります。断熱性能は毎月の支出に直結します。

30年間の修繕費

リフォーム後も、既存構造部分はそのまま使用されるため、30年後は築80年相当になります。築80年であれば修繕として屋根や外壁、給排水管などの再補修が想定されます。30年間で想定される修繕費は合計600万円〜800万円程度が一つの目安です。

一方、建て替え住宅の場合、同期間での大規模修繕は外壁塗装や設備交換が中心になります。30年間で400万円〜500万円程度が一般的な想定です。

費目 金額
フルリフォーム 修繕費 600万円〜800万円程度
部分リフォーム(断熱リフォームなし) 600万円〜800万円程度
建て替え 400万円〜500万円程度

フルリフォーム・部分リフォームの場合と、建て替えの場合の修繕費の差額は約200万円前後になります。

固定資産税

築50年住宅は建物評価額が低いため、軽微な部分リフォームをした場合の固定資産税は年間5万円〜8万円程度で既存の固定資産税から変更しないことが多いです。一方、フルリフォームや大規模な部分リフォームでは、建物評価額が見直されることで固定資産税が上がる可能性があります。

建て替えた場合は新築扱いとなり、評価額が上がるため、固定資産税は年間15万円〜20万円程度になるケースがあります。

軽微な部分リフォームと建て替え、大規模リフォームの年間差額を10万円と仮定すると、30年間で約300万円の差になります。

費目 金額
フルリフォーム 固定資産税 15万円〜20万円程度
部分リフォーム(断熱リフォームなし) 15万円〜20万円程度
軽微な部分リフォーム 5万円〜8万円程度
建て替え 15万円〜20万円程度

合計

30年間で比較すると、概算は以下のようになります。

【リフォーム】

費目 金額
初期費用 断熱リフォームなしの場合
1300万円程度

フルリフォームの場合
1500万円程度

光熱費 断熱リフォームなしの場合
750万円程度
(25万円×30年)

フルリフォームの場合
450万円程度
(15万円×30年)

修繕費 700万円程度
固定資産税 450万円程度
(15万円×30年)
合計 断熱リフォームなしの場合
3200万円程度

フルリフォームの場合
3100万円程度

【建て替え】

費目 金額
初期費用 3500万円程度
光熱費 450万円程度
(15万円×30年)
修繕費 450万円程度
固定資産税 450万円程度
(15万円×30年)
合計 4850万円程度

この表をもとにすると、リフォームと建て替えでは、30年間のトータルコストにおよそ1600万〜1700万円前後の差が生じる試算となり、長期的に見ると住まいの選択が家計に与える影響は決して小さくないといえるでしょう。

ただし、断熱性能を高めた大規模リフォームを行えば初期費用は2000万円を超えることもあります。逆に、建て替えをコンパクト設計にすれば総額は抑えられます。

重要なのは、「30年後にどの状態の家に住んでいたいのか」という視点です。単純な安さだけではなく、性能・安心・将来計画を含めて判断することが後悔を防ぐ鍵になります。

築50年で「リフォーム向きの家」と「建て替え向きの家」の違い

建て替えとリフォームのどちらが最適なのか、築50年という年数だけでは判断できません。建物の状態と敷地条件によって最適な選択は変わります。ここではどんなときにリフォームが向いているのか、どんなときに建て替えが向いているかを説明します。

リフォーム向きの条件

構造体や地盤が健全であれば、リフォームによって安全性と快適性を高められます。以下の条件が揃っている住宅はリフォームに向いていると言えます。

  • 基礎コンクリートの状態が良い
  • シロアリ被害がない
  • 地盤の状態に問題がない

それぞれの条件について解説します。

基礎コンクリートの状態が良い

基礎は建物を支える最も重要な部分です。コンクリート基礎に大きなひび割れがなく、幅0.3mm未満のクラック程度であれば、補修で対応できる可能性があります。

幅1mm以上の貫通ひび割れや鉄筋が露出している場合は注意が必要です。ただし、局所的な劣化であれば補修工事で改善できるケースもあります。

シロアリ被害がない

リフォームは土台や柱に深刻な食害がないことが前提です。床下点検で蟻の通り道が確認されず、木部含水率が20%以下であれば、構造体は比較的健全と判断できます。

軽度なシロアリ被害であれば部分交換や防蟻処理で対応できます。しかし、土台や柱が広範囲に欠損している場合は、構造強度が大きく低下するため建て替えを

視野にいれてください。

被害が限定的であれば、補修と防蟻処理を行うことで再発を防げます。構造材が健全に保たれている住宅は、リフォームに向いています。

地盤に問題がない

建物が大きく傾いていないことが重要です。床の傾きが6/1000を超えるとドアが勝手に開閉するなどの事例で体感できる可能性が高まります。3/1000以内であれば許容範囲とされることが多いです。

地盤調査の結果、支持力が十分に確保されている場合はリフォームが現実的になります。

局所的な沈下が発生していない住宅は、基礎補強や耐震補強によって性能向上を図れます。地盤が安定していることは、リフォームにおける大きな安心材料です。

建て替えを検討すべきケース

構造や地盤に根本的な問題がある場合は、建て替えが現実的な選択になります。確認するポイントはリフォームと似通っていますが、異なる点もあります。

  • 建物の一部が局所的に沈下している
  • 構造が大規模に傷んでいる
  • 再建築不可物件である

それぞれのポイントについて解説します。

建物の一部が局所的に沈下(不同沈下)している

建物の一部が沈下し、傾きが10/1000以上ある場合は建て替えがおすすめです。

局所的な沈下である不同沈下を修正する地盤改良工事は可能ですが、費用は数百万円規模になる可能性があります。築50年の建物に大規模な地盤改良を行う場合、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

構造体も同時に補強が必要になるケースが多く、リフォーム総額が建て替えに近づく場合があります。

大規模な腐朽

柱や梁が広範囲に腐っている場合、部分補修では対応できません。土台全周に腐朽が見られる場合は、建物全体の強度が低下しているため建て替えが向いています。

腐朽範囲が広いと、実質的に骨組みを組み直す必要が出てきます。その場合、リフォーム費用は大きく膨らむからです。構造材が大規模に傷んでいる住宅は、建て替えの方が向いているケースが多くなります。

再建築可物件である

建て替えを検討する際には、法的条件も重要です。接道義務を満たしているか、用途地域の制限に問題がないかなど、再建築が可能な物件であるかの確認が必要になります。

建築基準法では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があります。接道条件を満たしていれば、多くの場合で再建築が可能です。

再建築が可能であれば、将来的な資産価値向上も見込めます。一方で、再建築不可の物件の場合は建て替えができないため、選択肢は建て替えをしないか、リフォームで対応するかに限られます。

建物状態と法的条件を合わせて判断することが、後悔を防ぐために重要です。

後悔しないための判断ステップ

建て替えとリフォームのどちらにするか迷ったら、感覚や営業トークに惑わされず、、調査と将来設計に基づいて決めることが重要です。順序立てて確認すれば、判断は整理できます。確認する順序は以下の通りです。

  • リフォームできるか
  • 何年住むつもりか
  • 見積もりが適正か

この手順にそって確認しながら、判断に迷ったら専門家に相談しましょう。

そもそもリフォームできる?まず行うべき3つの調査

感覚ではなく、建物の状態を数値や事実で確認することが出発点です。以下の3つの調査を通してリフォーム可能か判断してください。

  • 耐震診断
  • ホームインスペクション
  • 地盤調査

耐震診断

築50年の住宅は、1981年以前の旧耐震基準で建てられている可能性が高いです。耐震診断では、壁量や接合部の状態を確認し、建物の耐震性を評点で表します。

一般的に、評点1.0以上であれば「一応倒壊しない」水準とされます。0.7未満であれば大地震時の倒壊リスクが高いです。

耐震診断の費用は、木造住宅で10万円から30万円程度が目安です。自治体によっては補助金制度がある場合もあります。

診断結果に基づいてリフォーム会社に補強計画を立ててもらうことで、リフォームで安全性を確保できるか判断できます。

ホームインスペクション

ホームインスペクションは、住宅の劣化状況を調査する建物状況調査です。屋根、外壁、床下、天井裏などを確認し、雨漏りや腐朽、シロアリ被害の有無を調べます。費用は5万円から15万円程度が一般的な相場です。

見た目がきれいでも、内部で木材が腐っていることがあります。事前に把握しておけば、リフォーム途中の大規模な追加費用を防ぐこともでき、建て替えとリフォームでどちらが良いか検討できます。

地盤調査

不同沈下(建物の局所的な沈下)がある場合、地盤の支持力を確認する必要があります。調査費用は5万円から10万円程度が目安です。

地盤に問題がある場合、改良工事で100万円から300万円程度かかることがあります

耐震診断、ホームインスペクション、地盤調査の3つの調査で大きな問題がなければ、リフォームで対応できる可能性が高いと判断できます。

これから何年住むつもりなのか

居住予定年数は重要な判断基準になります。今後5年から10年程度しか住まない予定であれば、大規模な建て替えは過剰投資になる可能性があります。部分リフォームで十分かもしれません。

20年以上住み続ける予定であれば、フルリフォームや建て替えによる性能向上の恩恵を長期間受けられます。断熱性能が高い住宅は光熱費削減につながり、長期で見れば差が大きくなります。将来、子どもが独立するのか、二世帯同居を考えているのか、高齢期まで住むのかによっても最適解は変わります。

住宅は単なる建物ではなく、人生設計の一部です。実際には、これから何年住むのかを正確に決めることは難しいものですが、「あと10年くらいなのか」「20年以上住み続ける可能性があるのか」といった大まかな目安を考えておくと、リフォームか建て替えかの判断基準が見えてきます

見積もりは適正か

リフォームか建て替えか、おおまかな方向性が見えてきたら、次に確認したいのが工事費用です。費用の妥当性を判断するためには、見積もりの取り方も重要になります。

取った見積もりが適正か確認するには、1社だけでは妥当性が判断できません。リフォームでも建て替えでも、最低3社から見積もりを取ることが望ましいです。

同じ条件で依頼しても金額が数百万円違うことがあり、提案内容や性能、工事の方法も異なります。相見積もりを行うことで、相場感が見えてきます。過剰な工事や不足している項目にも気づけます。金額だけでなく、工事範囲や保証内容、アフター対応も比較するのがおすすめです。

専門家に相談すべきタイミング

建築士やリフォーム会社などの専門家には、迷いが生じた時点で相談することが有効です。耐震診断結果をどう解釈すればよいか分からない場合や、見積もり金額が妥当か判断できない場合は、第三者の建築士に相談すると整理できます。

設計事務所にセカンドオピニオンを依頼する場合、5万円から15万円程度の費用がかかることを想定しておきましょう。

住宅の建て替えやリフォームは大きな金額が動く決断になります。相談費用は全体予算の中では小さい割合です。感情や勢いで決めるのではなく、客観的な視点を取り入れることが後悔を防ぐ近道になります。

JR神戸駅前のHDC神戸には、建て替えやリフォームについて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。初期の段階から相談を始めておけば、いざ判断に迷った際にも相談しやすく、コストの面も含めて検討できます。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新の住宅設備を見て、リフォームや建て替え検討時に省エネ性能の高い新製品を検討してみるのも、住みやすい家が想像できるのでおすすめです。

築古の家をリフォームした事例

実際の選択事例を見ることで、判断の考え方が具体的になります。ここでは代表的な3つのケースを紹介します。

増築もしたフルリフォーム事例

ビフォー

アフター

施工会社 アートリフォーム
費用 2770万円(フルリフォーム)
築年数 30年

1階にLDKを増築し、水回りを含めた間取り変更も行った大型リフォームです。以前のLDKは暗くなりがちな配置でしたが、増築に合わせて位置を変更しました。新しいリビングには大きな窓を採用し、光と風を取り入れて気持ちの良い空間を創出しました。

一戸建ての性能向上フルリフォーム事例

ビフォー

アフター

施工会社 ナサホーム
費用 2379万円(フルリフォーム)
築年数 50年

空き家となっていた築50年の実家をフルリフォームしました。リフォーム工事の初期段階で部分解体し、構造状態を確認したところ劣化がひどかったため、耐震補強工事も併せて実施しています。安心して過ごせる住まいとなりました。

家全体を快適な空間とするために、廊下をできるだけ少なくするプランとして間取り変更しています。もともとの断熱性能が低いため、壁には断熱材を増やし、窓には内窓を増設しました。すごしやすい温もりある部屋で、家族との時間を楽しめるようになりました。

雨漏り補修と耐震工事で築古でも安心できるフォーム事例3

アフター

施工会社 安江工務店
築年数 50年

隣同士で住んでいた施主と両親。お子さまが成長して手狭になり、家の交換をきっかけにリフォームしました。築古の良さを生かしたデザインを採用し、大きな玄関の土間や築古ならではの大きな梁を残しています。思い出深いガラス戸をそのまま使用できたこともリフォームならではです。

築古であるため一番の心配である耐震面では耐震リフォームを行いました。あわせて建物の劣化を進める原因となる雨漏り対策として屋根の修繕も行っています。安心して住める家となり、お子さまも仏間で楽しく遊べるようになりました。

リフォームか建て替えかは30年後の未来で考える

築50年の住宅は、年数だけで決めるのではなく「建物の状態」と「これから何年住むか」で判断することがおすすめです。

基礎や構造が健全であれば、耐震・断熱を高めるリフォームが現実的な選択です。費用を抑えつつ安全性を向上できます。不同沈下や大規模腐朽がある場合は、建て替えの方が合理的です。将来まで安心して住みたいなら、新築という選択も有効です。

まずは耐震診断と建物調査を行い、事実に基づいて判断するとよいでしょう。

JR神戸駅前のHDC神戸には、築古戸建てのリフォームや建て替えについて相談できるリフォーム会社の窓口が複数あり、一度に様々な会社に相談ができて便利です。

また、同じくHDC神戸や、グランフロント大阪のHDC大阪には住宅設備のショールームが多く出店しています。最新のユニットバスなどを見て、水回りの設備を含めたフルリフォームを検討してみるのも、暮らしやすい将来の生活が想像できるのでおすすめです。

こちらの記事もお役立てください

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

Ranking ランキング

Feature特集

暮らしがもっと楽しくなる 間取りづくりのコツ
Onnela公式インフルエンサー
あの人が見つけるHDCの愉しみ方
今すぐできる 電気代の節約術
身も心も軽やかに♪ あなたの運動不足を解消します
今年は「ラクしてきれいに」! お手軽 大掃除特集