新築の注文住宅で収納計画をするポイントと実際の失敗例

注文住宅は、一から間取りをプランニングしてもらえるので自由度が高く、自分の理想の家づくりができるメリットがあります。そのため、収納場所も自分の要望通りのものを設計してもらうことができます。

ここでは注文住宅を建てる場合の収納計画について解説します。実際に建てた方の中には、収納で失敗したと感じている方もいます。失敗例も紹介しますので、ご覧ください。

収納場所があることのメリット・デメリット

メリット

収納場所を設けることで、生活空間が整理整頓され、暮らしが快適になります。物の場所を具体的に決めることで、日々の片づけや掃除も楽になります。

たとえば、使用機会が限られる扇風機等の季節家電や汚れたアウトドア用品を見えない場所に収納することで、家の中のものが溢れずすっきりとします。また、食材や洗剤など買いだめしてストックする場所があれば、切らした場合でも補充できます。

デメリット

収納場所を設けることで、物の移動に手間がかかる場合があります。たとえば、屋根裏だと、上下移動が必須であり、大きいものや重たいものを保管する計画があれば注意が必要です。

また、収納場所の風通しが悪いと、カビが生えたり劣化が進みやすくなります。したがって、窓や換気扇、空調設備などの湿度や温度の対策が必要であり、費用が膨らみかねません。

一戸建ての注文住宅で必要な収納場所を考えるときのポイント

収納する物の量を把握する

収納場所を計画するときに、収納するものの量を正確に把握することで収納場所の大きさやタイプを具体化できます。収納場所は家族の日常生活や持ち物の量によって変わるため、まずは家族全員の持ち物をリスト化し、量を把握しましょう。

収納する物に合わせて収納を設計する

収納するものに合わせた設計にすることで、利便性はもちろん、デッドスペースを生じにくくさせ、無駄のない収納を実現できます。また、小さい子どもがいる場合はおもちゃや学習道具、趣味や習い事の道具など、成長とともにものが増えることを想定した場所を設けることが大切です。

ほかにも、自宅で仕事をする家族がいれば仕事の為の収納、アウトドアが趣味ならアウトドア用品を収納する土間収納、大家族なら玄関のファミリークローゼットやキッチンのパントリーというように、家族が収納したいものを考えたうえでの設計がポイントです。

さらに、収納物の使用頻度を考えてすることもポイントです。たとえば、使う頻度が高いものは手の届きやすい場所に、季節ものやあまり使わない物は押し入れなどの奥や高い棚に収納することで日々の生活が楽になり、収納が効率的になります。

生活動線を考えて収納場所を作る

生活動線を考えてすることで家の中での無駄な動きを省き、できるだけ労力のかからない収納を実現できます。たとえば、洗濯機のある脱衣室の近くに衣類をまとめて収納する場所があれば、脱ぐ→洗う→乾かす→しまうの一連の動きを不便なくおこなえます。

キッチンで料理をしているときに、必要なものをパントリーへ取りに行くより、ぱっと手の届く壁面収納の方が便利と感じる方もいます。アウトドア用品や子どもの外遊び道具など汚れやすいものは、玄関に入ってすぐの土間収納があると片づけが便利です。 

注文住宅での収納計画での失敗例

失敗例1:換気計画が不十分でウォークインクローゼット内の湿気がひどい

解決策:換気扇や窓を付けて湿気をたまりにくくする

収納場所の湿気対策には換気設備の設置が有効です。特にウォークインクローゼットは、収納力の高さと引き換えに、空気の流れが悪く湿気が溜まりやすいことが特徴です。

そこで、クローゼットに換気扇を設置することが一つの対策です。湿度センサー付きの換気扇は、湿度が上がると自動的に換気が始まるため、カビの発生を抑制できます。

また、間取り上、収納場所に窓を設置できない場合や、日光による衣服の色褪せ対策にも換気扇は役立ちます。さらに、クローゼットに小窓を付ければ、自然の風を取り入れて常に新鮮な空気を循環できます。

失敗例2:屋根裏収納を作ったのに使わなかった

解決策:何を収納したいかを決めた上で収納場所を作る

収納計画を立てる時、まずは自宅に何を収納したいかはっきりと決めることが大切です。そのために、事前に収納に入れたいものをリスト化し、量やサイズを正確に把握しておく必要があります。

たとえば、季節や趣味により使用頻度が変わるアイテムを収納する場合、アイテムの大きさや形状、出し入れのしやすさを考える必要があります。また、生活の中で必要となる物の保管場所も大切です。

階段下や壁際など、生活動線から離れた場所でも有効活用できるような工夫がポイントです。

失敗例3:収納が少なくて調理器具や家電が溢れかえって雑然としている

解決策:造作棚を作ってキッチン用品の定位置を決める

散らかりがちなキッチンは、造作棚を設けることで調理器具や家電の定位置を決めましょう。物の取り出しや片付けがラクになります。特に、棚の奥行きや幅は収納するものに合わせて設計することで、効率的な収納を実現します。

さらに、キッチンの見た目もすっきりとし、居心地の良い空間になります。造作棚に引き戸やロールスクリーンを設置することで、より生活感をおさえ、おしゃれな空間に演出することもできます。注文住宅で自由なレイアウトにできるため、建売住宅や賃貸ではできない解決策です。

解決策:パントリーを作ってキッチン用品をすっきり収納する

雑多なキッチンに、食品や調理器具を保管する収納庫であるパントリーを設けることで、よりすっきりとした収納ができます。たとえば、置き場所に困る大きめの調理家電や、季節ごとの食器、普段は頻繁に使わない道具の収納ができます。

また、パントリーをキッチンから見えない位置に設ければ、来客時でも気にすることなく、自宅をキッチン込みですっきりと整えることができます。さらに、中の棚を可動式にすることで、収納物に合わせて高さを調整できるため、使いやすさも抜群です。

ほかにも、災害時に必要な水や食料のストック場所や、特売日に買いだめしたものの保管場所としての活用方法もあります。

失敗例4:トイレの収納が少なくて狭い場所に物が溢れかえって圧迫感がある

解決策:収納棚を作ってトイレ用品をすべて収納する

1畳前後のコンパクトな場所のトイレには、背面や上部の空間を有効活用して収納棚を設置するのがおすすめです。トイレにはトイレットペーパーをはじめ、掃除道具、サニタリー類、小さい子どものトイレトレーニング用品など必ず収納しておく物があります。

背面に収納を設ける場合、壁も含め同系色に統一することで狭さを感じにくくなります。収納棚を上部に設置する場合は、扉を付けないオープンシェルフにすることで圧迫感を抑えられます。

失敗例5:洗面所が物で溢れかえってごちゃごちゃしている

解決策:可動棚を導入して棚ごとに生活用品を収納できるようにする

さまざまな生活用品を整理整頓するときに、可動棚の活用が有効です。洗面所はタオル類やドライヤー、化粧品やヘアケア用品、歯ブラシなど小物があります。加えて、洗濯や入浴にも関わる場所なので、収納するものが多くなります。

可動棚は収納する物に応じて高さを自由に変えられるのが特徴であり、それぞれのサイズに合った場所に収納できます。また、上段には、洗剤のストックを、手の届きやすい段には毎日使う衛生用品やタオルを、下段には洗濯カゴや掃除用品を置くなど使用頻度別の収納もできます。

家族が毎日使う場所であり、洗面所で床に物を直置きすると衛生的によくないので、収納棚を取り入れて清潔な空間を保つことが大切です。

注文住宅でおすすめの収納アイデア

玄関の下足入れと土間収納で収納場所を分散する

下足入れと土間収納を組み合わせることで、玄関に収納場所を作ることができ、日々の生活が便利で快適になります。近年は、靴類だけでなくコートやカバンなど身に着けるものから子どもの外遊びグッズやベビーカー、ゴルフバッグ、自転車、DIY道具などをまとめて保管できる土間収納が人気です。

毎日着用するコートやカバンなどがまとめて1箇所に保管できるので、外出時の支度の不便がなくなり、花粉の季節など室内に花粉を持ち込まないですみます。また、アウトドア用品など汚れが気になる物も気兼ねなく収納できます。

出し入れが簡単なので、急な来客時でも慌てずにもてなすことができます。さらに、収納物がスッキリと整頓されることで、玄関全体がきれいに見え、訪れる方に好印象を与えることができます。

ファミリークローゼットは家族の衣類をまとめて収納できる

家族全員の衣類を一つの場所に収納するファミリークローゼットは、必要な衣類を一箇所にまとめることで洗濯物の整理や片付けを効率よくできる収納です。また、各部屋にクローゼットを設ける必要がなくなり、場所を有効活用できます。

特に、4人以上の家族の場合、3〜4畳ほどの広さがあると便利です。また、衣類だけでなくバスタオルやシーツ、季節ごとの装飾品や子どもの学校の制服などもまとめて収納できます。サイズ感だけでなく生活動線を考えて、ウォークイン型やウォークスルータイプなど家族に適した収納を選ぶことで、生活に不便がなくなります。

パントリーは収納量に合わせてウォークイン型か壁面型を選ぼう

パントリーは壁面収納型とウォークイン型の2種類があり、家の大きさや暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。壁面収納型はキッチンの壁面に直接取り付けるタイプで、物を取り出しやすい、探し物を見つけやすい、視認性がありストックを切らしにくいなどのメリットがあります。

一方で、ウォークイン型とくらべて収納量が限られるのが難点です。ウォークイン型は文字通り歩いて入れる収納場所のことで、壁面収納型より広く、収納量が大きいです。食品のストックに加え、来客に使う食器や滅多に使わない調理器具も収納できるため、キッチン周りが散らかりにくくなります。

ただし、においや湿度がこもりやすいので、こまめな換気や湿度対策が必要です。

小屋裏収納で季節家電を収納する

小屋裏収納は天井裏などの余剰空間を使った高さが定められた収納場所のことです。小屋裏収納の魅力は大きな収納場所を確保できることです。扇風機、暖房器具などの季節家電に加え、ひな人形、クリスマスツリーなど使用機会が限られているものを保管するのに向いています。

しかしながら、小屋裏収納は高温多湿になりやすく、壊れ易い物や湿度に影響されやすい物など保管するものを慎重に選ぶ必要があります。また、上り下りが面倒で、大きな荷物を運ぶのに手間がかかる場合があります。

まとめ|収納する物と量を把握して収納計画をしよう

新築の注文住宅では収納する物と量を把握して収納計画することが大切です。生活動線も考えた場所に設置することでより使いやすい収納になります。

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