夏休みの工作は子どもだけでなく大人も悩ませる宿題です。そこで今回は、ダンボールや牛乳パックなど身近にある材料を使った、簡単に作れる工作を12個紹介します。また、大人がアドバイスをするときの注意点についても解説していきます。
目次
夏休みの工作のテーマの決め方
子どもだけでは夏休みの工作に迷ってしまうことがあります。そのような場合は、大人がテーマ決めのサポートをしてあげるとよいでしょう。どのようにテーマを決めたらよいのか、ポイントを解説していきます。
好きなものや興味のあるものを作る
工作は子どもに楽しんで作ってもらうことが大切です。テーマを決める際は、子どもの好きなものや興味のあることの中から選びましょう。
しかし、ストレートに「どんなことが好き?」と聞いても、すぐに答えられない子どももいます。そこで、大人から「こんなテーマがあるけど興味ある?」といった形で質問してみましょう。
質問しながら話していくうちに、子ども自身も興味のあるものが分かり、工作のテーマを自分で決められるようになります。
身近なものを活用する
工作の材料に迷ったときは、ダンボールやペットボトル、牛乳パックなどの身近なものを使うのがおすすめです。本来であればリサイクルやゴミとして出してしまうものでも、工夫次第で素敵なものに変身するという楽しさを味わえます。
もし自宅に材料が何もないという場合は、100均で安く手に入れられるのでチェックしてみましょう。
大人はどこまでサポートする?
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工作の主役はあくまでも子どもです。主役を奪わないために大人はどこまで手助けするべきか解説します。
干渉しすぎないことが大切
子どもが「何をすればいいか分からない」という状態にならないよう、大人がサポートしてあげることが大切です。しかし、干渉しすぎは良くありません。子どもに作るものを決めさせたり、作業の進め方を決めさせたりして、困っていたら手伝うという感覚で接しましょう。
主体的にやらせてあげることで、どうしたら上手く作れるか考える発想力や、自分で計画を立ててそれに合わせて完成させる力などが身に付きます。
さりげない声かけを
子どもをサポートする際は、声のかけ方も工夫が必要です。やりたいことを決めるのはあくまで子どもであり、大人はやりたいことを決めやすくするための質問をする立場であることを意識してください。
子どもが「作りたい」と言ったものに対して、「材料はこれにしよう」「こっちの方がいいよ」などと決めつけるのは良くありません。「どんな見た目にしたい?」「こうしたらもっと素敵になるかも」といった、子どもが自分で答えを見つけられるような声かけを意識しましょう。
また、子どもが工作に集中していたら声をかけずに見守り、子どもから「教えてほしい」「手伝ってほしい」など頼まれるのを待ってみるのもいいでしょう。
ダンボールを使った夏休みの工作
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家の中でかさばりがちなダンボールは、工作の材料として役立てましょう。ダンボールを使えば丈夫で自由度の高い作品が作れます。簡単に作れる工作を中心に紹介します。
何が出るか楽しみな「おみくじ」
ダンボールを使って自己流のおみくじを作りましょう。占いたい内容を自由に変えられて、毎日どんな結果が出るか楽しみを味わえます。棒の先端に付ける紙の文字や色を変えれば、くじ引きや色当てゲームなどいろいろな楽しみ方が可能です。
必要な材料は以下の通りです。
- ダンボール×1
- ストロー数本
- 紙
- ボンド
- 油性マジック
- はさみ
- セロハンテープ
- 装飾用の折り紙・シール・マスキングテープなど(好みに合わせて)
次に、おみくじの作り方を紹介します。
- 作りたいおみくじのサイズになるようにダンボールを筒状に丸め、ボンドでくっつける
- 余っているダンボールを筒の空洞の大きさに合わせて2枚切り抜く
- 2.で切った1枚を筒の片方の空洞にボンドでくっつける
- もう1枚はストローが通る穴をはさみで切り取り、筒のもう一方の空洞にボンドでくっつける
- 好きな絵を描いたりシールを貼ったりするなど装飾する
- 紙を小さく切り油性マジックで「大吉」や「中吉」などを記入し、ストローの先端に貼り付ける
- ストローを筒の中に入れて完成
今回はストローを筒の中に入れましたが、おみくじが出る穴の大きさを変えれば割り箸など他のものも入れられます。
散歩のお供に「カメラ」
手作りのカメラを持って出かければ、外遊びをより一層楽しめます。好きな色や柄にデコレーションして、オリジナルのカメラを作りましょう。
材料は以下の通りです。
- ダンボール×2
- カラーフィルム×1
- トイレットペーパーの芯×1
- セロハンテープ
- ボンド
- 鉛筆
- カッター
- 装飾用のマスキングテープ・油性マジック・ひも・色画用紙など
次に、カメラの作り方を紹介します。
- トイレットペーパーの芯を3分の1の大きさに切り、カメラのレンズ部分を作る
- ダンボール2枚をトイレットペーパーの芯に合う大きさに切る
- ダンボールの上にトイレットペーパーの芯を置き鉛筆で芯の穴を型取り、型通りにカッターで切り取る
- トイレットペーパーの芯をダンボールの穴から少し飛び出すようにに差し込み、飛び出した部分に縦に均一に切れ込みを入れる
- 切れ込みを入れた部分をセロハンテープでダンボールに貼り付け、カラーフィルムをダンボールの穴をふさぐように貼り付ける
- もう1枚のダンボールをボンドで上からくっつける
- ひもを取り付け、マスキングテープや色画用紙などで飾り付けて完成
より本物の見た目に近くしたい場合は、黒のビニールテープでカメラの黒を表現したり、アルミテープで金属部分を再現したりするのがおすすめです。
音が楽しい「でんでん太鼓」
愉快な音が鳴るでんでん太鼓も、ダンボールで簡単に作れます。素材によって太鼓の音も変わってくるので、いろいろな種類を作って音の違いを楽しんでみてください。
材料は以下の通りです。
- ダンボール×1
- 割り箸×1
- たこ糸×2
- ボタン
- 両面テープ
- 装飾用の色画用紙・折り紙・シール・油性マジックなど
次に、でんでん太鼓の作り方を紹介します。
- 好きな形のダンボールを2枚切り取る
- 1.のダンボールに色画用紙や油性マジックなどで装飾する
- ダンボール1枚の裏側の中心に、割り箸の先端を両面テープで貼り付ける
- 2本のたこ糸の先にボタンを取り付け、1枚のダンボールの両端に両面テープで貼り付ける
- ダンボールの両端に両面テープを貼り付け、もう1枚のダンボールではさむようにくっつける
たこ糸の先に付けるものはボタン以外にも、アルミホイルを丸めたものやペットボトルのふたに穴を開けたものでも代用できます。
ペットボトルを使った夏休みの工作
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水分を多く取る夏場はペットボトルのゴミが出やすくなります。空のペットボトルを素敵なおもちゃに変身させる方法を紹介します。
夏にぴったりの「風鈴」
夏の風物詩である風鈴は、夏休みの工作にもってこいの作品です。世界で一つだけの風鈴を、ベランダや庭に飾って楽しんでみてはいかがでしょうか?
材料は以下の通りです。
- ふた付きの500mlペットボトル
- 紙
- キリ(千枚通し)
- ひも
- 鈴
- つまようじ
- 装飾用の油性マジック・ビーズ・マスキングテープ・マニキュア・シールなど
次に、風鈴の作り方を紹介します。
- カッターでペットボトルを切り、切り口をマスキングテープで保護する
- ペットボトルのふたの真ん中にキリで穴を開ける
- ペットボトルに好きな絵を描いたりビーズを付けたりして装飾する
- 短冊にする紙の上下に穴を開け、好きなように装飾する
- ペットボトルにひもを通し、吊るす用ににひもの一番上は輪っかにして結ぶ
- つまようじを先端から3分の1程度切り、通したひもの上部分でつまようじを結んでひもの先端をふたの穴に通す
- 反対側のひもに短冊の紙を結び、もう一つの穴にひもで鈴を結ぶ
子どもと一緒に作って音色の違いを比べても楽しいでしょう。
思わず夢中に「けん玉」
昔ながらのおもちゃ、けん玉もペットボトルを使えば簡単に作れます。シンプルな作りながら、意外と難しいけん玉にきっと子どもたちは夢中になるはずです。
材料は以下の通りです。
- 500mlペットボトル×2
- カッター
- ビニールテープ
- たこ糸
- 装飾用の油性マジック・マスキングテープ・シールなど
次に、けん玉の作り方を紹介します。
- けん玉の皿になる部分を作るため、ペットボトル2本を半分より少し小さめに切り、けん玉の皿を作る。切り口はビニールテープで保護する
- ペットボトルの飲み口同士をビニールテープで巻き付けてくっつける
- けん玉の玉になる部分を作ります。ペットボトルのふた同士をビニールテープで巻いてくっつけ、玉を作る
- たこ糸の先にふたをビニールテープで巻き付ける
- たこ糸の反対側をペットボトルの口部分に結ぶ
玉はペットボトルのふた以外にも、新聞紙を丸めたものやガチャガチャのボールを取り付けてもいいです。油性マジックやマスキングテープなどを使って装飾も楽しみましょう。
入れるだけで簡単にできる「スノードーム」
スノードームを工作して、自分だけの世界を表現しましょう。きらきらと輝くきれいな見た目でインテリアにもなりますよ。
材料は以下の通りです。
- ペットボトル×1
- 水
- 洗濯のり
- ビニールテープ
- 装飾用のビーズ・スパンコール・フィギュア・写真・卵の殻・ブラバン・絵の具など
次に、スノードームの作り方を紹介します。
- ペットボトルの中にビーズやスパンコールなどを入れる
- 水と洗濯のりを入れてかき混ぜる
- ペットボトルのふたを閉めて、あふれないようにふたをビニールテープでとめる
水と洗濯のりの割合はお好みでよいですが、迷った場合は7:3がおすすめです。絵の具を水に溶かして色付けしてもおもしろいでしょう。
ペットボトルの中にはフィギュアや写真を入れたり、プラバンにイラストを描いて入れたりしてもかわいく仕上がります。写真を入れるときは透明なテープで防水加工をしましょう。
薄皮をむいて乾燥させた卵の殻は、砕いて使えば雪を表現できます。
牛乳パックを使った夏休みの工作
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意外と頑丈で水にも強い牛乳パックは、アイデア次第でさまざまなものが作れます。作った後も遊べる工作を三つ解説していきます。
高く舞う「竹とんぼ」
竹とんぼは、羽の形をはさみで切って変えたり羽の曲げ方を変えたりすることで、飛び方に変化が生まれます。どうすれば高く飛ぶかいろいろと試してみましょう。
材料は以下の通りです。
- 牛乳パック×1
- ストロー×1
- ホッチキス
- セロハンテープ
- はさみ
- 装飾用の油性マジック・シールなど
次に、竹とんぼの作り方を紹介します。
- 牛乳パックの側面を一つ切り離す
- 1.の短い辺に平行になるようにして4cm程度切り取り、細長い形になるよう半分に切って羽を作る
- 2.でできた羽に油性マジックやシールで装飾する
- ストローの蛇腹部分を含めた飲み口部分を切り落とす
- ストローの先に2cm程度の切れ込みを入れ、3.の羽を差し込む
- 動かないようホッチキスでとめて、ケガをしないようセロハンテープで巻く
- 羽を竹とんぼの形になるよう折り曲げる
竹とんぼの飛ばし方は、ストローを両手ではさんで片方の手でストローを回転させながら押し出すように行います。
くるくる回したくなる「コマ」
コマは止まっているときと回っているときでは、模様の見え方が変わるというおもしろさがあります。友達と一緒に作ってどちらが長く回せるか勝負するのも楽しいでしょう。
材料は以下の通りです。
- 牛乳パック×1
- ペットボトルのふた×1
- ボタン×11
- はさみ
- セロハンテープ
- 装飾用の折り紙・シール・油性マジックなど
次に、コマの作り方を紹介します。
- 牛乳パックの辺を上から底まではさみで切り、さらに好きな長さや形に切って風車の羽を作る
- 油性マジックで絵を描いたり、折り紙を貼ったりして装飾する
- 牛乳パックの表側の中心にペットボトルのふたをセロハンテープで貼り付ける
- ボタンを底の真ん中に貼り付ける
ペットボトルのふたが回すための持ち手になり、ボタンがコマの軸になってくれます。
膨らんで楽しい「むくむくおばけ」
むくむくおばけとは、ビニール袋におばけの絵を描き、膨らませて遊びます。おばけ以外の絵を描いて遊んだり、ビニール袋に目や口をかたどった色画用紙を貼って遊んだりもできます。
材料は以下の通りです。
- 500mlの牛乳パック×1
- 傘袋(ビニール袋)×1
- ストロー×1
- キリ
- 油性マジック
- セロハンテープ
- 装飾用の色画用紙・シールなど
次に、むくむくおばけの作り方を紹介します。
- 牛乳パックの上部分を切り取る
- 牛乳パック側面の下の方に穴を一つ開け、はさみでストローが入る程度の大きさに広げる
- 傘袋を20〜40cm程度の長さに切り、傘袋の開いている方にストローの飲み口を入れて、セロハンテープで固定する
- 傘袋におばけの絵を描く
- 牛乳パックの内側から開けた穴にストローを差し込む
- 牛乳パックの上部分がふたになるように、牛乳パック同士を1辺でくっつけ、傘袋を牛乳パックの中に入れる
むくむくおばけは低学年向けの工作です。傘袋以外のビニール袋を使えば膨らみ方を変えられます。
貝殻を使った夏休みの工作
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家族で海に行った際に拾った貝殻で工作をすれば、夏の思い出を残せます。工作のときに使う他の材料も100均で購入可能なので、手軽に作ることができます。
宝物を入れたくなる「小物入れ」
たくさんの貝殻をデコレーションすることで、オリジナリティたっぷりな小物入れを作れます。また、小学校の図工の時間には粘土を使うことが多いため、その経験を小物入れの製作に活かせます。
材料は以下の通りです。
- 紙粘土
- 容器(カップ・ビン・ペットボトルなど)
- 貝殻
- ニス
- ボンドまたはグルーガン
- 装飾用の絵の具・シーグラス・おはじき
次に、小物入れの作り方を紹介します。
- 紙粘土をこねて柔らかくする
- 原型になるカップやビンなどの周りに紙粘土を厚めに貼り付ける
- 貝殻やシーグラスなどを好きなように埋め込むか、ボンドやグルーガンで貼り付ける
- ニスを塗り乾燥させる
紙粘土は絵の具で色付けしたり着色済みのものを使ったりとすることもできるので、好みに合わせて選びましょう。貝殻やシーグラス以外にも、星形やハート型などにした紙粘土を貼り付けるやり方もあります。
思い出を詰め込んだ「植木鉢」
シンプルな見た目の植木鉢も、貝殻を使えばおしゃれな見た目に変身します。作った植木鉢の中にビンを入れれば、花瓶としても活躍します。
材料は以下の通りです。
- 植木鉢
- 貝殻
- 紙粘土
- グルーガンまたはボンド
- 装飾用の流木・ビーズ・リボン・ビンなど
作り方は、植木鉢に貝殻をグルーガンで貼り付けるだけで完成です。同じ種類の貝殻を並べたり、いろいろな貝殻を貼り付けたりと、自由にデコレーションしましょう。
個性的にしたいのであれば、貝殻以外にも流木やビーズなどを貼り付けたり、植木鉢にリボンを巻いたりするのもおすすめです。
時間のチェックも楽しくなる「時計」
部屋に飾りたくなるような、時計を貝殻で装飾する方法を紹介します。ついつい見入ってしまうオリジナル時計なら、時計を読む練習にもなるでしょう。
材料は以下の通りです。
- 貝殻
- ボードまたは額縁
- 時計
- キリ
- グルーガンまたはボンド
- 装飾用のカラーサンド・ボタン・絵の具など
次に、貝殻を使った時計の作り方を紹介します。
- ボードに時計の針の中心を刺すための穴をキリで開ける
- 穴の周りにグルーガンでカラーサンドを貼り付ける
- 時計の針の邪魔にならないよう、ボードの上に貝殻を並べる
- グルーガンで貝殻をボードに貼り付ける
- 時計の針と本体を取り付けるたら完成です。
時計の勉強を始めた低学年の子ども向けの工作です。時計の数字の位置に貝殻を置くと、時間が確認しやすくなります。ボードを絵の具で塗ったり、小石やボタンなどを貼り付けたりして個性を出すのもおすすめです。
自由なアイデアでオリジナルを作ろう
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今回紹介した工作はどれもアイデア次第でオリジナリティあふれる作品になります。そのために、大人は子どもの主体性を引き出す手助けをしていきましょう。手助けされながら工作を作る過程が、子どもにとって夏休みの素敵な思い出になるはずです。