急須を選ぶにはいくつかのポイントがあります。飲む人数による容量の違いや茶こしの形状、デザインなど、それぞれの特徴別に選ぶときに注目したいポイントを紹介します。よりおいしくお茶を飲むために参考にしてみてください。
目次
急須でお茶を入れるメリットとは?
現代人は時間がなく、ゆっくりお茶を飲む機会も減っているかもしれません。しかし、急須でお茶を淹れることには、ペットボトルのお茶にはないいくつものメリットがあると言われています。具体的にどんなメリットがあるのかを紹介します。
緑茶本来の味や香りが楽しめる
急須で入れたお茶は、お茶本来の香りや味をダイレクトに楽しむことができます。ペットボトルのお茶の場合、酸化防止のためにビタミンCが入っている場合が多く、お茶本来の香りや味とは多少異なるのです。
また、ペットボトルのお茶は製造から時間が経っているので、お茶本来のうまみや香りは損なわれてしまっています。急須の場合、淹れ立てのお茶が楽しめ、お茶の香りも強く出ます。湯気とともにお茶の香りが漂ってきて、リラックスできるでしょう。
ゆっくり落ち着いてお茶を味わいたいのであれば、急須でお茶を淹れてみることをおすすめします。
体によい成分がたっぷり
「朝茶は福が増す」ということわざがあるように、お茶には多くの健康維持効果があるようです。その中でも、お茶には体によいといわれているカテキンがあります。
カテキンに期待できるとされているのは、以下のとおりです。
- コレステロールを下げる作用
- 殺菌作用および抗菌作用
- 虫歯の口臭予坊
- 肥満予防
- 血糖の上昇を抑える作用
また、国立がん研究センターの発表により、緑茶を習慣的に摂取することで、循環器及び呼吸器疾患による死亡リスクの減少が見られたという発表もあります。
お茶には体によい成分がたっぷり入っているので、健康維持のため日頃から飲む習慣をつけるとよいかもしれません。
参考:「緑茶摂取と全死亡主要死因死亡との関連について」国立がん研究センターがん予防検診研究センター予防研究グループ
ペットボトルで飲むよりコスパがよい
静岡県環境衛生科学研究所が発表した調査結果によると、茶葉を使って急須で淹れたお茶の一杯目にはペットボトルのおよそ5倍のテアニンが含まれています。
また、急須でお茶を淹れたときに底に沈んでいる沈殿物には、お茶特有の栄養素がたっぷりと含まれています。
しかし、ペットボトルに生成する際にはそれら栄養素を取り除いてしまいます。ペットボトルのお茶だけで急須のような栄養素を摂取したいと考えると、ペットボトルを何本も飲まなければなりません。
時間をかけてでも急須でお茶を入れることにより、結果的にはコスパもよく、質も味もいいお茶を楽しむことができます。
急須を選ぶときのポイント
(出典) photo-ac.com
急須を選ぶときのポイントは大きく分けて三つあります。それぞれの選び方について解説します。
サイズで選ぶ
急須のサイズは人数にあわせて選ぶのがよいでしょう。茶葉に対して急須の容量が大きいとお湯が茶葉にしっかり浸らず、おいしいお茶を入れることが困難です。急須のサイズについては、適正なサイズがあり「大は小を兼ねる」ことはありません。
適正な急須のサイズと目安をまとめてみました。選ぶときの参考にしてみてください。
人数別急須のサイズと容量
- 1~2人用…100ml~200ml(小型の缶コーヒー缶ぐらいの容量)
- 2~3人用…200ml~340ml(缶ビールくらいの容量)
- 3~4人用…340ml~480ml(ペットボトルくらいの容量)
日頃から飲む量を把握し、生活に合ったサイズの急須を選びましょう。好みの急須を選んでも、お茶のおいしさが半減するようなサイズかもしれません。急須選びに迷ったら、まずはどの場面にも使いやすい2人~3人用のサイズを使ってみてはいかがでしょうか 。
素材で選ぶ
急須の素材が違うとデザインや雰囲気だけでなく、使う茶葉の種類も変わってくることもあります。茶葉の種類や生活様式に合わせて好みの急須を選びましょう。
急須の素材は大きく分けると6種類あります。それぞれの特徴をご紹介します。
素材の種類 | 特徴 |
陶器製 | 朱色が特徴的な「常滑焼」や「萬古焼」「美濃焼」が有名です。高級感にあふれる外見と高い保温力が特徴です。一定の吸水性があるため不純物を取り除き、お茶の渋みや甘みをすっきりと引き出します。 |
磁器製 | 「有田焼」「九谷焼」「波佐見焼」が有名です。個性的な柄や光沢感のある色が特徴です。華やかな見た目で洋風デザインにもあいます。磁器のため吸水性がほとんどなく、茶葉本来の香りや味がストレートに味わえます。 |
鉄製 | 「南部鉄器」などに代表される鉄製の急須は、もともとお茶を沸かす生活道具の一種でした。そのために繊細な味のお茶よりも、ほうじ茶や玄米茶のような味が濃いお茶に向いています。耐久性が高く、キズがつきにくく、重量があるのが特徴です。 |
ガラス | 中身が見え、葉が開いていく様子が見えるガラス製の急須はお茶を飲むだけでなく、入れる時間も楽しめます。においがうつりにくいので、紅茶やハーブティーなど個性的な茶葉でも使え、使用用途が広いのが特徴です。 |
ステンレス製 | 撃に強く、落としても割れにくいので、お子様やお年寄りが使うのに向いています。湯切れもいいのがポイント。ただし、他の素材に比べると、水に金属のにおいや味がうつることがあるので繊細なお茶よりもほうじ茶や玄米茶など味が強いお茶向きです。 |
樹脂製 | 総体的にコスパがよく丈夫です。衝撃にも強いので普段使いに向いています。クリアカラータイプは中が見えるので、初心者の方でも、失敗がなくお茶の濃さを簡単に調節できます。 |
普段の生活や入れるお茶の種類で使う急須の素材は変わってきます。それぞれの素材の特徴で急須を選びましょう。
茶こしのタイプで選ぶ
実は急須と同じぐらい茶こし選びは重要です。茶こしの違いで、お茶の味わいと日々のお手入れのしやすさが変わってきます。ご自分が使いやすい茶こしのタイプを知り、選んでみましょう。
代表的な3種類の茶こしのメリット、デメリットをまとめてみました。
種類 | 特徴 |
ささめ茶こし | 陶器の急須の注ぎ口に網目状の穴があり、急須と一体となっているものです。急須の中で、茶葉がしっかりお湯につかり、本来のお茶の味が出やすいです。ただし、細かい茶葉がつまることもあり、掃除をこまめにしないといけない場合もあります。 |
ステンレス製メッシュ(かご網型) | 使い終わった茶葉を一気に捨てられる便利さから、一番よく使われているタイプです。取り外しも、洗いも簡単です。実用的ですが、かご網型では茶葉がお湯につかっても、茶葉が開くスペースがないため、お茶本来の甘みを出すのは難しいかもしれません。 |
ステンレス製メッシュ(本体一体型) | 急須そのものにメッシュ状の網が貼ってあるタイプです 。茶葉 がしっかり広がるのでおいしく入れられます。また細かい茶葉でも湯のみに茶葉が入りません。メッシュ状の網が取り外しできないので、「ブラシで洗う」など少しお手入れに工夫が必要です。 |
1~2人用のおすすめ急須2選
(出典) photo-ac.com
自分ひとり、あるいはパートナーと2人でほっこりお茶を楽しみたい方は、コンパクトな1~2人用の急須から選んでみましょう。茶こしがいらないものと、扱いが手軽なタイプを紹介します。
新茶器 KYU-SU HITORI
急須の中に、湯のみが内側に収まり収納に便利です。自分好みのお茶を入れ、1人の時間を楽しめます。
急須本体が茶こし代わりになる絞り出し方式の急須なのでお手入れも簡単です。茶葉が大きく開く形状のため、茶葉がしっかり開きます。ほうじ茶、紅茶、ハーブティーなど茶葉の種類を選ぶことがありません。
携帯にも便利なため、外出や旅先にも持参してみてはいかがでしょうか? 家事のあとなど、ほっこりしたお茶の時間を楽しむのにピッタリでしょう。
新茶器 KYU-SU HITORI
煎茶堂東京 透明急須 120ml
割れない、急須が熱くならない、省スペースで食器棚にもらくらく収納ができます。収納の場所もとらずコンパクトです。本体の上部の間口が広く、洗うのも簡単です。
茶こしの幅も広く、茶葉が開きやすい形状なので、お茶の色や味わいも楽しめます。収納も片付けもらくなので、忙しい人でもさっと手軽にお茶の時間を楽しめる急須です。
煎茶堂東京 透明急須 120ml
2~3人用のおすすめ急須2選
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家族や友達と一緒にお茶を楽しむのなら、2~3人用の急須を検討してみましょう。パステルカラーのモダンな急須と、伝統がある常滑焼の急須を紹介します。
SALIU 結 YUI 土瓶急須
柔らかなラインとマットな質感が特徴の急須です。優しいパステルカラーの色あいが目をひきます。デザインだけでなく、手入れのしやすいステンレスの茶こし付きや水切れがよく機能性もバツグンになっています。
どんなインテリアにでも合うシンプルな茶器です。職人の技術が光るコロンとした上品なフォルムがお部屋を格上げします。機能も美しさも両方を兼ね備えた美しい急須で、上質なティータイムが過ごせそうです。
SALIU 結 YUI 土瓶急須
きつさこ 常滑焼 雫急須
常滑焼の特徴は、陶土に含まれる鉄が緑茶のタンニン(渋み成分)に反応して、お茶の味をまろやかにします。雑味がない緑茶のうまみと甘みを再発見できそうです。本格的にじっくりお茶を楽しみたい方にピッタリでしょう。
急須の注ぎ口が液だれしにくく、お茶がたれないのでテーブルも汚しません。少ないお湯でも急須が深いため、おいしいお茶ができますよ。急須に氷を入れれば、冷茶も手軽にできます。季節を問わずにお茶を楽しめます。
備え付けの茶こしはステンレスに穴を開ける技術により茶葉がつまりにくくなっています。急須の作りが洗いやすい形状で洗う手間もかかりません。
きつさこ 常滑焼 雫急須
3~4人用のおすすめ急須2選
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友達を招いて、急須で入れたお茶を楽しんでみませんか?3~4人用の急須を二つ紹介します。
西海陶器 波佐見焼 ティーポット マジョリカ
モダンな柄を得意とする波佐見焼の急須です。デザインもすてきですが、機能性も日常使いにも便利です。
和でも洋でも違和感がなく使えるデザインが人気のマジョリカ柄(幾何学模様の柄が続くスタイルのこと)です。カップ、マグカップ、ストッカーもあり同じ柄で統一させることが可能です。
底がフラットなステンレスの茶こしでさっと茶葉が取り出せます。きれいに洗えるので、衛生的にも安心です。においがうつりにくい磁器製なので、日本茶だけでなく紅茶、ハーブティーと気分に合わせていろいろな用途に使います。
容量が大きく、マグカップ2個分のお茶が入れられます。友人が遊びにきたときに、おしゃべりに夢中になっても大丈夫。お茶も会話も楽しめます。
西海陶器 波佐見焼 ティーポット マジョリカ
HARIO 茶茶急須 丸
忙しくて、ついついお茶を入れたことを忘れてしまい、せっかくのお茶が冷めてしまった経験はありませんか?こちらの急須なら耐熱ガラスなので、冷めてもレンジでチンでき、いつでも適温を楽しめます。
こちらはにおいがつきにくいので、お茶の種類を問わず使えます。茶葉や花が咲いていく様子も楽しむ工芸茶(花を包み込むように、手摘みの茶葉を糸で重ねて作る中国茶)を楽しむのにもおすすめです。
ふたの口が広いので洗いやすく、いつも清潔でお手入れも簡単。安心の日本製というところもポイントです。
HARIO 茶茶急須 丸
素材が特徴的なおすすめ急須3選
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素材によって、においがつきにくかったり、洗いやすかったりと特徴が変わってきます。鉄器・樹脂・ステンレスという三つの素材の急須をそれぞれ紹介します。
cotta 鉄器急須 花 白金
最近、ハリウッド映画でも小道具の一つとして見かけるようになった、デザイン性が高い鉄器急須です。
素材が鉄製なので、他の急須に比べどっしりとしています。急須の内側にホーロー加工してあるので、サビを心配することがなく、お掃除やお手入れが楽なところがおすすめポイントです。
鉄器急須にしてはリーズナブルなお値段で、どのコーディネートでもどんな食事のジャンルでもインスタ映えしそうです。食卓が華やぐワンランク上のティータイムが過ごせそうですね。
cotta 鉄器急須 花 白金
曙産業 クリアティーポット 急須タイプ
割れにくく、とにかく丈夫です。軽いので、どこにでも持っていける携帯性がアウトドアにもおすすめです。キャンプで、おいしいお茶を淹れてみてはいかがでしょうか。
急須の中が見えるので掃除が楽です。茶こしもプラスチック製でガシガシ洗ってもゆがまず、目詰まりもしにくいです。食器乾燥機で洗えます。食器乾燥機が使えるのは便利でしょう。
クリアなボディで茶葉の開き具合が分かりやすく、初心者でもちょうどいい濃さのお茶を簡単に入れられます。熱いお湯でも冷たいお茶でも使えます。機能的で使い勝手がよい急須です。
曙産業 クリアティーポット 急須タイプ
ヨシカワ 郷技 ステンレス急須
素材がステンレスのため、サビやにおいがつきにくい急須です。新潟の燕三条地区の職人技が光るステンレス急須です。丈夫さと精巧な作りは期待を裏切りません。
茶こしの網が深く、茶葉がひろがりやすいのでおいしくお茶が入れられます。注ぎ口の口径もちょうど良く、お茶が出過ぎません。
実用的で飽きがこない急須をお探しの方におすすめです。無駄のないステンレスの作りが少しレトロな雰囲気をかもしだしています。これなら長く使い続けるのことができそうですね。
ヨシカワ 郷技 ステンレス急須
茶こしが特徴的なおすすめ急須2選
(出典) photo-ac.com
お茶の味を左右するのが茶こしです。どんなに外見がよくても、同じように茶こしの性能がよくないとせっかくのお茶も台無しになってしまいます。急須が茶こしの形状も兼ねているタイプと急須に茶こしがついているタイプを紹介します。
紫香陶房 絞り出し正直急須
最後の一滴までお茶を楽しむために作られた茶こしが特徴的な急須です。一杯目のお茶を入れ終わっても、急須にお茶が残ることはありません。余分なお茶が残らないため、二杯目も渋みがなくスッキリ飲めます。渋みがないお茶の甘みを味わいたい人に向けておすすめします。
伝統工芸士が一つひとつ手作りする名品のため、とても品のある急須に仕上がっています。上品な見た目ですが容量が多く、湯のみ三杯分の容量が一度でできる量です。
健康維持のためにたくさんお茶を楽しむ方におすすめですよ。茶こしも急須と同じ素材で仕上げてあり、お茶本来の香り味を楽しめます。
紫香陶房 絞り出し正直急須
きつさこ 常滑焼 瑠璃色
「湯切れがよく、テーブルが汚れない」と人気があり、美しい瑠璃色が目をひく急須です。注いだときに茶葉が漏れ出ないよう、工夫されて注ぎ口が薄くなっています。
茶葉が捨てやすいように急須の内側の縁が従来より、薄くなり掃除しやすくなりました。茶渋がたまるところも広口でとても洗いやすくなっています。
伝統の常滑焼の作りでお茶の味がまろやかに仕上がり、「湯切れ」「茶葉漏れ」「捨てにくさ」の急須三大問題を解決しました。ストレスなしの急須で、お茶を楽しめます。
きつさこ 常滑焼 瑠璃色
デザインがおしゃれな急須3選
(出典) photo-ac.com
毎日に使う急須だからこそ、飽きがこないデザインを選びたいものです。デザインが個性的でも機能的な急須を3種類紹介します。好みや使う用途にあわせて好みのものを選びましょう。
ニトリ 急須 唐茶削ぎ
シンプルなデザインが特長です。飽きのこないデザインなので、和でも洋でもどちらの雰囲気でもあいます。同じ柄で急須だけでなく小皿などもそろい、テーブルコーディネートができます。食器に統一感があるとスッキリおしゃれにみえますね。
見た目だけでなく、素材がストーンウェア(磁器と陶器の中間的なもの)なので、汚れやにおいがつきにくく、しかも丈夫です。 どの年代にも好かれそうな柄は使う人を選びません。
ニトリ 急須 唐茶削ぎ
盛正 焼〆丸ポット 常滑焼 急須
曲線と直線が融合された個性的な美しさが特徴の急須です。和でも洋でもどちらの雰囲気にもあいます。スタイリッシュで飽きがこないデザインですが、見た目だけではなく、伝統の常滑焼なのでお茶のうまみを引き出す機能性も十分あります。
茶こしの網目が細かいので、細かいお茶の葉も安心して入れられます。モダンな形状のため、日本茶だけでなく紅茶用にも使えるよう使用目的が広い急須を探している方におすすめです。
盛正 焼〆丸ポット 常滑焼 急須
白山陶器 麻の糸 急須
シンプルモダンでありながら実用的な食器を得意とする白山陶器の急須です。急須だけでなく「麻の糸」シリーズでこちらの食器はそろいます。トータルにコーディネートが可能です。
ふたのつまみが持ち手近くにあることで、急須をかたむけてもふたが落ちにくく、最後までしっかりお茶を出しきれます。ほとんどの急須が両手を使って急須のふたを押さえる形状ですが、両手でふたを押さえるストレスなく、こぼすことなくお茶を入れられます。
個性的なデザインでありながら、シンプルで飽きのこない機能的な急須です。
白山陶器 麻の糸 急須
お気に入りの急須でおいしい緑茶を入れよう
(出典) photo-ac.com
急須にはサイズや素材、茶こしの形状の違いで選ぶポイントが変わってきます。一人で楽しむのか、家族、友人と楽しむのか、それぞれ急須を選ぶ前に用途や使うシーンを考慮しましょう。
健康効果を考えると、毎日、急須でおいしい緑茶を入れたいものです。デザインや手入れ方法も含めて、ご自分が使いやすいお気に入りの急須で緑茶を楽しんでください。