生活していると騒音や雑音が気になることもあるものです。睡眠時や集中したいときには特に煩わしいものでしょう。そんなときには、遮音性の高い耳栓が役立ちます。最近では、シンプルなものから機能性の高いものまでさまざまな商品が豊富にそろっています。
耳栓を付けるメリット
耳栓は、周囲の雑音が気になるときに役立ちます。就寝時や静かな環境で集中して作業したいとき、耳にかかる負担が懸念されるほどの大きな音が響き渡る空間など、耳栓が活躍するシーンは意外と多いものです。
雑音をカットしてくれる
耳栓を付けるメリットといえば、やはり耳障りな雑音をカットしてくれることです。就寝時に装着すれば、気になるご近所の騒音や、同室で眠るパートナーのいびき、歯ぎしりする音などの雑音を遮断してくれるので、睡眠の質が向上するでしょう。
また、オフィスやカフェなどのにぎやかな環境で、集中して仕事や勉強をしたいときにも役立ちます。さらに、作業音が大きい工事現場や大音響のライブハウスなどで装着すれば、鼓膜や内耳にかかる負担を軽減できます。
耳栓は、雑音によるストレスを軽減してくれる点で、非常に役に立つでしょう。
耳栓の種類は4つ
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耳栓は、スポンジ・フランジ・シリコン粘土・デジタルの四つのタイプに大きく分類できます。それぞれ素材や形状が異なり、メリット・デメリットもそれぞれあります。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合ったものが選びやすいでしょう。
スポンジタイプ
最も一般的な耳栓の一つがスポンジタイプです。素材には、低反発ウレタンや弾性発泡ポリマーなど、柔らかいものが使われます。そのため、長時間使用しても、違和感を覚えにくいでしょう。
耳に押し込んで装着すれば、耳の中で膨らみ、しっかりフィットするので、高い遮音性も期待できます。ただし、水に弱い素材のものが多いため、汚れが気になっても洗えない点はデメリットといえるでしょう。
フランジタイプ
フランジタイプは、複数のフランジ(ヒレ)が付いた耳栓です。エラストマーやシリコンが素材として使用されているものが多く、耐水性に優れるため水洗いできることが特徴です。
また、フランジが付いていることで、装着しているうちに自然と抜け落ちてしまうことが少なく、安心して付けていられるでしょう。
ただし、柔らかい素材ではないため、長時間の使用は難しいのがデメリットです。また、ゴム製品でもあるため、アレルギーのある人や耳にトラブルがある人は、一度専門医に相談の上、使用した方がよいでしょう。
シリコン粘土タイプ
シリコン粘土タイプの耳栓は、粘土のように形を自由に変えることができるタイプの耳栓です。耳穴を覆うように付けて使います。他のタイプの耳栓とは異なり、外耳道に耳栓を入れないので、違和感や不快感は少ないでしょう。
どのような形の耳でもフィットさせられるので、誰でもしっかり効果を感じられるのもメリットです。
一方、遮音性は他のタイプよりは若干劣ることと、ほこりや耳垢が付きやすいことがデメリットといえます。
デジタルタイプ
最新のタイプともいえるのがデジタルタイプの耳栓です。まるでイヤホンのような見た目で、通常のイヤホンと同様に装着すれば、周囲の雑音を排除してくれます。
特に空調や機械音など、単調な騒音を遮断するのに効果を発揮するので、騒音対策として有効でしょう。
その一方で、人の声や着信音、アラーム音などは問題なく聞こえます。必要な音を聞き逃しにくいので、安心して付けていられるでしょう。
デメリットとしては、電子機器であるため、使用に際しては電池などの電力が必要になることです。電力が切れると使えないので、電池の残りや充電には注意する必要があります。
自分に合う耳栓選びのコツ
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耳栓選びで失敗しないためには、まず使用用途をきちんと想定してから選ぶことがです。その上で、使用シーンに合った特徴を持つタイプを選びましょう。
また、最もカットしたい気になる音をきちんと防げるだけの遮音性があるかどうかも大切です。しかし、睡眠時など使用シーンによっては、遮音性よりもフィット感を重視すべきこともあります。よく検討の上選びましょう。
使用用途で選ぶ
耳栓はタイプによってカットできる音の種類や耐水性の有無などが異なります。どのようなシーンで使いたいかによって、適したタイプを選びましょう。
睡眠時に使いたいなら、長時間付けていても痛みや違和感の出にくいスポンジタイプがおすすめです。一晩中付けていても気にならない上、しっかりフィットして、いびきや歯ぎしりの音はしっかり防げるので、良質な睡眠をサポートしてくれるでしょう。
雑音の多い環境で、集中して勉強や仕事に取り組みたいときはフランジタイプやデジタルタイプがおすすめです。
フランジタイプは遮音性に優れ、着脱もしやすいので、オフィスなどで使うのにも向きます。また、デジタルタイプのものなら、騒音は防ぎながらも人の声や電話の着信音は聞こえるなど、高性能のものが多く使いやすいでしょう。
シリコン粘土タイプはプールやマリンスポーツを楽しむときに向きます。耳の穴全体を覆うので、耳に水が入る心配がありません。
主な用途に合わせて、最適なタイプを選びましょう。
遮音性で選ぶ
耳栓をしても、気になる音が聞こえるようでは意味がありません。耳栓を選ぶときは遮音性もチェックしましょう。
遮音性の高低を示すのが、『NRR(ノイズ・リダクション・レーティング)』と呼ばれる数値です。この数値が大きいほど、高い防音効果が期待できます。例えば、NRR30の耳栓なら、100dB(デシベル)の騒音を70dBまでに低減させられます。
騒音レベルの目安は以下のとおりです。まずは遮断したい音の音量はどれくらいなのかを把握し、NRRの値を参照しながら十分な効果を見込めそうなものを選びましょう。
- 100dB ガード下で聞く電車の通過音
- 90dB 犬の吠える声
- 70dB 掃除機の音
- 60dB 通常の会話・人が不快に感じ始めるライン
- 50dB エアコンの音
- 30dB 人がささやく声
フィット感も大切に
耳栓を選ぶ際は、フィット感も大切です。特に就寝時や長時間集中したい場合などは、遮音性よりも重要なポイントといえるでしょう。
どんなに遮音性が高い耳栓でも、痛かったり違和感があったりして付け続けていられないなら、耳栓の効果を十分に得られません。特にリラックスすることや集中力を高めることを目的に選ぶ場合は、柔らかいスポンジタイプを検討するとよいでしょう。
また、耳の中に耳栓を入れることに抵抗のある人は、デジタルタイプの中でもヘッドホンタイプがおすすめです。
睡眠用にぴったりな耳栓
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睡眠用なら、しっかり騒音をカットしながら、付け心地のよいものを選びたいものです。ここでは、柔らかく、長時間使用しても気にならない上、遮音性にも優れた、評判の高い睡眠用の耳栓を集めました。
Macks Pillow Soft シリコン耳栓
アメリカで医者が最も勧める耳栓として人気のシリコン粘土タイプの耳栓です。多様な形の耳にフィットして、しっかり遮音し、寝返りを打ったときにも気になりにくくなっています。
元々いびきに悩む家族のために改良を重ねられた商品なので、安眠を目的として耳栓を探している人は試してみるとよいでしょう。また、全米水泳協会オフィシャルの耳栓でもあり、水泳の際に装着することで外耳炎などの感染症のリスクも低減します。
Macks Pillow Soft シリコン耳栓
Quietide 睡眠用耳栓
環境に優しく、無毒性のリキッドシリコーンを素材とする耳栓です。柔らかい素材なので、長時間使用しても耳が痛くなりにくいでしょう。
また、人間工学に基づいてデザインされた特殊な形状により、しっかり耳にフィットするようになっています。睡眠中に抜け落ちることも少ないでしょう。さらに、独自開発のフィルターを搭載することで、全ての音域の騒音を低減します。
一方で、アラーム音や警報音など必要な音は聞こえるようになっているため、非常時の心配をすることなく、安心して眠れるでしょう。
Quietide 睡眠用耳栓
シンプルで使いやすい耳栓
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シンプルでスタンダードなスポンジタイプのものでも、十分遮音効果を感じられるものがたくさんあります。価格がリーズナブルなものも多く、試しやすいのもメリットといえるでしょう。
MOLDEX メテオ
柔らかい低反発の発泡ウレタンフォーム素材で、長時間装着していても快適に過ごせます。適度な弾力によって、しっかりとしたフィット感があるでしょう。独特ともいえる曲線部分は、装着した際に耳の中の形に沿うようにデザインされており、少ない圧迫感で高い防音効果を発揮します。8ペア入っており、1ペアずつ個包装されているので、毎回清潔に使えて安心です。
MOLDEX メテオ
ミドリ安全 耳栓
作業服や安全靴などを主に販売しているメーカーの耳栓です。万が一、装着中に落としても見つけやすいよう、オレンジ色のデザインになっています。
発泡ポリマーに特殊樹脂加工を施した素材を使用し、耳に装着すると、ソフトな膨張圧力によってしっかりフィットします。自然に膨らんで、どんな人の耳にもピッタリ合うでしょう。1袋あたりの入数は5組です。
ミドリ安全 耳栓
3M イヤピース・遮音性耳栓
スポンジタイプのスタンダードなデザインの耳栓です。ポリウレタンフォーム素材で柔らかく、通常のウレタン素材よりコシが強いため、適度な復元力があります。耳に優しくフィットし、雑音をカットしてくれるでしょう。
サイズはやや小さめなので、小柄な人や女性におすすめです。商品は1ペアずつ個包装され、1ペア・5ペア・10ペア・100ペアから選べます。
3M イヤピース・遮音性耳栓
機能性が高いデジタル耳栓
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「雑音は防ぎたいけれど、必要な音は聞こえないと困る」「普通の耳栓では防ぎきれない音を何とかしたい」そんな難しい要望にも応えてくれる高機能なものも、デジタル耳栓にはあります。
それなりに高価なものもありますが、それに見合うだけのパフォーマンスを提供してくれるでしょう。
キングジム デジタル耳せん ホワイト MM1000
イヤホンのように耳に装着して、スイッチをオンにすれば、エアコンの音や飛行機のエンジン音といった環境騒音だけを約90%もカットしてくれます。一方で、人の呼びかけ声や車内アナウンス、電話の着信音など、必要な音は聞こえるので安心です。
85cmのコード付きなので、カバンやポケットの中に入れたままでも使いやすくなっています。コードストッパー付きなので、絡んだり断線したりしにくいのも使いやすいポイントでしょう。
キングジム デジタル耳せん ホワイト MM1000
Bose Sleepbuds II
快眠を得るために開発された小型のイヤープラグです。耳にしっかりフィットするよう設計され、さらにイヤーチップが耳をふさぐことで周囲の雑音が耳に入らないようになっています。
また、ノイズマスキングサウンド機能搭載で、不快な音を抑えながら、リラックスできるサウンドが流れる仕組みになっています。良質な睡眠がとれるよう、しっかりサポートしてくれるでしょう。
アプリをダウンロードして使えば、50曲以上のサウンドから選べたり、パーソナルアラームを設定したりできるのも便利です。
Bose Sleepbuds II
なくしづらいコード付きの耳栓
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コード付きの耳栓なら、万が一耳から耳栓が抜け落ちてもなくしてしまう心配がありません。ここでは、コード付きで、シンプルなものから機能的なものまでを集めました。
TRUSCO 耳栓 4段フランジタイプ コード付
装着しやすく抜け落ちにくいフランジタイプの耳栓です。フリーサイズで、どんな耳にもしっかりフィットしながら雑音をカットしてくれます。680mmのコードが付いているので、万が一抜け落ちてもなくす心配がありません。
素材は熱可塑性エラストマー(TPR) とポリ塩化ビニルで、汚れが気になるときには洗うことができます。いつでも清潔に使えて便利でしょう。
TRUSCO 耳栓 4段フランジタイプ コード付
3M イヤープラグフランジタイプ
ひも付きのフランジタイプの耳栓です。大きさの異なる3つのフランジにより、どんな耳にもしっかりフィットするでしょう。素材には熱可塑性エラストマーが使われており、従来品よりも柔らかく快適な付け心地がします。
通常の会話で使用される1000Hzの音域に対する遮音量は低いため、人の声が聞こえやすく、装着したまま会話することもできるでしょう。
耐水性にも優れ、汚れが気になったら洗えるので、いつも衛生的に使えます。
3M イヤープラグフランジタイプ
遮音性の高い耳栓で騒音をカットしよう
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私たちは普段、騒音の中で過ごしているものです。家電の音や隣近所の生活音、就寝時のいびきや歯ぎしり、オフィスや電車内での雑音など、あらゆるところでノイズに囲まれています。一度気になり出したら不快感を覚えてつらいものでしょう。
そのようなストレスは、遮音性の高い耳栓を使用することで簡単に排除できます。特に昨今では、従来のシンプルな耳栓だけでなく、デジタルタイプなど高い機能性を備えた商品も多く販売されています。
用途や好みに合わせて、雑音の中でもより快適に過ごせる耳栓を選び、雑音によるストレスから解放されましょう。