寒い冬のお風呂場は非常に寒く、入浴が面倒になってしまうものです。しかし、浴室暖房機を設置していれば、寒い日でも快適に入浴できます。乾燥機能も付いていて、雨の日や花粉シーズンにも重宝します。コストや選び方を知り、ぜひ導入を検討しましょう。
目次
浴室に暖房器具は必要?
浴室に暖房器具を設置すれば、寒い時期の入浴がとても快適になります。ヒートショックのリスクも下げられるため、特に高齢者のいる家庭では導入を検討するとよいでしょう。
一方、コストがかかるものなので、本当に必要かどうかをしっかり検討の上、導入を決めることも大切です。
冬場の入浴を快適にしたい人におすすめ
寒い冬場はお風呂場も冷え切っているものです。暖房の効いたリビングとは10℃以上の温度差があることも珍しくなく、寒さが際立ちます。お風呂に入るのが面倒に感じられることもあるでしょう。
しかし、浴室に暖房機を設置しておけば、先に浴室を暖めておくことができ、寒い日でも快適に入浴できます。
また、急激な温度変化によって血圧が乱高下することもなくなるので、ヒートショックが起きるリスクも下がるでしょう。
浴室に暖房機を導入することで、快適かつ安全に入浴することができるようになるのです。
使う頻度やコストによっては検討が必要
浴室暖房機を設置しても、使わなければ意味がありません。
使用頻度は、特に家族構成によって決まるでしょう。家族に高齢者や介護者がいる場合は、ヒートショック対策のためにも浴室暖房機の導入は有効です。
また、コスト面も導入を決める上で大切なポイントです。浴室暖房器具の設置には、工事費込みで、通常8万~10万円ほどの費用がかかります。
特に賃貸住宅の場合は、退去時に原状回復をする必要があるため、さらに費用がかさむことになるでしょう。
賃貸住宅で取り付けたい場合は、『壁取り付け型』のものを選ぶのがおすすめです。工事が簡単なため、原状回復費用が比較的安く済みます。
なお、取り付けの前には必ず大家さんや管理会社に相談するようにしましょう。
浴室暖房器具の選び方
(出典) photo-ac.com
浴室暖房器具を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。コストや好み、居住形態を考慮しながら選ぶと、失敗は少ないでしょう。
「熱源」のタイプで選ぶ
浴室暖房機の熱源は、『電気』と『ガス』が主流です。
電気式の場合は、比較的簡単な工事で設置できるため、初期費用が安く済むことがメリットです。一方、浴室を暖めるのに少々時間がかかり、ランニングコストが高くなることがデメリットといえます。
しかし、電気式の中でも、遠赤外線ヒーターが搭載された機種なら、比較的短時間で浴室を暖められます。その分、ランニングコストも抑えられるでしょう。
また、ガス式の場合、設置工事が大掛かりになるので、導入費用は高くなる傾向にあります。しかし、浴室を短時間で暖められるため、ランニングコストは安く済むでしょう。
熱源のタイプは、コストを考慮しながら選ぶことが大切です。
「搭載機能」の種類で選ぶ
浴室暖房機は、どのメーカーのものを選んでも、基本的な搭載機能はほとんど同じです。暖房・衣類乾燥・換気・涼風・24時間換気の五つは、基本機能として搭載されており、性能についても違いはほとんどありません。
そのため、細かい機能の違いで選ぶことになります。シャープの『プラズマクラスター』やパナソニックの『ナノイー』に代表されるイオン放出機能や、就寝中に節電しながら衣類を乾燥できる機能など、好みに合った機能のものを選ぶとよいでしょう。
「形状」で選ぶ
浴室用暖房器具を選ぶ際は、形状も重要な基準の一つです。現在の住まいの居住形態に応じて、ある程度絞られた中から選ぶことになります。
持ち家に住んでいて、大掛かりな工事をしても問題ないなら、『天井埋め込みタイプ』や『壁取り付けタイプ』がよいでしょう。スペースを取らずに設置でき、邪魔になりません。
賃貸住宅の場合は、簡単に設置可能な『置き型ヒーター』がよいでしょう。このタイプは、洗面所に設置し稼働させることで、浴室も一緒に暖めます。
防水機能や転倒防止構造をしたもの、人感センサー付きのものなど、安全に配慮したものを選ぶと安心です。
浴室暖房機能と乾燥機能に違いはあるの?
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大抵の浴室暖房機には、暖房機能のほかに乾燥機能も付いているものです。暖房機能と乾燥機能では、空気の循環の仕方が違い、役立つシーンも異なります。
また、涼風や換気機能も適切に利用することで、いつでもお風呂場を快適な状態に保てるでしょう。
浴室暖房乾燥機は洗濯物も干せる
大抵の浴室暖房機には、浴室を暖める暖房機能だけでなく、洗濯物を乾燥させる乾燥機能も付いています。
暖房機能が、暖かい空気を送り出してくれるだけであるのに対し、乾燥機能は暖かい風を室内で循環させ、排気も行います。
天候に関係なく洗濯物を乾かすことができ、花粉やPM2.5などが気になる場合にも重宝するでしょう。
また、湿気がたまることもないので、カビの発生や部屋干しの嫌な臭いも防げます。浴室で洗濯物をきれいに乾かすことができるのです。
涼風や換気機能も役立つ
涼風や換気機能を使用すれば、湿気が多く、暑い季節の入浴をより快適に行えます。
浴室を換気して湿気を取り除きながら、風を送り込んでくれるので、浴室の空気が爽やかなものになるでしょう。お風呂から上がったら、すぐに汗だくになってしまうということも避けられるはずです。
さらに、入浴後は換気機能をオンにしておけば、湿気や臭いがこもるのを防げます。結露の発生も抑えられるので便利でしょう。
浴室暖房の電気代はどのくらいかかる?
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浴室暖房の電気代は、機種や電気料金プラン、使用時間によって変わります。暖房機能の電気代はそれほど高くつきませんが、乾燥機能を使う場合は比較的高くつくといえるでしょう。
暖房機能を使った場合
浴室暖房は、一日中つけているわけではないこともあり、比較的安く済みます。標準モデルの場合、1カ月あたりの電気代は1000円前後で収まることが多いでしょう。
例えば、AC100V標準モデルの浴室暖房を使用する場合、1時間あたりの電気代は30円程度です。1日1時間ずつ1カ月使用すれば、約30円×1時間×30日=約900円の計算となります。
また、AC200Vのハイパワーモデルの場合は、1時間あたりの電気代は約60円です。同様の条件の場合、約60円×1時間×30日=約1800円と2000円以内には収まるでしょう。
乾燥機能を使った場合
浴室暖房の乾燥機能の電気代は、外気温にもよりますが、3時間で100~140円程度です。洗濯乾燥機で乾燥した場合、1回あたりの電気代は約20円ですので、洗濯乾燥機よりは電気代が高くなるでしょう。
機種によっては、節電モードを搭載されているものもあり、その場合は10時間で約40~100円で済みます。
通常モードよりは安くなりますが、洗濯乾燥機を使うよりは高いため、浴室暖房機で洗濯物を乾燥させるのは高くつくといえるでしょう。
後付けできる浴室暖房乾燥機
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後付けできる浴室暖房乾燥機なら、リフォームをしなくても設置可能です。
通販で購入する場合は、設置工事の有無やサイズの確認などを必ず行ってから購入するようにしましょう。
高須産業 浴室換気乾燥暖房機 BF-861RGA
既設換気扇の換気口がある場所に設置する、壁取り付けタイプの浴室暖房乾燥機です。熱源は電気ですが、グラファイトヒーターを採用しているので、浴室が素早く暖まります。
また、浴室内での人の動きをセンサーが感知する『人感センサー』が搭載さています。自動運転するので、無駄な運転をすることがなく経済的です。
操作はリモコンで簡単に行えるのも、機能的で使いやすいでしょう。
高須産業 浴室換気乾燥暖房機 BF-861RGA
三菱 浴室暖房乾燥機 V-241BZ
天井に取り付けるタイプの浴室暖房乾燥機です。足元にもしっかり暖かい空気が届くロング気流暖房で、より短い時間で床面を暖めてくれるでしょう。
また、湿温度センサーが搭載されており、ヒーターパワーを自動で切り換えて、浴室内を常に適温に保ってくれます。
さらに、浴室や衣類の乾燥状態も感知し、無駄な運転を抑えてくれるので、電気代の節約が可能です。
『省エネ乾燥』モードを選べば、安定した風量による24時間換気もできます。
三菱 浴室暖房乾燥機 V-241BZ
浴室暖房乾燥機を使いこなして快適な入浴を
(出典) photo-ac.com
浴室暖房機を設置することによるメリットは、寒い冬の日の入浴を快適にできるだけではありません。乾燥機能を使うことで、外で洗濯物が干せない日にも衣類を乾かすことができ、大変便利です。
また、涼風・換気機能を使えば、寒い季節だけでなく、ジメジメした蒸し暑い季節にも、浴室を快適な状態に保つことができます。
ぜひ浴室暖房乾燥機を使いこなし、一年中快適なバスタイムを楽しみましょう。